平凡な男の非凡な学園生活 (凍結)   作:御龍

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入れ替え試験 三沢VS万丈目

悪夢の制裁デュエルから数日、俺は学園生活を満喫していた。

デュエルアカデミアはデュエルの授業のほかに一般の教科もちゃんとある。ついでに部活動も認められている。

 

今は体育で野球の授業だ。正直野球の授業って一般的なのかどうかは知らないが、アカデミアはデュエルのほかは運動方面の授業に力を入れているらしい。

デュエルばかりだとインドア系になって運動不足になるからかもしれない。

そして何気にスポーツ万能な十代がピッチャー4番で大活躍している。俺にはあんな元気は出てこないなぁ。

 

俺のポジション? 主審やってるよ。運動苦手だけど動体視力悪くないし野球のルールもそこそこ詳しいし。

 

現在3対0でレッド寮チームのリード。十代の3ランホームランで得点している。あいつ異様にチャンスに強いんだよなぁ。

細かい成績では4打数3安打1本塁打3打点1盗塁。甲子園いけるんじゃないかと思うくらいの成績だ。

投げるほうでも8イニングで奪三振6、被安打4、四死球0というこちらでもすばらしい出来だ。

キャッチャーは翔で基本を抑えたかなりいいリードをする。なぜデュエルでそれを生かせないんだ?

翔のバッティングはたいしたことないが、ストライクゾーンが極端に狭いため甘い球を見逃さずに打って4打数2安打というこちらもかなりいい成績だ。

いや、イエローの生徒も高校の授業レベルではいい球投げるんだよ…。ただそんな細かい制球要求されるのはさすがにきついらしい。

 

ツーアウトランナー一二塁、打者十代。もう一度本塁打が出れば駄目押しになるな。

 

「おーい、待てー、その試合待ってくれー」

 

ん? 顔を上げると三沢がやってきた。どうもデッキ構築論に夢中になってしまったらしい。

———デッキ構築論とか……三沢も相当なデュエル馬鹿だったんだな。常識人だと信じていたのに!!

 

「ピッチャー交代! ピッチャー三沢」

 

イエローの監督役がピッチャーの交代を告げ三沢がマウンドに上がる。

そしてバッターボックスにいる十代……。

 

「十代。ピッチャー変わったから投球練習からだ。いったんバッターボックスから出てくれ」

「あ、そっか」

「いや、投球練習は必要ない。すぐに始めてくれて結構だ」

 

投球練習が必要ないとは自信満々だな。まぁ、あれは省略することも出来るし本人がいいというならいいか。

 

「ついに出てきたな〜三沢。しかしお前の球もあそこに叩き込んでやる!」

「俺の球は打たれはしない。なぜなら君の攻略法は計算済みだからだ」

 

なんか三沢のバックから炎が立ち上っているように見える。おかしいなぁなにこの野球漫画みたいな展開。

計算済みならピッチャーよりキャッチャーやってリードしたほうがよくないか? 

まぁいいや、とりあえず試合再開するか。

 

「プレイ!」

 

俺の宣言でゲームが再開される。

 

注目の三沢の第一球は。

 

「いくぞ、方程式バージョン1!!」

 

おお!! 一瞬だけど球が分身してるように見えた! どこの野球漫画だよ!! どこの分身魔球だよ! もうお前甲子園行っちまえよ!!

 

「ストライクバッターアウト! チェンジ」

 

一球目は分身魔球。二球目は低めのボール球、三球目は、一球目と同じコース。ただし球速がかなり遅い。

一球目で十代の気をそらして二球目で振らせてさらに焦らせると、そうすれば三球目のスローボールに対応できなくなるというわけか。

十代は一球目の魔球が目に焼きついているからどうしても一瞬集中力がそがれるというわけか。

なかなか考えられた配球だな。

 

 

見事レッド寮を抑えた三沢だが打順が回ってくることはないだろう。なにせ三沢の前に5人もいるんだしな。

 

———そう思っていた時期が私にもありました。

十代が何を血迷ったか、ツーアウトをとった段階で残りの打者をすべてフォアボールで歩かせている。ほんとに何考えてるんだあいつは?

ツーアウト満塁バッター三沢。これメークドラマの逆転満塁ホームランフラグじゃね?

翔が思わずタイムをかけて十代のところまで行くが、十代は笑いながら応対している。

やっぱりさっき三振とられたの、根に持ってたんだな。

 

「やっこさん。お前に仕返ししたいとさ」

「大丈夫さ。バッティングの方程式もすでに出来ている」

 

バッティングの方程式って………何さ?

 

「三沢ー! お前を討ち取ってやる!!」

「それも出来ないことだな。君を打ち崩す方程式ももうすでに出来ている。俺はその数式にのっとり、お前をたたくまでのこと」

 

……だから方程式って何さ? 数式で打てるようになるなら、野球選手はみんな数学者になるぞ。

 

「そして負けたお前は、俺の言いなりとなれ!」

「勝負だ!」

「来い一番!!」

 

盛り上がってるなぁ。

 

「あ〜、盛り上がってるとこ悪いが。そろそろ再開してもいいか?」

「ああ、いつでもかまわない」

「ほんじゃ、プレイ」

 

「行くぞ二番! 食らえ俺がHEROだーー!!」

 

なんか十代の目から炎になっている気がする。

はは……巨人の星じゃあるまいしそん馬鹿な。

 

まぁそんな十代の燃え上がりとは裏腹にホームラン打たれたんだけどね。

しかもどうやら打球がクロノス教諭の顔面に直撃したらしい。しかもピンピンしていたらしいし、この学園は普通の人間はいないのか?

 

「ホームラン! サヨナラゲームセット! イエロー寮の勝利!!」

 

でもまぁ主審はこう宣言するのがお仕事なのですよ。

 

今日の授業が終わったが、十代は三沢の部屋に行っている。

なんでも罰ゲームらしいが、あいつらまさかこの間俺がデュエルしたあの人に影響されて、アッーーーーなことに目覚めていたりしてないだろうな……。

———差し入れにジュースでも買って行こう。目覚めていたらあいつらとの友人付き合いも見直さなけりゃならないな。

 

 

「差し入れに来たんだが……。何やってるんだお前ら?」

 

あいつらは三沢の部屋でなぜかペンキまみれになっていた。というかペンキを掛け合って遊んでいたという表現が正しいかもしれない。

わざわざ差し入れに着た俺にも気づく様子もないし、下手に気づかれて俺までペンキまみれにされたらかなわんな。入り口においておこう。

アッーーーな事になってないだけよしとしよう。

さーて、帰って宿題のレポートやらないとな〜。

 

 

 

「で、何で俺の部屋にいるんだ? 三沢」

「部屋がペンキ塗り立てで寝る場所がなくてね。十代に聞いたら君が一人部屋だから、そこに泊まるといいとアドバイスされたんだ」

「ああなるほどね。スペースが余ってるのは事実だから好きな場所で眠るといい」

「すまない、世話になる」

「困ったときはお互い様さ、噂ではブルーへの昇格話も出ているそうじゃないか? 昇格したらブルーの食堂で飯でもおごってくれればいいさ」

「なんだ、耳が早いな。だがまだ決まったわけじゃないさ」

「お前さんの実力なら時間の問題だろうさ。今回の話が流れても卒業までに奢ってくれりゃそれでいいさ」

「ああ、約束しよう」

 

基本的にはいいやつなんだな。こういった常識的な人間はこの島では貴重な気がする。

……あの方程式マニアが常識的かどうかは置いといてだが。

 

「そういえば君は複数のデッキの使い手だったね。カードを見せてもらってもいいかい?」

「元あったところにきちんと戻してくれるならかまわんよ。そこのトランクに入っているのがそうだ。種別ごとにストレージボックスに入れて分かれているから、見たいカード種類を選んで見てくれ」

 

ちなみに十代たちも見せたことはあるがぐちゃぐちゃに戻されて。その後の整理が大変だったためそれ以降は見せていない。

 

「ずいぶん多いんだな。何枚くらいあるんだ?」

「ちゃんと数えたわけではないがだいたい4万枚かな?」

「これは! 結構なレアカードも混じってるな。見たこともないカードもある」

「レア度は高いが実用性の薄いカードも多いがな」

「このストレージは何だ? 封印と書いてあるが」

「それの中身も見ないでくれ。騒がれるのはごめんなんでな」

「わかった。好奇心がうずくが、やめておくよ」

「助かる」

「さて、遅いしそろそろ寝よう」

「ああ、おやすみ」

 

十代だったらしつこく見ようとするんだろうが、三沢は紳士だなぁ。

 

 

 

「三沢! 厚志! 起きろ大変なんだ!!」

「……んぁ?」

「寝ぼけてる場合じゃないんだ三沢のデッキが!!」

「んんぁ、俺のデッキがどうかしたのか?」

「起きたか三沢。お前のデッキが桟橋に捨てられてたんだ!」

「なんだって! 案内してくれ十代!!」

「こっちだ」

 

ばたばたと走る音が聞こえる。寝ぼけて頭がぜんぜん回らん。

今日は休みだし散歩でもするかな。

 

「ふぁ〜〜ぁ」

 

だんだんと目がさえてきた。しかし三沢のデッキが捨てられるねぇ。そもそもデッキを盗むんならともかく捨てる意味がわからん。三沢は実力者だが人格面の人当たりもいいためそんなに恨まれてはいなさそうなんだけどな。

さらにふらふらと散歩していたら、深刻そうな顔をした明日香とカイザーがいた。

それにこの生徒はどっかで見た記憶もあるが……。

 

 

「よう明日香じゃないか。なんか悩み事か?」

「厚志、ちょっとね……」

「ちょっとって顔じゃないな。話せば楽になるかもしれないぞ」

「実は…」

 

どうやら明日香は万丈目がカードを捨てるところを目撃したらしい。そのことを本人に問いただすためデュエル場に向かっている途中だという。

しかし万丈目が犯人だったのか…。あいつと三沢の間に接点なんかあったか?

俺もデュエル場に行くことにしよう。結末くらいは見ないと後味が悪くて仕方ない。

 

 

デュエル場に到着すると、十代が万丈目に詰め寄っていた。万丈目は言いがかりだと、一蹴していたが……。

 

「本当に言いがかりかしら?」

「明日香、カイザー亮」

「私見てしまったの。万丈目君あなたが、今朝海岸にカートを捨てたところを」

「「「えっ!」」」

「気になって事情を聞きにきたけど」

「汚いぞ万丈目!」

「黙れ! 俺は自分のカードを捨てたんだ。それともそのカードに名前でも書いてあったのか?」

「ぐっ」

「俺を泥棒呼ばわりした責任は取ってもらうぞ。いかがでしょう?クロノス先生このデュエルで負けたほうが退学するというのは」

「無茶苦茶だ!」

 

確かに無茶苦茶だ。泥棒呼ばわりしたのは十代なのに。なぜか三沢が退学の危機に立たされてる。

 

「三沢はデッキをなくしてるんだぞ!」

「いいでしょう。デッキならあります。その条件受けましょう」

「三沢!」

 

デッキあるないの問題じゃないんだけどなぁ。どうしてこうなった。

そして三沢はなぜ上着のチャックを下ろしている。やはりあの人に影響されたのか! 俺の貞操は寝てる間に奪われたのか!!

 

「心配かけて悪かったな十代。捨てられたデッキは調整用に使う寄せ集めのデッキ! 本当のデッキはここにある」

 

三沢が上着を脱ぐとそこには六つのデッキケースがあった。どうやらこれを見せるためにチャックを下ろしたらしい。

ふぅ、ヒヤッとしたぜ。どうやら三沢はあっちのほうに目覚めてはいないらしい。

 

「見ろ! 俺の知恵と魂を込めた六つのデッキを! 風! 速きこと風の如く!  水! 静かなること水の如し!  火! 侵略すること火の如し!  地! 動かざること地の如く!  闇! 悪の闇に光さす!!」

「む、六つのデッキだと!? そんなこけおどし、この俺の恨みの炎で焼き尽くしてやるわ!!」

 

なんで〜の如くみたいなパターンだったのに最後だけ戦隊物の決め台詞みたいになってるんだ? 俺には恥ずかしくてそんな台詞言えねぇなぁ。

それに、万丈目……。三沢って恨まれるような事してないんだけどな。どっちかというと八つ当たりじゃないか? 逆恨みも立派な恨みといえばそれまでだが……。

 

「フン、決まった! お前を倒すデッキは、これだぁぁ!! セットアップ! これがこけおどしかどうかすぐにわかるぜ万丈目!!」

「こい三沢ぁぁ!」

 

「「決闘」」

 

先攻は万丈目。地獄戦士とリバースカードを一枚伏せてターンエンドか。

頭に血が上ってるかと思えばまぁまぁ堅実な手を打つな。

腐ってもブルーでトップを張っていただけのことはある。

 

「三沢か選んだのはどの属性のデッキだ?」

 

そして三沢のターン。三沢はハイドロゲドンを召喚した。

全身が泥水に覆われているようなモンスターが出てきた。

 

「「水!」」

 

三沢が選んだのは水か。静かなる〜とか言ってたし、ハイドロゲドンで恐竜族じゃないってことはまさかあれ積んでるのか? 強力だが召喚条件が難しく汎用性も低いあのカードを。

 

三沢は地獄戦士に攻撃。そして撃破。それぞれのモンスター効果が発動され、三沢には万丈目と同じだけの400ポイントのダメージを受けるがハイドロゲドンの効果でハイドロゲドンの2体目をデッキから特殊召喚する。

やはりハイドロゲドンはいいな。アドバンテージを稼ぎやすいというのはいいものだ。

 

《地獄戦士(ヘルソルジャー)/Chthonian Soldier》 †

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1200/守1400

このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られた時、

この戦闘によって自分が受けた戦闘ダメージを相手ライフにも与える。

 

《ハイドロゲドン/Hydrogeddon》 †

効果モンスター

星4/水属性/恐竜族/攻1600/守1000

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、

自分のデッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

あれ? 万丈目が地獄デッキに戻ってるロマンカードのVWXYZはどこ行った?

 

「まだ俺のバトルフェイズは続いている。俺はもう一体のハイドロゲドンで万丈目に直接攻撃!」

「う、うわぁぁぁ!!」

 

三沢

LP4000→3600

 

万丈目

LP4000→2000

 

ずいぶんライフに差がついたな。というか低攻撃力モンスターを表攻撃表示にしやすい今の流行だとハイドロゲドンつええな。

 

「ぐ、俺は罠カードリビングデッドの呼び声を発動する。このカードは自分の墓地にあるモンスター一体を特殊召喚することが出来る。俺は地獄戦士を特殊召喚」

 

《リビングデッドの呼(よ)び声(ごえ)/Call of the Haunted》 †

永続罠(制限カード)

自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

 

しかし、いまさら地獄戦士じゃどうにもならなくないか?

 

「さらに魔法カード地獄の暴走召喚を発動する。このカードはモンスターが特殊召喚されたときお互い同じモンスターをデッキ、墓地、手札からすべて攻撃表示で特殊召喚する。」

 

地獄戦士が三体並んだか、三沢の場にはハイドロゲドンが3体だが、デッキにはもう残っていないためハイドロゲドンはバニラカード同然、スペックで劣る地獄戦士をうまく使えば万丈目にも勝ちの目はある。

 

《地獄(じごく)の暴走召喚(ぼうそうしょうかん)/Inferno Reckless Summon》 †

速攻魔法

相手フィールド上に表側表示でモンスターが存在し、自分フィールド上に

攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。

その特殊召喚したモンスターと同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から

全て攻撃表示で特殊召喚する。

相手は相手自身のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

そのモンスターと同名モンスターを相手自身の手札・デッキ・墓地から全て特殊召喚する。

 

 

「何体地獄戦士をそろえようと攻撃力は1200ハイドロゲドンには及ばない」

「しかし何か、策があるはずだ」

「まだ万丈目は通常召喚を行っていない。ギルフォード・ザ・ライトニングとか、神獣王バルバロスなら三沢は一気に窮地に立たされるな」

「当たり前だ! オベリスクブルーでカイザーの跡を継ぐのはこの俺だ!!」

「とかいってますが、跡を継ぐ宣言をされた本人としてはどうです?」

「それは……。ノーコメントだ」

「さいでっか」

「装備魔法ヘル・アライアランスを発動! 装備モンスター度同名のカード1枚につき攻撃力800ポイントアップ! 装備した地獄戦士の攻撃力は3600だ」

 

《ヘル・アライアンス/Chthonian Alliance》 †

装備魔法

フィールド上に表側表示で存在する装備モンスターと同名のモンスター1体につき、

装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。

※OCGのヘル・アライアンスは単独では効果を発揮せず、2体以上の同名カードが必要になります。アニメ版効果では団結の力のように単体でも効果を発揮します。

 

 

団結の力でいいと思うのだが、相手のカードも数えるから完全下位互換ではないのか?

しかしほんとに地獄デッキになってるな。VWXYZのロマンはほんとにどこいったんだろう?

攻撃力が上昇した地獄戦士で三沢のハイドロゲドン一体を攻撃する。これでライフ差は逆転したな。

しかも地獄戦士はダメージを相手プレイヤーにも与える効果。これはちょいと辛いかも知れないな。

 

三沢

LP3600→1600

 

「まだだ、いでよオキシゲドン! 攻撃力が1200の地獄戦士を攻撃!」

「ぐ、しかし地獄戦士の効果でお前にもダメージを与える」

 

《オキシゲドン/Oxygeddon》 †

効果モンスター

星4/風属性/恐竜族/攻1800/守 800

このカードが炎族モンスターとの戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

お互いのライフに800ポイントダメージを与える。

 

万丈目

LP2000→1400

 

三沢

LP1600→1000

 

三沢がオキシゲドンを出したか。手札にあればあいつが出てくるがどうなる?

 

「さらに俺は、ハイドロゲドンでもう一体の地獄戦士に攻撃」

「ダメージすべてお前に跳ね返るんだぞ!?」

 

万丈目

LP1400→1000

 

三沢

LP1000→600

 

「いくらやっても自分のライフポイントが削られていくだけだよ〜」

「いや、これでいいんだ」

「え?」

「十代の言うとおりだ」

「えぇ?」

「装備魔法のついた地獄戦士の攻撃力は3600、よほど強力なモンスターを召喚しない限り倒すことは不可能。しかし見ろ」

「そっか〜地獄戦士が減ったことで、攻撃力がダウンしたんだ〜」

 

気づけよ丸めがね…。

カイザーに全部解説されて台詞がなくなってしまった。

しかし三沢のデュエルが的確すぎて突っ込みどころが見当たらん!!

 

地獄戦士

3600→2000

 

「あえて付け加えるならここからが正念場だ」

「へ? どういうこと?」

「三沢の残りライフが低すぎる。残りの地獄戦士を倒すのに攻撃力2000以上2500以下のモンスターで攻撃しなければならない。また逆に攻撃力3000オーバーなら効果前に万丈目のライフがなくなるが、それだって厳しいことには変わりない」

「高すぎてもだめ、低すぎてもだめなんて……」

「デッキによってはその攻撃力帯がまったく入っていないこともありうる。だからここが正念場だな」

 

三沢はリバースカードを一枚セットしてターンエンドか。

万丈目だっておちおちしていたら負ける、地獄戦士を生かしつつ三沢のモンスターを壊さないとならない。

 

「そんな小細工は通用しないぜ。俺は地獄戦士と手札すべてを生け贄に火炎魔人ヘル・バーナーを召喚する」

 

 

《炎獄魔人(えんごくまじん)ヘル・バーナー/Infernal Incinerator》 †

効果モンスター

星6/炎属性/悪魔族/攻2800/守1800

このカードを除く自分の手札を全て墓地に捨て、

さらに自分フィールド上の攻撃力2000以上のモンスター1体を

生け贄に捧げなければ通常召喚できない。

相手フィールド上モンスター1体につき

このカードの攻撃力は200ポイントアップする。

このカード以外の自分フィールド上のモンスター1体につき、

このカードの攻撃力は500ポイントダウンする。

 

※このカードの初登場は火炎魔人ですが次回の登場ではなぜか炎獄魔人に名前が変わっています。OCGでは炎獄魔人になっています。なぜ名前が変わったのは不明です。

 

 

えー、わざわざ生贄で使うの。もったいない。

 

なんかそんなードあった気もするなぁ。手札吹き飛ぶのって痛すぎじゃないか!

攻撃力は高いがよくそんなモンスターを使う気になるな。

 

「はっはっはっはっは、どうする三沢!? このヘル・バーナーは上級モンスターだ。しかも相手の場のモンスター一体につき攻撃力が200アップする。お前のモンスターは三体! 攻撃力3400だ!」

 

火炎魔人ヘル・バーナー

2800→3400

 

「いけぇぇ! 恨みの炎を受けこの学園から消え去れ三沢ぁ!」

「罠発動アモルファス・バリア! このカードは3体以上のモンスターがいるとき相手の攻撃を無効にしてバトルを終了させる! 残念だったな万丈目」

「しぶといやつめ。しかし次のターンで確実にお前は終わりだ」

「次のターンがあるとすればな」

 

アモルファス・バリア(アニメ)

通常罠

3体以上のモンスターが自分フィールドにいるとき発動できる。

相手モンスターの攻撃は無効にして、バトルフェイズを終了させる。

 

要は弱体化した攻撃の無力化ってところか。はじめてみるカードだが使い勝手は悪そうだ。

 

「地獄戦士がいなくなったからな。ヘル・バーナーをどうにか出来れば三沢が勝つ」

「どうにかって攻撃力3400ッスよ」

「もともとは2800だ。カイザーならパワーボンドからのサイバーツイン。十代ならテンペスターとスカイスクレイパー、明日香ならサイバーブレイダーにフュージョンウェポン装備。お前だってパワーボンドとスチームジャイロイドでいけるだろう?」

 

「俺のターン、俺は魔法カードボンディングH2Oを発動。ハイドロゲドン2体とオキシゲドン1体を生け贄にささげ、ウォーター・ドラゴンを召喚!」

 

《ボンディング−H2O(エイチツーオー)/Bonding - H2O》 †

通常魔法

自分フィールド上に存在する「ハイドロゲドン」2体と

「オキシゲドン」1体を生け贄に捧げる。

自分の手札・デッキ・墓地から

「ウォーター・ドラゴン」1体を特殊召喚する。

 

ここでウォーター・ドラゴンか。勝負はついたな。

しかし三沢もよくあんなカード使いこなすよな。VWXYZやゲート・ガーディアンよりはましとはいえ、あれも結構召喚条件厳しいはずなんだが。

さらに言ってしまうと特定属性あるいは種族に対するメタカードだから、相手によってはバニラとほとんど変わらないんだよなぁ

だからと言ってDNA系の罠を使うと自分の攻撃力が0になるという使い勝手が悪いカードなんだよなぁ。

 

《ウォーター・ドラゴン/Water Dragon》 †

効果モンスター

星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600

このカードは通常召喚できない。

「ボンディング−H2O」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

炎属性と炎族モンスターの攻撃力は0になる。

このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する

「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

「そして、俺の場のモンスターが減ったことで、ヘル・バーナーの攻撃力はダウンする」

 

火炎魔人ヘル・バーナー

3400→3000

 

あれ? ウォーター・ドラゴンの効果って炎属性の攻撃力0にするんじゃなかったっけ? 攻撃力が下がるタイミングなんてなかったような気がするんだが…。

 

「だが、俺のモンスターのほうが攻撃力は上だ」

「フン、それはどうかな? すでにお前を倒す方程式は完成している」

 

「これまでのバトルも、計算のうちだというのか」

「全部計算しているわけではないが、ある程度この最終形は描いていただろう。でなければウォーター・ドラゴンなんてピンポイントで効果を発揮するカードを主力になんて出来ないさ」

 

「ウォーター・ドラゴンの特殊効果発動。このカードが場にいる限り、炎属性、炎族モンスターの攻撃力は0となる! 行くぞ、アクアパニッシャァー!!」

 

ああ、ここで発動するんだ。演出でひとつずつ解決していくからこういう感じになるのかもしれないなぁ。

ウォーター・ドラゴンが引き起こした津波が万丈目を襲う。

って水浸しになってるんだが。あ、万丈目がリングから落ちた、ソリッドビジョンってどうなってるんだよ…。

 

「ううわぁぁっぁぁ!!」

 

万丈目

LP1000→-1800

 

「万丈目…お前はデュエリストとして」

「うるさい、お前が偶然水属性デッキを選んだから俺は「違うな」…え」

「偶然なんかじゃない。お前が教えてくれたんだ。デュエルが始まる前に」

 

ああ、恨みの炎とか何とかいってたなそういえば。でもそれだけでウォーター・ドラゴンは博打過ぎないか?

 

「つまり、デュエルの前からこの勝負は決まっていた。そして万丈目、海に捨てられていたカードは間違いなく俺のだ」

「なぜ、わかる?」

「それはこいつに、ついメモしちまったからだよ、数式を」

 

カードをメモ帳代わりにするんじゃない!! てかメモ帳くらい買え!!

 

「万丈目! カードを大切に出来ない者はデュエリストとして失格だぞ!」

 

 

「なぁ、明日香?」

「何?」

「カードにメモしたお前が言うなって突っ込みはしないほうが賢明だよな」

「空気読んでやめておいたほうが無難だと思うわよ」

「だよな」

 

「十代! オベリスクブルーに入るのは、お前を倒してからだ」

「よし! それなら今すぐデュエルをやろうぜ」

「お前と戦いたくて、うずうずしてたところさ」

「だが、今はだめだ」

「え?」

「ここにある六つのデッキはE・HEROデッキを研究するための試作デッキに過ぎない」

「し、試作デッキだと、俺はそんなデッキに負けたのか…」

「新しく塗った壁が、数式で埋め尽くされたころには出来るだろう。お前のE・HEROデッキを倒す7番目のデッキが!」

「俺のデッキを倒すだと、おもしれぇそのときこそ勝負だ。来い2番!」

「ああ、1番君」

 

こうして三沢はラーイエローに居残り、イエロー寮が空かないため万丈目もブルーに居残りとなった。

三沢にブルーの飯を奢ってもらうのはまだまだ先の話になりそうだ。




思ったより長くなってしまいました。
ウォータードラゴンの活用法がわからない。
そして一期OPの炎のドラゴンは何だったのか……。
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