インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編 作:灰崎 快人
今の時刻は大体十時くらい。現在俺は楯無さんに連れられてアリーナと呼ばれるところに移動した、アリーナというだけあってかなり広い。ここはゲームで見たから知ってるけど実際に見てみるとかなり広いんだな。
「それにしても楯無さん何してるのかな?ここで待ってろといわれたんだけど……」
俺はアリーナの中心で彼女を待っている状態だ、何か準備があるらしいけど何をするつもりなんだろう?
「お待たせ~」
声のした方へ視線を向けると、楯無さんがスクール水着のようなものを着てこちらに向かってくるのが見える。あれが正装なのかな?恥ずかしいとか感じないのかな……
「あの……その服装はいったい?」
「これはISスーツって言うの、ISを使用するときに必ず着なければいけない。というわけではないけど着たほうがいいものよ。」
「……なんか変な見た目ですね。」
「これでも性能はいいからね~君も着てみる?」
「変態になりたくないので結構です。」
実際こんな露出の高いスーツは着たくない、このデザインした人センス無いんじゃないの?
「そんなこと言ったらこの学園全員変態よ、確かにこのスーツは露出とか目立つけれどしっかりとした性能を持っているの。例えば拳銃、ハンドガンって言えばわかるかしら?あの銃弾を防ぐくらいにはいいのよ?」
「へー」
そこまで興味がないというか目のやり場に困る、なぜならそのスーツは身体のラインがしっかりと浮き出ているものだったからだ。ということは彼女の胸が―――
「強調されている為、直視できないのだ。ってところかしら?」
「思考回路読むのやめてもらえます?」
この人には嘘が通じないのかもしれない、思考回路も心も見透かされている。
「じゃあISについて教えるわね。ISって言うのは本来宇宙での活動を目指して造られたものなの、だけど色々な問題が起きて本来の目的からかけ離れてしまったの。現在は飛行パワード・スーツとして利用されているの、これは世界中でも同じ。」
「宇宙では活動が出来ないんですか?」
「そうね、今のところ確認はされていないわね。そしてこれがインフィニット・ストラトス通称『IS』、私が持ってるのはちょっと特殊だけどね。」
「ゲームで見たことあるやつだ、確か……ミステリアス・レーデー?」
「ミステリアス・レイディよ。この機体は第三世代型になるわね、ISにも世代ごとに性能が大きく分かれているのが特徴のひとつね。」
ISにも世代があるのか……この機体が最新型なのかな?それにしてもきれいな水色なんだな~写真と実物は違うって聞いていたけど、本当に別物なんだな~
「すこし飛んでみる?」
「危なくないんですか?」
「少し浮かぶくらいよ、それなら安心でしょ?」
「まあそのくらいなら……」
そう言って俺は楯無さんの腕に乗る、安定した後ゆっくりと上がっていく。こんな体験が出来るなんて夢みたいだ、だけどしっかりと風を感じたりすることが出来るから現実なのだろう。
「凄い……」
「他にも色々とあるんだけど、危ないからこれだけにしておくわね。」
そういって楯無さんは地上に着陸する、凄い貴重な体験だったな~
「ISって俺でも使えるのかな……やっぱり何かしら資格とか必要なのかな?」
「使える人と使えない人を分けるのは簡単よ?教えてあげようか?」
簡単なのか。どうやって判別するんだろう?動かせたらとか触れたり出来たりとかなのかな?
「お願いします。」
そう言うと楯無さんは光に包まれる、光が収まったときにはISが消えていた。もしかしてあの光がISだったのかな?
「これに触れてみて?」
そういって彼女が差し出してきたのは、扇子についている四角いストラップだった。これに触れたらわかるって簡単なんだな~そう思い俺はストラップに触れる。
「…………あら?」
「何も起こらない。もしかしてこれが判別なのか?」
「そうよ、ISを使えるのはISが反応する人だけ。だから君はISを使えないの。どうしてかしら?もしかして突然?
なにやら楯無さんが呟いているがどういうことなんだろう。でも俺がISを使えないのは少し残念だな……使えたら空とか飛んでみたかったんだけど。でも本来は宇宙開発だったのにそれが出来ないなんて、完全に改造されてる。これを開発した人は悲しんでるに決まってるよ。そういえばISを開発した人って誰なんだろう?誰が有名な科学者とか博士とかいたかな……
「ISって誰が開発したんですか?」
「篠ノ之束博士よ、今では何処にいるかわからないけどね。」
「篠ノ之……束だって?どうなってるんだ?束は俺と同い年でそこまで―――」
どう考えてもおかしい、そもそもこのIS学園というものは俺は知らない。そもそも機材とかが俺の知っているものとかでもない、一体どうなっているんだ?悪い夢なら覚めてくれ!
「どうしたのかな千春君?」
楯無さんがこっちを覗き込むように見てくる。そうだこの人から何か聞き出せれば、何か情報を得ることが出来れば!そう思い俺は彼女に質問を投げかける。
「―――楯無さん。篠ノ之博士がISを開発したのはいつですか?」
「えっと、初期に開発されたのは八年前ね。世界に知れ渡ったのは七年前だけど、それがどうかしたの?」
駄目だこれだけじゃまだわからない、もっと質問とかしないと!
「織斑さんのしたの名前を教えてください!」
「織斑千冬。世界最強のIS操縦者よ、私でもかなわないわ。」
千冬……なるほどあの人は千冬で間違いないんだな、だが俺と千冬で年齢が違う。ということはここは未来の可能性があるのかもしれない。正直女性に年齢を聞くのは駄目だと教わったが致し方ないだろう。
「織斑さんの年齢は?」
「なっ!そんな事言ったら私が説教されちゃう、それは本人に聞いたほうがいいわよ。」
「わかりました。ISについて教えてくれてありがとうございました。」
そう言って俺は彼女に頭を下げる、こんな人でも一応年上なんだ。それなりの態度は取っておかないと……手遅れなきもするけどな。
「それで?君はこれからどうするの?」
「織斑さんに会いにいきます、確認したいことがあるので。」
「でも今は授業中―――」
「関係ありません。」
千春君は真っ直ぐにアリーナ出入口へと向かっていく、私は急いで着替えて彼の後を追う。
「おまえ達はまだ早いが何れこういったことが起きてもおかしくはない、専用機持ちが一般に降格するのもおかしくない話だ。だからこそ―――」
私が彼に追いついた頃には既に彼が教室のドアを開けてしまっていた、阻止することが出来なかった。彼が私の名前を言ったら悲惨なことが待っているというのに……
「更識、授業中になにかようか?」
「えっと、その……」
言葉が詰まる、私は特に用はないのだがこうして来てしまっている。千春君はなんとか私が前に出たことで隠せたけど……どうしたものか。
「何も無いのならとっとと教室に戻れ。」
ごもっともです、今すぐにでもこの場を去っていきたいです。
「は、はい!失礼しま―――」
「俺が用あるんだよ織斑さん。」
千春君がいつの間にか教室へと足を踏み入れている、こうなってしまったら私は逃げるしかない!
「更識、どういうことか説明してもらおうか?」
世界最強の前では逃げることすら許されなかった。
「楯無さんは俺にISとこの学園を教えてくれただけだ、だから彼女は関係ない。俺が勝手にここまで来たんだ……」
「余計なことを……更識。」
「はい!」
「お前にはあとで色々と聞きたいことがある、放課後になったら職員室に来い。」
「わかりました。」
私の死が確定してしまった、だけどこれから彼が話す内容によっては助かるかもしれない。そう淡い気持ちを抱えて、私はその場を去っていく。あとは彼の時間私がなにかを言う筋合いはない。
「織斑先生、その子は一体?」
「まぁ色々とあってな、今保護している状態なんだ。」
山田先生に少年のことを聞かれる、正直に千春だと伝えれば問題が起きることは間違いないだろう。
「なんでお前がここにいる、部屋で待機していろと言っただろうに……」
「悪かったな、色々と確認したかったんだよ。」
「それでここに来た理由はなんだ?」
「織斑、今何歳なんだ?」
生徒がいる前でなんてことを言うんだこいつは……
「えっと私が20歳で織斑先生が4つ上だから―――」
「山田先生!余計なことを言わなくてよろしい。」
急いで彼女の口を塞ぐ、だがそれは既に手遅れだったようだ。
「24歳か……ということはここは十年後なんだな。」
「君は一体誰なの?」
千春に近い席にいるシャルロットが声をかける。クラス全員気になっているのか千春の方を向いている、それはそうだろう知らない男の子が突然教室に入ってきたのだから。
「俺は……黒神千春。織斑千冬と篠ノ之束の幼馴染だよ。」
黒神千春。その名を聞いた生徒全員が声を上げるのは簡単に想像できた、中には信じられないと言う者もいれば可愛いという者もいる。さてこの状況どうしたものか?