転生先は何ライダーですか?   作:三柱 努

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ゴースト

「次は仮面ライダーゴーストの世界です。ですが、あまりオススメしません」

ん? 前回は初っ端からオススメしてきたのに、今回は初っ端から非推奨?

天使にしては珍しくテンションが落ちてるな。

これは悪い予感が・・・ん? 逆か、いい予感か?

 

「で、そのゴーストの世界のどこがオススメできないんだ?」

「文字通り、ゴーストだからですよ。主人公が第1話で死んでしまうんです」

そうか、だからテンションが上がらないのか。

第1話で主人公が死んで、仮面ライダーゴースト完。

・・・・?

「第1話が最終話? 1回だけの特番?」

俺の問いに天使は首を横に振った。

「いいえ。死してなお戦う仮面ライダー、それがゴーストです。最後の最後で生き返りますのでご安心を」

「生き返るために戦っているのか・・・なんか俺に状況に似てるな」

俺がボソリと言っただけだが、天使は鼻で笑った。ああ、分かってるよ。絶対に状況違うんだろ?

「でもさ、生き返るために戦うなら面白そうなストーリーになりそうじゃないか? 幽遊白書とか、名作の予感」

「もちろん、仮面ライダーに駄作はありませ・・・ん」

天使の口が濁った。賛否両論作はあるんだろうな。天使の口も「最終回の続きは映画で、とか」って形になってた。

「まぁそのあたりの理由じゃないんだろ? ゴーストがオススメしないのって」

「はい。この世界、あんまり面白くないんです」

言っちゃった。天使が言っちゃった。

「まぁいいんじゃないか? 話の面白さなんか、俺の転生には関係ないだろ?」

「関係大有りですよ」

あのさ天使、俺の転生の判断基準忘れて無いか?

安全、安心が第一。普通の転生をしたいわけ。

「だってゴーストの世界、石森さんのような一般人は・・・仮面ライダーのことも怪人のことも見えないんですよ!」

 

・・・・・・・・

 

「??? どゆこと?」

仮面ライダーや怪人が、見えない? 会えない的な?

「ゴーストは文字通りの幽霊です。実体が無いので特殊な処置をしないと人間には見ることも触れることもできないのです」

「あ、ああ。死んでんだもんな。ひょっとして怪人も?」

「はい。怪人・眼魔も幽体のような存在ですので、一般の人には姿も見えませんし、触れることもできません」

・・・・?

「い、いいことずくめじゃないのか? 一般人には危害が無いんだろ?」

「そうですね。眼魔はあまり一般人には危害を加えませんね。体を乗っ取るために人に憑依して悪事を働いたり、物を壊したりします」

あまり 人に 危害を 加えない?

「じゃあ何故、オススメしないんだ?」

「だって、仮面ライダーも怪人も見えないのに、何のために仮面ライダーの世界に転生するんですか!」

「どうでもいいッ!」

ほんとどうでもいいッ!

「俺が生きたいのは平和な世界。怪人に襲われない世界は理そ・・・ん? いや、違うか。俺の転生は『怪人が人間を襲っている時に画面の端にいる一般人』だったな。なら絶対に安全とは言えないか。仮面ライダーが来てくれる前に破壊に巻き込まれたりとか」

「そうですね。絶対安全とは言えませんが、先ほど申し上げたように怪人を視認するには特殊な行程を踏む必要があります。その手段を取るのは仮面ライダーの仲間ですので、ほとんどの場合は石森さんが眼魔と出会う頃には仮面ライダーたちの助けが間に合います」

ますますいいじゃないか。

いや、ここまで来ると逆に怖いな。最後のどんでん返し的なものが。

「ちなみに、最終回ってどうなるんだ? 世界の危機とか町の危機とか」

「そうですね。最後には眼魔の神さまのような存在が、人類を滅ぼすために多くの人を魂にして吸収するような事態は起きます。転生する以上、それに巻き込まれる可能性は高いですね」

「安定の大ピンチ」

「ですが最終的にはゴーストが自分の復活ではなく、その人々の復活を望んで実行するので大丈夫ですよ。そのオマケにゴースト自身も復活するので全て大団円です」

 

え?

 

 

 

 

「それでは石森さん。貴方が転生するのは、ゴーストの世界でよろしいですか?」

笑顔で尋ねる天使に、俺は笑顔で答えた。

「ああ。俺は仮面ライダーゴーストの世界に転生する」

「え?」

「え?」

天使が何故、え?と言う?

「え? ゴーストの世界に転生・・・あの、まだ平成ライダーの世界は残っているんですけど」

「ああ。だからもう紹介はいらない」

「え? え? え? ま、まだ最後まで残っているんですよ!」

「じゃあ聞くが、この先のライダーの世界に“安全”はあるのか?」

天使は黙った。ゴーストみたいな一般人安全番組はおそらく100年に一度あるかないかだろう。

でもめっちゃ落ち込んでる。話したくて話したくてウズウズしていたんだろうな。

ちょっとかわいそうだ。

「じゃあ1回だけな」

「え? いいんですか!?」

「ああ。1000字以内だぜ」

「はい! 次はエグゼイドです。その次はビルド。そしてジオウ! どの世界のライダーも素敵で最高の・・・って、1回だけ?」

 

「そうだ。その3つのライダーの世界の転生時の説明をまとめて1000字以内で、な」

 

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