ゆずソフトの小説   作:かんぼー

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注:元作品のネタバレを含んでいる場合があります!!

かんぼーです。こちら、以前にTwitter(@sub__kan__bo__)に投稿したものになります。2作品ともPARQUETの茨木リノちゃんです。

前半:初めての感覚
リノちゃんに頭を撫でられたいという一心で書いた作品です(?)。撫でられたいですよね。ですよね?

後半:心に温もりを
とある方から「リノがツバサに変装してカナトといちゃつく」というネタをいただいたので、それを使わさせていただきました。
書いてる途中で思っていたものとは違う方向に進んだ気もしますが…まあお許しください。

※キャラ崩壊や元作品の設定崩壊が起こっている可能性もあります。この点を理解できる方のみ。お読みになることを推奨します。
※誤字脱字等の指摘も受け付けています。


初めての感覚/心に温もりを(茨木リノ)

初めての感覚

 

「ねこ、ねこ~♪もふもふ~♪」

 今日はリノと二人で散歩がてら動物と触れ合えるカフェに来ている。ここはリノのおすすめの店だそうで、店員さんと顔見知りなほど来店しているとか。

「どしたのワンちゃん、よしよし~♪」

「本当に動物好きなんだな」

「可愛いから仕方ない。ほら~いい子、いい子~♪」

「まあ確かに可愛いな。ほれほれ」

 俺が子犬の頭をなでると気持ちよさそうに体を擦り付けてくる。これはクセになりそう。

 しばらく子犬や子猫たちと戯れていると、その様子を見ていたリノが俺の前にちょこんと座る。

「……どうしたリノ?もうモフモフはやめたのか?」

「ううん、私はまだモフる。可愛いがここにはたくさんあるから」

 そういうとリノは俺の頭に手を伸ばして―

「よしよし、カナト、可愛い♪」

「ちょ…え?リノ?」

 リノが俺の頭を撫でている。恥ずかしいけれど、一方で優しくて気持ちよくて…。撫でられるのはこれが初めてだからか、虜になってしまいそうである。

「ほらほら~鳴いて?」

「……にゃ、にゃあ?」

「ちょろっ」

「おい」

 我に返った俺はとっさにリノの手を払う。やっぱり公共の場でこんなことされると恥ずかしい。

「ごめん、なんだか犬や猫と戯れるカナト、すごく笑顔で可愛かったから」

「だからって撫でるなよ…あとちょろいって言うな」

「ごめんって、でもカナトも満更ではない顔してた」

「そ、それは……」

「また今度、いっぱい撫でてあげる」

「……」

 楽しそうに笑うリノに対し俺は返事ができず、つい目をそらしてしまう。だが、リノには俺の心境は全てお見通しのようだった。

 


 

心に温もりを

 

 最近ツバサさんとカナトの様子がおかしい。今までより二人の距離が近いように見える。そのせいか、カナトが最近私のことを全然見てくれない気がして……正直寂しい。すごくもやもやする。

 そこで、私は奇策を取ることにした。ツバサさんの服と、以前まだツバサさんが私の中にいるときに使っていたウィッグを借りてカナトの前に現れてみる。そうすればカナトは私をツバサさんと間違えて、構ってくれるはず。

 ツバサさんの話し言葉の雰囲気は覚えた。声帯も同じものを使っていたから声真似も問題ない。

 私は自信満々だった。なのに―

「おーい、カナト!!」

「おーツバサ…?なんだかおかしくないか?」

「な、何を言っているんだいカナト?私はツバサだよ?」

「わかった、リノだろ。」

「そんなことあるわけ……ちょ、髪の毛いじらないで!!」

 カナトにすぐにばれてしまう。髪を触られてウィッグを無理矢理取られ、本当の私が姿を見せた。

「なんでわかったの!?声だって話し方だってツバサさんそっくりだったはずなのに…」

「ツバサは一人称『ボク』だからな。さっき『私』って言ってたぞ」

「え……私、『ボク』って言ってなかった?」

「言ってなかった。それにツバサは俺に向かってくるときはにこやかな笑顔でやってくる。さっきリノが向かってきたとき、笑顔だったけどなんというか…悲しそうな顔をしてた。もしかしてなにか悩んでることでもあるんじゃないのか?」

 カナトが私の目を覗き込んでくる。恥ずかしいけれど、それと同時に心の中に広がる暖かい幸せな感覚。

「……最近のカナト、ツバサさんにばっかり構ってる気がする」

「あー……確かにここのところツバサに積極的に遊びに誘われるな」

「だから、ツバサさんの格好してカナトと一緒に居ようと思った」

「そうか……気にかけてやれなくてごめんな」

「別にカナトは悪くない。私が積極的じゃないだけだから」

「いや、ツバサにばかり構ってた俺が悪い。だから、そのお詫びと言っては何だが今日は一日、リノにつき合わせてくれ」

「あ……うん、よろしく、お願いします」

 カナトと並んで歩きだす。もう心にもやもやなんてない。私の顔はツバサさんに負けないぐらい笑顔なはずだ。


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