ここはどこだろうか。僕は確か死んだはずなのに…。
前世の僕は平凡な暮らしをしていた。学校に行って、勉強して、友達と遊んで、普通の毎日だった。
でも、その暮らしは突如として終わりを告げた。学校から帰る途中に道路に飛び出した幼い子供をかばって大型車に轢かれた。即死だった。
そして、気がつけば何もない場所にいた。痛くもなく、苦しくもなく、寒さや暑さも感じない。そういう場所だった。
ずっとこのままでいるのかな……。もし生まれ変われたら……そう願って僕は目を閉じた。
「ねぇ、兄さん」
「ん?何だ?」
「この子、可愛いわね…」
「ああ、そうだな…」
声が聞こえる。もしかして死後の世界かな。でも、何だか暖かいな。そう思って僕は目を開けた。まず目に入ってきたのは若い女性だった。赤い髪が特徴的で一つに結ばれていた。もう一人は黒髪の男性で穏やかそうな顔が特徴的だ。それにしてもこの二人、どことなく似ている雰囲気がする。兄妹なのかな?
「お前とあいつの子どもだというから騒がしい奴なのかと思ったが、随分大人しいな」
「失礼ね! まるで私が手のかかる子だったみたいに言わないでよ!」
「………幼い頃から俺を困らせてたじゃないか……」
ん? ちょっと待ってくれ……子どもだって? 少し状況を整理しようか。
僕は今、白い布のようなもので包まれている、それにこの体に当たっている感触は抱かれている?それに……何だこの手は!? 手が小さくなってる!? 明らかにおかしいぞ!あまりの状況に僕はテンパってしまった。一体どうなってるんだ……?
「あっ、目が覚めたみたいね。お母さんだよ~」
今お母さんと言いました!? もしかしてこれって俗に言う転生ってやつですか!? 確かに生まれ変わりたいと願ったけど本当にこんなことになるとは……というか赤ん坊なのに声がはっきり聞こえるな。まあ、そんなに気にするようなことでもないか。
「しかし、あいつには伝えなくていいのか? あいつなら驚くと思うが…」
「うん…この子をあの船で育てるわけにはいかないし、何より他の船員たちに迷惑かけちゃいそうだから」
「だからといって、黙っておくのも後々面倒なことになりそうだぞ。お前もあいつも賞金首の海賊なんだし、お前の事情を理解してくれているあの人がここの管轄とはいえ、安全とは断言できないからな」
何ですって!? もしかして母さん海賊なのか!? それにさっきから母さんの兄さん…おじさんが言ってるあいつって僕の父さんなのか!? 両親そろって海賊とは一体どんな人たちから生まれているんだ僕は……。
「それにね、生まれたときからあそこにいたら、海賊以外の道をこの子から奪っちゃいそうだから……この子には自分で選ばせてあげたいの」
「海賊ではない今の俺からしたら海賊にはなるなと言うべきなのだろうが、俺としては海軍も薦められないな」
母さん……僕のためにそこまで考えて……。さっき落ち込みそうになった自分が恥ずかしくなってきた。それにしてもおじさん、海軍も薦められないってどういう意味だろうか。
ふああ……赤ちゃんだからなのかな、何だか眠くなってきたな……。
「ともかく、この子のことは海軍には知られないようにした方がいいな。特に親父にはな…」
「そうね。私に子どもがいるって知られたらどんなことをされるか分からないわね。父さんのことは……仕方、ないのかもね。あの頃に、戻れはしないから……」
眠る直前に二人の会話が聞こえたが、どことなく母さんは寂しそうで、おじさんは怒っているようにきこえた。
「シオン……あなたは私の大切な子。誰かの願いを叶えられるような優しい子に育ってね」
オリ主の名前はシオンです。
まだまだ拙い文章かもしれませんが、今後、うまく描けるように精進していこうと意気込んでいます。