負けヒロインの姉に転生した私 ~どけ! 私はお姉ちゃんだぞ!!~ 作:スーパーマンのみりん干し
いもーと ¦魔力チート
紫翠の全体的なサイズ感は、メリュジーヌをイメージ
突然ですが、私こと紫翠・シュレンの姉、翡翠・シュレンはとても大きいです。
あの人程、大きくて強い人は居ないと、そう断言出来る程に、私の姉上は大きくて強いです。
「紫翠、どうだ」
「とてもお似合いです。姉上」
私がそう言うと、少し恥ずかしそうに、顔を赤らめながら、得意気に鼻を鳴らして、ただでさえ大きい胸を更に強調する様に反らしました。
しかし、ドレスのデザインは私も一枚噛んでいますが、姉上の立派なお体で、背中が開いてスリットも深いマーメイドタイプ。しかも胸も張り詰めて強調されてます。
隣に更に露出の激しいユリアナ様がいらっしゃいますから、若干ですが誤魔化されてはいても、やはり目立ちますね。
しかも、身の丈七尺程のお二人が、ヒールを履いた事で更に大きく見えます。もう視界は肉の壁と申しますか、擬音で言うならムッキリパツパツです。
「しかし、私はともかく、紫翠もよく似合っている。この戦場に妖精が現れたかと思ったぞ」
「まあ、姉上ったらお上手」
私のドレスも、姉上と同じく小夏によるもので、デザインも姉上と同じマーメイドタイプ。まあ、露出に関しては肩のみですが。
しかし、姉上とユリアナ様は本当に堂々としていらっしゃる。
「……あれが、シュレンの双姫か」
「実物は初めて見たが、なんとまあ」
「女だてらに騎士の真似事とは、哀れなものですわ」
「しかし、シュレンの長姫は魔力を持たぬと聞くが、あの噂は真なのか」
「噂の真偽はどうあれ、あの躰なら貰い手はあるだろう。……奇特な趣味の、な」
耳に障る戯れ言を、完全に無視してますね。しかし、不躾な方々ですね。仮にもシュレンの長姫と、同盟国の代表格に対する態度と言葉ではないでしょう。ですが、顔は覚えました。
聞く必要の無い戯れ言ではありますが、不愉快極まりないので、後程ご挨拶でも一撃かました方がよさそうですね。
ええ、シュレンは武家なれば、十の過度な言葉より一の武で語ります。
「いや、二人して背中に鬼神が宿ってんだけど、つか背中ひっろ、凄いな」
「ああ、流石はシュレン将軍とパーシシェル様だな。一体、どれ程の研鑽を積んだのやら」
「あの立ち姿、やはりロムレシアの武を体現するに相応しい」
……あちらの方々は、武官の方ですね。姉上の良さに気付くとは、どうやら見る目はありそうです。後程ご挨拶に伺いましょう。
もし、ロムレシア騎士団に不満を抱えている様でしたら、それとなく姉上に話をして、シュレン領軍に引き抜くのも有りかもしれません。
「ラインハルトはどうした?」
「義姉上、俺ならここだ。今着いた」
「ラインハルト様」
「すまない、紫翠。待たせてしまった」
フォーマルなタキシード、特に目立つ装飾があるという訳ではないのに、シンプルな姿のラインハルト様は、凄く輝いて見えます。
周りの女性も色めきたっていますが、あげませんよ。
この人は私の人です。
「それにしても、紫翠は綺麗だな。黒に近い藍色が、紫翠をよく映えさせている」
「まあ、ラインハルト様ったら」
「はっはっはっ、よせやい」
そこで羨望の眼差しを向けている方々、貴女方は知らないでしょう。ラインハルト様は普段は二枚目なのに、ふとした拍子に三枚目になります。
姉上の素振りに付き合って、
しかし、次の瞬間には平気な顔で笑い話にしたりしてます。
所謂ネタキャラというものらしいとは、ラインハルト様の側近であるガイウス様の言ですが、ネタ術式とは一体なんの事なのでしょうね。
私だけが、知っているラインハルト様ですし、この事を教えるつもりもありません。
極論を言ってしまえば、外様の女は指咥えて見ていれば宜しいかと。
「しかし、こうして義姉上と紫翠、パーシシェル将軍が並ぶと壮観だな」
「ほう、それはどういう意味だ?」
「こうして絶世の花を独占出来る優越感ですよ」
「はっはっはっ、義弟よ。後で小遣いをやろう。紫翠と町を観光するといい」
「やったぜ」
ラインハルト様は長男なのに姉上の前だと、たまに末子になります。これは姉上が姉上だからでしょうね。
「翡翠、そろそろ時間ですわ。挨拶回りに行きましょう」
「え、やだ」
「やだ、じゃねえですわ。貴女の事だから、まだギルベルト様以外の騎士団に挨拶してないでしょう」
「うえ、なんだパー子。お前エスパーか?」
「貴女の考えがスカスカなだけですわ」
「やだー、どうせまた突っ掛かってくる奴居るし」
ロムレシア王国の貴族には、いまだに男尊女卑の考えが染み付いています。
現王やギルベルト様、他の新しい考えを持つ方々の働きかけや、姉上やユリアナ様達の活躍もあって、元々廃れ始めていたそれは無くなりつつありますが、それでもまだ古い考えの方々が権力を握っているのが現状です。
姉上がその実力や地位に対して、シュレン領でのみ強権を振るえるのが、その証拠でもあります。
「まだドルセンの奴はいいぞ? あいつは単純バカだから、こっちの事をバカにしてこないからな。問題はユリウスだ。あいつ、私嫌ってるじゃないか」
「だからと言って、挨拶をしない道理はありませんわ。ほら、シャキッとしなさいな」
「ああ、やだやだ。紫翠、お姉ちゃんちょっと行ってくるから、何かあったら爺に言いなさい」
引き摺られる様にして、ユリアナ様に連行されていく姉上を見送り、さてと思案を巡らせましょうか。
今回の夜会の目的は私とラインハルト様、そしてマクシミリアン殿下とアンナ様の婚約発表。
ラインハルト様と結ばれない覚悟決めてた身としては、要らぬ雑音が寄ってこない様になるのは、少々というよりかなり助かりますね。
シュレン女は一度決めた相手にのみ操を捧げる。故に私はラインハルト様以外に操を捧げるつもりは無く、最悪自害も考えていましたが、その必要は無くなりました。
マクシミリアン殿下とアンナ様についても、似たようなものでしょう。
マクシミリアン殿下は立太子はされてませんが、現王にはマクシミリアン殿下以外のお子は居らず、親族も不正により処刑されています。
少々やり過ぎな感も否めませんが、先王先々王の愚策により蔓延していた不正を一掃するには、王自らが示す必要があったのでしょう。
しかし、アンナ様は先読の巫女であり、商業に関してかなりの実権を握っていると聞きます。
「しかし、ファレス家の娘がか……」
「あの変人と名高き令嬢、どうせすぐに襤褸を出して、王室から叩き出されましょう」
「ははは、まったくですな。とすると、先読の巫女の噂も虚偽でしょうな」
「いや、まったく」
さて、この場に平八兄が居ない事が悔やまれますね。
平八兄が居れば、あの雑音共を始末する算段を立てられたものを……。
アンナ様がもしそうなれば、私にお鉢が回ってくる可能性が僅かですが出てきます。私はラインハルト様以外と結ばれるつもりは微塵も無いので、その様な可能性は塵一つ分すら認めません。
「紫翠。これとかどうだ」
「……これは、酒ですか?」
「うん、なんでも酒精の入っていない果実酒らしいな。……因みに、これはファレス家の令嬢の発案らしい」
「ほう」
やはり、アンナ様とは良い関係を築いていきたいものですね。多少、趣味嗜好に問題があるとは言え、あの方自体に問題がある訳ではなく、寧ろ人物的には非常に与しやすいと言えます。
いやはや、一時はどうなる事かと思いましたが、これは上手くやれば、シュレン領に良い結果をもたらす事が出来ます。
これらの事柄は、ほぼ全て姉上が引き込んだと言っても過言ではありません。姉上は幸運の女神か何かなのでしょうか。
「ふむ、何かは知らんが紫翠が楽しそうで何よりだ」
「まあ、ラインハルト様ったら」
ラインハルト様との平穏な日々、そしてシュレン領の安寧。
その為にも、今宵の夜会は何事も無く終えたいものですね。
平八兄¦シュレン姉妹とは幼少の頃からの付き合いなので、紫翠からは兄と思われている節がある。
因みに、平八は二人して手のかかる奴らと思ってる。
次回は本編か、もしかしたら番外編〝シュレンの姉妹団子〟みたいなのかも
お姉ちゃんに平八以外の幼馴染み
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いる(♂)
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いる(♀)
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要らないぞ