インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編 作:灰崎 快人
「それではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。フラガ、ネフィロそれとナツキは前に出て来い、ISを展開して飛んで見せろ」
「あのラウラ先生、僕は専用機を持っていないんですけど……」
「それならば問題ない、お前にはジュネスを操縦して貰うからな」
ジュネスを!?万能タイプの斬鉄じゃなくて高機動型のジュネスを扱うのか。どうだろうこれで二回目だからちゃんと扱えるかどうか、心配だな……
「大丈夫かナツキ」
「うん、ちょっと不安だけどね」
「高機動型はその名の通り速度が通常のものより特化している、下手に動かすとGにやられるから気をつけろよ」
フラガさんもネフィロさんも心配してくれるなんてありがたいな~じゃあちゃんと安全に考慮して扱わないとね!
「飛べ!」
フラガさんとネフィロさんは勢い良く上空へ飛び立った、僕も続いて飛ばないと!ISには乗りなれていないけれど何とか安定させて二人についていく。二人のISよりもジュネスはスペックは劣っているけれど、それでも付いていける。
「安定しているなナツキ、イメージがしっかり出来ている」
「必死だけどね!」
「いい操縦者になれるな」
ほめてくれるのはありがたいけど、こっちは精一杯。少しでもイメージを崩せば速度と機体の安定性が落ちる、少しでも集中しないと!
『そこまで!』
急にオープン・チャットからラウラ先生の声が聞こえてくる、いきなりだったからビックリして機体のバランスが疎かになってしまった。頭のリソースを会話にも回せるように余裕を持たせないといけないね
なんだよ扱いなれてるじゃねーか~まぁ俺には到底敵わないだろうけどな!俺のセンスにあいつが勝てたことなんて一度も無い、勉強で勝てたことは一度も無いけどな!
『フラガ、ネフィロ、ナツキそこから急降下と停止をしてみろ。目標は地面から十センチ、ナツキは三十センチだ。』
「「「わかりました」」」
夏木だけ三十センチか。さてさて?どんな惨めな姿を見せてくれるんだ?地面に激突か?それともひよって五メートルとかで止まるか?
俺はニヤニヤが止まらなかった、その表情をラウラ先生とジュノア先生に見られているとも知らずに
「ナツキ先に待っているぞ」
「頑張ってね!」
そう言って二人は先に急降下をして見事停止をして見せた、代表候補生として当たり前の技能と言うことなのだろう。それに対して僕は普通の男性操縦者、こんな基本的なことも至難の業だ。
「ではナツキやって見せろ」
よし!僕の番だ!意識を集中させて急降下を行う、少しずつ近づいてくる地面に恐怖を感じながらもしっかりとタイミングを逃さないようにする。ここで間違えたら地面に激突する!地面から十メートルに達したところで急転回を行い降下の勢いを押し殺していく、少しずつ着実に地面との接触をさけて機体を停止させた。
集中力が切れて周りを見回したとき、皆の表情は驚愕していた。
「地面から十センチジャスト……ここまでとはな」
「凄いよナツキ!初めてでここまで出来るなんて!」
「凄まじい集中力だ、その分身体に負担がかかってしまったか」
どうやら二人と同じくらいで止められたみたいだ。集中力が切れてしまった僕は立っているのがやっとな位だった。フラガに少し抱えられながら何とか体勢を立て直して、ラウラ先生の話を聞くことにした。
「ナツキ、お前は少し休んでいろ。無理に身体を動かしてしまえばコトになるからな」
「はい……すみません」
「ナイストライだったぞ」
ラウラ先生は僕の頭を撫でながら優しく微笑んだ、それに僕は少しの達成感を感じながらISを解除した。駄目だやっぱり力が入らない、恐怖と集中力が同時に切れたからかな。
「おつかれ夏木」
「ありがとう蓮」
フラガから蓮に明け渡された僕はゆっくりと呼吸を整えながら、授業に参加するのだった
いいところ見せやがって、俺は散々ぼろぼろにされたのによ!お前はいいところばかりだな!なんだよこの格差は!俺に悪いことなんて頭以外に無いはずだぞ、それなのになんでこんなブスのほうが人気あるんだよ!意味がわからねぇ!
「ナツキの代わりにレン、お前がこのISに乗ってみろ。そして武装を展開して見せろ!」
「よし!」
正直その機体に搭載されている装備は一切知らないが、アシストで教えてくれるからな後は想像力の問題だけだ!
「ではフラガ、武装を展開して見せろ」
「はい!」
気合の入った返事をするとフラガは自身のISに装備されている武装を一気に展開していく、スペイン製の機体名前は分からないが高機動型のISで独特の形をしている。装甲が少ないがその分速度が乗る。カスタムウイングはBT兵器としても活用することが出来、見た感じだと十機のBTを展開することが可能だ。
兵装は剣とマシンガンそれにBT兵器、それ以外にもあるだろうな
「よろしい、だが後0.2秒速く展開できるようにしろ」
「分かりました!」
「次にネフィロ!展開して見せろ」
「はい」
ネフィロの機体はメキシコ製の近接戦闘特化型、基本の武装は腕と脚になるためそれに関係したものが多い。トンファーにナックル、脚にはビームの刃を出すことが可能だ。そして遠距離戦を補う為に拳から衝撃砲を放つことが出来る、目に見えない衝撃の為いつ被弾するのか一切分からない糞……すばらしい武装だ。
「いいセンスだ」
「ありがとうございます」
よし残りは俺の番だ、ジュネスに搭載されている装備一覧を確認する、高機動型に射撃戦がメインとなるようで銃ものばかりだった。近接武器はナイフ一本。これだけなら簡単だな!
「レン、十秒で展開して見せろ」
十秒何とか間に合うか!?
アサルトライフル、ショットガン、グレポンと武装を展開していくがその時点で既に十秒は過ぎていた。ナイフを展開したとき、十五秒になってしまっていた。
「五秒遅れたか、だがまあいいお前はルーキーだからな」
「……どうも」
だが五秒の遅れは俺にとって負になってしまった、プライドが高いと言われそうだがその通りだ。俺はきちんとこなしたかったが、結局上手くいかなかった。これで周囲の目が変わってしまいそうで怖いのだ。
「よしでは次だが―――」
そうして授業はスムーズに進行されていった。途中夏木が復活し俺と操縦を交換した、その時フラガが心配そうな目で見ていたのを俺は見逃さなかった。
「今日は疲れたね~」
「そうだな」
授業が終わった僕達は寮へと戻り身体を伸ばしていた、今日一日でISの操縦技術を学べたことは僕たちにとってとても有益な情報だった。フラガさんが優しく教えてくれたおかげで、ある程度頭の中で理解することが出来た。あとは実際に動かして実践するだけだとラウラ先生からのお墨付きを得られたのもうれしかった。これからの授業がとても楽しみで仕方が無い。
(明日はどんな授業をするのかな~)
夏木が楽しそうに天井を見上げている。それもそうか、俺と違って飲み込みが速いし先生からお墨付きをもらってたしな。それに対して俺は飲み込みが遅く、操縦も粗いと言われた。ランクはAなのに何処で差がついた?教え方か?いやデュノア先生に教わっているんだそんなわけが無い。やっぱりおれ自身の問題なのか……
(夏木みたいにしっかり学びなおすとするか)
「そろそろご飯食べに行く?」
「あー俺はまだいいや先行けよ」
「わかった、じゃあ行ってくるね~」
俺の目標の為に俺自身が変わっていかなくちゃいけないのか。昔夏木に言ったことがそのまま帰ってくることになろうとな、面倒だが少しずつ変えていけばいいだろ~
まず女作ってからな
「ナツキ、隣いいか?」
「フラガさんいいですよ~」
最近食堂でフラガさんに会うと、相席になることが多くなった。彼女は人気者だから人が集まりやすい、そうなった場合ほとんど話せることが無いけどね。でも二人席になったら結構ISについて語ることも少なくなかった、他の人とかいてもそれ位しか話さないしね。
「ナツキは凄いな」
「凄くなんか無いよ、ビギナーズラックだよ」
「操縦にビギナーズラックなんか無い、ナツキの技術だよ。集中力と運だけで私たちと同じように出来るようになれば、訓練なんか必要ないから」
彼女がそう言うのであればそうなのかな?それならうれしいや
「ところでナツキ、今週の休日は暇か?」
「えっ?えっと……予定は無かったと思うよ」
「そうか、そうかそうか」
フラガさんはどこかうれしそうだった、何なんだろう?
「少し私に付き合ってもらえないだろうか?」
「どこか行くの?」
「買い物、少し日用品が足りなくって……近くのショッピングセンターに行きたいんだあまり道が分からなくて」
「それだったら案内するよ!」
「ありがとうナツキ!」
僕たちは休日にショッピングモールに行く約束をした、フラガさんに色々と教えられたら良いな~