転生先は何ライダーですか?   作:三柱 努

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ドライブ

「さてお次は仮面ライダードライブの世界。石森さんには是非とも行っていただきたい世界です」

? 天使がおすすめする世界だと? 初めてじゃないか?

「そんなにイイ世界なのか?」

「いいえ。この世界に行って、重加速がどんなものなのかを教えていただきたいんです!」

用語の意味は分からないが、天使の真意は分かった。

お土産目当てなんだな。

早い話が。

 

「その重加速っていうのは何なんだ?」

「この世界の怪人、ロリ少女が使ってくる能力です。広い範囲で周囲の時間がゆっくりになって、人の意識は鮮明に残る現象で、『どんより』と呼ばれたりしていますが、具体的にどういうものなのかよく分からないんです」

ろ・・・り少女? あれか? 魔法幼女的なアニメ的な?

「よく分からんが、それって敵の攻撃じゃないのか? 喰らってみろってか?」

「大丈夫です。重加速だけなら体に害はありませんから」

そう言って目を逸らす天使。体以外に害があるのか。

「まぁいい。よく分からないっつったって、ある程度は番組の中で描写されるんだろ? そっから推理してくれよ」

わざわざ転生して、よく分からないものを体験しろ言われて「はいそうですか」という奴はいない。

「そうですね。重加速の領域内では人の動きも物の動きも、全てがゆっくりに動いてしまいます。水もそうですし、例えば高い所から落下するのもゆっくりになります。ですが意識は鮮明なまま。うまくいけば高所からの落下でもゆっくりなので、そのまま無事に着地もできます」

「全てがゆっくりになる? それってむしろ良い事なんじゃないか? その領域から逃げりゃ、動きのトロい怪人から逃げ放題じゃねぇか」

今までで一番、逃げるのが楽そうだな。と思った俺に天使は指を振って舌を鳴らした。

あ、駄目なパターンだ。

「ホイコーローは重加速の中でも自由に動けますよ。あと仮面ライダーも」

仮面ライダーは肉と野菜の炒め物なのか? しかも何故そこだけピンポイントで自由が効くんだ?

「・・・って待てよ? 動きがゆっくりで意識は鮮明ってことは・・鋭い痛みがゆっくりやってくるッ! っつうことになるんじゃねぇか!?」

俺の推理に天使は呆けていたが、なんとなく俺は恐怖したぜ。

例えばだ。例えばそのロリ少女が重加速を発動させた時に、俺が何らかの怪我をしている最中だったとしよう。

痛みを感じたまま、そのダメージはゆっくりと負い続ける。

なるほどな、俺は理解したぜ。その重加速というのは生命エネルギーを与える能力。

生命ある人間にエネルギーを与え、意識だけが先行してしまうようだな!

「なるほどな。つまり俺がその世界で生き延びるには、ロリ少女を手懐ければいいっつうわけだな」

「甘いですね石森さん。恋女房はそんなに容易く陥落しません」

あ? 夫ラブな人妻に手を出すわけがねぇだろ? しかもそんな話はしていない。

「モエニュウドウは人工生命体でして、その誕生の過程において悪の科学者に拷問を受けたり、人間の悪意をプログラムされてしまったこともあり、総じて人間に対して悪意しか持っていません。自分たちが人間に成り代わるために」

ま、また新しいのが出て来たな。萌え入道!?

・・・・

「ちょっと待て。まさかだけど、ロリ少女と回鍋肉、恋女房、萌え入道。全部同じか?」

「そうですよ。ロイムーチョは自分たちの存在を警察組織に探られないように、警察関係者のほとんどの記憶能力に攪乱作用を植え込んでいます。なので“ロイミュード”という正式名称を誰も発音できないという状態です」

天使、お前も喰らってないかその攪乱作用。

いや、今抜けたのか。

「広域でゴールドエクスペリエンスを使ってくる、人間に悪意を持ったロイミュードが今回の怪人なのか」

「黄金体験? 石森さん、服脱いでもらえます?」

 

ちょっと黄金体験だった。

 

どうやら例の記憶操作を食らった人間は体のどこかに氷の紋章みたいな傷痕が残るらしい。

で、話は逸れたが・・・ようは今まで通り危険しかないわけだ。

「どうにか安全に生きていく方法とかあるか?」

「そうですね。運次第です」

だろうな。

「目の前にロイミュードが現れても、直接襲われることの危険は気にしたら負けですね。それよりも重加速の影響を気を付けたほうがいいですね」

「・・・そ、そうか。転生した時に襲われるのばっかり気にしてられねぇもんな。その後の日常生活を考えてみると、他の所で戦ってる怪人が重加速を出したらその影響があるかもしれないな」

「その通りです。個体差もありますが、広いと町全体レベルで重加速は起きることもあります。ですので普段から生活環境や日常生活活動にひそむ危険性や有害性等の危険要因を発見し解決する能力を高めておく必要があります!」

なんか・・・車を作る工場で働く人みたいに、安全衛生管理が求められるんだな。さすがドライブ。

 

 

 

「それでは石森さん。貴方が転生するのは、ドライブの世界でよろしいですか?」

笑顔で尋ねる天使に、俺は笑顔で答えた。

「いいえ。俺は仮面ライダードライブの世界に転生しません!」

俺って、破壊力 – C(願望) / スピード - D / 射程距離 - C / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 – E だからなぁ。

 

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