この作品を見てくださってる方々、本当にありがとうございます。
ようやく幼少期の中で書きたかったところまで進められました。ここから先はすっ飛ばしていくかもしれません。
とりあえず、シオンを加えたあのシーンです!
僕たちは今、4人でご飯の時間を過している。昨日の一件があってから、エースもルフィとすっかり打ち解けている。こうして仲の良い友達や兄ちゃんたちと一緒に時間を過ごせるだけで、僕は嬉しい。
「そういえば、ルフィ。悪魔の実の能力者だったんだな。何の実を食ったんだ?」
「ゴムゴムだ!」
「ゴムゴム? ……ゴムか!?」
「あぁ!」
そういえば、僕はルフィが悪魔の実の能力者ということは伝えてなかったな。エースとルフィの関係を良くすることに頭が一杯ですっかり忘れていた。
「カナヅチと引き換えにゴム人間かよ。くだらねェ。まだシオンの方がマシだな」
「くだらなくなんかねぇ! おれには無敵の技が一杯あるんだぞ!」
「自分の魚一匹仕留められねぇような奴がでかい口を叩くな。シオンなんてカナヅチでも魚一匹は仕留められるぞ」
「何ぃ!?」
まったく……やっぱりこの2人はすぐ言い争うんだから……。
サボはルフィの頬を引っ張って遊んでいる。
「けど……確かにゴムは伸びるし、縮むし、膨らむし、案外戦いに使えるかもな」
「そうだね。どんな悪魔の実でも使い方によっては色んなことができるらしいからね」
「だろぅ! そうだ! 昨日考えた技でゴムゴムの風船って技があるんだ!」
「へぇ。やって見せてくれよ」
「うん。僕も見てみたいな」
「よーし。2人には特別に見せてやるよ」
そう言って、ルフィは空気を吸い込み始め、みるみる膨らみ始めた。
「どうだぁ! スゲェだろう!」
それを見て僕はサボと2人で話し始めた。
「ねぇサボ。どう思う?」
「いや、凄さはわからねぇ。凄いって言ったらまだシオンの方が凄いと思うが……」
「あははは……それは、まぁ……否定はできないかな……」
僕のと比べると地味な感じがする。そんなことをルフィの前で言ったら絶対に拗ねると思うから言わないが……
苦笑いをしていると、エースがルフィ(風船状態)を蹴った。エース曰く腹ごなしの運動らしい。それがサボがいる方に蹴られ、サボも蹴り返した。
「エースー。ルフィで遊びすぎるとさすがにかわいそう……って何やってんだー!」
エースが再び蹴った方向が川でルフィが溺れ始めた。あの兄貴は何やってんだよ! と思い、すぐに助けに行こうとしたら、
「ワニ!? 何でそんなのが運良く落ちた先にいるんだよ!?」
ワニが出てきて、ルフィを食べてしまった。たちまち僕らは絶叫を上げ、すぐに助け出そうとした。
「まぁ……何だ……気にすんな」
「気にするよ! 食われかけたんだぞ、おれは!」
「まぁまぁ、エースも悪気があったんじゃないからさ」
僕らは4人でワニを運んでいる。結果的にルフィは無事に助けられ、そのワニは仕留めて食料となった。だが、ルフィは不機嫌だ。サボと僕が宥めようと下がダメだった。
「うるせェな……夕飯にワニたらふく食わせてやるからよ」
「なら許す」
「「許すのかよ……」」
エースの妥協案にルフィは撃沈した。ここまで単純だといっそ清々しいものだ。ルフィは早く帰って夕飯を食べたがっている。まぁ、僕もお腹がすいてきたから早く帰るのは賛成だ。
でも、サボは何かを確かめたいらしく、僕らもそれに同行した。向かった先は以前まで海賊貯金があった場所だ。そこにはブルージャムの一味が来ていた。どうやら、奪った金を探しに来たらしい。
その後、グレイ・ターミナルの方にも向かったが、そこにもブルージャムの一味がいた。僕たち4人は完全に目を付けられたみたいだ。ともかく、僕らの方針としては、こちらからは手を出さないという方針で決まった。
それからも、僕らは4人で行動し続けた。ルフィが加わったことで模擬戦も4人で行うようになった。模擬戦のときは、僕は能力を使わない方針でやっている。能力に頼りすぎるのも良くないと思っているからだ。現状、能力を使わない上での結果は、ルフィには全勝。エースやサボにはたまにしか勝てない。
「シオン、能力使わないのは何でだ?」
「僕たちだけの模擬戦のときは能力を使わないようにって、ある人と約束してるんだ」
「ある人?」
「今度会えたら、ルフィにも教えてあげるよ」
大抵は4人で過してはいたが、今日は3人とは別行動中だ。僕は1人でゴア王国の中心街を歩いていた。なるべく人目は避けて歩いている。3人はタダ飯の真っ最中だろう。
チンピラを倒せるようになった僕でもさすがに食い逃げをする度胸は無かった。それならもし店で食べるためのお金はどうしているかというと、海賊貯金に使わない分、正確には自分で手に入れた分を活用している。エースたちにも許可はもらってる。それに、3人と比べると、僕は食べる量も少ないから、飲食店では一食で十分だ。ちなみに、飲食店は僕のような人でも食べれそうな場所を選んでいる。
そろそろ、3人も来るだろうと思って中心街を歩いていたら、「食い逃げだぁぁ!!」と大声が聞こえた。その方向に向かうと、エースたちが逃げていた。僕も戻ろうかと建物の陰で思っていたら、
「サボ? サボじゃないか!」
サボの知り合いと思われる男の声がした。その男は家に帰るように言っている。
今の発言から考えると、そいつはサボの父親だと考えた。ということは、サボは貴族になるのか? よくよく考えてみたら、サボは前世持ちの僕からしては、かなりの教養を持っているように思える。生まれが貴族なら納得だ。
でも、それならサボは何故グレイ・ターミナルで暮らしていたのかという疑問も出てくる。とにかく、すぐに3人と合流しようと中心街を出た。
「話せサボ。何か隠してることがあるんだろ」
僕が3人と合流すると、エースがサボに問い詰めていた。エース曰く、おれたちの間に隠し事は無しだ、だそうだ。ルフィも聞きたがっている。サボは白を切ろうとしているが2人は強引に聞き出そうと、サボに掴みかかっている。はぁ……と息を吐き、サボには悪いなと思いながら尋ねた。
「あのとき、呼び止めてたのって、サボのお父さん?」
「な、何で……お前が……」
「(図星か……)あのとき、僕も近くにいたんだ。それで見ていたんだよ。でね、あくまで予想だけど、サボは貴族で、その暮らしに耐えかねてグレイ・ターミナルで暮らしていた、って思ったんだけど間違ってる?」
「間違って……ない…」
サボの顔色が悪くなっていた。さすがに悪いことをしてしまったと思い、僕はサボに謝った。予想は当たっていたが、彼にとっては秘密にしておきたかったことをバラされてショックだろう。
「ごめん。おれは両親も生きているし、グレイ・ターミナル育ちじゃない。今日、おれを呼び止めたのは、シオンが言ったとおり、父親だ。……お前らにはウソついてた。ごめんな」
「謝ったから許す。良いよな?」
「僕もさすがに悪いこと言っちゃったから気にしてないよ」
「コトによっちゃおれはショックだ。貴族の家なんかに生まれて、何であんなところに……」
エースは納得がいかないのだろう。確かに、僕も気になる。でも、サボは僕が言ったことに『間違ってない』と言っていた。ということは……
「あいつらが好きなのは『地位』と『財産』を守っていく誰かで、おれじゃない。あの家におれは邪魔なんだ。おれは親がいても1人だった。後はシオンが言った通り、あの家を飛び出したんだ。貴族の奴らゴミ山を蔑むけど……あそこで何十年も決められた人生を送るよりかはいい」
「……そうだったのか」
「そんなことが……あったんだね…」
サボも辛い過去を背負っていることを知った。その境遇に僕は顔を俯かせていたが、サボは立ち上がり、僕の頭を撫でてくれた。顔を上げると、さっきまでの辛い表情はなく、笑顔だった。
「エース! シオン! ルフィ! おれたちは必ず海に出よう! この国を飛び出して、おれはそれを伝える本を書きたい! 航海の勉強なら苦でもないんだ。 もっと強くなって海賊になろう!」
僕たち3人は彼の言葉に笑みを浮かべた。すると、エースは海に向かって叫びだした。
「そんなもんお前に言われなくてもなるさ! おれは勝って勝って勝ちまくって、最高の名声を手に入れる! それだけが、おれの生きた証になる! 世界中の奴らがおれの存在を認めなくても、どれほど嫌われても……大海賊になって見返してやるのさ! おれは誰からも逃げねェ! 誰にも負けねェ! 恐怖でも何でもいい……おれの名を、世界に知らしめてやるんだ!!」
そっか。決めたんだね、エース。君が選んだ道を僕は応援してるよ。ルフィも笑みを浮かべながら、エースと同じように叫んだ。
「おれはなぁー! ――――」
「「は?」」
「へぇ。ルフィらしいね」
サボもエースもスケールが大きかったが、ルフィも2人に負けないものだった。
「お前は……何を言い出すかと思えば……」
「あははは! 面白ェなルフィは! おれ、お前の未来が楽しみだ!」
「だろ!」
「まったく……シオンはどうするんだ?」
残るは僕だけとなった。僕も3人と同じように海を見据えた。
「僕は……この世界を自由に旅したい。世界を見て、多くのモノに触れて感じたい。世界は広い。きっと見たことがないモノで溢れているんだ。僕の願いを叶えるために………………… 僕は! 3人と一緒に海賊になりたい!」
3人と過ごしている内に僕は決心した。この世界に生まれたのなら、僕も自由に生きると決めたんだ。また、海賊として母さんやシャンクスさん、この世界のどこかにいる父さんにも会ってみたい。ルフィは嬉しそうにしているが、エースとサボは目を丸くしていた。
「シオン。お前、ホントに海賊になるのか?」
「うん。僕も決めたよ。それに、3人が乗ってる船にも乗ってみたいな」
「そうか! ならおれの船に――」
「ちょっと待ってくれ」
エースが何かを言おうとしたがサボがそれを止めた。どうしんだろう。
「海賊になるのはいいけど、シオン以外が船長になりたいってのはマズくないか」
「「あっ」」
「思わぬ落とし穴だ。サボ、お前はてっきりウチの航海士かと」
「お前らおれの船に乗れよ!」
「「断る!!」」
「ええ!? 何でだよ!」
うーん。3人の船に乗れるならいいなと思っていたが、まさか僕以外が全員船長とは。そう考えながら頭を捻っていたが、3人が一斉に僕に顔を向けてきた。まさか……
「「「シオン! おれの船に乗らないか!?」」」
あまりにも至近距離で言われ、僕は思わず耳を塞いだ。確かに遠回しに船長は別にやらないとは言ったが、3人に一斉に誘われるとは……
「おい! シオンはおれの船に乗せるんだ!」
「いーや、ルフィ! お前だとこいつに苦労を掛けさせかねねェ! 乗るならおれの船だ!」
「どっちもどっちだろ。自分で言うのも何だが、おれはしっかり者だからな。シオンには苦労はさせねェよ」
ルフィ、エース、サボの順番である。いっそこの光景が微笑ましく思える。とはいっても、このままにしておくのも悪いのではっきりさせておこう。
「3人とも。確かに僕は海賊になるとは決めた。でも、あくまで最終的にだ。まずは、海賊じゃない状態で始めるつもりだ」
「「「そうなのか!?」」」
これまた息の合ったツッコミだ。
「で、いつか3人の船に行って、誰の船の一員になるかを決める。先のことになるけど。今はまだ決められないんだ」
「そうか……なら、大物になってお前をおれの船に連れてってやる!」
「おれも、シオンが一緒に行きたいと思ってもらえるように頑張らないとな!」
「にしし! おれだってシオンと一緒に海賊になるんだ!」
3人の言葉に心が温かくなった。大切に想ってもらえてる。それだけでも、僕は満足だ。僕たちは4人で笑い合った。
場所は森の中に移して、僕たちの目の前には4人分の盃が切り株の上に置かれている。
「将来のことは将来決めよう。もしかしたら3人バラバラの船出になるかもな」
エースの手には酒がある。ダダンのところから盗んできたようだ。
「お前ら知ってるか。盃を交わすと兄弟になれるんだ」
「兄弟になれる……それって良いね」
「海賊になるとき、同じ船の仲間にはなれねェかもしれない。だが、おれたちの絆は兄弟として繋ぐ。どこで何をやってもこの絆は決して切れない!」
「おう!」「うん!」「ああ!」
僕たちはそれぞれ酒が入った酒を持って盃を交わした。
「これで今日からおれたちは……兄弟だ!」
こうして僕らは本当の意味で兄弟になれた。そんな気がした。
僕らの絆はきっといつまでも続くんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ヒロトは夜空を眺めている。そこには4つの星が他の星と比べて大きく輝いている。
「用事は済んだのか?」
「セレナか。ああ、済んだとは一応言えるかな」
ヒロトは視線を空から移し、セレナと共に甲板から海を眺めていた。そこに2人に近づく者たちの姿があった。
「ヒロ兄、用事って何だったんだ?」
「大方、綺麗なお嬢さんでも見つけたんじゃ……って痛いな!? 頭叩かないでよ、リオ!」
「ヒロトを揶揄うのは止めていただけませんか、ラゼル。良い機会です、あなたのナンパ癖の悪さをその身に刻んで教えてあげましょう」
「ちょちょ、ちょっと待ってよ!? 揶揄ったのはちゃんと謝るよ! だから刻まないで! じゃないとボクの顔に傷が入っちゃうよ!?」
「もちろんそのつもりです。あなたの行為は俺にとっては看過できません。故にあなたを痛めつけるのに躊躇はいりません」
灰色の髪をしたラゼルに対してリオは無表情ではあったが、明らかに怒りが感じられたものだった。事実、彼の周囲だけ風が強く動いている。その2人のことは放っておいて、3人は話し始めた。
「で、詳しい話はオレ聞いてないんだけど用事って何だったん?」
「……親友の忘れ形見に会いに行ってた」
「親友の忘れ形見? てことは子供に会いに行ってたってことかよ?」
「子供なのは間違ってないが、血縁関係では無い。親友が命を懸けて救おうとした少年だ」
「へぇ。ちなみにどんな奴だったんすか?」
「
「珀鉛病!? フレバンスの……生き残りがいたのか」
シノンの言葉にヒロトは頷いて応えた。ちなみに、まだ言い争ってる2人はセレナが仲介してラゼルを船室へと引っ張っていった。リオも2人の話に加わり始めた。
「ヒロトは以前からあの町について気に掛けていました。何せあんなことがあったんです」
「確かに、オレも聞いてときには胸糞が悪くなったが……」
「そんなときに親友から連絡があったんだ。その生き残りの少年と行動を共にしているって」
「なるほどな……。もしかして、その親友って……まさかあのとき、あの海賊団を調べ上げてたのも……」
「ああ。シノンが思ってるとおりだ」
話を聞いてリオは無表情、シノンは驚いていて、ヒロトは辛そうな表情だった。そこに、セレナも船室から戻ってきた。
「調べたのはいいが、この一味を動かす訳にはいかないからな。私たちは、普段から多くの依頼をこなしている。だからこそ、この件に関しては私とヒロトで対応していたのだ」
「だが結果的に、アイツは命を落とし、アイツが救おうとしていた少年の命だげが助かっていた。だからこそ、会っておきたかったんだ」
「もしかして、その少年とやらは悪魔の実の能力者ですか?」
「ああ。オペオペの実の能力者だ」
「マジかよ。あの悪魔の実か……」
「ヒロト。その少年の名は?」
「アイツの名は――」
ヒロトが名を言おうとした直後、慌ただしく1人の忍び――ツキカゲが船室から出てきた。そこにはラゼルも共にいて2人とも血相を変えている。
「ヒロト様! 至急お戻りいただくようにご連絡が入りました!」
「何があった!」
「大変だよヒロト! 君の奥さんの容態が……!」
「ティアが……!?」
知らせを聞いたヒロトはすぐさま船室へと駆け込んだ。他の面々も彼に付いて行き、セレナだけが甲板に残っていた。彼女は海を見て息を吐いた。
「この世界では、幸せというのはいつも容易く失ってしまうものなのか……」
海から視線を移し、空を見上げた。不意に彼女が頬に手をあてると涙が流れていた。
「テレシア、ヒロト、シオン。お前たちは、幸せを失うことはあってはならないからな。ここにいる皆はお前たち家族に救われた者ばかりなのだから。……お前たちの幸せを守ることが私たちにとっての――」
彼女が見上げた夜空は先程までとは違い、
最後にちょっと不穏な空気が漂っていたかな? 次回は幼少期編の話を大きく動かすことになるでしょう。
オリキャラでイメージのキャラボイスを考えていますが中々難しいですね。ワンピースは声優さんも多いですから、被ってしまうキャラボイスも出てくるので……
そこらへんもキャラのまとめあたりで出してみたいなと思っています。
ちなみにシオンとヒロトのイメージキャラボイスは決まってます。