ゆずソフトの小説   作:かんぼー

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かんぼーです。こちら、以前にTwitter(@vice__kan__bo__)に投稿したものになります。

前半:苦手克服?(四季ナツメ)
ナツメさんがコーヒーと対峙するお話です。私もコーヒー飲めませんが…。
ナツメ昂晴はいろいろと不幸な過去を背負ってる二人だと思いますので、やっぱり幸せになってほしいですね

後半:同じ香りを(汐山涼音)
涼音さんが昂晴の香りを買いに行く(?)お話です。
好きな人の香りって、なんかほかの香りより強く感じることありません?気のせいですかね…?

※キャラ崩壊や元作品の設定崩壊が起こっている可能性もあります。この点を理解できる方のみ。お読みになることを推奨します。
※誤字脱字等の指摘も受け付けています。


苦手克服?(四季ナツメ)/同じ香りを(汐山涼音)

苦手克服?(四季ナツメ)

 

「うぅ……苦い……」

「だからやめとけって言ったのに……」

 ここは俺の家。ナツメも一緒に居るのだが、当の本人はとても辛そうにしている。

 その理由は、缶コーヒー。ナツメが苦手を克服したいということで、缶コーヒーを飲むチャレンジをしているのだが、一口目でギブアップ寸前まで来ている。

「誰よ、こんな苦い飲み物考えたの……」

「カフェ店員としてあるまじき発言だな」

「だって仕方ないじゃない!苦いものは苦いのよ!」

 ナツメが缶コーヒーをジッとにらみつける。まあ、にらみつけたところでコーヒーが甘くなるわけもなく。ナツメは大きなため息をついた。

「……諦めるわ。残りは昂晴にあげる」

「いいのか?」

「いいわよ。はい、どうぞ」

 ナツメから缶コーヒーを受け取る。一口飲んでみるが、まあ苦い。苦いけどそれがコーヒーの魅力というものではないのだろうか…などと考えていると、俺の様子をじっと見つめていたナツメと目が合った。

「……どうした?」

「なんでもない。それより、コーヒーまだ残ってる?」

「残ってるぞ」

「じゃあ、返して?」

「もうギブアップしたんじゃないのか?」

「いいから返しなさい」

 不思議に思いつつナツメに缶コーヒーを渡す。缶を受け取ったナツメはコーヒーを一口飲んだ。

「……やっぱり苦い」

「そりゃ、さっきと同じだからな」

「でも、ちょっと甘いかも」

「え?そんなことあるか?」

「もちろん砂糖とかミルクの甘味じゃないけどね。なんというか、気分的に?でも、これなら飲めそうかな」

「飲めるならいいけど、無理するなよ?」

「大丈夫よ。あと、昂晴って本当に鈍感ね」

「??」

 首をかしげる俺を見て、ナツメはクスッと笑う。その後、ナツメは苦い苦いと言いながらもコーヒーを飲みほしたが、その顔は少し幸せそうだった。

 


 

同じ香りを(汐山涼音)

 

 家の冷蔵庫の中身がからっぽになったので駅前のデパートに食料を買いに来たのだが、ついでに寄ったドラッグストアで涼音さんの姿を見つけた。

「うーん、ない……」

 物陰から見ると、涼音さんは難しそうな顔をしている。お目当てのものが見つからないのだろうか?

「涼音さん、どうしたんですか?」

「え?うわぁ!?昂晴!?」

「そんなに驚かなくても。何か探してるんですか?」

「まあ、ちょっとね」

「よかったら手伝いますよ…といってもここ柔軟剤のコーナーですよね。いつも使ってるやつならすぐに見つかるんじゃないですか?」

「いや、そうなんだけどね……実は新しい柔軟剤に変えようと思っているんだよ」

「なるほど。その新しい柔軟剤ってどんなやつですか?」

「そっ、それは……」

 少し涼音さんが口ごもる。

「その……昂晴がいつも使ってるやつにしようかな、って」

「俺の使ってるやつですか?あれ、ここに売ってないんですよね。あっちのスーパーの方にならありますよ」

「あ、そうなんだ。じゃあ案内してくれない?」

「わかりました」

 そう答えると涼音さんは俺の腕に絡みついてくる。そして、顔を俺の袖に少し当てる。

「(これでいつでも昂晴の香りを……)」

「何か言いました?」

「なんでもない」

 涼音さんはさっきまでとは打って変わって、幸せそうな笑顔を見せていた。


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