インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編 作:灰崎 快人
あれから一週間がたった。俺は結局夏木に勉強を貰うことができた。だがこれはあくまで基本中の基本を理解しただけに過ぎない、知識を深めるのはいいがそれを利用できる技能が無ければ色々と不可能だろう。
「蓮大丈夫?」
俺の隣にいる夏木が心配そうにこちらを見てくる。もちろん大丈夫ではない、あいては手馴れたIS操縦者こちらが勝つことはほぼ不可能だろう。
「まぁ……うん。」
「頑張ってね?」
更衣室のモニターを見てみるとそこでは俺のクラスメイトや他のクラスのやつまでいた、だが男の姿はそこに無かった。
「男は誰一人見に来ないんだな。」
「僕達以外の男性操縦者は退学したらしいよ。」
「なんで!?」
「専用機がもらえなかったから。」
なんだその馬鹿みたいな理由。本気で言ってるのか?確かに俺も専用機欲しさにこの学園に入ったが、まさかそれだけの為に入学してきたとは。
「そいつらはどうなったんだ?」
「わからないけど、噂では全員研究所送りになったらしいよ。」
「解剖ってやつか?」
「たぶんそうだと思う、織斑一夏さんは今日本の代表として戦ってるから簡単に研究なんて出来ないし。二人目である黒神千春さんは戦死して遺体が発見されていないからね、どちらにしても男性操縦者が生まれる原因がわかっていないんだ。」
「そうか……」
絶対研究所送りになりたくないな、ここで全力出さないと本当に不味い。
「それで蓮はどっちのISを使うの?」
このIS学園には訓練機が二種類ある。日本企業で開発されている『
「この斬鉄だ。」
「そうなんだね、てっきり高機動型のジュネスを使うかと思ったけど違ったね。」
「まぁ高性能を扱えるかと言われれば無理だろうからな。」
凡人は磨かなければ凡人のまま死んでいく、その為にも俺は基本から学んでいく必要がある。
「それじゃあ頑張ってね、応援してるよ!」
「おう!ありがとうな!」
そうして俺は斬鉄を展開して装着、カタパルトへと移動する。よくロボットアニメでありそうなカタパルトだ、ここから射出されて俺はアリーナへと出撃する。
『枯野蓮君、出撃してください。』
「枯野蓮、斬鉄いきます!」
そうして俺は専用機持ちがいるアリーナへと出撃していった。
「この感じ懐かしいですわね。」
「セシリアが確かこんな感じだったんだよね?」
「そうですわ、あの時は千春さんと織斑さんとの戦いでした。」
セシリア・オルコットはIS学園一年の頃、クラス代表を決めるとき男性操縦者二名と初めて戦ったことを思い出していた。
『わざと外したな?初弾外しは慢心だぞ?』
『行きなさい!ブルー・ティアーズ!千春さんを徹底的に追い詰めて差し上げますわ!』
『俺は最高の姉を持ったよ、でもそろそろ守られるだけの関係は終わらせなくちゃな。これからは俺も俺の家族を守る。』
あの頃は男性というだけで不快なイメージを持ってしまっていたが黒神の影響もあり、今では男女平等な対応をすることが可能になった。そう考えると皆あれから成長しているみたいだ。
「もしわたくしが
「そうかもしれないな、だがお前は千春と全力の戦いを見せたんだ。それに悔いはないだろ?」
あの時のことを知る千冬さんが横に並ぶ、千冬さんはあの時のことを全て知っており尚且つ千春さんのパートナーでした。千春さんの全てを知っているといってもおかしくない。
「そうですね、あの戦いに後悔はありません。」
「フッ……立派になったものだ。」
「それは千冬さんもじゃないですか。」
後ろから声をかけられる、振り返るとそこには一年の頃私たちの副担任を勤めた
「最初の頃は毎日ヤケ酒で酔いつぶれて、千春さんが着ていた服を大事に抱えながら寝ていたくらいなのに―――」
「山田君、コーヒー飲まないか?」
いつの間にか千冬さんの手元にはコーヒーの入ったカップが握られていた、その後ろには砂糖などの調味料が配置されていた。一体いつから?
「はい?いただきます。」
疑いもせずにカップを受け取る。そのままコーヒーを口に流した瞬間、山田先生はどこかで味わったことがあるような表情を浮かべていた。
「織斑先生……もしかしてこれ……」
「微塩のコーヒーだ一気に飲むといい。」
「酷いです……」
相変わらずの鬼だと、私たちは実感した。ラウラさんにおいては懐かしいと微笑んでいる、そう言えばラウラさんは千冬さん千春さんLoveでしたわね。
「そこまでひどかったんですね……」
シャルロットさんが苦笑いしながらそう呟く、このなかで二番目に千春さんと関係が深くなったのはシャルロットさんかラウラさんだろう。シャルロットさんは過去に男性操縦者と偽ってこの学園に転入して来ました、それが千春さんにばれてしまいましたけれど彼が色々と駆使したようで今のシャルロットさんがいるみたいですね。千春さんとお風呂に入ったといったときにはかなり荒れていましたけれど。
「何を言っているシャルロット、お前も悲しみで副教官との思い出に閉じこもっていたではないか。思い出の写真を見ながらなんども絶頂に―――」
「うわぁぁぁ!何を言っているのかなラウラは!そんな訳無いじゃないか!それ言ったら君だって千春さんが愛用していたシャンプーとか徹底的に調べつくしてたじゃないか!」
「何を言う!あれはただ買い物をする為にメモをしただけだ!決して副教官と同じものを使いたかったからしたかったわけではない!」
なんというか言い訳にしか聞こえない二人の会話が飛び交う、全くこの二人は相変わらずですわね。
「箒さんと鈴さんは織斑さんとその後どうですか?」
「私と鈴は式を挙げずに届けだけを出している、一夏も私たちも忙しいからそこまで営みなどは無いがな。」
「あたしもそうね、というかほとんど家に帰れないときがあるからほとんど一夏と会っていないのよね。」
箒さんと鈴さんは織斑さんと同居していることは知っていましたが、まさか既に籍を入れているとは……先を越されましたわね。
「結婚してたんだ、知らなかった~」
「千冬さんからの許しも出ていたからな、そこからは簡単だった。」
生々しい会話が続く、そろそろ私たちは実践の開始をアナウンスしなければならないので話はここまでにしましょう。
「枯野蓮、出撃してください。」
シャルロットさんが通信を通して三番目の男性操縦者へとコンタクトする、まともそうな男性ですね。他のクラスの男性操縦者の人は今頃研究所で解剖されているのでしょうけど。
「それで初夜はどうだったんだ?」
再び生々しい会話に戻る、会話を再開したのは千冬さんだった。
「さすがにそこまでは……千冬さんも千春さんとの初夜を話してくれるならいいですよ?」
「うっ……正直そこまで面白くない話だぞ?あの時はお互いにお酒が入っていたのだから。」
「それでもいいですから話してくださいよ~僕も気になりますから。」
「それは私も気になる、教官教えてください。」
シャルロットさんとラウラさんが興味津々に千冬さんに聞き入る、千冬さんは嫌な顔をしながらも全てを話してくれた。
「さてと、この機体をどこまで生かせるか……試してみるか。」
俺はアナウンスが入るまで機体を身体にフィットさせている。