再び転生した元神は魔法科高校へ   作:さすらいの旅人

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今回は短い他、原作キャラに対するアンチ内容です。

不快だったら申し訳ありません。


横浜騒乱編 奇妙な動き

 修哉と紫苑に『飛翔術』を教えて一週間以上経つも、前世(むかし)の技術だからか、二人は四苦八苦な状態で中々使う事が出来なかった。

 

 教えている俺としても、上手く行かないのは寧ろ当然だと思っている。余所からやって来た聖書の神(わたし)は、今も異物のように見なされているからこの世界の魔法を上手く扱えない状態だ。逆にこの世界に生まれた修哉達に自分の能力(ちから)を教えれば、そう簡単に使う事が出来ないとも既に予想していた。

 

 けれど、これはこれで大変参考になっている。修哉と紫苑を通じて、この世界で扱う魔法師の想子(サイオン)を理解出来ているから。

 

 想子(サイオン)は超心理現象の次元に属する非物質粒子で、認識や思考結果を記録する情報素子である。要は人間が持っている固有のエネルギーと思えばいい。

 

 それをCAD無しでも自在に扱うようにする必要がある為、先ずは二人に想子(サイオン)コントロールをやってもらう必要があった。二人には飛翔術を使うには絶対必要な事だと言ってある。

 

 コントロールに関しては、やはりと言うべきか紫苑が優秀だった。偏見ではないのだが、女は男と違って繊細な面があるから、想子(サイオン)の扱いが丁寧であった。こう言った事は紫苑が上だと改めて知りながらも、苦戦してる修哉には俺が補助しながら、どうにかコントロールが出来るようになった。尤も完全ではないので、二人にはまだまだ鍛錬を続けてもらう必要があるが。

 

 現状は飛翔術をやってもらう為に、体内の想子(サイオン)をコントロールしながら放出して浮遊するのに躓いている状態だ。どんなに集中してやっても、身体が一メートル程度浮く程度だ。CAD無しでやってのけてるから、それはそれで充分に凄いと言えるだろう。

 

 中々上手く行かない事に修哉と紫苑は揃って大変焦っているが、別に急いで覚える必要は全く無いし、初めから上手く行くだなんて考えてもいない。焦ってやったところで結果は出ないから、一歩一歩着実に進めば良いと思っている。

 

 それに加え、二人には飛翔術以外に学んでもらう事がある。想子(サイオン)コントロールの他、修哉は剣術の奥義の習得、紫苑は更なる身体能力の向上。他にもたくさんある為、飛翔術だけに意識を向けてはいられない。指南役である俺としては大変だが、それも学生生活の一つとして非常に楽しんでいる。

 

 俺達の現状とは別に、ここ最近奇妙な事が起きていた。

 

 一つ目は会計の五十里から聞いたのだが、司波が一高の女子生徒に尾行されていたようだ。何の目的でやっているのかは知らないが、早く止めた方が良いと推奨しておく。

 

 二つ目は既に気付いていたが、レイとディーネからの報告で、一高に不躾な輩が式神を送り込んで探りを入れてるとの事だ。普段俺の生活に関して口を出さないよう俺に従っている精霊達が、それを無視する様に報告してきたのには当然理由がある。どうやらレイ達が言う『不躾な輩』は、嘗て水の精霊(ディーネ)を操っていた古式魔法師と似ているらしい。

 

 司波に関してはスルーだ。何か起きたとしてもアイツ自身が対処するだろうから、然して問題無いと見ている。寧ろ、女子生徒の方が逆に危ないだろう。何処かの妹の耳に入れば、氷のオブジェにされてしまうかもしれないから。

 

 問題は二つ目で、少しばかり警戒しておかないといけない。ディーネを操っていた古式魔法師は無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)から遣わされた国外の魔法師だ。奴等の残党による報復行為、もしくは別の組織が魔法科高校に何かしらの探りを入れている等、多くの可能性が考えられる。

 

 聖書の神(わたし)にとってはどちらも些末な事柄に過ぎないと思っている。だが、もしも自分に敵対行為をするのであれば、相応のもてなしをするつもりだ。出来ればそのような事になって欲しくないが、な。

 

 

 

 

 

 

 西暦2095年10月20日

 

 

 

「エリカとレオが騒ぎを起こしていた?」

 

「ああ、今日の催し物の最中にな」

 

「それで花音先輩がずっと苛々していたのよ」

 

 生徒会の仕事を終えた後、一緒に帰っている修哉と紫苑から学校で起きた出来事を聞いていた。

 

 今日は論文コンペに向けてのプレゼンテーション準備により、各クラブが本番の成功へ向けて総動員されていた為、通常のクラブ活動は休みとなっていた。それは当然、俺がいる剣道部も同様である。

 

 俺としても本当だったらプレゼンの見学をしたかったが、その関係で生徒会の仕事に専念しなければならなかった。尤も、俺と同じ副会長である司波妹は、『プレゼン準備には生徒会も見る必要がある』と言う理由で欠席。論文コンペ参加者である司波兄の傍にいたいと言う方便なのは分かっていたが、中条は反対せずに了承していた。

 

 因みに光井も彼女と一緒に行こうとしているところを俺の方で引き留めさせてもらった。流石に書記も抜けられては困るからと言う理由で。その時は光井から物凄く訴える様な涙目で睨まれたが、『今日の議事録作成は書記が主にやらなきゃいけないのに、君は副会長の俺と中条会長に全部押し付ける気か?』と言い返した瞬間、一切反論出来ず仕事に専念してくれた。決められた役割はちゃんとやるようにしないといけない。

 

 それによって俺はずっと生徒会室にいた為、校庭でやっていたプレゼンの状況は全く知らない。だから司波妹が戻って来た時に『どうだった?』と向こうの状況を訊いてみると、『特に問題ありませんでした』との返答だった。

 

 何事も起きなくて良かったと安堵しながら帰宅するも、実は問題が起きていたと二人から聞いた瞬間に内心ガクッとなった。

 

 修哉が壬生から聞いた話によると、プレゼン準備の実験中に起きたとの事だ。市原の護衛をしている桐原と一緒にいた壬生が、平河(ひらかわ)()(あき)と言う一年女子の怪しげな行動を見つけた事で逃げようとした為、追いかけた後に動きを止めて気絶させた。尤も、気絶させたのは桐原と壬生じゃなく、介入してきたエリカとレオだった。気絶させたのはレオらしいが。

 

 風紀委員長である千代田の耳に入って『やりすぎだ』と指摘され、桐原と壬生は反省の意を示すも、エリカとレオは全く意に返さない態度だったようだ。それどころかエリカが矢鱈と挑発的に言い返して、千代田は相当苛立っていたらしい。

 

 次は紫苑で、校庭でまたしてもエリカが騒ぎを起こしたようだ。けれど、それは一人の風紀委員が波風を立てるかのような注意の仕方で、それを知った千代田が苛立ちを抑えながらも、再び指摘して何とか収まったとの事だ。心配した紫苑が声を掛けた事で、後輩からの気遣いに千代田は感謝していたと。

 

 二人の話を聞いて、俺は思わず訝ってしまう。部外者である筈のエリカとレオが、何故そこまでして首を突っ込む行動をする事に。

 

 恐らく何か理由があるからそうしているんだろうが、出来れば騒ぎを起こさず穏便に済ませて欲しいものだ。

 

 ついでに司波妹が問題無いと言っていたのは、『司波兄に関して』だったと即座に理解した。司波兄がトラブルに一切全く巻き込まれていないと、二人の話を聞いてて分かったから。

 

 どうやら兄を最優先する余り他の事には大して目を向けていなかったようだ。それは今に始まった事じゃないから取り敢えず気にしないでおく。出来れば副会長としての公平な立場でちゃんと仕事をして欲しいんだが。

 

「ねぇ、一応リューセー君からも言っといてくれる? あの二人の様子からして、花音先輩に指摘されても、簡単に引き下がってくれるとは思えなくて」

 

「だろうな」

 

 エリカとレオの性格を考えればそう簡単に引き下がったりしない筈だ。千代田に指摘されても全く意に介してない時点で、紫苑の予想通り、また何かやらかすんじゃないかと思う。

 

 好戦的であるほど積極的に首を突っ込みたがってしまう。それが原因でトラブルとなってしまう事がある。言うまでもなく、あの二人はそれに該当していると見ていい。

 

 まぁ、だからと言って放置する訳にもいかない。無駄かもしれないが、明日の朝には二人を呼んで副会長として警告だけはしておこう。部外者が勝手な事をして、周囲に迷惑を掛けないようにと。

 

 もうついでに、何故そこまでして関わろうとするのかも聞いておくとしよう。




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