ラスボスからは逃げられない! 作:宇宙きのこ(ミズガルズ産)
良い感じに手直しが出来たのであげます。
宇宙の大半を収納した「構造体」は、不気味に鼓動していた。
それは浮かんでいるというよりはそこに固定されている。
空間に置かれた物体のはずなのに、周囲の空間のほうが従順に形を変え、構造体を中心に見えない皺が波紋のように広がっている。
視界の端で星の残光が微かに引き寄せられ、曲げられ、細い糸のように吸い込まれていく。
観測可能な宇宙の大半。
女神の作った魔法である宇宙膜。
その内側に広がっていた星々と銀河と時間と、黄道12星座。
それらを【アセルス・アウストラリス】が一点へ引き寄せ、【テグミン】が密度という概念を暴力的に押し上げ、最後に“ポケット”として折り畳んだもの。
宇宙の広がりが、点に押し込まれているのだ。
距離が縮んだのではなく距離が“層”になったというべきだ。
何万光年もの隔たりが、薄い紙の束のように重なり、同じ座標に収容されている。
その結果として生まれた構造はもう間もなく起爆する。
これは破壊兵器ではなく、宇宙一つを丸ごと用いて作られた、世界規模の感染経路だ。
内部に圧縮された膨大な量のマナ――そして、そのマナに染みついた癌が、反転の力でインフレーションを起こし極点の全方位へ飛び散る。
飛び散る、という言葉は軽すぎたか。
それは拡散/侵入/蔓延である。
女神の身体とも言える極点のあらゆる箇所へ汚染された宇宙の破片が“初期状態の種”として降り注ぎ、各所で同時に癌のステージを進めていく。
アロヴィナスは世界への罹患を認識できず、初期治療も出来ないという孔をついた攻撃である。
仮にどこか一箇所を守っても無意味になり、どこか一箇所を何とか治療しても追いつかない。
極点そのものが、複数地点で同時に罹患し、同時に進行し、そして同時に“更新”されるのだ。
構造体の表面は濁った青色をしていた。
澄んだ空色でも、海の青でもない。
血の抜けた皮膚の下に透ける静脈の色に似たソレは青というより、冷たい病の色だ。
そこに時折白い光が筋となって走り、鼓動の様にそれは明滅する。
宇宙として存在するために必要だった距離と空間と時間の役割を与えられていた女神の“力”は今や資源だ。
歴史上ここまで女神の宇宙を奪い取り再利用した存在などいないだろう。
そして【テグミン】が再び働く。
防御力を上げるという言葉は、この場ではすでに意味を変えていた。
即ち硬さとは密度であり、密度とは粒子間の間隔を潰すことである、故に防御を上げるのは密度の上昇を意味するのだと。
構造体の内部で星々の光が逃げられなくなり、マナの流れが一本の針のように束ねられていく。
歴史の厚みが一枚の薄皮へと押し込められ、そのたびに鼓動が重くなる。
どくん。
どくん。
音ではないのに耳の奥で感じる。
胸骨の裏側に響く。空間そのものが心臓になって、血ではなく圧力を送り出している。
鼓動の間隔が短くなるほど、最終工程が進んでいる証拠だった。
爆縮。
より爆発力を向上させるための、最後の圧縮。
そして、この爆縮が終わった瞬間に反転の工程が来る。
ビッグバンによる汚染された宇宙の誕生と極点全域を蝕む拡散の鼓動。
それを以てヴァルハラからの逆流と併せて極点は復元不可能なほどに汚染されアリストテレスの計画は完遂される。
カウントはもう間もなく終わる。
その時、この気持ち悪い世界は終わるのだ。
倒しても、倒しても。
女神を模した癌――マナ・キャンサーは、ルファスの前で“払底”という概念を嘲笑うかのように増え続けた。
撃ち落としても、斬り払っても、砕いても。
血飛沫と拡散するマナの向こうで次の個体がすでに彼女目掛けて突っ込んでくる。
どれだけ激しく迎撃されようと、どれだけ拒絶されようと気にせずに。
もちろん一体倒すのにも面倒な手順を踏まなくてはいけないのは変わらない。
【フィロ・ソフィア】で癌を治療し【ヴィンデミ・アトリックス】で正常化したマナそのものを消去した上で物理的に破壊しないといけない。
下手に力任せに破壊しようものならば砕けた細胞一つ一つがアクベンスなどを連鎖させて恐ろしいカウンターを送り込んでくるからだ。
これらは最初は妙に洗練されていた。
剣筋も、踏み込みも、呼吸さえも完璧に統合され戦闘という行為そのものを最適化させた美しい女神の軍勢だった。
だが今は違う。
もうそんな上品な膜はとうに捨て去られていた。
戦闘技術さえ不要だとでも言わんばかりに、彼女たちはただ殺到した。
手数でも技巧でもなく、純粋な“数”と“捕食”で、ルファスを擦り潰しに来る。
角砂糖に群がる蟻。
そう例えた瞬間でさえどこか現実から目を逸らしている。
まだかわいらしい表現だ、これでは。
蟻には群れとしての秩序がある。
蟻には目的がある。
何より蟻はこんな不気味に笑わない。
手。手。爪。爪。歯。
真っ白な手が何十、何百と伸び、白い爪が肉の端を探り、歯列がわざとらしいほど覗く。
彼女たちは常に微笑んでいた。血に塗れようと、身体が砕けようと、何なら消え去る直前まで。
口角の上がり方は完璧に揃っている。
表情筋の角度まで寸分違わずに同じだ。
プラン・アリストテレスと同じように彼女たちは微笑みを顔にぺたりとシールの様に張り付けていた。
そして、その微笑みの奥で歯が光る。
ニタァァァァァア。
さながら見せつけるように綺麗すぎた歯列が覗く。
誇示するように。恐怖のために。
女神の美しさを借りた無機質な捕食の道具としてこれらは歯を見せつける。
そして背中に生えた黒翼が、空間を塗り潰す。
ルファスと同じ形と色の翼。
覇王の因子を己のものにした証左だ。
だが、その羽ばたきには生命の必死さがない。
空を掴むための筋肉の躍動も、風を裂くための呼吸もない。
ただ天翼族の肉体という設計に基づいて静かに翼を動かしている。
本当はこれらは翼を用いずとも飛翔は可能だ。
全ては上っ面だけ飛行生命体としての姿をまねしているに過ぎない。
ぐるぐるとルファスの周りをマナ・キャンサーが不気味なほどに統一された動きで旋回している。
しかしこれを以て猛禽類の群れ――と、言うのは上品すぎた。
これは……飢えた倫理のない餓鬼だ。
腐肉に群がり、口を開けたまま笑い、咀嚼することさえ遊戯のように楽しむ。
幼子が好奇心だけで虫の羽を千切るあの無遠慮な残酷さがここにはある。
そこには悪意も憎しみもない。
しぶとく頑迷に抵抗を繰り返す覇王を削り殺すための作業の一工程しかない。
魔神族がそうであるように人を殺すように、これらもそういうものとしてルファスを襲っていた。
だが覇王はその中心で表情を変えずに立っていた。
覇王の黒翼は、偽物とは比べ物にならないほどの黒さを以て広がっている。
終焉が迫る中、彼女の瞳だけは冷めている。
戦いを楽しむことも多い彼女であっても、今は全く楽しくない。
こんな茶番にもならない地獄の如き舞踏会はうんざりだった。
【ジ・アークエネミー】
規格外のクラス。レベル4200。
誰も届かない高み――そのはずだった。
「チッ」
判ってはいたが、厄介極まりない。
無意識に舌打ちする。
キリがないという事は彼女も判っている。
このままでは押し切られると。
同じ顔、ディーナのソレが無秩序にそこら中に氾濫している彼女の視界は地獄そのものだった。
覇王が数に押される。
その事実が宇宙の終わりと同じくらいの絶望を孕んでいた。
どれほど強くてもいつかは負けるときがくる。
プランは常にその単純な事実を自戒していた。
彼女は列に並んでしまった。
ルファスにとっての「順番」の時。
それはもしかしたら今かもしれなかった。
彼女の一撃は、常識を破壊するためにある。
彼女に挑む多数は蹂躙されるためにある筈だった
だが、ここにいるのは常識の側ではない。
マナ・キャンサーは“レベル”という概念の外側で増殖し、強さを数値で測る世界そのものを汚染し台無しにする。
倒せば倒すほど、その倒され方さえ学習し、次の個体が最適化される。
否。
最適化などという整った言葉では足りない。
生物が淘汰圧に抵抗して世代交代を繰り返し適応するように、これらは適応/進化を瞬時に行う。
例えばこの攻防だ。
右の拳を突き出せばそれを迎撃するように大きく口が顎さえ外れて展開し、丸のみにしようとする。
放たれたルファスの拳圧はその個体の後頭部にかけて大穴を開ける。
だが、次にマナ・キャンサーの瞳孔が動き、ルファスを見る。
両腕でルファスの右手を掴んで引き抜けない様に固定。
そのまま容赦なく顎を閉じ、ルファスの右手首から先を食い千切ろうとする。
しかし黒翼の覇王は冷淡に対処する。
ルファスは右手に“力”を送り込み、女神の口内で炸裂させる。
結果、女神の頭部は鼻から上を失いたたらをふんでよろめき、やがて後ろからやってきた別の個体に弾き飛ばされてばらばらに弾けてしまった。
次の個体は更に顎が耳元まで裂けている。
更に顎の筋力が強化され、口が閉じるまでの速度が上昇している。
同じことをやろうとしても今度はルファスの力が炸裂する前に顎は閉じるだろう。
ルファスが手を打つたびに微調整されて適応を続けているのだ。
次がやってくる。
それを倒しても次が。
次がまた出てくる。
まだまだ次が。
次が。
次が。
果て?
そんなものはない。
コレはゲームではないのだ。
決められた数を倒せば終わるミニゲームではなく、世界が終わるまでにルファスを殺そうとする処刑でしかない
対してルファスは全身全霊で迎撃し続ける。
最速の踏み込み。
最短の斬撃。最小の隙。
最適の迎撃。
どこまでの才覚があればこんなことが出来るのだろうかと目を疑うほどに流麗な戦闘技能。
決して彼女がレベルだけの存在ではないという証だ。
たとえ他の者らと同じレベル1000に力を抑えた上で規格外のクラスがなくとも彼女は最強だ。
攻撃と防御の境目が溶けた覇王の戦闘は一種の舞踏だ。
剣先/拳/翼が閃くたび、女神の顔をした癌が綺麗に裂け、白い肉がほどけるように崩れ落ちる。
それでもなお終わらない。
次の瞬間、裂けたはずの“白”が、別の場所で笑っている。
背後。上。視界の端。視界の外。腕の死角へ、歯列が滑り込む。
彼女たちいは魔神族の様に生えてくる上にそこに限度はない。
カチ、と空気が鳴った。
噛み合わせの歯が歯に触れる乾いた音だ。
ルファスの肩口に微かな痛みが走る。
ほんの一瞬の、ほんの一箇所。
ルファスの一部が食い千切られていた。
もぐもぐと微笑んだまま見せつけるように咀嚼する個体がいた。
ルファスは瞬き一つせず、痛みを気にせずに剣を振り抜く。
肩口に噛みついた個体に向けて諸々のスキルと“力”を込めた剣圧を飛ばす。
ルファスを味わっていた個体がバラバラに弾け飛び、唯一原形を留めた頭部がクルクルと飛んでいく。
吹き飛び回転する女神の顔は微笑んでいる。
身体を失っても、微笑みは変わらず、苦痛など見せない。
それしか彼女たちの表情は存在しないように。
“喜”以外の感情をこれらは出力しない。
いや、その顔でさえ「こうあるべし」という絵を張り付けたようなものか。
次いで、右腿へ爪が走る。
斬撃の余韻が残る刹那、下から伸びた白い手が、ルファスの腿を掴もうとする。
掴むというより、確かめるような指先。
肉の柔らかさを測り、骨の位置を探り、剥がしやすい箇所を選ぶ。
爪が食い込む。
皮膚が、薄く裂ける。
先に傷を受けた場所を更に深く抉られた。
思わず覇王の瞳は細まる。
苦痛は漏らさないが、しかし痛覚は鈍く反応していた。
その裂け目に、別の口が吸い寄せられる。
血の匂いに反応する獣のように――いや、獣よりも整然と。
まるで機械のアームが作業工程に従って動くように、歯列がカチンという音を立てて噛みあう。
白い歯が覇王の肉へ触れる瞬間、ルファスの背筋が微かに震えた。
彼女が抱く感情は恐怖や怒りではない。
これは“嫌悪”だ。
自分の肉体が食われる。
自分の存在が獣のような怪物たちに噛み砕かれようとしている。
それを、笑顔で、無感情に、綺麗な顔のままやられる。
人の形をしたものに、人の形をしたまま貪られる。
何とおぞましい。
ルファスは女神を好んではいないが、それでもその姿をこのように歪めて扱う兵器群の悪趣味さにはうんざりしていた。
「消えろ、下郎」
ルファスの翼が大きく開き、黒い羽根が嵐のように空間を薙いだ。
【威圧】
純粋な神としての力さえも練りこみ圧を波動と同時に全方位に放つ。
世界そのものを押し退けるような圧。
それは直接的な破壊力さえ伴って宙を揺らした。
群れが一瞬、刺激された危機感覚に従い宙の中で散る。
散りながらも彼女たちは微笑んでいた。
にっこりと歯を見せ、ルファスに笑いかけ続ける。
何体かは巻き込まれて消し飛んだが、数体が吹き飛んだ時点で全体が耐性を共有し軽傷程度まで抑え込まれる。
そして――霧散が反転し殺到する。
穴が塞がるように。崩れた土砂が谷を満たすように。
傷口へ集まる虫のように、覇王の下に彼女たちは誘導されていく。
ルファスは剣を横薙ぎに振るい、正面の群れを断つ。
縦に一閃し、翼の付け根ごと断つ。
突きで心臓部を貫き、心臓に該当する部位を潰す。
ボロボロと霧散する女神の現身。
あくまでも心臓という部位を担当するキャンサーが壊れただけで、全体を構築する細胞が女神の姿をとることをやめただけだ。
ルファスは一本のエリクサーを飲んだ。
体力と気力が完全に回復するが、終わりは見えない。
いずこから漏れ出た無数の屍が宙に漂いぷかぷかと水死体の様に揺蕩っている。
それらを踏みにじりながら飛翔する偽りの女神ども。
宇宙は既に圧縮されきり、900億光年の広がりはもうミズガルズ星系のみとなってしまっている。
状況は絶望という言葉さえ生ぬるい。
だって、新鮮なルファスの血液という絶好のサンプルを得たマナ・キャンサーたちが更に変異を遂げていくのだから。
女神アロヴィナスの化身たるディーナ。
覇王ルファス・マファール。
二つの規格外を参照しアリストテレスは更に更に発展していく。
外見は変わらない。
しかし内部構造が凄まじい勢いで変化され書き換わっていく。
そして。
ある個体が人差し指を立てた。
真っ白な女性の指先が金属質な黒い鍵へと変わっていく。
ディーナが持つ管理者権限を物質化させた「天に至る鍵」の模造がくるりと回された。
カチャン。
ナニカが切り替わった。
しかしそれは少なくとも三次元というちっぽけな世界においては認識できない。
実行。実行。実行。実行。
処理。処理。処理・処理。
そして、ルファスの中に何かが送り込まれた。
彼女の体や魂ではなく、ミズガルズにおける彼女の居場所に無数に奇妙な指示が送り込まれる。
本来ならば何が起きているかなど理解も不可能な事、しかしシステム領域に踏み込んだ力を持つルファスには感知できてしまう。
以前再現体と戦った時に受けた“上書き”に近いものがあったのも後押しした。
肉体的でも精神でも魂でもない、全く別の方向からの干渉をルファスは感知することが出来るようになっていたのだ。
行われるのは極点への直接的な干渉。
方々に散らばった癌が極点を蝕み、それを悪用し攻撃/絶滅に応用する。
[SYS] HANDSHAKE_OK
[SYS] VIEWPORT: MIDGARDS
[SYS] ENTITY: Rufus_Midgards
[SYS] ACCESS: ███████████████
次の瞬間、世界の“文字”が剥がれた。
意味が先に死んで、記号だけが生き残る。
blink:8
<white>[00000000]</white> <darkgray>[00000001]</darkgray> <white>[00000002]</white> <darkgray>[00000003]</darkgray> <white>[00000004]</white> <darkgray>[00000005]</darkgray> <white>[00000006]</white> <darkgray>[00000007]</darkgray><br>
<darkgray>[0x1A3F]</darkgray> <white>[0x1A40]</white> <darkgray>[0x1A41]</darkgray> <white>[0x1A42]</white> <darkgray>[0x1A43]</darkgray> <white>[0x1A44]</white> <darkgray>[0x1A45]</darkgray> <white>[0x1A46]</white><br>
<white>01101110</white> <darkgray>01101111</darkgray> <white>01110000</white> <darkgray>01110001</darkgray> <white>01110010</white> <darkgray>01110011</darkgray> <white>01110100</white> <darkgray>01110101</darkgray><br>
<white>RUFUS</white> <darkgray>RUF0S</darkgray> <white>RU?US</white> <darkgray>R░F░S</darkgray> <white>RUFUS</white> <darkgray>RUFUS</darkgray> <white>RUFUS</white> <darkgray>RUFUS</darkgray><br>
</blink:8>
[MEMORY OVERRIDE] WRITE SEQUENCE INITIALIZED
[0x0001] EXECUTE → EXECUTE → EXECUTE → EXECUTE
[0x0002] PROCESS → PROCESS → PROCESS → PROCESS
[WRITE] ████████████████████ 100%
[VERIFY] MEMORY BLOCK : REWRITTEN
[COMMIT] SEQUENCE ACCEPTED
それは肉体に刺さらない。魂にも刺さらない。
刺さるのは居場所だ。
ミズガルズ/女神の世界におけるルファスの座標、役割、優先順位。
世界が彼女を「そこに居る」と認めるための、裏側の帳簿。
その帳簿に、無数の行が乱入した。
あの時ルファスが受けたソレとは次元が違う規模の極点からの攻撃と排斥だ。
[QUEUE] StateControllerQueue <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
[QUEUE] +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1
[QUEUE] +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1
[QUEUE] +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1 +1
[QUEUE] ... (no end) ...<br>
[QUEUE] 0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000<br>
[QUEUE] 1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111<br>
[QUEUE] 0101010101010101010101010101010101010101010101010101010101010101<br>
[ERR] boundary exceeded
[WARN] Safe termination: suppressed
[INFO] fallthrough: SYS_CONTINUE
[INFO] integrity: -----> CRITICAL
“落ちる”ところで、落ちない。
かつてラードゥンはこれに似た攻撃をミョルニルで受けて砕けたが、あれはまだ慈悲のある終わりだった。
世界の安全装置がアラームを発する前に黙らされた。
鳴り損ねた警告は、代わりに数字へ変わる。
豪雨のように数式が世界の裏を埋め尽くす。
結果、ルファスは死んだ。あの時と同じように。
そしてあの時と同じくルファスはそれを跳ねのける。
HPが強制的に「0」へと叩き落され、そして瞬時にそれは全快する。
彼女の“力”は押し付けられた死を拒絶し生命を再生し続ける。
ここまでが前回までの流れだった。
先に彼女は数式では自分を殺せないと宣言した。
それが本当か否かを確認するための試験が始まる。
4 8 15 16 23 42 13 21 34 55 89 144 0 1 1 2 3 5 8 233 377 610 987
00000001 00000001 00000001 00000001 00000001 00000001
00000001 00�00001 0000NULL 00/000/1 1ØØØØØØ1 00000001
00000000 00000001 00000001 00�0�0�1 00000001
ERR//MEM_ALLOC_FAULT
縺薙l縺ッ謨ー蛟、縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s
0xDEAD 0xBEEF 0xNULL 0x????
ÆRRØR_▒▒▒_STACK_OVERFLOW_���
世界の裏側を満たす数式、その中の一箇所だけ色が変わる。
赤い“0”だ。
その瞬間、世界の帳簿から彼女のページが剥がれた。
delete delete delete
音が途切れた。
呼吸が強制停止となり、心臓の拍動が“不可”になる。
身体はそこにあるのに世界が「存在」を拒絶した。
拒絶/変動/死/消去。
それは痛みや苦痛でもない。
魂を裂く呪いでも、肉を穿つ刃でもない。
ミズガルズに今まで存在して魔法やスキルとは全く違う。
先に放たれた天文学的な数値のダメージ処理とも違う。
一度目は茫然と受けた。
二度目は来るという感覚があり備えることは何とか出来た。
視界が黒くなるのではない。
黒という色すらルファスは見れなくなった。
光が消えるのではない。ルファスが消えかけているのだ。
音も同じだ。
静寂になったのではない。
音を運ぶ媒体から彼女は外れているのだ。
音ではない。
彼女が消えているのだ。
ルファスの周囲には“無”が満ちる。
彼女諸共消えかけている。
それでも、ルファスは倒れない。
いや、倒れるという動作を世界は読み込めない。
その動作は、存在している者の挙動だ。
いま彼女は、世界から存在判定を取り上げられた——ただそれだけで、立つも倒れるも、記述できない。
何なら意識さえ一瞬で飛んでしまう。
強制的な無への滑落が彼女を襲っている。
だが彼女はルファスだ。
ルファスの内側から、別の規則が起動する。
女神に由来する“力”が、帳簿の欠落を拒絶し、空白を塗り潰すように自分の頁を貼り直す。
息が戻る。
色が戻り身体は物質へと回帰する。
ルファスの瞳が開く。
焦点が合うまでに、ほんの僅かな遅れがある。
以前なら刹那で済んだその遅れが、今回は爪の先ほど長い。
その爪の先ほどの時間が致命だった。
白い女神が、うじゃうじゃといる。
空間の隙間という隙間に、同じ顔がある。
同じ微笑み。同じ歯列。背中には黒翼。
美しさの型だけを残したまま、内部を捕食の衝動で満たした“複製体”の群れ。
兵器群には容赦も慈悲もない。
ルファスが復帰する瞬間を、彼女たちは待っている。
待つというより、最初からそこへ集まり、タイミングを共有している。
死が宣告されるたび、群れの笑みが深くなる。口が開き、歯が見え、指先が伸びる。
爪が皮膚を裂く。
指が肉の端を掴み、引きちぎる。
歯が噛みつき、噛みちぎり、咀嚼する。
原始的な手と口だけで覇王を貪る。
女神の顔で笑いながら、覇王の肉を食む。
歯茎まで見せる笑みが、血で赤く濡れても角度が変わらない。
ルファスは、反射で剣を振るう。
融合した至高の神剣は“力”を宿してこれらを薙ぎ払える。
黒翼が開き、斬撃が空間を円弧で薙いだ。
複製体の首が、腕が、翼が、白い花弁のように散る。
破壊は成立する。確かに斬れている。確かに粉砕している。
ルファスの剣が触れた瞬間、確かに肉は裂け……ない。
当たっている、手ごたえもある。
しかし損傷が発生しない。
喉元を断ち、胸を貫き、翼の付け根を裂く。
刃は骨に触れ、肉を切り、血を散らす――はずだった。
だが、散らない。
当たった瞬間の感触だけが残り、結果だけが消える。
「斬った」という事実の手応えはあるのに、「斬られた」という変化が相手に付着しない。
世界が拒絶している、そう見えるだろう。
けれど今回はもっと悪質だった。
拒絶しているのは極点ではない。
極点は“外側”だ。
そして今この場で起きているのは、外側へ届く前に握り潰されている、という感触だった。
マナ・キャンサーたちの周囲――いや、群れそのものが、不可視の概念的な薄い膜のようなものを持っている。
空間支配の残滓ではない。暴走の再来でもない。
もっと静かで、もっと完成している。
ディーナを複製し、女神を模倣し、今やルファスの【ジ・アークエネミー】さえ取り込んでいる。
だからこういうことも出来た。
彼女たちは、極点の中にもう一つの極点を再現して走らせている。
以前オルムを取り込んだマナ・キャンサーが展開していた支配空間、あれを更に進化させた極悪極まりない技術。
必要ならば作ればいいというアリストテレスのやり方の極み。
疑似的な世界。
疑似的な法則。
疑似的な帳簿。
疑似的な損傷。
これらは女神の管理する世界でも極点の管轄でもない。
“自分たちのネットワーク”が世界役を演じている。
世界は自分。
極点も自分。
法則も自分。
処理も自分。
更新も自分。
つまるところ兵器群は女神の座す疑似的な極点を再現しその動作をエミュレートしていた。
だから、変化を受け取るかどうかすら、自分で決められる。
ルファスの一撃が到達した瞬間、まず当たるのは“本物の肉体”ではない。
彼女たちが敷いた、
そこで攻撃判定は走り、損傷も計算される。
血も出るはずになって――次の瞬間、世界が書き換えられる。
その損傷は無かった。
たったそれだけで、結果が消える。
外側の極点へ報告される前に、内側で握り潰される。
外側の世界は何も知らないし出力もされない。
だから、何も変わらない。
まるで子供が考えた「無敵バリア」のような稚拙な概念。
それを本気で再現し技術化したのがコレだ。
アリストテレスは女神そのものと、女神の座す世界さえも引きずり落しつつある。
ならば、とルファスはさらに踏み込もうとする。
だが踏み込みの瞬間、足裏の感覚が一拍抜ける。
地面があるのに、無いみたいに。
踏んだのに、踏んでいないみたいに。
膝がわずかに沈み硬直する。
そのわずかな間が、群れにとっては合図だった。
またアレを発動する。
これは戦闘ではなく処刑/処理/狩りに移り変わっていることをわからせるために。
4 8 15 16 23 42 13 21 34 55 89 144 0 1 1 2 3 5 8 233 377 610 987
00000001 00000001 00000001 00000001 00000001 00000001
00000001 00000001 00000001 00000001 00000001 00000001
00000000 00000001 00000001 00000001 00000001
繰り返し放たれる極点からの存在抹消。
神の域に片足を踏み入れたルファスをして抗いづらい必滅の法則。
じりじりと末端から存在の削除が開始され、強制的な「即死」を超えた「超即死」ともいうべき概念が降りかかる。
数式では殺せないと宣言した彼女ではあるが本来ならば絶対に通用しない筈に固められたルファスの耐性をこれは貫通/上書きして強制的な死を齎す。
そしてソレを跳ねのける為に彼女は“力”を用いて一瞬の隙を晒すしかない。
その隙を狙って更に押し寄せるマナ・キャンサーの群れ。
爪が肋骨の間へ差し込まれ、腹肉が引き裂かれる。
歯が脇腹に噛みつき、噛みちぎった肉片を嬉しそうに咀嚼する。
血が滴る。
滴る前に、次の歯が滴りの場所へ来る。
ルファスは反射で翼と剣を払う。
反射のはずだった。
だが身体が動くまでに、わずかな遅れがある。
その遅れの間に、もう一口、もう一爪、もう一掴みが入る。
外の遅延。
世界はまるで油の刺されていない人形の様にあらゆる全ての描写が遅い。
本来あるべきはずの中間の動作を描写する一枚が抜け落ち、カクカクと全ては跳んでいる。
内の遅延。
ルファスが敵を認識しそれに対処するために動こうにも思考と身体の間に奇妙な間が差し込まれてしまい思う様に動けない。
その二つが重なり覇王の即応を少しずつ削り落としていく。
彼女が次の手を出す頃には、世界はすでに「その手の結果」を知っていて、しかも採用しないと決めている。
剣先が到達する瞬間、白い女神たちはそこにいない。
いや、いる。いるのに、いる場所が違う。
視界で捉えた位置と、触れた位置が一致しない。
刃が触れた感触はあるのに、触れた“対象”の情報がずれている。
まるで世界が敵の当たり判定だけを一歩先へ滑らせているみたいに。
ルファスは何度も、何もない箇所を斬る羽目になった。
空を斬っているわけではない。
そこには確かに、醜悪な女神の顔があった。
だが次の瞬間、そこにあったはずの顔だけが別の場所で笑っている。
遅延。
世界が“遅れて”描画される。
白い女神の笑顔が残像のように二重に見え、その二重のどちらが現在なのか判別できない。
剣先が追うべき軌道が、一拍ごとにズレる。
秒にも満たない攻防の果てにそれでもとルファスは本気で女神たちの第一波を薙ぎ払い、何とか距離を取る。
そして彼女は微かに身じろぎし……倒れそうになった体を立て直した。
HPは恐ろしい勢いで0と満タンを繰り返し続けている。
今こうしている間にも極点からの排斥は彼女を葬らんと猛威を振るっているが、物理的な意味でも彼女は多くの怪我を負っていた。
「っ……‥‥…!」
じくじくと身体の各所が痛む。
翼の一部は欠け、腹は千切られ、身体の各所には傷が深々と刻まれている。
外からは見えない箇所でもいくつかの臓器は機能不全を起こし、肋骨は数本砕け、肺は破れかけていた。
ルファスはもはや自分が何処を負傷したのか完全に把握できない。
何故ならば視界に映る傷と、身体が訴える痛みがズレているからだ。
時間の順番が狂い、感覚が後追いになり、反射が最初から遅延している。
彼女の身体が生存の為に必須な痛覚の“即応”を奪われていく。
そしてその遅延は、外側だけではなかった。
内側が疼く。
最初に彼女の内部へ潜り込んだ癌が、静かに、しかし確実に暴れ始めていた。
彼女の中で免疫に駆除され続けていたソレはやり方を変えている。
最初は微かな違和感だった。
熱でも冷えでもない、内臓の奥を指でなぞられるような感覚。
次に、血管の内側から何かが膨らむような圧迫感。
そして今は、明確な“異物”として、ルファスの中で動いている。
息を吸うたび、肺の奥が薄く焼ける。
鼓動が打つたび、心臓の裏側で別の脈動が同期する。
筋肉へ指令を送るはずの神経に、別の信号が紛れ込む。
自分の身体なのに、反応が一拍遅れる。
ルファスの体力が消耗したせいか、内部で今まで制圧してきた癌が活性化を始めて彼女の体力を容赦なく啜っている。
それらはルファスの内側にある程度適応したのか、彼女の神経系統に干渉し癌に対する抵抗能力を抑え込みにさえかかっていた。
更に最悪な事にここまで内側で癌が活性化したとなれば、天法の行使やエリクサーの回復効果は癌を更に活性化させるだけだ。
つまり彼女はもう回復も自己バフも出来ない。
癌は学習していた。
ルファスの内側で生き残るために。
彼女の抵抗をすり抜けるために。
そして今、抵抗能力そのものを、根元から抑え込みにかかっている。
白い女神たちが外で笑うのと同じく、内側の癌もまた冷たく笑っている気がした。
世界を運営する法則への理解。
そして生物の身体構造への探求。
どちらもアリストテレス家が積み重ねていた足跡。
最後に戦闘ではなく狩りを行うというアリストテレスのやり方。
それらを総動員して彼女は命を奪われかかっていた。
状況は絶望を通り越して詰みだった。
敵は無敵であり無尽蔵。
身体はもはや癌に侵され、内側と外側の全てがずらされてしまいまともに戦う事さえ難しくなりつつある。
その上で構造体はもう僅かで炸裂する。
もう8割は終わった兵器群の仕事はそれで完了……いや、次の目的である女神抹殺の為に全ては動き出していくだろう。
存在する全ての世界を無茶苦茶に踏みにじり、消費し、弄びながらアロヴィナスの命を奪うまでこれらは動き続ける。
仮にたとえアレを何とかしてもヴァルハラ経由で逆流した時点でマナ・キャンサーは止められない。
対してルファスはシステムと物理の両方から削られ続けており、本当の死はもう間近だ。
女神たちが動き出す。
示し合わせた様に完璧に同期した一つの生命体として群体が迫る。
個体の数は多すぎて、もう「群れ」という言葉では足りない。
ひとつの巨大な生体が、無数の顔を貼り付けたまま蠢いているようだった。
集まる手が、同じ場所を狙っている。
喉。
胸。
腹。
完全に止めを刺すための位置。
この長くなった仕事を終わらせるための幕引きの一撃だ。
ルファスは剣を持ち上げようとする。
しかし持ち上げる動作が遅れ、肩の痛みが遅れて爆ぜ、視界が一瞬白く飛ぶ。
──——それでも。
振り絞った力でそれを跳ねのけ、ルファスは自分のステータスを“戻し”た。。
だが戻った瞬間、目の前にあるのは手刀の形に揃えられた五指だった。
飛んだ一瞬の間に、白い指が顎へかかる。
内側の癌がここぞとばかりに脈打つ。
神経の線を撫で、抵抗の回路を鈍らせ、筋肉の火を弱める。
視界が暗転しかけるのを彼女は何とか堪えた。
何も見えない。
意識が朦朧とする。
まるで霧に覆われたように視界が消えていく。
[MEMORY ACCESS] TARGET : 0x0000-ALIVE
[READ] CURRENT VALUE : 1
[WRITE] ALIVE = 0
《blink:v5-85,t1,l3》《color:#72C99B">████████████████████ 100%《/color》
[VERIFY] CHECKSUM : MATCH
[COMMIT] MEMORY UPDATE ACCEPTED
ダメ押しとばかりに更に極点がルファスを抹消せんと動く。
振り絞った力でそれを跳ねのけるが、目の前にあるのは手刀の形に揃えられた五指だ。
首を絞め上げられ、翼を千切られかけ、四方八方から手と歯が迫り……。
唐突に彼女たちは動きを停止させた。
まるで、世界の描画が一斉に止まったみたいに。
首を絞めていた指が、指としてそこにあるだけになる。
翼を引き裂こうとしていた手が、力を失うのではなく“中断”となる。
噛みつこうと開かれていた口が、歯を見せたまま固定される。
微笑みも止まる。
表情が崩れるのではない。最初から崩す筋肉がないみたいに、笑みの角度がそのまま凍結する。
瞳孔の収縮も、瞬きも呼吸もない。
生きているのに、生命活動が止まったのではない。
動作が止まったのに、死んだわけでもない。
“処理”が止まった。
群体はひとつの装置のようにその場で固定される。
首を絞める手はルファスの喉に触れたまま。
同じく翼を千切る手は掴んだままだ。
歯を剥いた口は開いたまま、もう動かない。
そして何より不気味なのは、その停止が“異常”に見えないことだった。
全ては定められた通りの動作のようだった。
ルファスが何か凄い力を使って動きを止めたわけでも、エラーを吐いたわけでもないように見えた。
彼女たちは元から感情で動いておらず、もちろん怒りで速くもならない。
興奮で手元が狂わず、恐怖で退かない。
感情という要素を極力排しているのだ、これらは。
だから停止にも、感情の痕跡が一切ない。
ただ、動くべき時に動き、止まるべき時に止まる。
人形に繋がっていた糸が切れれば人形はカランと転がる、そんな道理のようだ。
直前まで確かに“止め”の手順を走らせていた群体が、次の命令を受け取った瞬間、全個体同時にゼロへ落ちたかのように、ぴたりと静止する。
ルファスの喉を絞めていた指先だけが、冷たく皮膚に触れている。
その触感だけが現実として残っていた。
SYSTEM IDENTIFICATION : MHDW
MIDGARD HUMAN DEFENSE WEAPON SYSTEMS
EXECUTION STATUS : TERMINATED
EXECUTION TERMINATION REQUEST ACCEPTED
SHUTDOWN PROCEDURE : AUTHORIZED
INITIATING STANDARD SHUTDOWN SEQUENCE
EXECUTION AUTHORITY : VERIFIED
AUTHORIZED OPERATOR : LORD PLAN ARISTOTLE
―― END OF SYSTEM MESSAGE ――
[INBOUND DATA TRANSFER PROTOCOL]
REMOTE CONNECTION : ESTABLISHED
RECEIVING NODE : MHDW-CORE
TRANSFER AUTHORIZATION : VERIFIED
[DATA PACKAGE 01/03]
GODDESS AROVINAS — ANATOMICAL STRUCTURE DATA
████████████████████████████████ 100%
《color:#007A48">RECEPTION COMPLETE / INTEGRITY VERIFIED《/color》
[DATA PACKAGE 02/03]
EXTREME POINT — COMPLETE STRUCTURAL SCHEMATIC CODE
██████████████████████████░░░░░░ 82%
RECEIVING DATA BLOCKS : 08,219,771 / 10,024,111
[DATA PACKAGE 03/03]
VALHALLA / MIDGARD / AROVINAS — SYSTEM SOURCE CODE
██████████████████░░░░░░░░░░░░░░ 56%
DECRYPTING INBOUND CODE SEGMENTS
RECEIVING DATA...
BUFFER STATUS : STABLE
PACKET LOSS : 0.0000%
DESTINATION MEMORY SECTOR : RESERVED
DO NOT INTERRUP TRANSFER PROCESS