皆さんも体調管理にはお気を付けください。
ワンピースもついに100巻に到達しましたね。終わるまでに残り何冊になるか気になるところですが、いつか終わってしまうと思うと寂しくも感じます。
アニメも見逃さないように見ていますが、ついにあの人も出てきて盛り上がってきました。
そんなこんなで、今回の話は前回のサボの悲報を聞いた3人が何を思うのか。シオンの決心にも注目です。
『サボが殺された』という一報は俺たちにとっては受け入れ難いものだった。ドグラが言うには、サボは小舟で海賊旗を掲げて海に出ていた。だがその矢先、ゴア王国の視察に訪れた天竜人の船を横切ったという理由だけで砲撃を受け、海に沈んだ。
あまりに突然なことにルフィは一日中泣き、エースは仇を取りに行こうとしたところダダンに取り押さえられたが、暴れ続けていたために木に縛り付けられた。俺はあまりのショックか急に頭が痛くなり、そのまま一晩寝込んだ。
その翌日、届いたのは1つの手紙だった。紛れもないサボからだ。
エースはその手紙を受け取り、1人森の中を歩いて行った。俺は傷が癒えてないが後を追った。山賊の皆には安静するように言われたが、ダダンが「行かせてやりな」と一声掛けてくれたおかげで、渋々ながらも俺を行かせてくれることを了承してくれた。
エースを追って辿り着いたのは、あの日、俺たち4人が海賊になると宣言した場所だった。エースは海を眺め続けている。俺はその側まで近づくとエースが振り返り、俺に手紙を渡してくれた。渡される直前、顔を見ると彼の顔には涙を流した跡があった。
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エース、ルフィ、火事で怪我をしてないか? シオンは体調は大丈夫か?
お前たちには悪いけど、3人が手紙を読む頃には、俺はもう海の上にいる。
色々あって一足先に海に出ることにした。
行き先はこの国じゃないどこかだ。そこでおれは強くなって海賊になる。
誰よりも自由にな海賊になって、また兄弟4人でどこかで会おう。
広くて自由な海で必ず!
それからエース、おれたちはどっちが兄貴かな?
長男2人。弟2人。
変だけど、この絆はおれの宝だ。
ルフィの奴はまだまだ弱くて泣き虫、シオンは無茶ばっかりするけど
おれたちの弟だ!
よろしく頼む!
そして、シオン。
思えば、お前には助けれてばかりだったな
エースのことでも、ルフィのことでも、お前は力を尽くしてくれた
おれにとってお前は、自慢の弟だ!
もし2人が無茶をすることがあれば、支えてやってくれ。
頼んだぞ!
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手紙を読み終えた俺の瞳から涙が流れた。溢れ出る涙が止まることは無かった。
「っ……サ、ボ………おれ、は…………」
一頻り泣き続けていたが、エースはずっと隣で待ち続けてくれていた。涙を拭い、「もう良いのか?」と言われ、頷いた。
――俺にとってもサボは自慢の兄さんだ。だから任せてくれ。約束は必ず守る。
俺は心にそう誓った。
サボが居なくなってから、俺たちの食卓は静かになった。俺とエースはその場にいたがルフィの姿はない。よっぽどサボのことで心を痛めたのだろう。それでも山賊たちより多く食べているだけあって体の方は大丈夫みたいだ。問題は心の方だが……
俺とエースは食事を終えると、あの海が見える崖に向かった。案の定、そこにはルフィが前向きに倒れ込んでいる。エースは彼に近寄り、拳に息を吹きかけると、頭を軽く殴った。
エース曰く、『中間の森』に隠してあった財宝は無くなっていたらしい。生き残ったブルージャムに奪われたか、グレイ・ターミナルの生き残りを探していたゴア王国の軍隊に持って行かれたのどちらかということだ。だが、彼はそれを別にいいの一声だけで済ませた。
「え、エース、シオン。……おれは、もっと強くなりたい……!」
ルフィが涙声混じりに話し始めたのを俺とエースは静かに聞いていた。
「もっと、もっともっと……もっともっと……もっともっと……もっともっと……! もっと強くなって……! そしたら何でも守れる……誰もいなくならなくて済む。お願いだからよぅ……――エースとシオンは死なないでくれよぅ……!」
麦わら帽子をぎゅっと掴みながらルフィは己の胸中を伝えた。エースと俺は視線を合わせ、互いに頷いた。何をしようと考えているのかはアイコンタクトだけで理解できた。エースはルフィの頭を再び軽く殴り、俺はルフィの頭をポンと叩いた。
「馬鹿言ってんじゃねェ! おれの前にテメェの心配しやがれ! おれより遙かに弱ぇぇくせによ!」
「俺も同じ気持ちだよルフィ。人の心配するより、自分の方を心配しろって事だよ」
全くだと言わんばかりにエースは首を縦に振った。
「いいか。覚えとけルフィ。それにシオンも。おれは死なねェ!」
「う゛うん……!」
「サボからおれは頼まれたんだ。約束だ。おれは絶対に死なねェ。お前みたいに弱虫の弟と無茶ばっかりする弟を残して死ねるか……!」
「俺だって2人のこと支えるように頼まれてるから、死ぬ気なんて全然無いよ」
「う゛ん……! う゛ん……!」
「おれは頭が悪ぃからサボが一体何に殺されたのか分からねェ。……でも、自由とは反対の何かだ。自由をつかめずにサボは死んだけど……サボと盃を交わしたおれたちが生きてる」
「例え死んでしまったとしても、サボの意思は俺たちの中で生き続けている。俺たちは自由に生きるんだ」
「だから、いいかルフィ」
そして再び俺とエースは視線を合わせ、海に向かって言った。
「俺たちは」「絶対に」
「「悔いの無いように生きるんだ」」
「う゛ん……!」
「おれたちは……いつか必ず海に出て、思いのままに生きよう! 誰よりも自由に!」
「うん!」「ああ!」
「おれたちは必ず……海賊になるんだ!」
俺たち兄弟3人は改めて決意した。思いのままに、自由に、それは苦難な道のりだと思う。それでもこの思いは、何人たりとも覆すこと何て出来ないだろう。この広い世界を、俺たちは悔いの無いように生きるんだ。それがきっと、サボの意思を継ぐことにもなる。
それからというもの、俺たち3人はあの頃のような日々を送るようになった。模擬戦も行っているが、サボが居なくなったことはまだ俺たちに実感が無いていないのかサボに声を掛けるように言うことがあった。
ちなみにエースとルフィは相変わらず言い合いをすることが多いため、俺が仲介に入るようにしているが、あまりに酷いと少し本気で対応するようにしている。
また、独立国家というものを造り、ダダンの家の前に小さな木で造り上げていた。エースとルフィが。俺は今のうちにダダンに世話になってもらった恩を返しておけるときに返しておきたいので、家の方に住んで手伝いをしている。
そんな中、ルフィが大熊に襲われて大怪我をすることがあり、エースは酷く自分を責めていたが、長男としての責任感がより強まったからだろう。この時は俺も近くに居てやれなかった自分を責めた。それでも、落ち込んでばかりいられないとすぐに立ち直った。
そういう日々が続いたある日の出来事。俺たち3人がダダンの家の前にいたときだった。長らく顔を出していなかったヒロトさんが来た。俺もエースも久々の再会を喜び、ルフィは話すのは初めてだったため、しっかり挨拶をしていた。
彼はしばらく顔を出せなかったことを謝ってきた。それだけでなく、俺たちが危険な目に遭っていたこともサボが死んでしまったこともダダンから聞いたらしい。それを聞いて酷く心を痛めていた。俺はヒロトさんが悪いわけじゃないと彼を宥めた。
その後、久しぶりの彼との食事を楽しんだ後、俺とエースだけを呼び出して、3人で話すことになった。
「シオン。お前は海賊になる気なのか?」
「うん、そのつもりだよ。海に出てすぐってわけじゃ無いけどね。エースとルフィには悪いけど……」
「気にすんなよ。お前の決めたことならおれは止めやしねェ」
「ありがとう、エース」
俺のことを思いやってくれるエースを見て、笑顔を浮かべた。その様子を微笑ましそうに見ていたヒロトさんだったが、話に戻った。
「ということは、俺と同じように当分は賞金稼ぎってところか?」
「そういうことになるとは思うけど、1つお願いをしてもいいかな?」
「何だ?」
「俺を、ヒロトさんの旅に同行させて欲しいんだ」
それを聞いたヒロトさんは少し驚いていた。エースにはこの事を伝えてある。俺はこの世界について知らないことだらけだ。世界政府・天竜人・海軍・海賊など、全てにおいて知識不足だ。だからこそ、世界を先に見て回りたい。エースとルフィの船に乗ったときに彼らの手助けが出来るようになりたい。
ヒロトさんが世界を旅していることはいつも聞いていた。だからこそ、俺もその旅に同行させて欲しいんだ。俺が生まれたことで、その機会は減ってしまったらしい。
俺が海に出ればどのような扱いをされるかは分からないが、彼としても目の届くところに居れば安心できるだろう。
腕を組んで考え込んでいたが、考えが纏まったのか俺に話しかけてきた。
「エースやルフィが出航するのは何時だ?」
「おれとルフィが出航するのは17歳だ」
「そうか、ならシオン。お前が旅に出るのは16歳になってからだ。その間、お前には能力の修練とあるモノの体得に時間を掛けてもらう。それを体得できなければ、俺の旅に同行するのは難しいだろう。俺もその体得に付き合う。これが俺の最低限の譲歩だ。構わないな?」
「もちろんだ。我儘を言ってるのは俺の方だからさ。こっちとしても旅に同行させてもらえるだけで嬉しいよ」
断られたときの事も想定してはいたが、上手くいったみたいだ。そうと決まれば、ヒロトさんの方も色々と準備をしないといけないため、忙しくなるそうだ。鍛錬はこちらに戻ってきた際にするということになった。
エースも「良かったな」と言ってくれ、ルフィにもこの事を伝えると自分の事のように喜んでいた。2人としては、海賊になるまでも道のりがはっきりしていなかった俺の思いが知れて嬉しかったのだろう。
その後も、俺たちは3人で行動し続け、ヒロトさんが来たときには鍛錬に付き合ってもらったり、じいちゃんが偶にやって来て俺たちを扱いたり、そんな日々が続き7年が経過しようとしていた。エースは17歳。俺とルフィは14歳になっている。エースの出航する日が迫っていた。
次回はエースと彼の旅立ちがメインになり、幼少期編もラストになるのではないかと思います。