インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編   作:灰崎 快人

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想いと言葉

あれから数週間が過ぎ時は五月となった、今月の大きなイベントはクラスによる対抗戦だろう。僕らのクラスからはフラガさんが代表として出場する。

 

「相手の実力は分からないけど、頑張ってねフラガさん。」

 

「あぁ私としても油断はしないさ、ナツキも応援しておいてくれ。」

 

数週間のうちに僕はフラガさんと話す機会が多くなり、今では友達以上の関係になっている。蓮のほうはどうやら難航しているらしく、友達があまり出来ていないように見えた。うーん蓮自体は悪くは無いんだろうけど……大丈夫かな?

 

 

畜生、あれから数週間がたったというのに一人も連絡先が手にはいらねぇ!一対何が原因なんだ?俺のセンスか?まったく分からない。俺には出来ないことを夏木はいともたやすく行っている、それにフラガとも親しげに話をしているし……何がいけないんだ!俺とあいつ何が違うって言うんだ!

 


 

「そういえばフラガさんの使ってるIS凄い見た目だよね、高機動高出力て感じだし。」

 

「あぁ私がこうしてくれと頼んだんだ、確かに装甲はかなり薄いかもしれないが当たらなければどうと言うことは無い。装甲を削ったおかげで軽量化にも成功している、それで高速で駆け抜けることが出来るんだ。」

 

「なるほど……装甲を削ればか。でも万が一被弾したらどうするの?」

 

「大丈夫だ、私は被弾しない。全てを避けるかいなせばいい問題だ。」

 

「代表候補生だけあるか、そんな事簡単にいえるなんてうらやましいよ。僕みたいな凡人には到底手が届かないだろうけど。」

 

そもそも専用機がないんだから訓練の仕様が無い、それは僕にかかわらずこのクラスに居る皆に言えることなんだけど。

 

「そうか?ナツキは真面目だからとことんやれば私を超えそうな気はする。」

 

「まさか、僕の適正はCなんだよ。たとえ鍛えたとしても中の下が限界だよ、僕よりも蓮のほうが適正も高いからね。彼のほうが実力は上だよ。」

 

フラガさんが何か納得のいかないように表情を歪める。僕に何か求めているのだろうか?それともいやな思いをさせてしまったのだろうか?

 

「確かにあいつは適正が高いかも知れないがそれとこれとは別だ、知識があってこそ技術に応用できると言うものだ。」

 

「確かにそうかもしれないけれど、実力が無ければその学んだことも活かせないんだよ。」

 

「それは実力を上げていけばいいんだ。私が訓練をつけてやろうか?」

 

彼女から直々に教わる、これはうれしい話だ。だけど彼女の時間を減らしてしまっていないかと心配になってしまう、僕に時間を使うよりも自分自身に時間を使ったほうがいいのではないかと思い込んでしまう。僕の悪い癖なのかもしれないな。

 

「いいのかな?」

 

「あぁ私は問題ない、お前は大丈夫か?」

 

「僕は……うん大丈夫だよ。」

 

「そうか、ならば決まりだな。」

 

そんな話をしているうちに授業を始めるチャイムが鳴り始める、デュノア先生とラウラ先生が教室に入室し授業が始まった。

 


 

「それでは今回、ISの実践を行いたいと思います。午前は知識ですが午後からはアリーナに入ってISの操縦を行ってもらいます。なので支給されているISスーツをしっかりと持参してください。」

 

「忘れたものは下着で参加してもらう、それが嫌なのであればしっかりと持参するように。」

 

なんてことだ、そんな美味しい展開があっていいのだろうか。誰かスーツ忘れてくれないかな?あっ勿論俺は忘れないけど。女子の誰かが忘れてくれたのであればめちゃくちゃ目の保養になるからな~

 

ISスーツ……そんなの貰っていたかな?あとで部屋に戻ってしっかり確認しよう。そもそもあけていない箱とかもあるからその中に入っているのかもしれないな。確か蓮のものもそのなかで一緒にされていたはず、蓮にもしっかりと話をしておかないといけないな。

 

「それでは授業を始めます!」

 

そうして授業が始まった。ISに搭載されている機能からその派生したものであるIDについても少し解説がなされた。だけどIDに関しては凍結対象にされているため特に感心する声とかも無かった。けれどIDを解説しているときのデュノア先生とラウラ先生の表情が一瞬暗くなったのは見逃さなかった、きっと二人はこの機体に乗っていた人物と関係があったのだろう。

 

IS以外にもIDていうものがあったらしいな、今は凍結状態だが篠ノ之博士のみが開発できることには変わりない。ISとそこまで変わらないが安全性を欠いたものなど使用できないだろう。だがそのリスクは実に魅力的だ、それにあんなに大型ではないと言うところが特に一番だと思う。まるで服のように装着できるところがさらに魅力的だ。彼女と出会うことがあるのであれは是非開発をお願いしたいところだな。

 


 

「では午前はこのあたりで終わります。」

 

「午後は実践だ、しっかりと食事を取って忘れ物をしないことだな。」

 

ラウラ先生がしっかりと僕たちに釘を刺して教室を去っていく、うんしっかりと確認をしておくことにしよう。

 

「夏木~飯食いに―――」

 

「ナツキ、一緒に食事をしないか?」

 

蓮が僕のことを誘うとした瞬間、フラガさんが割り込むように僕を食事に誘ってきた。えっと……僕はどちらを取ればいいのかな?

 

「じゃあ三人で行こうか、僕も色々と話したいこととか準備したいこととかあるからね。」

 

「「分かった。」」

 

二人を納得させるにはこれしか思い浮かばなかった、正直フラガさんか蓮のことをあまりよく思っていないみたい。それに蓮のほうもフラガさんに対してあまりよく思っていないみたいだ。これから先色々あるんだから協力していこうよ……

 


 

「それでクラリッサ、メールのほうはどうだ?何か解析が出来ただろうか?」

 

『こちらでも限界がありますが、ある程度は解析が完了しています。』

 

「途中でもいい、その解析結果をこちらに送信してくれ。」

 

『分かりました。』

 

私たちの力ではあの文章を完全解析することは不可能だった、しかし誰が送ってきたのかということだけはしっかりと判明していた。あのメールの差出人は「黒神千春」私が軍に所属してたときの副教官を務めていた人物であり、教官の幼馴染であり婚約者(予定)である。何故予定なのかと言うと教官は副教官に告白、プロポーズを行っていないからだ。これは箒と鈴を抜いた私たち全員が言えることだが結婚をしていない。理由は勿論黒神千春にある、彼がこの場に帰ってくるまでその言葉は言わないでほしいと彼自身の口からそう言われたのだ。結果的には彼は帰らない人となってしまった。はずであったがこのメールは彼から送られている、つまりこの中の誰かが彼に思いを伝えることが出来ると言うことだ。

 

『隊長?』

 

しかし私たちは蹴落としあうつもりは無い、勿論一人ずつ彼にこの思いを伝える。その中で彼が私たちの中から誰を選んでくれるかが問題なのだ、私の予想では私自身……と言いたいところだが私の本当の予想は教官である織斑千冬だ。何故彼女なのかと言えば答えは簡単である、幼馴染であり数々の壁をともに乗り越えてきたからだ。

 

『隊長~?』

 

私たちとは通ってきたものが違う、違いすぎるのだ。だから私たちが選ばれることは無いと思ってしまう、しかし何処かで私を選んでくれないかと期待を寄せてしまっているところがあるのが本音だ。勿論希望が薄いことは分かっている、私もシャルロットもセシリアも同じ気持ちだ。しかし私は―――

 

『ラウラ・ボーデヴィッヒ!』

 

「なっなんだ?」

 

『データの送信が終わりました、確認をよろしくお願いします。それと―――』

 

クラリッサが真面目な表情を浮かべる、何かあったのだろうか?私は彼女の声をあまり聞けていなかったため、それを怒っているのかもしれない。

 

『自分の事過小評価しないでくださいね、彼にもしっかりと貴女との記憶は深く刻まれているのですから。』

 

「クラリッサ……ありがとう。」

 

『教員のほう頑張ってください、応援しています。』

 

そう言って彼女からの通信を終える、自信を持って接していたんだ。忘れられていなければチャンスはある。しかしそれはセシリアたちも同じ、油断はしていられないな。

 

「教官、クラリッサからの解析データが送信されました。」

 

「ご苦労だった、全員に伝達してくれ。」

 

「はっ!では読んでいきたいと思います。」

 

その言葉一つでで職員室の空気がガラリと変わる、昔を思い出すと言うものだ。

 

「IS学園に三機の重装備型IVSが向かっている。この事が起こる前に一般生徒を避難させておく必要がある。専用機がいるからと決して油断してはならない。このことを彼女たちにも伝えてほしい、また織斑一夏を呼び出せ。あいつの力が必要になるかもしれないからな。黒神千春。以上です。」

 

ありがとうクラリッサ、これで彼が伝えたかったことが明確に分かった。この学園に向かってあの機体が三機も向かっていると言うことだ、過去の私たちはこれにまったく歯が立たなかった。しかし篠ノ之博士の力もあり何とか墜せるぼどの力を身につけることが出来た。その戦いの最後で彼は爆発と共に消え去った。

 

「つまりわたくし達にはいつでも動けるように用心していろと、そして専用機を手放さないようにしろと言うことですか?」

 

「それと一夏を呼ぶということだ。実際私達はかなり実力が落ちてしまっている可能性がある、そのことを危惧しての忠告文なのだろう。」

 

確かにそうかもしれない、教師になってからはISを装着する機会も少なくなってしまった。しかし教師になっていなければこうして皆に伝えることすら出来なかっただろう。

 

「ともかく箒と鈴は一夏に連絡を取れ。セシリア、シャルロット、ラウラ、楯無、簪はISを待機状態で身につけておくことだ。私も封印していた機体を引っ張り出す。」

 

全員本気で挑まなくてはならない、少しでも外に被害が出てしまえばそれは私達教員の責任となる。私達の力が不甲斐ないばかりに未来のある生徒達を傷つけさせてはいけない、例え命に代えても護って見せよう。

 

「では午後の授業準備を各自行うように、なおこの話は外部に漏らさないこと。以上解散!」

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