確かに似ていたけれども   作:ケムシ

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自他の現状確認って

 

 

たくさんのお気に入り登録、評価、誤字報告ありがとうございます。

 

今回もお付き合いありがとうございます。

 


 

さて、メドゥーサは無事に倒せたもののカルデアの皆さんをグロッキーにしてしまった。てか所長吐けるんだ。

 

非常事態だった上に少しハイになってたからやってしまったがよく考えたら突然人間がチェンソー生えた化け物になって人をぶっ殺してるのって普通にSAN値チェック案件である。

 

会話が大事って再確認したってのに第一印象がスプラッタって言うのは滑り出しとしては最悪だ。

 

でもとりあえずまずは

 

 

 

「なぁ、そこの杖持ったアンタ。敵か?」

 

 

 

キャスニキへの確認である。

 

もちろん俺は原作知識で彼が敵ではないことは分かっているもののカルデアの皆さんは違う。現に今後ろにいる彼に気付いて慌てて距離を取っている。

 

 

 

 

「あ、新たなサーヴァントを確認!」

 

 

「いや、そう言うのはいいぞ。そこのバーサーカー野郎の質問への答えは“違う”だからな。」

 

 

 

マシュが臨戦態勢を取ったけどキャスニキは余裕の表情でこちらを見て話しかけてきた。

 

 

 

「戦い、見させてもらったぜ。やるじゃねーか、おかしくなってたとはいえあいつを鎧袖一触、なかなかできることじゃない。」

 

 

「見てたんなら手伝えよ。」

 

 

 

いやわりかしまじで。ハルペーで良いのもらってたら詰みだったんだぞ。つーかシャドウサーヴァント一体やったぐらいで褒められるのはFGO履修者としては微妙である。

 

 

 

「悪い悪い。でもこんな状況になっちまったんだ。手を組む相手はちゃんと見定めたくてな。その点お前は合格だ。」

 

 

 

 

“お前は”合格だ、ね.........まずったかもしれない。俺が単独でメドゥーサを殺したせいで原作ほど藤丸やマシュへの評価が高くない。変なことにはならないで欲しいが。

 

 

 

 

「俺ぁサーヴァントだからよぉ〜同盟とかの話はマスターにしてくんね?ほら、マスター。」

 

 

「へッ!?俺!」

 

 

「ふーん、そうかい。まあ筋だな。じゃあマスターさんとその仲間たち、とりあえず話し合えるところに移動しようぜ。」

 

 

 

 

キャスニキがどこか安全なところに案内してくれるらしい。

 

立ち直った藤丸と所長、そしてマシュもついていこうと歩き始めている。藤丸が恨みがましい目線を向けてきたが勘弁して欲しい。あそこでお前に水を向けてなかったらキャスニキは多分お前らを誘わなかった。

 

 

 

「ここならそこそこ落ち着ける。」

 

 

 

連れてこられたのは倒壊した建物のエントランス。気のせいならいいんだがここF/SNやホロウのデートスポットになってたモールみたいなやつでは?

 

 

 

「さて、じゃあ自己紹介と行きますか。俺はここの聖杯戦争に召喚されたキャスターだ。」

 

 

「ここで聖杯戦争が行われたと言うの!?」

 

 

『いや、所長、それ自体はあまりおかしくない。この特異点は冬木、聖杯戦争が一定期間で行われていた街だ。問題はなぜ街がこんなことになってるかだ。』

 

 

「ロマニ!今まで何をしてたの!?」

 

 

『ご、ごめんね所長。その、バーサーカーがあのサーヴァントを倒した時の光景がショッキングで少しトイレに行ってたんだ。」

 

 

 

「その声だけの情けないやつの疑問は的を得ている。実はそれ自体はオレも分からん。ただ突然セイバーのやつがおかしくなってな。突然他のサーヴァントを倒しては配下に加え、お前らが見た女と同じ感じにしちまった。俺はなんとか凌いで逃げ、ついでにアサシンとライダーを始末したんだが限界を感じて仲間を探してたわけだ。」

 

 

「訳がわからないわよ!」

 

 

 

おお、会話が進む進む。主に所長とロマニとキャスニキの間でだが。

 

俺、そして藤丸とマシュは置いてけぼりだ。

 

だが

 

 

 

「お腹は大丈夫ですか先輩?」

 

 

「大丈夫だよマシュ。もう空っぽだからね胃。」

 

 

「そうですか....なにかあったら言ってくださいね。」

 

 

「ありがとうマシュ。」

 

 

 

 

(この差よ。)

 

藤丸とマシュはなんか初々しいやり取りをしている。

 

俺といえば所長の後ろでボヤってしてるだけ。悔しい。

 

(でも一人の時間はありがたい。)

 

考えなきゃいけないことがある。

 

メドゥーサとの戦闘前、俺は藤丸に喝を入れるために声をかけようとしたが出てきたのはメドゥーサに対するセクハラだった。

 

(仮説はある。)

 

ただ確かめるのが怖い。この仮説がマジだとすると俺の強みが一つ消える。だけどこのままってわけにもいかない。

 

 

 

 

「なぁキャスター。」

 

 

「あん?なんだバーサーカー?」

 

 

「なんでこんなんなってんだ?」

 

 

「いや、知らねぇって言っただろ。」

 

 

「じゃあアンタ誰だ?」

 

 

「いきなりだな!あーまあ真名か、それは少し待ってくれ。」

 

 

「ケチだなアンタ。」

 

 

「ほっとけ!」

 

 

 

......最悪だ。仮説的中。

 

今の全くもって意味のない会話の中で俺は四つのことを言おうとした。

 

1.この一連の事態は人理焼却という事件のせいである。

 

2.主犯はソロモンの皮を被ったゲーティア。

 

3.アンタの真名はクーフーリンだ。

 

4.三平方の定理。

 

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俺はおそらく原作デンジに関する形で無辜の怪物スキルのような行動制限を受けている。原作知識だけが言えなかったら確証は持てなかったが、三平方の定理が言えなかったことで大体わかった。

 

デンジは学校に行ったことがない。故に数学はわからない。

 

デンジはFGOが生まれる前の時代に設定された物語の主人公である。FGOの設定など知らない。

 

そして前の激励の時もデンジなら知りもしない男の安否より目の前の女体の方が気になるだろう。

 

 

ほんと最悪だ。敵の一歩先を行くための力になるはずだった原作知識が一切言えないどころか最悪重要な場面で頓珍漢なことを言いかねない。

 

俺はデンジのキャラクター性は好きだし作中のセリフも面白がってた。

 

けどいざ自分が言うとなると少しキツイものがある。

 

(どうしよう.....)

 

厄ネタが多すぎる。

 

 

 

「バーサーカー!聞いているの!」

 

「んぁ?」

 

 

 

気づいたら所長が目の前でヒスってる。他の奴らも全員こちらを見てきている。

 

 

 

「あの姿はなんなのか聞いているのよ!」

 

 

 

チェンソーモードのことを知りたいらしい。当然だ。

 

でもぶっちゃけ今の俺だと

 

 

 

「あー、なんかダチの悪魔が心臓になっててな、それでスターター引くとチェンソーが生える。俺もよくわかんねぇ。」

 

 

「何よそれ!舐めてるの!」

 

 

 

悲しすぎる。何度も見直し、考察ページで議論したデンジとポチタの融合についての説明なのに出てきたのがこれである。しかも印象を悪くした気がする。

 

 

 

「そもそもあなたどこの英霊なのよ!デンジなんて名前聞いたことないわよ!」

 

 

「あ、それは俺も思った。」

 

 

「私もです!」

 

 

『確かに聞き覚えがないね。』

 

 

「召喚された時の知識にはない名前だな。」

 

 

 

みんなめっちゃ食いつくな。だけど

 

 

 

「こことは違う日本。」

 

 

「ふざけんなぁ!」

 

 

「落ち着いてください所長!」

 

 

 

所長発狂。気持ちはわかる。でもこれが限界なんだ。

 

 

 

「まあ、同じサーヴァントとして素性が言いにくいのはわかるぜ。とにかく本題に戻ろう。オレはこの状況を打開するために仲間が欲しい。」

 

 

「あ、はい。俺たちもそうなんです。キャスターさん、俺たちに力を貸してくれませんか?」

 

 

 

おっと今日ここで発狂した所長の代わりに藤丸がいった。こう言うところは主人公っぽい。

 

 

 

「それなんだけどな、オレが認めているのはそこのバーサーカーだけなんだよ。」

 

 

「え.......」

 

 

 

おいおいおいおいおいおいおいおい。ここにきて俺1人で戦ったことが効いてきたぞ。やっぱり無理矢理にでも藤丸とマシュを巻き込んで戦闘した方が良かったか?

 

 

 

「というかそこの盾持ちの嬢ちゃん、宝具は使えるのか?」

 

 

「ッ!使えません.........」

 

 

「やっぱりかぁ。」

 

 

 

ヤバイ。どんどん風向きが怪しくなってってる。キャスニキの協力無しで特異点攻略はキツいぞ。

 

 

 

「そんな顔すんな。実力テストのついでに宝具も引き出してやるよ。」

 

 

「はい?」

 

 

「構えろってことだよ。お前とお前のマスター、背を預けるに足りることを証明して見せろ。」

 

 

セッーフ!なんとか原作と同じ?展開だ。頑張ってくれ!藤丸!マシュ!

 


 

 

 

 

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

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