ゆずソフトの小説   作:かんぼー

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かんぼーです。こちら、以前にTwitter(@vice__kan__bo__)に投稿したものになります。

前半:我慢(二条院羽月)
羽月です。めちゃくちゃ悩んだやつです。
なぜか羽月は全く話が浮かんできません…どうして?この話ももともとは喫茶ステラのナツメさんあたりで書こうかなと思っていたものを流用したという裏話があります()

後半:お兄ちゃんのために(在原七海)
勤労感謝の日&いい兄さんの日のSSです。兄妹といえば七海ちゃんですよね。
優柔不断な私はプレゼントを選ぶことができません。いいえ、プレゼント以外も基本、何かを選ぶこと自体が苦手です。

※キャラ崩壊や元作品の設定崩壊が起こっている可能性もあります。この点を理解できる方のみ。お読みになることを推奨します。
※誤字脱字等の指摘も受け付けています。


我慢(二条院羽月)/お兄ちゃんのために(在原七海)

我慢(二条院羽月)

 

 ここはトラムの車内。今日は二人で少し遠くへデートしに行ったのだが、今はその帰りである。土曜の夕方ということもあり、トラムの中は俺たちのように遊び帰りの人が多く、かなり混んでいる。

 俺たちはなんとか空いている座席を見つけ、二人並んで座れたのだが…

「「……」」

 すっかり黙り込んでしまっている。

 喧嘩した、とかいうわけではなく、ただ車内全体が気まずい雰囲気なだけなのである。車内には俺たちと同じようなカップルもおり、その中でもいわゆる「陽キャ」のカップルは人目もはばからずイチャイチャとしている。車内の人はその雰囲気に気圧されており、特に羽月は顔を真っ赤にして下を向いている。

「…羽月、大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だ。大丈夫だ…!!」

 …大丈夫じゃないな、これ。

 そんなことがありつつも、無事橘花学園の最寄駅まで帰ってきた。

「あー、疲れたぞ…」

「なんというか…大変だったな」

「ほんとだな…というか!体をくっつけるぐらいならまだしも、あれだけ混んだ車内でキスしまくるとはどういうことなんだ!?」

「まあ、そういう人もいるってことだよ。ただ、確かにもうちょっと周りの目を気にしてほしかったよな」

「そうだ!周囲にちゃんと配慮すべきだ!それに…」

 羽月が急に俺から目を逸らす。

「(…ワタシだって、暁ともっといっぱいキスしたいんだぞ…)」

「ん?何か言ったか?」

「なななな、なんでもない!それより暁!早く寮に帰るぞ!」

 羽月が俺の腕をつかんで引っ張ってくる。頬が少し赤いようだがそれは夕焼けのせいではないようで。

 今夜は思いっきり羽月とイチャイチャしようかと考える俺だった。

 


 

お兄ちゃんのために(在原七海)

 

 今日は祝日。わたしと暁君は二人で学園からさほど遠くないショッピングモールまで出かけに来ていた。

 今日の目的はデートではなくお父さんにプレゼントを買うこと。今日が勤労感謝の日であることを思い出し急遽二人で贈り物をすることになったのである。今から買って郵送するとなると数日遅れてしまうけど仕方ない。

「七海、よさそうなものあったか?」

「うーん、これなんかどうだろ?お父さんに似合いそうじゃない?」

 わたしは手に取ったハンカチを暁君に見せる。一方で暁君は小銭入れを選んだみたい。どちらもお父さんの雰囲気に合いそうな品物だ。

「七海のハンカチもよさそうだな。よし、これ買って親父に送るか」

「あ、暁君。先にレジ済ませておいてくれない?わたし、もう少し店の中見て回りたいの」

「まだ何か買うのか?会計一緒にするなら俺も付いていくぞ?」

「いいの!暁君は先にレジ行ってて!」

 わたしは暁君を無理矢理会計に向かわせる。よし、これで一人になれた。

 今日は勤労感謝の日だけじゃなくて「いい兄さん」の日だからね!暁君がもっと「いいお兄ちゃん」になれるように、とっておきのプレゼント探さなきゃ!


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