インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 番外編   作:灰崎 快人

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緑のカーネーション
過去の思い出


私が織斑先生や千春さんと出会ったときですか?しっかり憶えてますよ~当時から変わらず織斑先生は注目の的でした、第一回モンド・グロッソで優勝した人物ですからね。当然です。

当時私は日本の代表候補生として日々ISの技術を磨いていました。実力ですか?中の下でしたよ。私よりもISに詳しかったり優れた技術を持っている人も居ましたから、私なんか全然ですよ。

それで二人に出会ったときの話ですね、その頃私は特質したものが何もなかったんです。まだ学生でしたから当然ですよね……私は少しでも自分自身の特徴を出したかった、それで射撃戦を活かした戦い方をしようと思ったんです。私の得意科目が射撃だったんですよ、剣とかナイフはあまり使わない戦術でしたね。接近を許さないように弾幕を張って、相手の動きを封じ狙いを定める。それが私の基本戦術になりました。

そんな時代表候補生育成所にあの「ブリュンヒルデ」が来ると噂になったんです、噂だったので私は正直信じていませんでしたけどね……でも実際に彼女は来ました。目の前にはあのブリュンヒルデ、みんな大盛り上がりでしたよ。あのときの織斑先生でしたか?今とそこまで変わりませんでしたよ。凛々しくて鋭い目つきでした、これがあのブリュンヒルデと私は息を飲んでいました。実は千春さんと出会ったのも同じなんですよ?なぜかと言いますとね、織斑先生が同伴させたからなんです。何故そうしたのか今でも聞けませんが、たぶん幼馴染だったからですよね。篠ノ之博士はその時行方をくらませていましたから。千春さんのことが目に入ったとき、みんなの反応は凄かったですよ。ISが女性にしか扱えなかったこともあり育成所は実質女子寮みたいな感じだったこともありますが、女尊男卑が出来上がっていたので男の人を奴隷だと思っていたんですよ。そんなときにあのブリュンヒルデが男を連れてきた、ザワザワし始めますよね。そんな時織斑先生が言ったんです。

 

「こいつは私にとって特別な存在だ。手を出したら……どうなるかわかっているな?」

 

その言葉を受けた皆は絶対に手を出さないことを誓いつつも、「特別な存在」と言われるあの男に嫉妬心を憶えていました。半分はおとなしく、半分は千春さんを見定めることに専念しましたね。私はおとなしくしているほうでしたよ、下手なことしたらどうなるかわかりませんからね。

 

「一週間という短い期間だがよろしく頼むぞ」

 

「「「お願いします!」」」

 

二人の滞在日数はわずか一週間でした、でもその短い時間はとても濃いものでした。私の戦術が確定したのはそのときですからね。これには千春さんが多く関わっているんですよ。

織斑先生は基本的な技術から戦術についての教えでしたが、千春さんはISの仕組みや整備の仕方を詳しく教えてくれました。二人ともどちらか一方に特化しての教育でしたね、でも千春さんは人気なくて織斑先生のほうにしか人が集まりませんでしたけど。当時の最新ISは第二世代の打鉄とラファール・リヴァイヴだったんですよ、第二世代は後付武装(イコライザ)という画期的なものが搭載されていたんです。それによって戦闘での多様性や武装を豊富に積むことが出来たんです、それから使用制限が掛かったりしたので搭載された装備を他の人に渡すには使用許諾をする必要があったんです。これで万が一武器を奪われたとしても使用できないようになったので、戦闘では重宝したんです。

でも装備によってはスロットを多く使用するので、模索する必要があったんですけどね。

織斑先生の実践をしながらの訓練は今までのよりも成果が出るものだと思いました、彼女に一撃も与えられない人も居れば半分まで追い込むことが出来た人も居ましたからね。私はなんともいえませんでしたけど。

千春さんのほうはほとんど人が居なかったので話とか聞きやすかったです、私以外は1人も居なかったと思います。それで当時私が使っていたリヴァイヴの性能とか色々聞いたり、織斑先生についてとか聞いたりしてました。二人っきりだったので周りの目を気にせず話し込むことが出来たのがありがたかったですね。

 

「リヴァイヴはつい最近出た第二世代型だから、あまり特性を理解していない人が多い」

 

「私もその一人ですよ」

 

「じゃあ説明するよ。ラファール・リヴァイヴ、フランス製の第二世代で乗り手を多少選ぶ機体だが、その分性能は高く高機動型に仕上がっている。また汎用性が高く近から遠距離までさまざまに対応が可能、四枚の方向加速推進翼が特徴。追加装備としてクアッド・ファランクスが開発されているが、固定砲台となってしまうのが懸念点となっているがその分火力はすさまじい。使うときはほぼこないと思うけどな」

 

「確かにその追加装備は使ったことがないですね」

 

それを使うくらいなら高機動を活かした射撃戦をして弾幕を張ったほうがマシでしたからね。それから私の操縦にはある欠点が見つかりました、どうやら装甲が捻じ曲がっていたらしく「よくこれで扱えていた

」とまで言われるほどでした。ウイングもどうやら不備が見つかったようで、私の扱っていたリヴァイヴには改修が施されることとなりました。

織斑先生との戦闘映像を元に、ISにはさまざまな改良が加えられてリヴァイヴ本来の姿を残しつつも違いがハッキリと分かれてきました。4枚のウイングには巨大なシールドがあり、有線接続によって操作が出来るようになっていました。千春さんによると私は射撃で徹底的に相手を追い詰める戦術を無意識でしようとしているみたいです。なのでこの盾を射出し操作することで対象を閉じ込め、銃弾の跳弾を活かした連続攻撃を利用する戦術を試すことになりました。最初こそ苦戦しましたが盾を使った陽動などさまざまなことに使用できる盾の利便性を見出すことが出来たことで、私の戦闘能力は特質するとともに知識も深く掘り下げることが出来ました。このときの知識が今に繋がっていると思うと考え深いものですね。

 

「山田君はかなり動きが良くなったな、機体を少しいじったのか?」

 

「そうだな。操縦者に合わせて出力をあわせたりしたからな、多少身体に馴染むようにすれば操縦性もあがるだろ」

 

「暮桜のようにか?」

 

「そうだ」

 

二人の会話は微笑ましかったですよ、嫉妬している人も居ましたけど。それが目立ってしまった事件があるんですよ、訓練所に誰も居なかったときがあるんです。そのときに千春さんがISの整備を一人でしていたんですよ、織斑先生はその時育成所には居なかったのでこのことは後で知るんですけどね?

ISを整備してくれていた千春さんを三人の候補生が襲ったんですよ、しかもISを使って。当然許される行為じゃありませんよ重罪です、それで彼を広場まで追い込むことに成功したんです。

私は千春さんが襲われていると、話を伝えに急いで走り出しました。生身の人間がISなんかに勝てるわけがない、確実に殺されてしまう。必死でした。そうしてみんなを連れて広場に行きました、万が一彼に被害があった場合織斑先生になにされるかわかったものではないですからね。

そうして広場に出たとき、私たちは衝撃的な光景を目の当たりにしました。リヴァイヴ二機と打鉄一機が横たわっていたんです彼を囲むように、それで居て千春さんは驚くことに無傷だったんですよ!手には打鉄の近接ブレード「葵」が握られていたんです、たったそれだけで三機のISを相手にし尚且つ無傷で生還した。それだけISのことを熟知していたのかそれとも身体能力が異常だったのか、それはわかりませんでした。勿論聞きましたよ?だけど「運が良かった」としか言ってくれませんでした。

気がつけば一週間はあっという間に過ぎていきました、織斑先生と千春さんとの別れは少し悲しかったですけどこれから先もしかしたら会えるかもしれないって思えたんですよね。候補生止まりだった私はその後このIS学園で教師をすることにしました。私は二人のお陰である程度成長は出来たんですけど、それでも手の届かない人たちが居るんです。だから私は候補生をやめて生徒を育てる教師になりました。

そして一年前織斑先生と再会することが出来ました、第二回モンド・グロッソで優勝したのにも関わらずあの人は現役で引退しました。理由を伺っても特に何か特別な理由があるわけでもないようです。それでも再開できたことがとてもうれしかったです。

そして今年千春さんが男性操縦者となったことでこのIS学園で再開することが出来ました、まさか二人とも再会できるなんて思いませんでした。だけど私はどこかうれしくって、またこの二人と一緒に入れるんだって思えたんです。

 

「山田君、授業の準備をしよう」

 

「はい!織斑先生!」

 

私はなるべく近くであの二人を見て居たいです。今もこの先も。ずっと。

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