ゆずソフトの小説   作:かんぼー

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かんぼーです。こちら、以前にTwitter(@sub__kan__bo__)に投稿したものになります。

前半:いつもとは違う(火打谷愛衣)
時期としては付き合った年の夏を想定してます。昂晴くん大学4年生、愛衣ちゃん高校3年生のはずです。
初めて書いたSS作品です。競泳水着だけでなく、ビキニとかの可愛い系の水着姿も見てみたいな…なんて思いで作りました。

後半:休憩場所(汐山涼音)
キッチンに仕事しない人がいると邪魔です。でもそれが恋人なら…
と、一時も昂晴君と離れたくない涼音さんのお話です。
前々から思うのですが、なんで涼音さんメインヒロインじゃないんでしょうか。たぶんバグですよね()

※キャラ崩壊や元作品の設定崩壊が起こっている可能性もあります。この点を理解できる方のみ。お読みになることを推奨します。
※誤字脱字等の指摘も受け付けています。


[短編集]喫茶ステラと死神の蝶
いつもとは違う(火打谷愛衣)/休憩時間だって(汐山涼音)


いつもとは違う(火打谷愛衣)

 

「こーくん、来たよー!」

 玄関から愛衣の声が聞こえる。

 今は夏休み真っただ中。俺は就職活動、愛衣は大学受験の勉強と忙しい日々を送っているが、今日は気分転換で遊ぼうという話になっていた。

「いらっしゃい。暑かったでしょ。お茶飲む?」

「うん!飲む!」

 冷蔵庫からペットボトルのお茶を出し、コップに注いで愛衣に渡す。すると愛衣は一気に飲み干してしまった。

「ぷはー!生き返るー!」

「よっぽど喉渇いてたんだな…それで、今日はどうしよっか?」

「んーとね、アタシ、行きたいとこあるんだ。」

「わかった、そこに一緒に行こう。けど行きたいとこってどこだ?」

 すると突然、愛衣がなにやら気恥ずかしそうにし始めた。

「その…プール」

「あー、そっか。最近勉強ばっかでジムにも行けてないもんな」

「…そっちじゃない」

「え?」

「ジムにある泳ぐ用のプールじゃなくて、もっと、ウォータースライダーとか、遊ぶとこいっぱいある方の、プール…」

「…」

「そういうとこ…一緒に行ったことないし?それに、その、さすがに競泳水着は場違いになっちゃうから、ちゃんとかわいらしい水着も買ってあるし、それも見てほしいし…」

 かわいらしい水着…だとっ!?

「だから…プール行こ?」

「…愛衣」

「…なに?こーくん…え、目怖いんだけど、絶対また何か変なこと考えてるよこの人」

「否定はしない!!さあ、プールに行くぞ!!ここから一番近いのはどこだ!!」

「うわー、笑顔めっちゃ輝いてるよ…この時期の太陽以上に輝いてるよ…」

 そんなことを言いながらも、愛衣は楽しそうに笑っていた。

 


 

休憩場所(汐山涼音)

 

「んあ゛あ゛ーっ、疲れるー」

「そろそろランチ戦争も落ち着きましたかね」

 喫茶ステラ、本日も大好評である。嬉しくはあるのだが、やはり忙しいと疲れるもので、今も涼音さんと二人で一息ついているところである。

「涼音さん、どっちが先に休憩入ります?」

「あー、昂晴先に休憩入っていいよー」

「わかりました。ではお言葉に甘えて」

 ゆっくり腕を回して肩の疲れを落としながらバックヤードに向かおうとしたその時。不意に服の裾を掴まれた。

 掴まれた方を見ると、涼音さんが俺の方をジッと見て何かを訴えかけてきている。

「…どうしたんですか涼音さん」

「…」

「やっぱり涼音さんから先に休憩しますか?」

「…いや、昂晴が休憩して」

「…裾離してもらえないとバックヤード行けないんですけど」

「…」

 俺と涼音さんの間に気まずい空気が流れる。ヤバい、どうにかしないと。涼音さんは何を訴えたいんだ!?

「えっと、えっと、涼音さん」

「…あーもう!!ちょっと待ってな!!」

 そう言い残すと涼音さんは俺をキッチンに残してバックヤードへ入っていく。

 すぐ戻ってきた涼音さんの手には丸椅子が一つ抱えられていた。

「…今日から私と昂晴の休憩場所はここだから。私の目の届かないところで休憩なんてさせないよ」

 そう言うと涼音さんは丸椅子を俺の前に置き、逃げるように冷蔵庫の中身を覗きに行った。

 俺はそんな愛らしい涼音さんの姿を休憩時間中ずっと見つめていた。


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