漢がダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:ぱんてー男爵

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きゃぁぁぁ!感想も評価も増えてるぅぅぅ!
どうでもいい話ですが、最近ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見ました。個人的に10話がやばかったです。(語彙力
3日間はこの感動から抜けれなそうです。
体の水分が無くなるぅぅぅぅ!



7話

「はっ、おもしれぇ。」

 

ベートは高揚感を覚える。

相手はLv1、確実に勝てる戦いだ。

それなのに感情は高ぶるばかり。本能で分かる。

さっきまでとは違うと。

 

「いくぞぉ!踏ん張れよ!」

 

さっきと同じようなスピードの蹴り。

切島は動かない、目には見えないその蹴りを両腕で受けとめる。

 

「……っ!」

 

やはりLv4の差は大きい。

吹き飛びそうになる身体と意識を無理やり押しとどめ耐える。

しかし一撃では終わらない、ベートは連続の蹴りを繰り出していた。

1発受けただけでも硬化した腕はボロボロなのだ。

それを休む暇なく受け入れられるのは、腕が砕けると同時に硬化で固め続けているからだ。

 

(硬度を上げろ!もっと!もっとだ!絶対倒れない壁となれ!)

 

ベートは蹴る度に硬度が増す切島に驚きを隠せない。

ついさっきまで雑魚だと思っていたやつが手加減をしているとはいえLv5の蹴りを受け止め続けている。

期待をしてしまう。今ここでどれほどの進化をこいつはするのだろうか。

長い攻防の末、ベートの足が止まる。

 

「おい、お前もっと上あるだろ。出せよ。」

 

ベートの言う通り、切島のスキルは戦いの中で既に進化を遂げていた。

これを使ったとしてもかなわないだろう。

でも一撃を当てることは出来るかもしれない!

 

(今出せる最高硬度!これで決める!)

 

安無嶺過武瑠『アンブレイカブル』!!

 

切島の身体は岩のような肌へとかわる。

ここで初めて守りの形をとき、ベートへ目掛けて走る。

切島が出せる最初で最後の一撃。

小細工無しの真っ向からの拳、ベートはその漢の拳を避けようともせずそれに応えるように今までよりも力強い蹴りを放つ。

2人の攻撃がぶつかり合うとあまりの衝撃波に1部のロキファミリア以外のヤジは目を開けていられなくなる。

 

目を開くと、ベートは顔に拳を受け、切島は蹴りを受けている状態で固まっている光景がみえた。

 

「あ、あいつ、Lv1だよな?あの凶狼に一撃当ててるぞ。」

 

「お、おお、いいぞ赤髪!」

 

「なに固まってんだ!もう一撃かませ!」

 

信じられない光景にヤジは湧き、切島の応援をし始める。

ベートは固まった状態から動きだし、足を下ろすと後ろへさがる。

ヤジの歓声の中切島は動かない。

 

「ちっ、うるせぇぞ雑魚ども。ちゃんと見ろ。気ぃ失ってんだろ。」

 

ベートは顔に受けた拳の後を撫でながら野次に向かって悪態をつく。

切島は気を失った状態でなおたち続けていたのだ。

 

「撤回してやる。お前がそこまで庇うあの白髪のガキも雑魚じゃねぇんだろ?切島鋭児郎、名前覚えといてやるよ。」

 

ベートはそのまま一人でホームへと足を向ける。

切島は敗北と勝利を掴み取った。

ベートには負けたが、雑魚という言葉をあの男から撤回させたのだ。

これは誰がどう見ても切島の勝利だった。

そして、誰が言ったのだろう。その立ち尽くす姿を見て言葉をこぼす。

 

"レッドライオット"

 

その名は一日のうちにオラリオの隅々にまで広まったという。

 

 

 

 

熱気も冷めぬうちにヤジは解散させられ、ロキファミリアも豊穣の女主人へと迷惑料を払った後、ベートを除く幹部とロキ以外の眷属たちはホームへと帰っていく。

 

「あれ、ほんまにLv1かいな。信じられへんで。」

 

「それは僕も同じ気持ちさ、ついでにあの少年はミノタウロスも単独撃破したらしい。運んだ時にちらっと見らさったんだけどちゃんとLv1だったよ。」

 

「うちにも欲しいな!あの子、これからもっと成長するやろな。」

 

「起きたら勧誘してみようか?あの少年の性格上了承することはなさそうだけど。」

 

「ま、あの子の神が変なやつやったら無理やりにでも引き抜いたるわ。」

 

ポーションをかけ、介抱をするリヴェリアとティオナを眺めながらそんな会話をする。

 

「どうして、どうしてそんなに強いの。」

 

「アイズ?」

 

アイズの独り言をたまたま聞き取ってしまったティオネは心配そうに声をかける。

アイズの表情はどこか暗かった。

 

「ガッハッハッ!なかなかに見所があるやつじゃな!フィン!わしが鍛えてもいいか?」

 

「他のファミリアの子だから諦めさせたいんだけどな。大層気に入ったようだね、ガレス。」

 

「なに、後輩を育てるのが先輩としての役割じゃろう?それにうちの奴らは弱音ばっかり吐いて鍛えがいがないからな。」

 

ガレス・ランドロックは切島のことが気に入ったようでフィンの注意も聞かず、どう鍛えようかと考えていた。

 

 

 

 

 

「ん、ここは、」

 

切島がめを開くと、つい最近見た白い天井が目に入る。

しばらくぼーっとしていると扉越しに廊下から誰かが言い合う声が聞こえる。

その声は段々と近づき扉が開く。

 

「……あ!えーじろーくん、起きたのかい!」

 

そこにはヘスティア、ベル、ロキ、フィンの姿があった。

フィンとベルは困ったような顔で苦笑いを浮かべており、ヘスティアとロキがさっきまで言い合っていたようだ。

ヘスティアは切島が起きていることに気がつくと怒った表情でそばに来る。

 

「もう!ベル君もベル君だけどえーじろーくんもえーじろーくんだよ!ベル君は朝まで帰ってこないし、切島くんはまた傷だらけで運ばれたそうじゃないか!どれだけ心配したと思ってるんだい!」

 

見るとベルは耳が痛いと言わんばかりに縮こまっている。

 

「ヘスティア様すみません。でも、どうしても譲れなかったんす。」

 

切島はまたヘスティアを悲しませてしまったことに申し訳なく思う。

対するヘスティアは困ったような誇らしいような表情をする。

 

「すまない、ちょっといいかな。」

 

見ると、自分よりも背の小さいイケメンが大人びた表情でこちらを見ていた。

 

「前回もお見舞いに来てんだけど、君は寝ていたからね。初めましてと言った方がいいかな。早速だけど君とベルくんには謝らなくちゃいけないんだ。」

 

だいたい予想は着く。

あのベートって人と褐色肌の姉妹と同じファミリアの宴会にいた事を覚えていたからだ。

 

「君たちが前回遭遇したミノタウロスは僕たちの不手際で逃してしまったものなんだ。そのせいで君には重症をおわせてしまった。それに加えて今回のベートの件、君たちを笑ったこと、君に怪我をおわせたこと、ファミリアの団長として謝るよ。すまなかった。」

 

「ごめんな、ベートのやつはティオナに縛り上げられてリヴェリアに説教されてるわ。堪忍してな。」

 

ロキとフィンの謝罪にベルと切島は同じ気持ちだった。

 

「いえ!俺の方こそ、初対面なのにあんな大口を「全くだよ!このペッタンコが!」

 

「なんやとドチビ!」

 

またもや始まってしまった2柱の喧嘩に3人は苦笑いをする。

 

「俺の方こそ、先輩に生意気なこと言ってすんませんでした!最後に雑魚ってこと撤回してくれたんで俺は何も怒ってないっす。ベルは?」

 

「僕も大丈夫です。あの時は悔しかったけど、今は雑魚から抜け出せるように頑張ります!」

 

「ありがとう。」

 

2人の返答にフィンは眩しそうにする。

こんなにも真っ直ぐで純粋な少年たちを見ていると日々の団長としての仕事の疲れが吹っ飛ぶようだった。

 

「切島くんのおかげでベートも一層探索に精を出してるし、今度ホームにおいでよ。お詫びって訳でもないけどうちの幹部が訓練をつけてくれるよ。いい経験になるはずだ。」

 

「本当っすか!是非お願いしたいっす!」

 

「ぼ、僕もいいんですか!?お願いします!」

 

切島は格上の先輩が、しかもロキファミリアという大派閥から教えを受けれることに興奮する。

ベルはそれに加え、アイズとの接点を作れる機会に喜ぶ。

フィンはその言葉に満足するといまだに続いている神の喧嘩を止めに行く。

 

「鋭児郎、あの時行かせてくれてありがとうね。あと、ベートって人にも立ち向かったんでしょ?僕、君においつける気がしないよ。」

 

「別にいいって、ベルは自分と戦ってたんだろ?だったら俺も立ち向かわないとって思ったんだ。それに、お前は俺よりも強えよ。なんたって団長だからな!」

 

2人はお互いの戦いを労うように顔を見合わせ、拳を突き合わせた。

 

 




☆10波紫 勤様、バツ猫様
☆9ロクリシアス様、とらとらとらとらとら様、おおい様、はあたわひまこら様
☆8シバハヤ様
☆7路徳様、キラメイオレンジ様
ありがとうございます!感想も増えて嬉しい限りです!
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