今日はウララの未勝利戦が始まる。デビュー戦の場所は中山レース場。
「よし!今日は未勝利戦だよ!頑張ろうな!ウララ!」
「うん!その為に修行したんだもん!今のウララはスーパーウララなんだよ!」
満面の笑みでそう答えるウララに安心するトレーナー。今回は大丈夫なのか少し心配もしていた。
「もし、またアイツのことを思い出したら、そのミサンガを見てみて。俺がちゃんといるから安心してね!」
「うん!トレーナーがついてくれてるもん!わたし、全然怖くなんかないよ!それじゃあ、行ってくるね~!」
そんなウララを静かに見守りながら、手を振る。姿が見えなくなると、トレーナーは観客席に向かった。
「ウララさんは大丈夫なのかしら。前みたいにならないといいのだけど…」
キングヘイローが前の様にゲートをでないのではないかと心配になっていた。ライスシャワーもそんな心配もあったが。
「大丈夫!ウララちゃんはそんなに弱い子じゃないよ!それに今日は凄い元気だったし!」
「お待たせ!席取っといてくれてありがとう!」
「もう!遅いわよ!もうすぐで始まるのよ!あなたがウララさんのことを一番見なきゃいけないんだから!」
ちょっと怒るキングに押され気味のトレーナー。
「ごめん!」
「ウマ娘と仲が良いんですね!トレーナーさん」
「恵トレーナー!ウララの応援に来てくれたんですね!どうぞ、隣の席に」
恵トレーナーとアウトーメルハイスがウララの応援に来てくれたようだ。
「こんにちは…」
緊張をしているのか、挨拶をしてくれるハイス。前の掴み掛かったことに怒られていると思われているのだろうか。
「ウララのことを応援しに来てくれたんだね!ありがとう!一緒に応援しようね!」
ちょっと照れた様子で頷く。恵トレーナーもその様子を見て、ほっこりした様子。
「さあ!お待たせしました!もうすぐ未勝利戦が始まろうとしています!ウマ娘達が続々とゲートに入って行きます!一緒に彼女達を応援しましょう!実況は赤坂が担当します!」
ウマ娘がどんどんと待機室から出てくる。
「トレーナー!頑張るよ~!!」
ウララがこっちを見つけて、大声で言う。周りから注目され、流石にちょっと恥ずかしかったが。
「がんばれー!ウララー!!」
全力で応援するトレーナー。
「全員、出走準備が整いました!」
ウララは7番人気と前の失格が響く人気であるが、人気なんて関係ない。ウララを信じて、1着になれるように願う。
………ガコン!
「いっせいに飛び出しました!」
ウララのスタートは良いものではなかったが、問題はなさそうだ。ウララが後ろ4番手の位置でレースをする。ウララの作戦は差し。ウララとのトレーニングではスタミナを重点的に上げ、スピードとパワーを上げた。能力で言えば、今回のウマ娘の中では一番、能力が上だと言える。
「今は第2コーナーを回りました!第3コーナーまで直線が続きます」
「(トレーナーはここだと、そのままの位置を保って、囲まれないように気をつけてって言ってたっけ!)」
ウララは集団に囲まれないように外を走る。中山レース場のキツイ所は最後の直線の約2.2mの坂である。中盤に体力を使うと最後の坂で失速してしまい、下の順位まで落ちてしまう。だから、中盤は体力を温存しておく必要がある。
「さあ!第3コーナーを回り、第4コーナーに入ります!ウララが外から上がってきた!」
ウララがペースを上げて、外からどんどん順位を上げていく。
「(坂を一気にビューンって駆け抜ける!)」
「ハルウララが先頭のウマ娘を捕らえたか!?」
ウララが先頭と差を縮める。そして…
「無理~!」
先頭の子を抜かした。
「ハルウララ!先頭をかわして、ゴールイン!1着はハルウララ!」
「「ワアァァァ!」」
「はぁ…はぁ…やった~!!」
ウララは疲れた体だというのに、その場でジャンプをして凄く喜んでいる様子。
「凄い!ウララちゃんが1着になったよ!」
「凄いわ!ウララさん!」
「うっうっ…」
「ちょっと!あなた、泣いてるの!?」
「ごめん!嬉しくて…!ウララのところに行ってくるよ!」
トレーナーは急いでウララのもとに向かった。
「ウララ~!!」
「トレーナー!」
2人が抱き締め合う。
「わたし、1着になったよ!」
「おめでとう!ウララ!」
「ぐすっ…夢が叶ったんだ…」
「ウララ…」
「嬉しいのに…涙が。なんでだろう…」
ウララの夢は1着になること、地方で一度もなれなかった1着を取れた。ウララは嬉しさのあまり、泣いてしまったようだ。
「ウララ!ほら!笑顔、笑顔!」
トレーナーが自分の顔で笑顔を作って、ウララに見せる。ウララも笑顔になる。
「えへへ、よ~し!ライブでいっぱい踊っちゃうぞ~!そして、皆を笑顔にするぞ~!」
ウララは涙を拭いて、そう言ってライブに向かった。ウララの見せたライブは誰もが笑顔になるようなライブであった。ウララの笑顔が観客を笑顔にする。ウララの笑顔はやっぱり、どんな子よりも輝いて見える。ライブが終わった後はインタビューを受けた。
「デビュー戦、1着おめでとうございます!ハルウララのライブも素晴らしかったです!ハルウララの次の目標などを聞かせてください!」
女性の記者が聞いてくる。
「実はまだ決まってはいません。でも、ハルウララが目指したい目標を見つけた時は全力でサポートするつもりです!」
「それでは続いて質問を失礼します!次のレースの予定は決まっていますか?」
「なでしこ賞に出たいと思います!ハルウララの適正をもっと見定めておきたいので!」
そうインタビューを受けるトレーナーを遠くから見る、恵トレーナーとハイス。
「トレーナー、アタシもなでしこ賞に出るよ」
「えっ?ウララちゃんと走りたいの?」
「ウララとは一度、競いあってみたかったんだ。前のウララは失格になっちまったからな」
「うん、良いよ!よし、明日からトレーニングに力を入れようね!ハイス!」
「…おう」
ハイスのやる気を感じて、恵トレーナーも笑顔になってしまう。
「何笑ってんだ?」
「別に~」
(続く)次のページは番外編(オリキャラ)
「腹が減ったな~」
「じゃあ、何か食べに行く?」
そんな話をする。
「いいのかよ?」
「大丈夫!今日は給料が入ったんだ~!」
「へぇ~、トレーナーの給料って良いのか?」
「そうだよ!何円かは内緒!」
「そこまでは聞かねえよ!っで、何食べる?」
「決めていいよ?」
「じゃあ…肉が食いたい」
「わかった!いい場所知って…ぶぇ!」
恵トレーナーが転んでしまった。
「ああ!財布が!木の枝に!」
財布が木の枝に引っ掛かった。
「何やってんの!?」
「取れない~!んっ!」
恵トレーナーがジャンプして取ろうとしているが、届くわけもなかった。
「うぅ…私のバカ」
「はぁ、世話が焼けんな」
ハイスが木に登って、財布を取る。
「ハイスってすごいんだね!ありがとう!」
「別に気にしなくていいよ」
「お肉、一杯食べさせてあげるね!」
「速く。いい場所知ってるんだろ?連れてってくれよ」
「うん!それじゃあ…ぶぇ!」
恵トレーナーが転んで、財布が川に落ちた。
「あっ…」
「マジで何やってんだ!?」
この後は無事見つかって、肉も無事食べられた様だ。
(終わり)
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