チートたちの妖精國物語   作:にゃはっふー

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この本によればとある日、オーマジオウの力を持ってFate/GrandOrderの藤丸立香に転生した人間の始まりは、このようなものだったとのことだ。


これが始まりだ

 それは突然だった。

 

『チョリーーース♪♪マジめんご♪間違えて君殺しちゃったてへぺろろーん♪』

 

 何が何だかわからない。

 

『最近転生流行ってるし、それでいいよね?答えは聞いてない(キリッ)』

 

『家族?一緒に死んだよ?それは俺の所為じゃなくて、君が死んだ所為だからセーフっしょ♪』

 

『ともかく転生、凄いのつけちゃうよ。レッツゴー♪』

 

 そして俺は藤丸立香になった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 妖精國まで来られたのは奇跡だ、だがこの奇跡もここまでだろう。この先の事は俺は分からないし知らない。何が正解で何が駄目か分からない。

 

「指示をお願いします藤丸っ」

 

 助けて欲しいのは俺の方だよ。モルガンとの戦い、分身体のモルガンに押される中で防御態勢を取る。

 

「防御じゃダメですっ、反撃しないとッ!」

 

「信じてくれみんなッ!いまは耐えるんだッ」

 

 サーヴァントを一時的に召喚するが、やっぱりみんな話を聞いてくれない。確かに見る限り増えるモルガン相手に、籠城戦のような事は愚策だろう。だけど突破しようとしても状況を変えられないのだから、あの瞬間まで堪えるしかないじゃないか。

 

 もしかしてあの瞬間は来ないのかもしれない。そう思ったら全身の血が引いていく。

 

 だけどこれしか無い。自分達にモルガンの軍勢を倒す術は無いんだよ。

 

「前に出ますッ!」

 

「!? 待ってくれアルトリアッ!!」

 

 悲痛な叫び、だけどモルガンを二体引き裂くアルトリアに、他の英霊も動く。

 

 これで良いのか、これならまだ円卓軍も助かる可能性が出るのか?

 

 分からない事ばかりであり、だがやはり愚策である事に変わりは無かった。

 

「先輩ッ!!」

 

 上半身だけのモルガンが動いた。生気は無いし、この分身体は死んでいる。なのにどうして動く? 答えは他の分身体が操ったから。

 

 槍先が俺に迫る。刺さったら痛いし、死ぬかもしれない。

 

 力は使えない。サーヴァント誰かに助けてもらうしかないけど、誰が助けてくれるの?

 

 アルトリアは前に出ているし、いまこそ貴方も戦う時ですと言う顔で見てる気がする。

 

 他のサーヴァントはモルガン相手に手いっぱい、ダ・ヴィンチちゃんも無理だよね。

 

 ああ痛いのは嫌だけど、無理だよ。もう、無理なんだよ。

 

 鮮血が待って顔にかかる。かかる?

 

「………えっ」

 

 目の前にマシュが居て、槍が彼女に刺さっている。

 

 ………どうして?

 

 マシュはヒロインだから、そんな致命傷な一撃食らうはずないじゃないか。なのにどうしてそうなった?

 

 俺だから?

 

 〝藤丸立香"が俺だからこんなにダメなのか?

 

 一部のサーヴァントからは本気で挑んでくださいと期待される。

 

 一部のサーヴァントから責任から逃げるなと怒られる。

 

 俺を許してくれるのはほんの少しだけ。それでも手のかかる子供として扱う。ああそうだ、俺は子供なんだ。みんなが思うほど大人じゃないんだよ。

 

「マシュ………」

 

 その瞬間、モルガンが一斉に槍を放ち、マシュが両断された。ああ………

 

「マスターなぜ力を、戦わないのですかッ!?」

 

「あなたは見ているだけじゃないでしょ!!どうして見てるだけなの?!」

 

 そうじゃないといけないんだ。元々〝藤丸立香"にこんな力は無いんだよアルトリア・キャスター。

 

 やめてくれアルトリア・キャスター。そんな見損なった顔されても困る。

 

 ダ・ヴィンチちゃん、どうしてなんて顔で見ないでくれ。

 

「まず一人、後はマスターを殺せば問題ないでしょう」

 

「マシュ………」

 

「私にはそんな男を庇う貴方の気持ちは分かりませんマシュ。戦う力があるのに戦わない愚か者なぞ」

 

 モルガンまでそう言うのか、だから使えないんだ。だって、だって………

 

「せん、ぱい………」

 

「………マシュ」

 

 ………もう無理だ。俺に世界を救う事、世界を殺す事はできない。

 

「気に、しないでくだ、さい………これは、私の」

 

「マシュ………」

 

「あなたは、きに、しない、で………」

 

 動かなくなるマシュ。俺はもう、どうしていいか分からない。初めから自殺するなりなんなりすればよかった。

 

 死ぬのは怖い、だけど、信じてくれた人を裏切るのは死ぬほど怖いんだよ。

 

「所詮犬死ですか、残念です、マシュ」

 

 ………いまなんて言った?

 

 

 

『君みたいな息子助ける為に死ぬなんて、君の両親犬死にだね、ぷっぷー♪』

 

 

 

「いま、なんて言った?」

 

 俺は良いよ、俺はどうしようもなくダメな人間だ。

 

「あなたのような人を救おうとして、犬死にと言わず、なんていうのですか?」

 

 だけど、マシュはなあ、母さんと父さんは俺の事を大事にしてくれたんだ。

 

 バカにするな、バカにするなッ。

 

 血が流れる。涙のように流れるそれは手からも流れ出る赤色。

 

 それだけは許せない、それだけは許せないッ!!

 

「………ぁ………」

 

 もうすべて壊れてしまえ。

 

 

 

 

『アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――ッ!!』

 

 

 

 

【祝福の刻ッ!!】

 

 背後にある建物が一瞬で蒸発して、マグマが流れ込む。

 

【最高ッ!!最善ッ!!最大ッ!!最強王ッ!!】

 

 空気が震える、世界が激震する、世界が震える。

 

【逢魔時王ッ!!】

 

 現れる魔王の魔力値にダ・ヴィンチは驚き、モルガンは豹変したそれに目を見開き、回りのみんなは驚愕した。

 

【………もういい】

 

 そう言いながら、

 

【全部壊れてしまえッ!!】

 

【エボル】

 

 黒い球体が現れ、それを頭上へと蹴り上げる。遥か上空へと打ち上げられた黒い玉は、

 

【ブラックホールフィニッシュッ!!】

 

 強大な、ブリテンを覆うほどの球体へと変わり、大地へ降りて来る。

 

「待てマスターッ!!」

 

【チャーオー♪】

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「がはっ………」

 

 モルガンは全力で玉座を守ろうとしたが失敗した。

 

 玉座所か城すら原型を留めず、大地のほとんどは消し飛び、僅かに玉座があるだけだ。

 

「ああ………」

 

 モルガンはブリテンが滅んだ事を受け入れなかった。だが、

 

【アギト】

 

「ッ!?」

 

 異聞帯の空を打ち破り、汎人類史の空の下、それは気妙な紋章を広げた。

 

【アギトの刻】

 

「やっ、やめ」

 

【ライダーキック!!】

 

 足を一歩、踏みにじるように前に出すオーマジオウ。それで異聞帯は奈落の虫ごと踏みにじられた。

 

 奇妙な音を鳴り響き、異聞帯にいた全ての命をこの手で奪ったオーマジオウは、晴天の中で吠える。

 

 獣のように、怒り狂ったように、自我を失ったように吠えた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 最後の異聞帯の外で、終末の本を呼び出し、世界を破壊しながら攻め込んだ。

 

「お、お前」

 

 何かオルガマリー所長に似た何かがいたが、元々助ける気も何も無かったから、徹底的に殺した。

 

 異聞帯事、世界事殺した。

 

 どこからか声は聞こえる。

 

『やめ………藤丸………世界をこわ』

 

 その時、声をかき消すほどの何かが現れる。宇宙の境界線が割れ、そこから世界を消すような力を感じる。

 

【抑止力………】

 

 これが無ければ、みんなが言うように戦えた。みんなが言うように、自分にできる最大の事はやれた。

 

 これが無ければッ!!

 

 その時、真横から見た事も無い獣が体当たりをする。空の真上で吹き飛ぶが、空の上に立ち、それを見る。

 

【………フォウ】

 

 ビーストⅣと化したそれを見て、お前まで俺を裏切るのか。

 

 何がいけなかった?原作通りに進めようとして何が悪い。

 

 なんでみんなして俺に期待する?なんで俺に責任を押し付けようとするんだよ。

 

【ガアァァァァァァァァァァァ】

 

 うるさい。

 

【終焉の刻】

 

【アアァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――ッ!!!】

 

【逢魔時王必殺撃】

 

 背中の針が時を刻む。最大に、最速に、最広範囲に。

 

 オーマジオウの叫び声はストレスを発散させる子供のように大きな声で吠える。

 

 時計の針は一秒で光年ほどの時を進ませる。オーマジオウに近ければ近いほど、速く時は進む。

 

 それは銀河を超え、宇宙を超え、外なる世界にも届くほど。

 

 もはやそれは、時間と言う概念の奈落の穴。

 

 奈落の虫すら飲み込み、落下すると言う概念すら存在しない【無】の世界に落ちていく。

 

 それは世界の壁すら超えて、転生させた神の世界も飲み込み、彼が知覚できる全ての世界にまで危険を及ぼした。

 

【少年よ、貴殿に世界は荷が重かった】

 

 そう一言を放ち、英霊の座でグランド・キャスターは英霊の座を守りながら、グランド・アサシンはオーマジオウを切り裂いた。

 

 だが

 

【なに?】

 

、広がり、勢いを増して、全てを飲み込もうとする時間の流れ。

 

 オーマジオウは一度死を迎えた。だが過去に干渉して生きている時間と繋ぎ合わせ、死んだ時間を無かった事にした。

 

 死する存在、死が存在するが特定の条件でないと発動しない相手に死を与える事ができるグランド・アサシンだが、どんな状態でも死がある存在を殺す事はできなかった。

 

 死んでも死んでいない時間にアクセスして、無かった事にできる。それが時を司る魔王の力である。

 

 グランド・ランサーやグランド・アーチャーも出て来るが、殺しても勢いを止める事もできず、また死んでいない時へと時間がすり替わった。

 

 時の流れが英霊の座を崩しだす中、手だてが無いと思われた時、それは急激に止まる。

 

【ッ!?】

 

【見苦しいぞ、異世界の私よ】

 

 それを止めたのは、同じ【オーマジオウ】であった。

 

【ああ……あっ、アアアアアアアアアアアッ!!】

 

 オーマジオウに挑む【オーマジオウ】。それに激突する力だけで世界に激震が響き渡る。

 

 こうしてオーマジオウが止まるまで争いは続き、彼は絶望の中で時を過ごす。

 

「素晴らしいッ!!」

 

 それに歓喜する男がいた。

 

「あの神に転生させられた時、私も気が狂いかけたが、これは素晴らしい。あのお方こそ、我が魔王に相応しいッ」

 

 そうして絶望の中にいる魔王は長い年月一人で過ごし、一人の転生者に好きに力を振るうべきと囁かれる。

 

 これが最低最悪の魔王が、その力を振るった日であった。




転生者にさせられた人間

のちにオーマジオウの力を持たされて藤丸立香にされた人間。

引きこもりのニートであり、長い間家族としかまともに話した事が無い。家族仲は良く、性格も悪い訳では無かったオタク。家族の事も好き。

転生後、すぐさま藤丸立香として活動をさせられて、困惑とストレスで頭がおかしくなる中で、死にたくないと言う意思で頑張った。けど英霊の半分からは認められなかった。

精神年齢は引きこもっていた時期から成長しておらず、子供のような性格だが人を傷つけるのは怖くてできないような性格であり、いきなり戦闘、死が当たり前の世界にほとんど現実逃避して自分を守っていた。英霊の目には現実を見ずに、自分の都合の良い事ばかり信じるダメな大人だと思われている。

責任など背負えるほどの器では無いが、力の大きさの所為で勘違いされる。彼は決して力があっても、人理修復なんてできる器では無かった。

英霊の一部は精神子供なのを治させようとしたりするが、何割かは力ずくが多く逆効果。弱音を吐き、泣きながら助けを求めながら頑張るから力を貸した英霊もいる。

紅閻魔は優しく、ゆっくりと一人で歩けるように見守り、アストルフォなどは同じ性格で同い年の友達として接したり、子供サーヴァントのお願いは嫌々ながら聞いてあげたり、頑張ってはいた。

オーマジオウは隠しているように見えて隠していない。ヘラクレスに追われて走り抜けたり、魔術王ソロモンと対峙して平気だったりと片燐は見せている。

鍛えればできる子と思われ鍛えられるが、やりたいけどできないと思いこむ子供なので逆効果。スカハサなど精神年齢を秤間違えてた。

だけどカルデアスタッフとの仲は悪く、力を隠し持った魔術師扱い。どんな物かは知らないが、世界の命運よりも大事な事かと理解できてなかった。

前世の親が自分の巻き添えで死んだと言う事、藤丸立香として人生を歩まねばいけない事など、他人が背負うには重すぎるものは全てから逃げていた。もちろん力の責任からも全力で逃げていた。

結果、ストレスともう言葉にできない負の感情が爆発して、世界滅亡エンドに突入。


オーマ藤丸のマシュ

藤丸が何かをした隠しにしながら、世界を救う重圧から逃げたいと言いながら、自分には無理だと言いながら、それでも頑張っていた先輩は信用していた(例えそれが原作通りにすれば問題ないと言う自信からでも)

子供のような先輩ではあるが、自分を信じてはくれていたので信頼していた。それを自分の死で壊してしまう。


オーマ藤丸のダ・ヴィンチちゃん

正直封印指定されそうな能力や魔眼でも持ってるのかな?とか思っていた。魔術師の世界だから隠しても仕方ないが、できれば使える物は使ってほしいと常々思う(それが藤丸のストレスになっているとも知らずに)

解放された力を見て、自分の考えをすぐに撤回。決して使わせてはいけない物だと瞬時に理解したが、止められなかった。


オーマ藤丸のホームズ

実は藤丸には内緒で、藤丸は外からの存在に力を与えられた、人類の裏切り者では無いかと推測を立てて他の人に話していた。だが人理修復までならばともかく、異聞帯まではどういう思惑で行っているか理解できなかった。

それもそのはず、〝藤丸立香"だから人理修復して、異聞帯を壊していたからなんて答え、推理できなかった。外からの存在も、まさか面白半分に転生されたなんて理解できなかった。カルデアスタッフとの亀裂などはホームズが藤丸を信用していないスタンスの影響。


オーマ藤丸のフォウ

一般的に悪でも善でも無い、中途半端な存在の藤丸は、好きでも嫌いでも無かった。

動物好きな藤丸は時々現実逃避にご飯を上げようとしたりするので仲が良かっただけ。

だけど転生云々は分かっているので、こいつ可哀想だから優しくしてやろうとは思っていた。

最後には藤丸の感情を食べてビースト化。だけど時間の奈落に落ちて消滅する。


オーマ藤丸のゴルドルフ所長

なんとなく似た者同士の気がして、私こいつに全て押し付けなきゃいけないのと戦々恐々していた。同じような人間だと分かっていたのに、ホームズとかが何者から先兵とか言うから避けてきた。


オーマ藤丸のアルトリア・キャスター

自分より凄い力を持っているの、何もせず見ているだけの卑怯者と内心思っていた。

しかも話もほとんど聞かず、絵か何かを見るように話を聞いたりと失礼な奴だと思う。死にかけてるんだから戦え藤丸ぅと思っている。

だけど力を目の辺りにして、自分よりも酷いと理解して、最後には謝りながら巻き来まれた。


真なる悪者、転生させた神


間違えて殺したけど、引きこもりのニートだしいいかと思い、面白半分でオーマジオウの力与えて人理修復の旅を見ていた神。実はジャンヌに啓示したり、直感で藤丸が凄い存在だとサーヴァントに教えたのはこいつ。

藤丸の事はゴミのような人間だと思い、そんな息子を可愛がる親は頭の悪い人とか思っていて、藤丸を傷つけた。実はこれの所為で神とか信じられなくなった藤丸。

完全に理性が無くなった藤丸の力が予想以上に膨らみ、巻きこまれて滅びた。



あなたは突然藤丸立香になって、しかも爆弾持たされて人理修復できますか? ここの藤丸は運よくできました。だけどそれだけで、実際は泣き叫びながら逃げ出したい人でした。

ここまで来られたのも半分オーマジオウだからと英霊達の補助と原作知識があったから、最後の異聞帯で結局積んでいた世界線です。そもそも常人以下の彼がここまでこれたのが最後の奇跡。
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