もしも炭治郎の下に義勇と実弥が来ていたら   作:レイファルクス

11 / 25
第11話

 

 

ここは『荻本屋』。そこには猪子こと伊之助と、伊之助を買った女性がいた。

 

 

「どうよこれ!!」

 

 

女性は伊之助に施された化粧を落とし、伊之助は素顔を露にする。それを見ていたもう一人の女性が伊之助の素顔に驚いていた。

 

 

「変な風に顔を塗ったくられていたけど、落としたらこうよ!!すごい得したわこんな美形の子安く買えて!!」

 

 

「仕込むわよォ!仕込むわよォ!京極屋の"蕨姫(わらびひめ)"やときと屋の"恋夏"よりも売れっ子にするわよォ!」

 

 

伊之助を買った女性は早速伊之助に芸事を仕込むために伊之助と一緒に移動した。その途中、もう一人の女性が伊之助の体格に疑問を持っていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

ここは『京極屋』。そこでは芸事の一つである三味線の稽古をしていた。その中には善子こと善逸がいた。

 

 

「あ…、あの子三味線うまいわね」

 

 

「そうね…、すごい迫力…」

 

 

「最近入った子?」

 

 

「耳がいいみたいよ?一回聞いたら三味線でも琴でも弾けるらしいわ…」

 

 

善逸の稽古を見ていた女性たちが善逸のことを次々に話していた。

 

 

「アタイにはわかるよ。あの子はのし上がるわね」

 

 

そこに煙管(キセル)(昔の煙草(タバコ))を持った女性が現れた。

 

 

「自分を捨てた男を見返してやろうっていう気概を感じる。そういう子は強いわよ」

 

 

善逸は京極屋に入る時のやり取りを思い出していた。

 

 

『便所掃除でも貰って下さいよォ。いっそタダでもいいんでこんなのは』ベシベシ

 

 

天元は善逸の頭を叩きながら笑顔で善逸を捨てた。

 

 

「(見返してやるあの男…!アタイ絶対吉原一の花魁になる!!)」

 

 

(男のお前がなれるわけね~だろ。目的を見誤るんじゃねぇよ。そんなんだからモテねぇんだよ)by作者

 

 

「誰よアタイの悪口を言ったのは~!?」

 

 

……善逸の耳は天の声までも聞き取れるようだ(汗)

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「炭子ちゃん、ちょっとあれ運んでくれる?人手が足りないみたいで…」

 

 

ここは炭治郎が潜入している『ときと屋』。その一室で服を畳んでいた炭治郎に女性が手伝いをお願いした。

 

 

「わかりました!鯉夏花魁の部屋ですね。すぐ運びます」

 

 

炭治郎は恋夏宛ての荷物を一篇に持ち、鯉夏の部屋へと向かった。

 

 

因みに炭治郎の化粧は白粉(おしろい)のみ落とされていた。白粉を落としたのは炭治郎を買った女将であり、白粉を落とした当初は烈火の如く怒った。

 

 

女将は炭治郎を捨てようとしていたが、炭治郎が頼み込み、『人前に出ないこと』を条件に炭治郎を働かせることを決めた。

 

 

荷物を持った炭治郎は鯉夏の部屋に到着すると、その部屋で内緒話しをしている少女の話を立ち聞きしてしまった。

 

 

炭治郎は興味を持ち、話していた内容について質問をしながら荷物を部屋に置いた。

 

 

そこで"須磨"の名前を聞き、須磨がどうしたのか質問をしようとすると

 

 

「噂話はよしなさい。本当に逃げ切れたかどうかなんて…、誰にもわからないのよ」

 

 

鯉夏が入室し、内緒話しを咎めた。そして炭治郎を呼び寄せ、荷物を運んでくれたお礼にと、お菓子を与えた。

 

 

炭治郎が鯉夏に須磨のことを質問すると、逆に鯉夏から須磨とどういう関係なのか質問された。

 

 

「ええと…須磨花魁は、私の…、私の…、姉なんです」

 

 

炭治郎は鯉夏の質問に答えた。が、その顔は酷く歪んで不細工面になっていた。

 

 

炭治郎は真面目な性格のため、嘘をつく時は罪悪感のせいで不細工面になってしまうのだ。

 

 

普通なら不細工面(この顔)になった者を信じる者はまずいない。しかし鯉夏は炭治郎を信じて須磨に関することを話したのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

一方『幼女好きの人拐い変態地味柱』こと天元は、いつもの『自分が派手だと思っている』格好になって、屋根の上から遊郭を監視していた。

 

 

「(今日も異常無し…か。やはり竈門が言っていた鬼の情報通り、遊郭(この街)に潜んでいるのは上弦の鬼のようだな。となると、これはド派手な殺り合いになるかもな)」

 

 

「(後、何か不名誉な呼ばれ方をされた気がする…)」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

一方伊之助は身を潜めながらまきをの情報を探っていた。そしてまきをが病気で部屋に閉じ籠っていることを聞き当てた。そして伊之助はまきをがいると思われる部屋に向かうのだった。

 

 

「(……暑い!脱ぎたいぜ脱ぎたいぜ!!こんな(モン)着てたら感覚が鈍って仕方ねぇ!!)」

 

 

伊之助は服を脱ぎたがっていたが、我慢していた。

 

 

『お前は声が太いから絶対喋るなよ?裏声も下っ手くそだからすぐ男だってバレるぞマジで』

 

 

『建物の中で暮らす』、『着物を着る』などの生活は伊之助にとって拷問に近かった。何故なら、伊之助は山の中で育ったため、『着物を着る』や『建物の中で暮らす』と言った人間にとって"当たり前"のことは理解できなかったのだ。

 

 

『着物は最低限』、『建物は洞窟等の雨風が凌げる場所』といった感じで伊之助は解釈していたのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「さぁさ、答えてごらん?お前は誰にこの手紙を出していたの?何だったかお前の名は?ああそうだ、"まきを"だ。答えるんだよ"まきを"!」

 

 

伊之助が探していたまきをは、自室で"帯"に捕らわれていた。しかも部屋の壁には傷があり、布団や食器はボロボロになっており、まきを自身も切り傷を負っていた。

 

 

「(情報を……伝えなくては。他の二人とも連絡が取れなくなってる。何とか外へ…。早く…、あの人の所へ……、天元様……)」

 

 

まきをは今の状況を打破するための策を考えていたが、急に帯の締め付けがキツくなり、まきをの体が宙に浮いた。

 

 

丁度その時、伊之助はまきをの部屋のすぐ近くまで来ていた。

 

 

「(妙だな、妙な感じだ。今はまずい状況なのか?わからねぇ…。あの部屋…まきをの部屋、ぬめっとした気持ち悪ィ感じはするが……)」

 

 

伊之助はまきをの部屋を見ていた。そして若干弱くなってはいるが、持ち前の感覚で部屋の空気を読み取る。そして意を決してまきをの部屋まで一気に走り出した。

 

 

そして襖を開けると、まきをは部屋にはいなかった。だが、開けた途端、風が吹いているのを伊之助は感じ取った。

 

 

「(風…?窓も開いてないのに)」

 

 

伊之助は風が吹いている所を考えると

 

 

「(天井裏!!やっぱり鬼だ!今は昼間だから上に逃げたな!)」

 

 

鬼が天井裏に逃げたことを悟った。そしてまきをのために作られたうどんの丼を掴むと

 

 

「おいコラ、バレてんぞ!!」

 

 

天井目掛けて思い切り投げた。当然丼は割れた。すると天井から"何か"が移動する音がした。

 

 

「逃がさねぇぞ!!」

 

 

逃げ出した鬼を伊之助は追いかけた。

 

 

「(どこに行く!?どこに逃げる!?天井から壁を伝って移動するか?よしその瞬間に壁をブン殴って引きずり出す!)」

 

 

そして伊之助は壁の一点を見つめる。

 

 

「(ここだ!)」

 

 

伊之助は鬼を引きずり出すために壁を殴ろうとした。

 

 

「おおっ!可愛いのがいるじゃないか!」

 

 

しかしその直前に男性が部屋から顔を覗かせてしまった。そして伊之助は壁では無く男性の顔を殴ってしまった。

 

 

「(クソッ、しくじった!下に逃げてる!!)」

 

 

伊之助は逃げた鬼を気配を頼りに追いかけるが、とうとう見失ってしまった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

視線を京極屋に戻そう。

 

 

「(なんか俺、自分を見失ってた…。ここには宇随さんの奥さんの雛鶴さんを探すんだったよ、三味線や琴の腕上げてもどうしようもないだろうよ)」

 

 

善逸は歩きながら京極屋に潜入した目的を思い出していた。

 

 

(やっと思い出したか非モテ男。早く雛鶴さんの情報を探れよタンポポ頭)by作者

 

 

「(何か悪口言われた気がする…。とりあえず集中して聞いてみるか)」

 

 

善逸は耳に手を添えて声を集中して聞いた。

 

 

『アレとってアレ!』

 

 

『帯が無いのよ』

 

 

『もうおなかすいたわ』

 

 

『髪結いさん来た?』

 

 

『早くしなよ!』

 

 

『ひっく…、ひっく…、ぐすん』

 

 

「(ひっくひっくぐすん!?)一大事だ、女の子が泣いてる」

 

 

女の子の泣き声を聞き取った善逸は直ぐ様その声の主がいる所へ向かった。

 

 

そして到着した所は部屋の一室で、その中はめちゃくちゃだった。善逸は部屋の中で泣いている少女に声をかけると振り向いた少女の顔には痣があった。

 

 

少女の顔についた痣を見た善逸は思わず大声を出してしまった。そして少女が更に泣いてしまい、慰めていると

 

 

「アンタ、人の部屋で何してんの?」

 

 

京極屋の花魁の一人『蕨姫花魁』が現れた。

 

 

しかし善逸は今自分の後ろにいる花魁が"鬼"であることを聞き破っていた。

 

 

善逸曰く

 

 

「鬼の音は人の音とは全く違うから」

 

 

とのことだった。

 

 

「オイ、耳が聞こえないのかい」

 

 

「わ…、蕨姫花魁。その人は一昨日入ったばかりだから…」

 

 

善逸のことを他の少女たちがが怯えながら蕨姫に教えるが

 

 

「はぁ?だったら何なの?」

 

 

蕨姫は一瞥し、少女たちを更に怯えさせた。

 

 

「勝手に入ってすみません!部屋がめちゃくちゃだったし、あの子が泣いていたので…」

 

 

そこに善逸が勝手に入室したことを謝るが、善逸の顔を見た蕨姫は罵詈雑言を善逸に浴びせる。そして泣いていた少女の側まで来ると

 

 

ギュッ「ギャアッ」

 

 

少女の耳を思い切り引っ張った。蕨姫は五月蝿くした少女に更に怒る。引っ張る力が強いせいなのか、少女の耳の付け根から出血し、今にも耳が千切れそうになっていた。

 

 

ガシッ「手…、放してください…!」

 

 

しかしそれを善逸が蕨姫の手首を掴んで止めさせた。

 

 

 

「気安く触るんじゃないよ、のぼせ腐りやがってこのガキが。躾が要るようだねお前は、きつい躾が」

 

 

だが蕨姫は善逸を向かいの部屋まで殴り飛ばした。

 

 

「蕨姫花魁…!」

 

 

そこに京極屋の旦那が現れ、蕨姫に土下座した。

 

 

「この通りだ頼む!もうすぐ店の時間だ、客が来る…!俺がきつく叱っておくからどうか今は…、俺の顔を立ててくれ…!」

 

 

それを見た蕨姫は

 

 

「旦那さん、顔を上げておくれ。私の方こそご免なさいね。最近ちょっと癪に触ることが多くって」

 

 

「入って来たばかりの子につらく当たり過ぎたね。手当てしてやって頂戴」

 

 

そう言って笑った。

 

 

それから旦那は店にいる者総動員で蕨姫の部屋を片付けさせた。

 

 

「(あのガキ、この感触からすると軽症だね。失神はしているけれども、受け身を取りやがった。一般人じゃない。鬼殺隊なんだろう、でも柱のような実力は無い)ククッ、フフフッ。少し時間がかかったけど、上手く釣れて来たわね。どんどんいらっしゃい、皆殺して喰ってあげる」

 

 

蕨姫は化粧を施しながら笑っていた……。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。