むしろ、週に1回投稿できるかも怪しいです。
「申し訳ありませんでした! どうか命だけはお助けを!」
砂浜で土下座をする少年を見ながら、どうしてこうなったと思いながらシオンは頭を抱えていた。
事が起きるしばらく前、シオンはゾロと別れた後、再びローグタウンを目指しながら小型船を進ませていた。
その道中で、海賊に襲われることもあったが難なく撃退し、丁度近くにいた海軍に引き渡した。ちなみに、その一部始終を見ていたのか、シオンの実力に目を付けた海兵に是非とも海軍に入って欲しいと誘われたがシオンは断った。
海軍に入る選択肢は自分には無い。いつか海賊になるのだから以ての外だと口には出さずとも、内心で強く思った。
やがて辿り着いたのは、シロップ村という村がある島。どんな村か確かめようとした矢先に、シオンは複数の気配を感じた。
「そこに隠れてる奴ら、俺に何か用か?」
単なる確認のために聞いてみたつもりだったはずだが、
「「「怖えぇぇぇぇぇ!!! 逃げろぉぉぉぉぉ!!!」」」
草むらに隠れていた子供3人が真っ先に逃げ出した。あまりのことにシオンは呆然としている。
「おい、お前ら! 勝手に逃げるな!」
そこへ、草むらから出てきた少年がいた。恐らく、先程逃げ出した子供たちのリーダー格なのだと今の言葉でシオンは察した。
その少年はカーリーヘアーの黒髪でタラコ唇、長く伸びた鼻が特徴的だった。
「それで、俺に何か用か? 長鼻くん?」
「うるせぇ! この怪しい奴め! この村に何のようだ!」
怪しい奴と言われ、怪訝そうな表情を浮かべた。一体自分のどこが怪しい奴なのかと疑問を抱いていたシオンだったが、その答えは相手が出してくれた。
「そんな仮面を着けて、怪しくない奴なんているものか!」
答えを聞いて、シオンは失念していたとばかりに頭に手を置き、空を見上げた。
実を言えば、シオンはゾロと別れてから仮面を着けていたのだ。これからも海賊に襲われることがあるかもしれないため、撃退された恨みを受けて再び襲われるのは面倒くさい。少しでも素顔を晒したくないと考えて思い出したのが、ヒロトから貰った仮面だった。
この時、シオンはひょっとして自分がこういうことを思うのではないかと見抜いた上で、対策するために渡してくれたのかと思った。まるで、お前のことは何でも思い通しだぞと言われているようで、ありがたくも思ったが、少し怖いとも思った。
そんな事もあり、仮面を着けていたために子供たちを怖がらせてしまったことに多少に罪悪感を感じながら、シオンは仮面を外した。
「これでいいかな?」
「お、おう。別に構わねぇぞ」
「それで、君は誰なのかな?」
再び名前を尋ねると、長鼻の少年は胸を張って名乗り始めた。
「おれはこの村に君臨する大海賊団を率いる、ウソップ! 人々はおれを称え、キャプテン・ウソップという! もう一度問う。お前はこの村に何のようだ。もし、狼藉を犯すつもりならば、このおれの8000万の部下どもが黙っちゃいないぜ!」
うん…………ウソだな。そう思ったシオンだったが口には出さずに、腕を組んで考え始めた。
彼らは恐らく海賊に憧れているのだろう。それ自体は微笑ましい。自分にも海賊として名を上げた兄や1年後に海賊として海に出る同い年の兄弟がいるため、親近感を抱いた。
だが、ここまでバレバレのウソをつくのは正直どうかとも思った。そこで、思いついた案があった。そこまで言うならば乗ってやろうと。
「そうか、そうか。海賊かぁ。それなら狩られても大丈夫だよな」
シオンは腰に差していた刀を抜いて、ウソップに向けた。
「へ?」
「海賊を名乗っているんだ。それにどんなことをしていようが、8000万を率いる海賊をこのまま黙って見逃すほど俺は甘くないんでね。さて、その命をもらい受けようか。キャプテン・ウソップ」
「ヒィィィィ!!」
少し威圧気味にシオンが言うと、ウソップは途端に怯えだした。これぐらいにしておくかと刀を納めようとしたら、
「すいません、すいません! ウソをついてしまって申し訳ありません! どうか命だけはお助けを!」
「え、ちょっと待って! そんなに!?」
急に自分の方へと駆け寄ってきて、即座に土下座をし始めた。何度も砂に頭を打ち続けており、体も震えている。どうやら、脅かしすぎたみたいだと少し反省した。
シオンとしては、悪乗りしたつもりだったのだが、ウソップにとっては本気に見えたようだったのだ。
何とか落ち着かせようとしたシオンだったが、こちらの声を聞いていないのかずっと謝り続けている。さすがにこのままの状態が続くのも嫌だったので、軽く頭を叩いた。
「ぐふっ……!」
しかし、丁度良いタイミングでウソップが頭を砂に打ち付ける瞬間に叩いてしまったこと、あまり手加減が出来てなかったことが原因で、彼の顔は砂にめり込んでしまった。
「やべっ……やっちゃった!? う、ウソップ!? しっかりしろ!」
慌てて砂から引きずり出すと、砂を飲み込んでしまったのか、ぺっ、と口から砂を吐き出していた。シオンはすぐに謝ると、ウソップもようやく落ち着いたのかこちら側の話を聞いてくれていた。
「なるほどなぁ……ただの旅人だったのかよ。脅かしやがって……」
「まぁ、道中で海賊に襲われたのを海軍に突き出しているから、賞金稼ぎ寄りの旅人といったところかな」
「そうか。ともかく、変に疑って悪かった。改めて、おれはウソップだ。シロップ村にようこそ。歓迎するぜ…………えーと、そっちの名前は?」
「あ! ごめん、ごめん。名前を言ってなかったな。俺はシオンだ。よろしくな、ウソップ」
その後、2人は村を歩き始め、先程逃げ出した子供たちとも再会し、脅かせてしまったことを謝罪した。彼らもシオンが真摯に謝ってくれているのを見て、許してくれた。
所々で村人にも遭遇したが、彼らはウソップが見知らぬ者を連れていることに驚いていたが、シオンの優しい雰囲気を感じ取ったのか、穏やかに歓迎してくれていた。
「いい村の人たちだな、ウソップ」
「おうよ! 何たっておれが生まれた村だからな。おれがウソを言ったとしても黙認してくれる大人もいるし、おれの大切な故郷だ」
「故郷、か」
足を止めて、考え事を始めたシオンの様子にウソップはどうかしたのかと聞いてきたが、シオンはすぐに首を横に振って、何でもないと言って済ませた。
「そういえば、シオンはすぐに旅に戻るのか?」
「そうだな……今日ぐらいはこの村に泊まっていこうかな」
「なら、おれの家に泊まっていかないか?」
「良いのか? 迷惑になるんじゃ…」
「良いってことよ! それに、お前にも迷惑掛けちまったし、何かお前のこと気に入ったんだ」
サムズアップしてくるウソップを見て、シオンは思わず笑みを浮かべた。迷惑を掛けたのは自分も同じだと言いそうになったが、彼は気にしないだろうと心の中で感じ取っていた。それならばと、彼の厚意に甘えようと思い、泊まらせてもらうことにした。
家に着き、荷物を下ろすと、ウソップが出かけると言い出した。シオンも気になったので一緒に行っても構わないかと聞いてみると、快く了承してくれた。むしろ、助かるとも言われた。
村の中をしばらく歩き、村のはずれ辺りに来ると、そこには立派なお屋敷があった。
ウソップに聞くと、この屋敷には村一番の富豪の跡取り娘である、カヤという女の子がいるらしい。彼女は両親を亡くしており、精神的なショックで病気がちになっているが、ウソップが自分の嘘の冒険談を暇があれば聞かせに行っているらしい。
それで今日も屋敷に行くつもりだったのだが、旅人であるシオンが訪れたため、シオンの本当の冒険談もカヤに聞かせてやって欲しいとウソップは頼んできた。
「分かった。俺の話が良い効果になるのかは分からないけど、俺の伯父さんの旅の話もいくつかあるから、それらを聞かせてあげるよ」
「良いのか!?」
「構わないよ、ウソップ。それにさ、勝手だけど俺はウソップのことを友達のように思ってるからさ。友達の助けになるのは当たり前だろ?」
しばし、言葉の意味が分からなかったのかキョトンしていたウソップだったが、「友達……友達か」と口に出すと、笑顔を浮かべて肩を組んできた。その様子にシオンも何だか嬉しくなり、ゾロと短い時間を共に戦った戦友のような感覚とは違い、純粋に旅に出てから初めての友達ができた気がした。
屋敷に辿り着くと、2人は1つの窓がある所に向かった。ウソップは軽く窓をノックするとすぐに窓が開けられた。そこから顔を出したのは、先程聞いていたカヤだった。
彼女はウソップの顔を見ると嬉しそうに笑顔を向けていた。しばし話していたウソップとカヤだったが、シオンの存在に気づいたのか、彼女の視線が向けられてきた。
シオンは挨拶をし、ウソップの友達だと告げると、先程ウソップに向けたような笑顔で挨拶をした。
その後は、3人で話し始め、シオンは自分がここまで来るときに体験したことや伯父の冒険談、ウソップの嘘の冒険談を楽しそうに語り合い、カヤもそれを聞いて楽しそうだった。
日が沈む時間になってくると、そろそろ話を聞かせるのも終え、ウソップはまた来ると告げ、シオンは明日には出発するが、さすがに病気の女性を屋敷から出て見送りに来てもらうのは気が引けたため、道中で見つけて取っておいた真珠や貝殻を出会った記念として渡した。
それらを渡された彼女は一瞬戸惑っていたが、「ありがとうございます。嬉しいです」と感謝を告げられ、シオンもその表情を見て、気分が良くなった。
屋敷を後にした2人はウソップの家に戻り、一夜を過ごした。
そして、次の日の朝。
「わざわざ見送りに来てくれてありがとう。ウソップ」
「気にすんなよ。お前のおかげでカヤの笑顔が見られたんだ。それに、お前の話も面白いものばかりだったからさ。この村にいるおれにとっては新鮮な話ばかりだったよ」
「そっか。それなら良かったよ。君たちも見送りに来てくれてありがとな」
その場にいたのはウソップだけでなく、彼と一緒にいた子供たちもだった。彼らもシオンの見送りに来てくれていたのだ。3人はそれぞれ、一言別れを告げてウソップの隣に並んだ。
「じゃあ、いつかどこかで会おうな。お前ならきっと海に出て『勇敢な海の戦士』になれると信じているよ」
「おうよ! いつか絶対になってやるよ。だから、その時…………っていうのは約束できないかもしれないが、きっとどこかでまた会おうな!」
「ああ。約束だ」
シオンは2人目の再会を約束した人物と拳を突き合わせ、シロップ村から海へと旅に戻っていった。
ちなみに、道中で海賊に襲われていた女の子を助ける機会もあったが、その少女はシオンに目もくれずに舟でその場から逃げ出していった。ただ、その少女とはどこかで会ったような気がしたのだった。
シロップ村を離れたシオンが次に訪れたのは、この海で行ってみたいと思っていた1つである海上レストラン『バラティエ』だった。
ドーン島にいたときからこのレストランの話は聞いており、いつか行ってみたいとは思っていたのだ。
「それにしても、海の上にレストランを作るって思いもしなかったな。とりあえず、レストランに来たとなれば……」
小型船を停めて1人でバラティエに入ったシオンは席に座り、料理を注文した。
しばし、料理がくるのを待っていると、金髪に眉毛が渦状になっている男が料理を持って来た。
「ほい、お待たせさん。どうぞご堪能あれ」
「ありがとうございます。いただきますね」
出された料理を食べると、その美味しさについ急いで食べてしまった。まだ食べたいと感じたシオンは再び注文し、飲み物を飲みながら料理を再び待っていた。そんなときに、
「おい! この店はこんな不味い料理を客に出すのかよ!」
中年のような明らかに柄の悪そうな男が料理に文句を言い始めた。
この世界にもこういう理不尽のクレーマーもいるのかとシオンは遠い目をした。
そんな時に、先程の金髪の男が料理を持って来てくれた。
「あの、大丈夫ですか?」
「ん? 別に気にする必要はねぇよ。ああいう客は」
店の従業員の1人が対応に向かった。シオンはその様子を料理を食べながら見ていた。そして料理の味を堪能していたのだが……
「ふざけんじゃねぇぞ!」
クレーマーが皿を投げ、シオンの方に向かっていった。
「あっ……」
投げられた皿を避けようとしたら、手に持っていた料理のった皿を傾けてしまい、料理が落ちてしまった。
「(人が食べようとしていた料理を粗末にするなんて許し難いな……)やれやれ……少し黙らせるか」
あの島で過ごしていたシオンにとっては、自分たちの食事は自分たちで調達していたため、食欲に対する意識は高い。そんな自分にとって、今の輩は許せなかったのだ。それに、自分の方に皿を投げてきた不快感もあるが。
「なぁ、店員さん。アイツ、俺が黙らせても良いかな?」
「あ……ああ」
シオンの顔を見た金髪の男は口元を引き攣らせながら、了承してくれた。何故ならば、シオンの口は笑っていたが、目が一切笑っていなかったからだ。
確認したシオンは未だにクレームを言い続けている男に近づいた。
「なぁ……」
「あァ? んだよ、テメ……っ!?」
素早く懐に潜り込んで腹に一発入れると、腕を掴み取り、一本背負い投げをして床に叩き付けた。
「ガハッ……!」
「まったく、レストランで騒ぐのは感心しないよ」
手を払って、対応を店員に任せたシオンは自分が座っていた席へと戻った。
未だに呆気にとられている金髪に声を掛けると、シオンに感謝を伝え、厨房に戻っていった。
(これからどうするべきか……もうここを離れるか)
「おい坊主」
「ん? どうかしましたか?」
金髪が料理を持ちながら「サービスだ」と言いながら、シオンに出してくれた。
曰く、迷惑掛けたからそれなりに礼をしないと気分が悪いとの事だった。大丈夫なのかと聞いてみると、料理長にも許可は貰ったと言ったためにその厚意に甘えさせてもらった。
それなりにたくさん食べたおかげで満足したシオンはバラティエを後にした。ちなみに、食べた料理は誰が作ったのか聞いてみたが、サンジというシオンの対応をしてくれた金髪の男だった。どこか興味が引かれるとともに、麦わらを被った兄弟を思い浮かべる。
「もし、ルフィがコックを探しにここに来たら、アイツを誘いそうだな」
あり得るかもしれない未来の光景をシオンは思い浮かべた。
次回はローグタウンです。
キャラまとめでオリ主を含めたオリキャラのイメージキャラボイスも紹介しようと考えていますが、容姿も紹介した方がいい?(容姿は大体、他作品のキャラの容姿が多いです。多少変更もする可能性もある)
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した方が良い
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どちらでも構わない
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しなくても良い