負けヒロインの姉に転生した私 ~どけ! 私はお姉ちゃんだぞ!!~ 作:スーパーマンのみりん干し
あと、顔文字多めです。
追記
なんか、エライ勢いで数字が伸びてるんですが……
協商連合、元々は中小様々な国が集まり、大国に対抗する為の共同体だったが、今はミルズガルム協商連合国と名を改めている。
しかし、その成り立ちから純粋な軍事力は他三国には劣り、一時は大陸の嫌われ者である、連邦の庇護下に入っていた時代もあった。
だがそれも過去の話、今や協商連合は連邦の庇護など必要無い武力を手に入れ、大陸の商業の中心となっている。
その要となったのは、国の名前となったミルズガルム家と、武の要であるパーシシェル家。
そうつまり、今このお姉ちゃんの目の前で、紫翠を膝に乗せて、髪を梳けずっている奴だ。
「パー子、貴様……」
「翡翠、随分遅かったですわね」
「あの、姉上? ユリアナ様も善意でやってくださってるので、あまりお怒りにならないよう」
「分かっている。だが、パー子、お前何故にここに居るのだ?」
紫翠も、そんな奴の膝に乗るなんて、お姉ちゃんおこだよおこ。( ゚皿゚)
「( ゚皿゚)」
「姉上、威嚇も程々に」
「(´・д・`)」
「相変わらずの顔芸ですわね」
「なら、パー子。そこをどけ、私はお姉ちゃんだぞ」
「姉上?」
「(´・д・`)」
私はお姉ちゃんだぞぉ……。
……しかし、協商で言うところの私であるユリアナが、何故にここに居るのか。そして、先程の不埒者共の事、少々問い質さなくてはならない。
「姉上、ユリアナ様は姉上に御用がおありの様ですよ」
「む、そうなのか?」
「ええ、そうなのですわ。翡翠、最近妙な軍勢との交戦はありまして?」
「妙な軍勢? つけ回してきた愚か者共なら、先程部下に拘束させたが?」
「交戦はありませんでしたのね?」
ふむ、一体全体、何が言いたいのか、この金髪ドリルは。
確かに、この最近は異民族もやけに大人しく、私が動く必要は殆ど無かった。試しにこっちから出向いてやろうと、一番襲ってくる回数の多かった騎馬民族の元へ向かったが、私の旗印が見えるや否や、凄い勢いで逃げていった。
私個人的に、あの氏族の勇猛さは非常に気に入っていたので、出来る事ならシュレン領に引き入れたかったのだが、仕方あるまい。
「お前の方は有った様だな。というか、あの不埒者共は、お前の差し金ではなかったのか」
「姉上、不埒者とは?」
「ああ、庭からこちらを窺う連中が居たが、既に対処済みだ」
「そうですか」
「その話は後程聞きましょう。しかし、下手に密偵を差し向ける必要が、私に有ると?」
「まあ、無いな」
こいつも私と同じで、下手に悩むより殴った方が早いと考えるからな。実際そうだし。
しかし、妙な軍勢というのは気になる。
事と次第によっては、今から屋敷に戻る必要があるな。
勿論、紫翠を連れてな。
「あと、翡翠。王都には向かいなさいな」
「( ゚皿゚)あ?」
「姉上」
「……何故だ?」
「巫女の噂はご存じですの?」
巫女? ……巫女だと!
ヤバイ、忘れてた。
原作でも、巫女関連でルート分岐があったんだった。紫翠のルートにはあまり絡んでこないから、記憶から放り出してたよ。
いや、待て。確かに、巫女関連でルート分岐はあった。だが、紫翠が巫女に選ばれる事は無かった筈だ。巫女に選ばれる絶対条件は、先読みの魔術が使える事。紫翠は魔力こそ桁違いだが、先読みの魔術は使えない。
あの魔術が使えるかは、魔力の強さや量ではなく先天的な才能で決まる。そして、その才能を持っているのが、ヒロイン兼主人公のプレイヤーキャラだ。
「(^_^;)」
「その顔だと、忘れていましたのね」
「い、いや、知っていたぞ? ……失念していたが」
「まあ、私も最近知った事ですので、良しと致しましょう。……本題に入りますわよ」
さてと、前置きして、ユリアナが紫翠を膝から降ろして、私に手渡す。因みに、ユリアナと私はほぼ同サイズで、紫翠は私達よりも当然ながら小さい。
「さも当たり前に、紫翠さんを膝に乗せますのね」
「私の側が一番安全だからな」
「それはそうなのですが、姉上。今から大事なお話なのでは?」
「いえ、紫翠さんにも、正確には今回の王国の行動に関する話ですわ」
単純に巫女云々の話なら、紫翠は関係無いが、パー子の口振りからすると、事はそう単純ではなさそうだ。
「王国の行動、王子の許嫁候補云々は、あれ偽装ですの。目的は巫女並びに巫女候補の保護ですの」
「はあ? 保護だと?」
「ええ、第一に王子の許嫁選びだからと、輿入れの決まっている娘を、強引に集める様な蛮行を、あの王が赦すと?」
まあ、あの王はそういうの嫌いだよ。嫌い過ぎて、不貞やったら殺すなんて法律制定するくらい嫌いだよ。後に改定されたが、不貞によって親兄弟を喪った身としたら、悪以外何物でもないだろう。
「しかし、保護とは? こう言っては何ですが、私は護られていると思います」
「ええ、紫翠さんは十分に護られている。しかし現状、被害まで出ているのですわ。ロムレシア王は事態を重く見て、同盟国であり、個人的にも親交のある私が貴女の説得に来たという事ですの。ですが、必要は無かった様ですね」
「まあ、主家の命に理由も無く逆らう程、愚かではない。しかし被害とは、まさか暗殺でも起きたか」
「……今はそこまで、しかし確実に起こるだろうと、宰相は密かに帝国にも渡りを付け、帝国と協商からも令嬢を、中立国である王国に集めているのです」
立地上、帝国は連邦に近すぎ、協商は成り立ちから統率の点で不安が残る。なら王国は、協商と帝国と隣接し、連邦との間には異民族が縄張りとする、広大な平野が広がっている。そして、ロムレシア王国は大陸で中立の立場を取っている。
立場と立地の関係を見るなら、他二国より王国の方が、まだ幾らかましと考えたのだろう。
軍事力の点で言えば、帝国の一択だが、それなら真っ先にラインハルトが、紫翠を迎えに来ている筈だ。
それが無いという事は、ラインハルトに話が通っていないか、ラインハルトが納得したという事になる。
そしてこの流れの中に、唯一参加していない国がある。
「パー子、連邦か?」
「貴女はもう少し、言葉を繋げなさいな。私を含め宰相、ロムレシア王とラインハルト様も、ほぼ間違いなく連邦の仕業に間違い無いだろうとの事ですわ」
「しかし、何故に連邦が、巫女候補の方々を襲撃しているのですか?」
確かにそれは気になる。原作では、先読みの巫女となった
そしてそのルートでも紫翠は巻き込まれ、魔力の強さを理由に、謎の魔獣復活の為の生け贄にされてしまう。
それを回避しても、結局は連邦の手により暗殺される。
つまり、紫翠は連邦と関わった時点で、バッドエンドが決まってしまう。だから、前世でも連邦は、史上最大の邪魔、害虫、数が多いのがマジ害虫、これをいかに手早く滅ぼすかがルート分岐の鍵。
まさか今世で、それらを痛い程に体感する羽目になるとは、夢にも思っていなかった。
「連邦の行動には不可解な点が多いのは事実。それに、何らかの政変の様な事が起きたという噂もありますのよ」
「適当にちょっかい掛けて、自作自演で喧嘩を売る口実作りも、有り得るのがあの国だ。それに奴らは我々が気に食わんのだろうよ」
連邦には、大陸で唯一と言っていいある思想に染まっている。
多民族、多種族が住まう大陸で、唯一人間至上主義を掲げ、亜人とされる人々を徹底的に弾圧し、人である尊厳すら奪い去り、人の姿をした獣と蔑む。
そして、その亜人を多く擁する王国とは、存在自体が許されざるものだと、長い歴史の中で度々衝突している。
我がシュレン領にも、小人族という手先の器用な人々が住んでいる。
私の薙刀や太刀、鎧に至るまで、全てあの者達の手によるもので、他にも木工や絹織物等のシュレン領の産業を支える大事な領民である。
故に、その技術を狙った連邦が異民族を焚き付けて、ちょっかいを掛けてくる事が度々あったが、異民族達も馬鹿ではない。自分達が騙されていると分かった奴らは、油断しきった連邦領内で、仕返しとばかりに暴れに暴れた。異民族は戦うと面倒だが、奴らは結んだ約定は必ず守るし守らせる。
話を聞くに奴ら、異民族相手に報酬を出し渋り、ついでに結んだ約定を反故にしたらしく、今やあの平野は連邦が通る事が不可能になってしまっている。
(((*≧艸≦)ザマア!
「話を纏めると、先読みの巫女候補となる子女の方々が、次々と襲撃されており、事態を重く見た各国は、中立国である王国に子女を集め護る事にした。という事でしょうか」
「その通りですわ。翡翠、その為に貴女には王都に入ってもらいます」
「領地の護りはどうなる? 私が離れたと知ったら、馬鹿共が湧くぞ」
「それに関しては、俺に任せてもらおうか。義姉上」
襖を勢いよく開けて、聞き覚えのあるよく通る声が聞こえたと思ったら、未来の義弟が居た。
割りと息が上がっているが大丈夫か?
「ラインハルト様?!」
「紫翠、良かった。間に合ったか。まったく、先に王都に発ったと聞いた時には焦ったぞ」
「あの、それは申し訳なく。しかし、ラインハルト様。公務があるのでは?」
「ああ、それなら無くしてきた」
「無くしてきた」
「うむ、無くしてきた。……レオニールの奴が上手くやる」
ああ、また弟のレオニールに公務を押し付けて来たのか。いや、それで問題無いのだから良いのか。
まあ、それはそれで良いのだが
「敷居は踏むな義弟」
座敷のマナーだぞ。
ユリアナ・パーシシェル
身長・体重は翡翠とほぼ同値。ユリアナの方が若干低くて軽いが大差は無い。
金髪ドリルの生粋のお嬢様の癖に、全身鎧にハルバード片手に戦場で騎馬突撃かましまくってくる。
基本、ユリアナが出たら翡翠を、翡翠が出たらユリアナをぶつけるのが、王国と協商の共通認識となっている。
お姉ちゃんに平八以外の幼馴染み
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いる(♂)
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いる(♀)
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要らないぞ