インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編 作:灰崎 快人
何かやましいから話さないというわけではない、話してしまったら今ある関係に問題が起きてしまいそうだと思ってしまったからだ。そんな話を今回は皆だけに話したいと思う。
夢の中で
これは俺が見た夢のひとつの話……この夢を見た時の俺は、とても幼かったと思う。どのくらいかと言われると、小学生高学年に入る手前程だ。
そんな俺が体験した話を1つ、ここに記そうと思う。
某日、倦怠感を感じながら俺は家へと帰宅した。全てにおいてやる気にならなかった俺は、すぐさまベットへ横になった。
恐らく束のテンションに付き合っていた影響だろう、そんなふうに考えていた。この頃の束は今よりも活発な女の子だった、今の俺ではついていけないだろう。
千冬にも面倒なことに巻き込んでしまい悪いとすら思ってしまった、彼女もなんやかんや言いながら俺と束に付き合ってくれている。嬉しい限りだ。
そんな事を考えていると、眠気が急に襲いかかってきた。俺の意識は少しずつ暗闇へと堕ちていく……堕ちていったはずだったのだが、何故か急に明るくなった。
何か変だと思い目を覚ますと、目の前には見慣れない服装をしている女の人達が立っていた。彼女達の容姿は様々であり、金髪や銀、水色など様々な髪色をしていた。
俺は何が起きているのか理解が出来なかった、これは現実なのか?それとも倦怠感から来る幻覚なのか……今思えばそれは幻覚とは言えないものだった。
混乱している俺に彼女たちは優しく声をかけてくれた。
「大丈夫?名前言えるかな?」
幸いなことに自分の名前や年齢などはしっかりと記憶で来ていた。
「―――大丈夫のようですわね、安心しましたわ。」
「流石だ―――が認めるだけのことはある。」
彼女達は誰かの名前を言っていた、だがそれだけはどう頑張っても思い出せなかった。なにか記憶が足りないのか?それとも彼女達が意図的に思い出させないようにしているのか……
「お姉さん、心配だったわ〜」
「だからってベタベタくっつかないでお姉ちゃん。」
水色の女の人は二人いた。少し背が高い方が姉で、眼鏡をかけていたのが妹だった。IS学園の生徒で例えるのなら更識姉妹だろう。姉の方に抱きつかれた時、何故か肌がぶつかるという感覚が存在した。あれは夢というものでは片付けられないだろう。
「触れる……?夢じゃない?」
「えっとね、夢なんだけど僕達は特別だから。君に触れることが出来るんだよ。」
「逆に貴方も私達に触れることができますわ、試しにあちらにいる方に触れてみては?」
金髪の二人がそういうが、俺は内心納得が出来ていなかった。夢というものは現実の感覚が一切無いものだと思っていたからだ、しかしこの夢はなんだ他人と意思疎通ができ感覚がしっかりと伝わる。これが夢だなんて思えるわけが無い。
彼女達の容姿は長髪であるものの、「僕」と自分のことを言っている方は髪を束ねていた。また瞳の色も異なっており、紫と青でしっかりと個性が光っていた。今思うとシャルロットとセシリアによく似ていたと思う。
「貴女に触っても………?」
「あぁ、私は問題ない。好きにするといい。」
銀色の髪をした女の人は周りの人達とは少し変わっていた、まず眼帯をつけていた。ここら辺はラウラっぽいな。だが大人びていて背も今よりも少し高いくらいだった、他の人たちもそうだったな。
俺は恐る恐る彼女に触れた、腕に触れてみると確かな感触があり温かみを感じた。鮮明に感じることが出来たことで、彼女達が言っていたことは本当だったと素直に信じることが出来た。
「ありがとうございます……もう大丈夫です。」
「そうか、ならいい。」
夢ではあるが彼女達が特別な人達であるという事は理解出来た、だが何故俺の元に現れたのかそれが分からなかった。他にも候補的な人物が俺以外にもいたのではないか?そう思ってしまう。
「何故俺なんだ?」
「何故?」
「他にも色んな人がいたと思う、なのになんで俺が選ばれたんだ?それがわからない。」
「ちょっとそれは秘密かな〜」
「……答えてくれないのか」
今思えば怪しすぎた。感覚がしっかりとある夢、相手と意思疎通ができる夢、夢の中でもしっかりと再現されている室内……もしかしたらあれは夢ではないのかもしれない、そう思えてくる。
「まぁいい、それで俺になんのようなんだ?夢に出てくるなんて……」
「それはお気になさらないでください、きっとわかる時が来ますから。」
わかる時………それが今だったのか?しかし何故この歳になって思い出した?何かきっかけがあったのか?
更識姉妹、セシリア、シャルロット……まさか俺は幼い頃に会っている?いや仮にそうだとしたら誰が?過去に行ける技術なんて存在しないはずだ、あの青いネコ型ロボットくらいだろ?
もし過去に行ける物が完成されていたというのであれば、間違いなく開発者は束だ。だか開発しようとした目的がわからない、だが彼女のことだふと作りたくなったからとか言うのだろう。
だからこそ夢の中で束似の人と千冬似の人に会っている……千冬似もいたのか。だがこの2人に関しては過去の俺を知っているはずだ、会いに来たところで意味は無いと思うんだがな。
「とりあえず……お茶出すから広間で待ってて、場所教えるから。」
「場所は分かってるから大丈夫だよ〜」
「…………また増えた、しかも2人。」
「すまないな少年、急に増えてしまって。」
その頃の俺の家にはそこまでコップやらなかった、だから対応に困っていた気がする。小学生で一人暮らしをしている事にツッコミはするなよ?色々と事情があったんだからな。
俺は増えた2人を含めた全員にお茶を出した、それなりに生活用品を揃えていた為不便では無い生活を送ってはいた。だが流石に7人増えるだけで物が無くなってしまった、何でも5つあれば良いと思っていた概念が破壊された感じだったな。
「それで……要件は?」
「君に会いに来た、それだけだ。」
「俺はその会いに来た理由を知りたいんだけど?答えてくれないのか?」
「そうだな、答えられないな。」
………正直今振り返るとイラッとする、理由をしっかり話してくれないとモヤモヤする。だがこれは過ぎてしまったこと、今更答えてくれるわけが無い。
「はぁ……まぁいいや。少し汗流してくるから、それまでのんびりしててくれ。」
「分かったよ〜」
「………変なことだけはしないでね。」
俺は彼女たちに忠告をして、お風呂場へと移動した。
ここから先を異様に覚えているのは、恐らく彼女達とあることをしたからだろう。
次に話すことが今回の本筋となる、これは彼女達にも知られてはいけない。
だが君達なら安心して話すことができる、だから……
期待を裏切るような真似はしないでくれよ?