インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編 作:灰崎 快人
翌日早朝。俺は織斑さんに叩き起こされた、なんでも部屋の準備が出来たらしい。正直不安なことが多いが何故かこの人だけは信用できると思ってしまう、どこか千冬と似ている気がするからだ。話し方というかなんと言うか雰囲気が似ている気がする。そんな気がするんだ。
織斑さんの動きはこっそりと何かを隠すように動いているように見える、もしかして俺の存在を隠してくれているのだろうか?確かに侵入者である俺をかくまっていると知られれば、織斑さんの立場とかが危ないのかもしれない。
「織斑さん、もしかして自分のこと上の人たちに報告してないんですか?」
「そうだ。」
「何故なんですか?」
「報告しても意味など無いからだ。」
報告しても意味がない……どういうことなんだ?
「とりあえずここが君の部屋になる、不足している者等があればこの端末から連絡してくれ。ここはシャワールームになっている、トイレはここから少し離れた場所にある。」
「わかりました。」
特に不便そうな点は見当たらない、テレビやカレンダーなど日常品などはある。問題であるトイレとかは先ほど言ってくれたのだが、食事などはどうすればいいのだろうか?部屋には電気ケトルが配置されているがお湯を沸かしたところで使えるものがない。
「食事とかはどうすれば?」
「テレビの棚下にインスタントものが入っているが、気に入らなければ1時になったときにこの食堂を利用するといい。」
そういって織斑さんが案内図を渡してくれた、このIS学園の見取り図ということだろう。この付近には一年生のクラスがあるみたいだ、多少この部屋を出て見歩くのもいいだろう。
「伝えるのを忘れていたが、この部屋からあまり出ないでくれ。うちの生徒はめんどうなやつらが多いんでな。」
釘を刺された、もしかしてこの人は俺の考えていることがわかるのではないか?そう思えるほどだった。
「わ、わかりました。」
「私は授業があるのでな、これで失礼する。」
「ありがとうございます。」
そうして織斑さんは部屋を出て行った、さてどうしたものか?正直言って俺に出来ることはそんなにない、この部屋で出来ることはテレビを見ることと気分転換にシャワーを浴びることくらいだろう。あとは先日渡されたゲームをするだけだ、ISというものを題材としたゲームになっているらしい。だけど妙に引っかかっていることがある、このゲームに登場している「篠ノ之箒」という人物だが俺の知っている篠ノ之箒は確か5歳ほどだったはずだった。いや他人のそらにと言うこともあるのだろう、おそらくそのはずだ。そう思ったがカレンダーの西暦もおかしい、何故十年後のものが使われているのかわからない。
「どうなっているんだこの部屋は……」
過去に束と夢のある話をしたことがある、確かタイムスリップだったかな?だがその確証が持てない「IS」という存在は知らないが、他にも知らないことがあったり知る人物が成長もしくは存在していない場合は信じざるおえないだろう。織斑さんには釘を刺されたが俺はチャイムが鳴ったと同時に部屋を抜け出した。
朝のチャイムが鳴る。
「授業を始める。」
「先生!黒神さんがまだ来ていません~」
「黒神は一週間ほどこの学園を離れている。」
「え!?突然ですね。」
「色々とあるのだ、お前らが気にする必要はない。」
そうして無理やり授業を始める、騒がしい生徒が何名かいるがいつもの事だと気にせずに行う。
「黒神さんいきなりどうしたのでしょう?」
「わからない、僕達も知らないことに巻き込まれているのかも知れないね。」
セシリアとシャルロットが騒がしい、こいつらは大人しく授業を受けるきがないのか?
「副教官がそんなことをするわけがない、おそらく何かを隠しているのだろう。」
「隠してる……相談くらいしてくれてもいいのに。」
「相談できないほどのことだったのだろう、副教官は巻き込みたくないと思ってしまうと何も言わずに去っていくからな。」
「昔からそんなかんじだったの?」
……こいつら私の授業より千春が大事か?いい度胸だな、次の実践では私が相手をしてやろう。
「凄い広いんだな~中学校とは大違いだ、こんなに広い学校なら色々と学べるんだろうな。」
は?なんか嫌な声が聞こえたのだが気のせいだろうか?声の主に私は釘を刺しておいたはずなのだが……まさかな?そんな訳が無いよな?
今は授業中みたいだからこの辺りを気にせずに探索できる、俺の声が聞かれずに姿を見られなければいい。捜索していればこの時代がいつなのかわかるかもしれないからな、あとISについて気になっていることがあるから見たいというのが本音だ。
「ここが一年一組……少し扉が空いてるここから覗き見するのもいいかもしれないな。」
そうして俺が教室を覗こうとした瞬間、背後から突然肩を触られる。いきなりのことで声が漏れそうになるが、瞬時に口も塞がれてその場を強制的にあとにする。
「全くこんな可愛い侵入者がいるなんてね?」
水色の髪色をした生徒が話しかけてくる、この人は一体誰なのだろう?少なくとも俺の知る人物ではない。
「君は何処から来たのかな~?」
彼女は扇子を片手ににっこりと微笑む、扇子には「疑問」と書かれている。どうしたものだろうか?というかこの腕輪が防衛してくれるといわれたが、全くされていないのはどういうことだろう?
「もしもし~お話しできるかな?」
「あの……身体とかに何か影響とか無かったんですか?」
「どういうことかな?」
「この腕輪で守られているって言われたんですけど。」
そう言って俺は右腕につけられている腕輪を見せる、本当にこれが防衛してくれていたのであれば何かしらの影響を受けているはずだ。
「少し身体に電流が走った程度ならあったわよ?」
何故電流が流れたのにこの人は平気そうな表情を浮かべているのだろうか?全く持って理解できない。
「それで君の名前は?」
「あっ……えっと……」
ここで本名を言うか別名を名乗るかで悩んでしまう、本名を言ってしまったとして何かしら影響があってしまったら面倒だし、かといって偽名をつかえば余計な問題を生み出してしまうかもしれない。
「名乗らせるのであれば……そっちからが普通じゃないんですか?」
「あら?侵入者にそんな権利があると思うのかしら?」
彼女は笑顔のままだがその表情は笑っていないように見える、この人の第一印象は作り笑顔の上手い怖い人だった。
「うっ……」
俺の本能が彼女は危険だと信号を鳴らしている、俺は直ぐに彼女に背を向けて逃走を開始した。
「逃がさないわよ?」
全力で走っているのにも関わらず、彼女は涼しい顔で俺と並走してくる。なんなんだ彼女は!?
「もう、逃げるのやめてくれるかな?お姉さんは君の事を知りたいだけなんだけどな~」
そう言って僕を押し倒してくる、この人にためらいはないのだろうか?
「それで?君はなんていうのかな~?」
俺に残った道は1つしかなかった。
「黒神……」
「黒神?」
「千春です……」
「黒神千春……その名前本当に間違いない?」
この人に嘘をついたところで直ぐに見透かされるのがオチだ、そうなれば素直に言うしかない。
「黒神……なるほどね。」
彼女は一人で何かを確信したような表情を浮かべる、というか彼女はこんなことをしていていいのだろうか?今は授業中だと思うんだけど。
「私はちょっと特殊だからね、そのくらいはいいの。さて千春君?少しお話ししても良いかな?」
「嫌です。」
ノータイムで即答すると彼女は悲しそうな表情を浮かべる、いやだって怖いんだよこの人。何してくるのかわからないから余計に怖い。
「意外と生意気なのね……まあいいわ君がこの辺うろついてたのはISについて知りたかったからってことでいいのかしら?」
「そうですけど……」
「じゃあ私が案内してあげよう!このIS学園の生徒会長としてね。」
この人生徒会長だったんだ……色々と問題起こしてる人なのかと思った。
「酷いこというのね。」
なんでこの人簡単に心読んでくるの?本当に意味がわからない。
「それじゃあまずはISについて教えてあげるわね。私についてくればいいからね。」
「不審者とか危ない人って大体大丈夫だよとか言いますよね。」
「君は侵入者だけどね。」