再び転生した元神は魔法科高校へ   作:さすらいの旅人

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番外編 十三束のお願い②

「どうした十三束、早く来いよ」

 

「……………」

 

 再び十三束へ視線を移して挑発するように言うも、向こうは無言のまま構えていた。

 

 まるで俺の出方を見る為に観察してるんじゃないかと思われる目だ。もしかしたら前回の試合で見せた指弾や、先程の沢木と似たマッハパンチを警戒してるかもしれない。

 

 一応言っておくが、俺は沢木と同じ魔法を使っていない。単に技の一つとして使ってる『遠当て』を拳で繰り出してるだけに過ぎなく、十三束に使った『指弾』も同様である。此処にいる者達は絶対に魔法と勘違いしてるかもしれないが、な。

 

「来ないなら……コッチから行くぞ」

 

「!」

 

 言ってる最中に俺は一瞬で接近し、すぐに拳を繰り出す。普通なら急に懐に入られたら動揺してもおかしくないが、十三束はまるでそうなる事を予想していたように、此方の攻撃を防御する。

 

 十三束も負けじと反撃に移り、回し蹴りを繰り出してくる。だが俺はそれを片腕だけで簡単に防ぎ、空いてる片手でもう一度拳で当てようとするも、今度は回避して一旦距離を取った。

 

(ふむ、相当警戒してるようだな)

 

 再度接近しながら攻撃を繰り出す俺と、待ち構えるように対応する十三束。その攻防が何度も何度も繰り返される。

 

 改めて試合をして分かった。前回の件が余程堪えたのか、十三束は俺が攻撃に移った直後に防御と回避を中心にした戦い方をしている。ちゃんと反撃はしてるが、それでも随分控えめな感じだ。

 

 出来れば勢いのある戦い方をして欲しい。修哉だったら思いっきり攻め込んで……あ、思い出した。今の十三束は、去年の修哉にソックリだと言う事を。

 

 去年鍛え始めた頃、実力を見ようと手合わせした後もこんな感じだった。あの時の修哉は圧倒的な実力差を理解した所為か、練習同然の手合わせする時はかなり控えめな戦い方をしていた。その後は『勝敗に関係無く思いっきりぶつかって来い!』と俺が発破を掛け、徐々に度胸がついた事で着々と腕を上げている。

 

 どうやら十三束も以前の修哉と同じく、本能的に俺を恐れているみたいだ。それ故に前の試合と違って、俺が攻撃に移ると認識した瞬間、今も無意識に反撃が控え目になっている。今は部員達の目もあって無様な姿を見せる訳にはいかないという足枷も付いてるから、それで余計に実力が発揮出来なくなってるだろう。

 

 そう考えると、俺に少しばかり責任があるかもしれない。大敗を喫した人間ほど、立ち直るのには少しばかりテコ入れと言う名の荒療治が必要になる。

 

 因みに以前俺にボロ負けした千葉エリカは数日経って自力で立ち直っている。アレは元から前向き(ポジティブ)に考えてる他、(物凄く失礼だが)十三束と違って繊細(やわ)な性格じゃないから。多分それは俺だけじゃなく、普段彼女と一緒にいるレオもそう考えている筈。

 

「す、すげぇ……! あの攻防いつまで続くんだ!?」

 

「もう十分以上やってるわよ……!」

 

(おっと、いかんな)

 

 部員の声を聞いて少々考えに耽っていたことに漸く気付いた俺は、一旦距離を取ろうと十三束から離れた。

 

 考え事をしながら手合わせをするのは大変失礼な行為なのは勿論理解してる。けれど、相手をしてる十三束が余りにも手緩い攻撃しかしない為、考える余裕が出来てしまっていた。

 

「はぁっ……はぁっ……!」

 

「………………」

 

 十三束は相当集中していたのか、髪が肌にへばりつく程の汗が出ているだけでなく、かなり息が上がっていた。対して俺は汗を掻いておらず、息一つも乱していないままジッと眺めている。

 

「あの時と違って、随分控え目になったものだ」

 

「……一体何の事かな?」

 

 俺の台詞の意味が分かっていながらも、敢えて惚けるように言い返してくる十三束。

 

 触れて欲しくないのかは分からんが、取り敢えずそれに合わせておくことにしておこう。

 

「じゃあ、そろそろ本番と行こうか」

 

「!」

 

 構えた直後、俺は全身から想子(サイオン)(と見せかけたオーラ)を放出し、それを皮膚に纏わせた。

 

「な、何だありゃあ!」

 

「アレほどの想子(サイオン)を全身に纏わせてるのかよ!」

 

「何か十三束君より凄くない!?」

 

 驚きの声を上げる部員達を余所に、十三束も負けじと全身から爆発的な想子(サイオン)光を迸らせた。俺と少し違い、不可視の光が煌めいている。

 

 俺の想子(サイオン)と十三束の想子(サイオン)がぶつかった所為か、室内が少々眩しくなっていた。その所為で審判の沢木だけでなく、観ている部員達も眩しさの余り手を翳している。

 

(前より多少マシになってるな)

 

 そんな周囲の反応とは余所に、俺は十三束を迸らせてる想子(サイオン)を観察している。

 

 自分なりに考えたのか、アイツの想子(サイオン)はある程度だが硬化されている。分かり易く言えば、『絹ごし豆腐』から『木綿(もめん)豆腐』に変化したと言ったところだ。

 

 あの試合から数日しか経ってないが、それなりに改良したみたいだ。司波であれば称賛してるかもしれないが、俺の場合は『全くなってない』と言う評価だった。

 

 そもそも十三束は想子(サイオン)の扱い方を余り理解していない。と言うより、殆どの魔法師がそうだろう。一応想子(サイオン)を操作する『無系統魔法』はあるが、アレは魔法師が扱う基礎程度のモノとしか認識されていない。

 

 あくまで聖書の神(わたし)の解釈に過ぎないが、この世界の魔法師達は案外想子(サイオン)を単なる燃料としか思ってないかもしれない。まぁ実質、それが無ければ魔法が発動しないのは事実である。

 

 系統魔法が主流とは言え、想子(サイオン)は工夫する事で強力な武器や防具となる。司波や十三束が攻撃用として使っている『術式解体(グラム・デモリッション)』、去年の秋に相手をした呂剛虎が防御用と使った『(ガン)()(ゴン)』等々、な。因みに後者の魔法については簡単な概要程度だが、九島から教えてもらったと補足しておく。

 

 あと他にも、修哉が木刀に想子(サイオン)を纏わせる事で、七宝が『ミリオン・エッジ』として使った紙片を刃として構築している魔法式を無効化させていた。俺が修哉を鍛えなければ実現する事は出来なかったが、な。

 

 この世界の魔法師は『無系統魔法』として扱う想子(サイオン)にもう少し着目して欲しいものだ。違う世界から来た聖書の神(わたし)から見れば、想子(サイオン)は普通のオーラと違って色々活用出来るんじゃないかと思う。

 

 っと、また余計な事を考えた所為で脱線してしまった。今は十三束の試合に集中しないと。

 

「来い、十三束。自分なりに想子(サイオン)を硬化させたんだろう?」

 

「…………すぅ~~、はぁ~~~………」

 

 俺がお見通しだと指摘するも、十三束は深呼吸をしていた。

 

 数秒後に漸く心構えが出来たのか、自己加速魔法で肉体の動作速度を最大にして急接近する。

 

「え? 何してんだあの人!?」

 

「あんな状態で十三束君の攻撃を受けたら……!」

 

 対して俺は棒立ちになった事で、見守ってる部員達は驚きの声を上げていた。全くの無防備のまま攻撃を受ければタダではすまない事を分かっている為に。

 

 そして十三束は渾身の一撃と思われる正拳突きを俺の腹部に当てようと……する直前、何故か止まった。いきなりの事に俺は少々目を見開くも、その間に相手が回り込もうとする。

 

 周囲の部員達も、十三束の行動が予想外だったのかざわめいていた。

 

(成程、フェイントか)

 

 恐らく想子(サイオン)を硬化しても自分に通用しないと判断したのだろう。正面から攻撃しても通用しないなら、虚を衝こうと俺の最も無防備な部分である背後から攻撃しようと。

 

 まだそんなに話した事は無いが、十三束の性格からして、自分の得意分野である格闘戦は必ず真っ向勝負で挑むと思っていた。今回もそれをやるだろうと思っていたのだが、案外そうでもないようだ。

 

 実力差が分かっていながら、それでも一矢報いようとコイツなりに考えたのだろう。そうやって頑張ろうとするのは嫌いじゃない。寧ろ好ましく思える。

 

「はぁっ!」

 

 俺がそう感心している中、十三束は俺の背中に渾身の一撃を込めた正拳突きを当てる。

 

 ドォンッと凄く硬い音が響かせるも――

 

「残念でした」

 

「ッ!?」

 

 俺が後ろを振り向かずに片手で受け止めた事により、十三束から驚愕の声を漏らした。

 

「その攻撃は決して間違っていないが、な」

 

 振り向きながら言うと、予想通りと言うべきか十三束は信じられないと言わんばかりに目を見開いている。

 

 背後は人間にとって一番無防備な部分であり、隙を狙うには最も適した箇所だ。十三束はソレを知ってるから背後から攻撃した。

 

 だけど、俺が全身に纏わせたオーラは背後からの攻撃も完全に防げる仕様になっている。直接攻撃は勿論のこと、魔法や銃による遠距離攻撃も含めて、な。

 

 実を言えば既に十三束の動きを見切って、その気になれば簡単に躱せるが、敢えて動かないことにした。その攻撃が無駄だと教える為に受け止めようと。

 

 それはさておき、何時までも試合を長引かせる訳にはいかないから、もうここで終わらせるとするか。

 

 十三束の拳を受け止めてる片手を放した直後、少々強めに睨んだ直後――

 

「ぐぁっ!」

 

 腹部に衝撃を受けた十三束が軽く吹っ飛んだ。そうなったのは俺が睨み用の『遠当て』を使ったから。

 

「………え?」

 

「な、何をしたの……?」

 

「十三束が、急に吹っ飛んだぞ……」

 

 部員達は何が起きたのかが全く分からないみたいで、吹っ飛んだ十三束を見ても不可解な声を上げていた。

 

「……し、勝者、兵藤隆誠君」

 

 審判役である沢木は十三束の場外負けと判定したのか、試合終了の宣言をした。

 

 

 

 

 

「悪かったな、部員達の前で見っともない姿を晒すような事をして」

 

「兵藤君が謝る必要は無いよ。僕が無理を言って君と試合するよう頼んだからね」

 

 試合を終えた後、沢木からの指示により、マーシャル・マジック・アーツ部は練習を再開していた。

 

 部員の中には俺の事が気になってチラチラ見ているのもいるが、そこは敢えて気にしてない。

 

 俺は十三束と一緒に休憩してて、部員達の練習活動を見ながら話している。

 

「試合で見せた通り、僕なりに想子(サイオン)を硬化してみたけど、兵藤君から見てどうだった? 出来れば正直に言って欲しい」

 

「……多少硬くなった程度だな」

 

 最初はオブラートに包もうと思ったが、十三束に先手を打たれてしまった為、正直に言うしかなかった。

 

「はぁ……やっぱりかぁ」

 

 俺の評価を聞いた十三束は、途端にガックリと嘆息する。

 

 どうやら予想していたみたいだ。自分なりに改良しても大して効果が無かった事を。

 

「前から気になってたけど、どうしてお前は遠隔魔法が使えないんだ?」

 

 余り傷口を広げないように俺が話題を変えた途端、十三束が少々困ったような表情になった。

 

「僕がそれを使えないのは――」

 

 しかし、十三束は意を決するように話した。

 

 十三束は生まれつき想子(サイオン)が身体に密着する欠陥体質で、それにより身体から離れた場所への魔法が上手く使えないようだ。故に出来るのは接近魔法で、直接相手に触れなければ魔法が使えないと。

 

「……成程。それ故にお前は『レンジ・ゼロ』と言う二つ名で呼ばれてるのか」

 

「出来損ないの意味も込められてるんだけどね」

 

 自虐するように言う十三束が少々痛々しく見えてしまうも、敢えて何も指摘しない。

 

「だから自分の得意分野を徹底的に伸ばそうと、想子(サイオン)を硬化する方法を教わりたいって訳だな」

 

 確認を込めた俺の台詞に、十三束はすぐに頷いた。

 

 体質の所為で遠隔魔法が使えないとは、少々気の毒な奴だ。司波程ではないにしろ、相当な想子(サイオン)を保有してるのに放つ事が出来ないとは非常に勿体無い。

 

 俺だったら神の能力(ちから)を使ってその欠陥をすぐにでも解消させ(・・・・・・・・・)想子(サイオン)を利用した遠隔魔法を覚えさせるのに。前世(むかし)の頃に見た、某霊界探偵漫画+アニメの主人公みたいな技を教える事だって出来る。

 

 だがそれを実行するにしても、修哉と同様に身体能力を徹底的に向上させなければならない。何かを為すには先ずは身体を鍛えるのが基本だから。

 

(う~ん、どうしようか)

 

 最初は教えを乞う十三束を鬱陶しく思っていた俺だが、コイツの事情を聞いて少しばかり考えが変わっている。もし俺が教えて強くさせれば、修哉以上に大化けするんじゃないかと。

 

 だけど、その前に少しばかり試したい事がある。

 

「……十三束、俺に想子(サイオン)の硬化方法を教わりたいなら、いくつか条件がある」

 

「! その条件は?」

 

 俺からの提案に十三束は即座に食い付いて、何をすれば良いのかと聞く姿勢になっている。

 

 

 

 

 

 

「それでバンドを貸したって訳か」

 

「となると十三束君は、私達の弟弟子になるのかしら?」

 

「まだ正式に決めた訳じゃない」

 

 昼休み。俺は食堂で昼食を取りながら、修哉と紫苑に話していた。

 

 十三束に想子(サイオン)の硬化方法を教える一つ目の条件として、修哉と紫苑を鍛える為に使ってる修行用バンドを着けさせた。周囲に絶対教えない事を含めて、な。特に俺関連の事ですぐに調べようとする司波達也とか、精霊の眼(エレメンタル・サイト)を使う司波達也とか、妹を害する存在になりうるかもしれないと勝手に飛躍させる司波達也とか。

 

 先ずは見極める為のテストをしようと、期限付きで初級用バンドを一ヵ月間外さないように言っておいた。

 

 バンドを着けた瞬間に余りの重さに驚愕する十三束だったが、両手両脚に想子(サイオン)を流せば負担が軽減される事を教えただけで、もう何ともないみたいな感じで慣れていた。尤も、アレは時間が経てば経つほど段々大変になる代物だから、本当の意味で慣れるのは相応の時間を要する。今頃は少しばかり辛くなってるかもしれない。現に去年の修哉と紫苑がそうなっていたから。

 

 まぁそれでも十三束は俺の直弟子二人とは違って、一般魔法師より優れてる百家本流の家系で、想子(サイオン)の扱いに長けているから、そこまで四苦八苦しない筈。

 

 加えてもしも向こうがもう無理と諦めた瞬間、想子(サイオン)を硬化する方法は教えないと言ってある。たかが初級程度で躓くのであれば、アイツは所詮その程度だったと言う評価を下さざるを得ないが。

 

「もし十三束があのバンドを今後も使い続けたいと言うなら、今年の九校戦は諦めてもらう事になるが、な」

 

「何でだ? 一時的に外したところで別に問題無いだろう」

 

「そう言う訳にはいかないんだよ」

 

 十三束に貸してるバンドは修哉と紫苑が使っているのと同様、聖書の神(わたし)が作った特別の修行道具だ。アレには肉体が急激な成長に耐える為の加護が施してあり、ある程度の時間を掛ける必要がある。その結果、修哉と紫苑は並の魔法師以上の身体能力や魔法力を向上させた。

 

 確かに修哉の言う通り、一時的に外すのは別に問題無い。しかし九校戦のように期間が長いイベントで、何度も着けたり外したりの繰り返しを行ってしまうのは非常に不味いのだ。その所為で加護を施した肉体が中途半端な状態に陥ってしまうだけでなく、不安定(アンバランス)な成長をしてしまう恐れがある。加えて、その状態を元に戻すのだって相応の時間を要してしまう。俺や聖書の神(わたし)としては、是非とも安定した成長をして欲しいから簡単に外すような事はしたくない。

 

 この一ヵ月の間に十三束がどう言う返答をするかは分からないが、それ次第で九校戦の参加有無が決定する。

 

「――と言う訳で、俺の言いつけをちゃんと守った結果が今の二人って事だよ」

 

「そ、そうだったのか……」

 

「基本を疎かにしてはいけないのがよく分かったわ」

 

 神の能力(ちから)については触れず、バンドを初級用バンドが如何に必要であるかを教えた事で、直弟子二人は改めて理解してくれた。

 

「もし二人が楽して強くなりたいなんて戯言を言った瞬間、俺は容赦無く中断してたぞ」

 

「だろうな」

 

「リューセー君が修行に関して物凄く厳しいのは最初から知ってたわよ」

 

 少々心外だと言い返してくる二人に、流石は我が弟子達だと内心誇らしげな気持ちになったのは内緒にしておく。

 

 そんな気持ちを顔に出さずに話を続けている中、突如誰かが声を掛けてきた。

 

「兵藤君」

 

「ん? 十三束」

 

 俺に声を掛けたのは何と十三束だった。

 

 先程まで話題になってた人物が来た事で、修哉と紫苑も少々驚いた顔になりながら見ている。

 

「食事中に申し訳ないんだけど、この前の事で話したい事があるからチョッと良いかな?」

 

「ああ、良いぞ。丁度食べ終えたところだから」

 

 人の目もあるからか、どうやら十三束は場所を変えて話をしたいようだ。

 

 特に反対する理由がない俺は向こうの要望に合わせようと、修哉と紫苑に断りを入れてから食堂で別れることにした。

 

 

 

 

「んで、話って何だ?」

 

 場所は変わって空き教室。

 

 此処には当然俺と十三束しかおらず、周囲にはそれ以外の第三者は当然いない。

 

「この前、僕の体質について話したのは憶えてるよね?」

 

「勿論」

 

 十三束は想子(サイオン)が身体に纏わり付いてる所為で、遠隔魔法を殆ど使えないのは当然憶えている。

 

 それについて言ってくるのであれば、確かに食堂で口にするのは憚れる内容だ。自分の欠点を第三者に教えたくないのは至極当然と言えよう。

 

「実は、その……まだ確証は持てないんだけど……」

 

「?」

 

 十三束にしては珍しく歯切れが悪い言い方だな。此処には俺しかいないんだから、ハッキリ言えば良いのに。

 

「君が用意してくれたバンドのお陰なのか、普段僕の身体に纏わり付くはずの想子(サイオン)が、このバンドに収束されてるような感じがするんだ」

 

「何?」

 

 予想外な相談をされた事で俺は目を見開く事になった。

 

 その結果として俺は暫くの間、バンドを着けてる十三束の経過を観察しようと、マーシャル・マジック・アーツ部に何度も顔を出す事にした。当然部長の沢木碧の許可を貰った上で、な。

 

 それが災いになった訳ではないのだが、その情報を耳にした桐原から色々と文句を言われる破目になってしまう事になる。

 

 

 

 

 

「おい兵藤、昨日もマーシャル・マジック・アーツ部に行ったそうじゃないか。あっちに顔出すくらいなら剣術部に来てくれよ」

 

「俺から言わせれば、桐原先輩が何でそこまで気にするのかが疑問なんですが……」

 

「沢木のヤツが、お前を『名誉部員』にしようって考えててな」

 

「それを言うなら、桐原先輩も既に俺を剣術部の『名誉部員』にしてるのでは?」

 

「……何の事だ?」




原作で九校戦に出場する予定の十三束を不参加にさせる為の伏線として、今回の話を出しました。

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