デュエルキングのデッキ公開日もだいぶ近づいてきたなぁ。
いろんなところでその噂話を聞く。
さすがに神のカードは入ってないって話しだがそりゃそうだよな。
神のカードはもうひとつの人格とともに埋葬されたんじゃなかったっけ?
いまいち記憶が薄いなぁ。
そもそも神のカードって生贄確保が大変だし。事故率高くなるしであんまりいいとこないなぁ。
罠カードは効かず魔法も1ターンしか受け付けないらしいが、地砕きや地割れでドカーンとかするし正直あんまり使い勝手のいいカードとはいえない気がするなぁ。
それにしても神カードがないなら。ブラマジ主体のデッキになるかな? 表の遊戯さんならサイレントコンビだったりするんだけど、デュエルキング=ブラックマジシャンっていうイメージが固まってるから。裏の遊戯さんのデッキが公開されるんだろうなぁ。
ならばそれに肖ってブラック・マジシャンデッキでも作ろうかな?
あんまり目立ちたくないという理由で作ってなかったけど、使わなければオーケーだよな。
おや、あの人だかりは何だろう?
購買の入り口で固まってると非常に邪魔なんだが。
「よ、三沢大先生。これは何の集まりだい?」
「何で大先生なんだ? まぁいい、これは近々デュエルキングのデッキが公開されるだろ?」
「ああ、そうだな」
「その朝一番に見られる整理券があるんだが、それの最後の一枚をかけたデュエルなんだ」
「別に朝一番で見なくてもいいだろうに。どうせ夕方になれば人がはけるんだから」
「何言ってるんだ。伝説のデッキだぞ、一刻でも早く見たいというのが人情じゃないか」
「そんなもんかねぇ」
「君は時々冷めているな」
「まぁなぁ」
朝一ならどうせ混んでるだろうし、人が少なくなってからゆっくり見ればいいと思うんだけどな。
デュエルの様子を見てみると、戦っているのは翔とイエローの生徒だった。
翔は見知らぬロイドっぽいモンスター、イエローはモンスター無しだが伏せ2枚。
イエローが大嵐を発動し、黄金の邪神像トークンを2体出した。そしてそれを生贄に古代の機械巨人を召喚。なんかしゃべり方がクロノス先生っぽいが……。
「あいつはあんな口調なのか?」
「いや、神楽坂はクロノス先生のコピーデッキだ。あいつは記憶力がよくてな、他人のデッキにどうしても似てしまうんだ。それでプレイングも本人に近づけようとあんな口調なんだ」
「親戚か何かかと思ったぞ」
あ、翔が手札から魔法の筒を使った。あれ? それってできるのか? 古代の機械シリーズはダメージステップ終了時まで魔法、罠を発動できないはずなんだが、モンスター効果といえど罠を発動させるのはなんか変な感じがする。
翔の使ってるロイドも知らないカードだな。手札から罠ってえぐいよな。
それはともかく、翔の魔法の筒で勝負が決まったようだな。
「それにしてもコピーデッキねぇ」
「ん? どうした厚志」
「コピーデッキを何のために作るのかが重要だと思ってさ」
「何のため?」
「独り言だから気にしないでくれ、それよりもアンパン買わないとな」
「あ、おい……。何のため、か」
さ〜て、日課の夜の散歩に繰り出すか。運動は苦手だが目的もなくぶらぶらするのは趣味のようなものだ。今日は海沿いでも見よう。
海沿いを歩いていると、カードを見ながらにやついてる怪しいやつがいた。
あ、怪しい……。街中でやってたら警察呼ぶかも知れんな。
「フハハハハ、俺は無敵なんだ!!」
えっと……見なかったことにしよう。
こそこそ立ち去ろうとすると。
「そこのレッド生徒! ちょうどいいところにいた。お前俺とデュエルしろ!!」
「いや、意味わかんねぇし」
しかも絡まれた! 危ない薬でもやってんじゃないか?
「俺は最強のデッキを手に入れた。お前はその実験台とさせてもらう」
「最強?」
最強といえば1キルデッキか? 図書館エクゾにデミスドーザー、ダークダイブボンバーにサイエンカタパにドグマブレードとかあったな。ライフ4000ならフルバーンでもいけるな。
「そうだ! 俺は最強のデュエルキングのデッキを手に入れたんだ!!」
「なんだ。デュエルキングのデッキか。よかった1キル特化デッキとかじゃなくて」
「よかった? よかっただと!!」
「あ〜、気にしないでくれなんでもないよ、うん」
けどこいつも泥棒したのか……。この間のブルー生徒といいアカデミアの生徒って泥棒多すぎねぇか?
こいつも盗んだデッキで調子こいてるし。
今更だけど海馬さんも青眼盗もうとしたり強引な手段で確保しようとしたりしてたんだよな。
しかし今もってる手持ちのデッキは組んだばかりのブラマジデッキしかないんだけどなぁ。
まぁ観客もいないし、こいつ一人くらいならばれても問題ないだろう。
それより問題は。
「そもそもディスク持ってないんだが」
「ほら、俺の予備を貸してやる」
なんで二つもデュエルディスク持ってんだよこいつは。
仕方ない、断る理由もなくなったしやるしかないか。
そして互いにデュエルディスクをセットする。
「「決闘!!」」
「先攻は俺だ! 俺のターンドロー!! 俺は手札から融合を発動! 手札の幻獣王ガゼルとバフォメットを融合! 有翼幻獣キマイラを召喚!!」
《
通常モンスター
星4/地属性/獣族/攻1500/守1200
走るスピードが速すぎて、姿が幻のように見える獣。
《バフォメット/Berfomet》 †
効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800
このカードが召喚(反転召喚)に成功した時、
「幻獣王ガゼル」をデッキから1枚手札に加える事ができる。
《
融合・効果モンスター
星6/風属性/獣族/攻2100/守1800
「幻獣王ガゼル」+「バフォメット」
このカードが破壊された時、墓地にある「バフォメット」か
「幻獣王ガゼル」のどちらか1枚をフィールドに特殊召喚する事ができる。
(表側攻撃表示か表側守備表示のみ)
十代じゃあるまいし、いきなり融合かよ。
しかしキマイラってかなり使いにくいカードなんだけどなぁ
手札三枚消費で攻撃力2100しかない。一応破壊されても後続が残るとはいえ使いにくいことに変わりはない。
「俺はこれでターンエンドだ」
「んじゃ俺のターンドロー、モンスターをセット、リバースカードを一枚伏せてターンエンドだ」
「フッ デュエルキングのデッキに手も足も出ないか? 俺のターンドロー!! キマイラでモンスターに攻撃だ!!
「セットモンスターは見習い魔術師。破壊されて墓地に送られたときレベル2以下の魔法使い族モンスターをデッキから裏守備表示でセットすることができる。俺は執念深き老魔術師を選択する」
「ふん、しぶといやつめ。俺はこれでターンエンドだ。」
《見習い魔術師/Apprentice Magician》 †
効果モンスター
星2/闇属性/魔法使い族/攻 400/守 800
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
フィールド上に表側表示で存在する魔力カウンターを
置く事ができるカード1枚に魔力カウンターを1つ置く。
このカードが戦闘によって破壊された場合、
自分のデッキからレベル2以下の魔法使い族モンスター1体を
自分フィールド上にセットする事ができる。
「俺のターンドロー、とりあえず執念深き老魔術師を反転召喚。リバース効果でキマイラを破壊」
《執念深き老魔術師/Old Vindictive Magician》 †
効果モンスター
星2/闇属性/魔法使い族/攻 450/守 600
リバース:相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。
「なんだと!! くっ、おれはキマイラの効果を発動させる。このカードが破壊された時、墓地にあるバフォメットか幻獣王ガゼルのどちらか1枚をフィールドに特殊召喚する事ができる。蘇れ! バフォメット!!」
「さて、次は」
「見つけたぞ!!」
十代に三沢に翔にコアラか、ギャラリーが増えた所でこのデッキ使いたくないんだよな。
「神楽坂! お前がデッキを盗んだのか!?」
「ふ、ふふふ。三沢か、そうだ俺がデュエルキングのデッキを手に入れて最強になったんだ!! フハハハハ」
「あ〜三沢説得は無駄だ。こいつは自分に酔ってるぞ」
「厚志……」
まぁいい、後は野となれ山となれ、だ。
「それよりも、これから俺が使うカードは他言無用だぞ」
「それはかまわないが厚志! 勝算はあるのか?」
「まぁみてな」
「さて、俺のターンの途中だったな」
「ああ、そうだ」
「バトル! 執念深き老魔術師でバフォメットに攻撃!」
「馬鹿か、攻撃力の低いモンスターで攻撃するなど!!」
「罠カード、マジシャンズサークル!! このカードはお互いに攻撃力2000以下の魔法使い族モンスターを攻撃表示で召喚することができる」
「フン、お前はこのデッキが誰のデッキか忘れたのか? 俺はブラック・マジシャン・ガールを召喚する」
《マジシャンズ・サークル/Magician's Circle》 †
通常罠
魔法使い族モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキから
攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚する。
《ブラック・マジシャン・ガール/Dark Magician Girl》 †
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700
お互いの墓地に存在する「ブラック・マジシャン」
「マジシャン・オブ・ブラックカオス」1体につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
「ブ、ブラック・マジシャン・ガールだぁ!! かわいいなぁ。厚志君には負けてほしくないけど、あのカードだけは応援しちゃおうかなぁ」
「何言ってるんだよ翔」
「兄貴こそ何言ってるのさ。ブラック・マジシャン・ガールはデュエルキングのデッキにしか入っていないレアカード!! 今夜限りの恋かもしれないんだよ!!」
「しょ、翔。あ、あれを見るんだな」
「へ? あ、ああ!!!!」
「ば、ばかな」
「俺もブラック・マジシャン・ガールを選択させてもらった。そしてモンスターの数が変わったことで攻撃が巻き戻る。執念深き老魔術師の攻撃を中断。ブラック・マジシャン・ガールでバフォメットを攻撃!
「な、なぜ貴様がそのカードを、うわぁぁぁ!」
向かい合う二体のブラック・マジシャン・ガールを目にした神楽坂もギャラリーも絶句している。
神楽坂
LP4000→3400
「カード自体は古くからあるだろう? なんせミュージカルにもなってたくらいだしな。ただイラスト人気が高すぎて実用まで到ったのがデュエルキングだけってだけの話だろうに、目立つからあまり使いたくなかったんだけどな、デッキがこれしかなかったから仕方がない」
「あ、厚志君。後でそのカード頂戴!!!」
「翔、やめろって……」
う、うぜぇ。
あいつってこのカードのファンだったのか。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
「くっ、俺のターンドロー!! フ、フハハハハハ!!」
「?」
「俺は魔法カード、黒魔術のカーテンを発動!! ライフを半分支払ってデッキからブラック・マジシャンを召喚する!!」
《黒魔術のカーテン/Dark Magic Curtain》 †
通常魔法
ライフポイントを半分払って発動する。
自分のデッキから「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。
このカードを発動するターン、自分は召喚・反転召喚・特殊召喚する事はできない。
《ブラック・マジシャン/Dark Magician》 †
通常モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。
神楽坂
LP3400→1700
ライフを半分にしたって事は勝負に来たな。
「バトル! ブラック・マジシャンでブラック・マジシャン・ガールを攻撃!!」
「そうあわてるな。速攻魔法ディメンジョンマジックを発動。執念深き老魔術師を生贄にこちらもブラック・マジシャンを召喚する。その後そちらのブラック・マジシャンを破壊する」
《ディメンション・マジック/Magical Dimension》 †
速攻魔法
自分フィールド上に魔法使い族モンスターが
表側表示で存在する場合に発動する事ができる。
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースし、
手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。
その後、フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する事ができる。
「な、なんだと!!」
「すげぇ……」
「神楽坂はデュエルキングのデッキを使いこなしている。しかしそれ以上に厚志の方が一枚も二枚も上手だ」
「ぐぐぐ、おれは魔法カード光の護封剣を発動!! ターンエンドだ」
《光の護封剣/Swords of Revealing Light》 †
通常魔法
相手フィールド上に存在するモンスターを全て表側表示にする。
このカードは発動後、相手のターンで数えて3ターンの間フィールド上に残り続ける。
このカードがフィールド上に存在する限り、
相手フィールド上に存在するモンスターは攻撃宣言をする事ができない。
「俺のターンドロー、面倒なカードを使いやがって。ターンエンドだ」
「おれは最強のデッキを手に入れたはずだ。なのになぜ苦戦している……。おれのターンドロー!! おれはカードを一枚伏せてターンエンドだ」
後2ターンか……長いな…。
魔法罠破壊カードを引かない……。
遊戯さんや十代ならここで持ってくるんだろうが、生憎そんな強運は持ち合わせていない。
「俺のターンドロー。ターンエンド」
マジで何も引かない……さてサイクロンとか引かないとどうもならんな。
「くっ俺のターンドロー、俺は魔法カード死者蘇生を発動! ブラック・マジシャンを復活させる!! そしてさらに魔法カード光と闇の洗礼を発動!! ブラック・マジシャンを生贄に混沌の黒魔術師をデッキから召喚!!」
《光と闇の洗礼/Dedication through Light and Darkness》 †
速攻魔法
自分フィールド上の「ブラック・マジシャン」を生け贄に捧げる事で発動する事ができる。
自分の手札・墓地・デッキの中から「混沌の黒魔術師」を1体選択して特殊召喚する。
《混沌の黒魔術師/Dark Magician of Chaos》 †
効果モンスター(禁止カード)
星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
自分の墓地から魔法カード1枚を選択して手札に加える事ができる。
このカードが戦闘によって破壊したモンスターは墓地へは行かず
ゲームから除外される。
このカードがフィールド上から離れた場合、ゲームから除外される。
「な、混沌の黒魔術師だと!?」
「そうだこれこそが最強の魔法使いだ!! 混沌の黒魔術師の効果発動!! 自分の墓地から魔法カードを一枚手札に加えることができる。俺は死者蘇生を加え発動!!ブラック・マジシャンを蘇生させる」
「ああ、攻撃力2800なんて…」
「厚志は一気に苦しくなったな」
まさか混沌の黒魔術師とはね.ブラック・マジシャンと魔法使い族ギミックばっかり入れてたらあのカードの存在すっかり忘れてたな。
そもそも通常召喚も墓地や除外ゾーンからのリアニメイトが簡単な混沌の黒魔術師をブラック・マジシャンを経由するって発想が俺にはないな。
「混沌の黒魔術師でブラック・マジシャンを攻撃! 滅びの呪文!!」
「罠カード発動、和睦の使者俺のフィールドのモンスターは破壊されず、戦闘ダメージを0にする」
「なに、くっ運のいいやつめ、次のターン確実にしとめてやる! カードを一枚伏せてターンエンド」
「運? 運なんて大して持ち合わせていないさ、俺のターンドロー」
ようやく来たか。ブラック・マジシャンを守ったかいがあるというものだ。
「俺は魔法カード黒・魔・導を発動。お前の場の魔法、罠をすべて破壊する!」
「なんだと! うおぉ」
《黒・魔・導/Dark Magic Attack》 †
通常魔法
自分フィールド上に「ブラック・マジシャン」が
表側表示で存在する時のみ発動する事ができる。
相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
伏せカードは魔法の筒か、破壊しないと自滅していた可能性もあったな。
「そしてさらに魔法カード、千本ナイフを2枚発動! 混沌の黒魔術師とブラック・マジシャン・ガールを破壊する!!」
「そ、そんなおれの混沌の黒魔術師が……」
《
通常魔法
自分フィールド上に「ブラック・マジシャン」が
表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。
相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。
「これでだいぶすっきりしたな。ブラック・マジシャンでブラック・マジシャンを攻撃。
2体のブラック・マジシャンが魔法を打ち合い相打ちとなる。
「攻撃力が上昇したブラック・マジシャン・ガールで
「まだだ! おれは手札からクリボーを捨ててダメージを0にする!」
「むぅ、しぶといなカードを一枚伏せてターンエンドだ」
「ありがとうクリボー。さすがおれが数千枚の中から選んだカードだ。お前には昔からいつも助けられてばっかりだな、お前が作ってくれたチャンス無駄にはしない!!」
えーと、これ突っ込んじゃっていいのかなぁ?
「盗んだデッキで何言ってるんスか……」
「神楽坂は武藤遊戯になりきってるんだろうな……」
「そういう問題なのかよ……」
なんか一気にばかばかしくなったな。何で俺こんなに真剣にデュエルしてるんだろう?
「俺のターンドロー!! 俺は強欲な壷を発動!! デッキからカードを2枚ドローする」
ここでドローカードってことはもう一山ありそうだ。
「くくく、フハハハハハ、このモンスターでお前に止めを刺してやる!! 俺はおろかな埋葬を発動。デッキからワタポンを墓地に送る。そして墓地のクリボーとワタポンを除外する!!」
《おろかな埋葬/Foolish Burial》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。
うえ、光と闇を除外するってことはカオス系のモンスターか…。カオス・ソルジャーかカオス・ソーサラーかまさか混沌帝龍じゃねぇだろうな。
いや、遊戯さんのデッキなら入ってるのはおそらく。
「モンスター2体を除外? そんな特殊な召喚条件のモンスターなんて……」
「いや、いるぞ!! 召喚すれば勝利は確実といわれた禁止寸前の
「そうだ!! 光と闇、二つの魂を生け贄に捧げ、出でよ!! これが伝説の最強戦士カオス・ソルジャー −開闢の使者−だぁ!!」
《カオス・ソルジャー −開闢の使者−/Black Luster Soldier - Envoy of the Beginning》 †
効果モンスター(制限カード)
星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。
自分のターンに1度だけ、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●フィールド上に存在するモンスター1体をゲームから除外する。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。
●このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
もう1度だけ続けて攻撃を行う事ができる。
三沢…。カオス・ソーサラーさんディスってんじゃねぇよ!
「くくく、この最強戦士には敵うまい。カオス・ソルジャー −開闢の使者でブラック・マジシャン・ガールに攻撃!! 開闢双破斬!!」
「ちぃ」
カオス・ソルジャーがブラックマジシャン・ガールを切り裂く。面倒なモンスター出しやがって!!
厚志
LP4000→3600
「くくく、カオス・ソルジャー −開闢の使者−の効果発動!! このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合もう一度だけ攻撃を行うことができる!! 食らえ時空突刃・開闢双破斬!!」
「ぐぅぅ」
厚志
LP3600→600
「厚志!!」
「まずいな、厚志の場にはモンスターがいないし、神楽坂の場には攻撃力3000のカオス・ソルジャー −開闢の使者−がいる。ライフも残り600しかないのでは、もう逆転の目は……」
「俺のターンドロー、モノマネ幻想師を攻撃表示で召喚。その効果によりカオス・ソルジャー −開闢の使者−のステータスをコピーする」
ものマネ幻想師
攻0→3000
守0→2500
《ものマネ幻想師/Copycat》 †
効果モンスター
星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
このカードの攻撃力・守備力は、
選択したモンスターの元々の攻撃力・守備力と同じ数値になる
「な、なんだとレベル1のモンスターが攻撃力3000だと!!」
「トリッキーな効果が売りの魔法使い族だからな。こういうパワーカードには有効さ」
「うまい、これで相打ちに持ち込める!」
「くそぅ……だが相打ちにしたところでお前のライフは風前の灯火。俺の有利に変わりはない」
「相打ち? とんだロマンチストだな。さらに永続魔法一族の結束を発動! 魔法使い族で統一されているためものマネ幻想師の攻撃力がさらに800上昇する」
ものマネ幻想師は手札にずっとあったが、いざというときのため残しておいた。その判断は正解だな。ブラック・マジシャンあたりをコピーしていたらあれに太刀打ちできないところだった。
ちなみに結束は今引き。相打ちでもどうにかできたがこれでこのターン内に決着をつけることができそうだ。
「ものマネ幻想師でカオス・ソルジャー −開闢の使者−に攻撃! そして罠発動! 二枚目のマジシャンズ・サークルだ!! 俺はブラック・マジシャン・ガールの2枚目を召喚する!!」
「に、2枚目のブラック・マジシャン・ガールだと!!」
「す、すごい。またブラック・マジシャン・ガールが見れるなんて〜〜〜。あとで厚志君に譲ってもらおうっと」
「お前はどうする?」
「お、おれはTHE・トリッキーを召喚する……」
《THE・トリッキー/The Tricky》 †
効果モンスター
星5/風属性/魔法使い族/攻2000/守1200
このカードは手札を1枚捨てて、手札から特殊召喚する事ができる。
「バトルは続行だ!! そのままものマネ幻想師でカオス・ソルジャー −開闢の使者−に攻撃!」
「う、うわぁぁあ!」
神楽坂
LP1700→900
トリッキーに攻撃すればそのまま勝利だが、どうせならカオス・ソルジャー −開闢の使者−を破壊して徹底的に心をへし折る!!
「これで終わりだ!! ブラック・マジシャン・ガールでTHEトリッキーに攻撃だ!!
「そ、そんな。う、うゎぁぁぁぁ!!」
神楽坂
LP900→-500
デュエルディスクが終了のブザーを告げる。
結構苦戦したが何とか勝てた。
「俺は、間違っていたのか……?」
「なにが? といいたいところだが、あえてその質問に答えるならばお前さんは何をかんがえて他人のデッキをコピーする?」
「コピーしたくてコピーしているわけじゃない!! どうしてもこうなってしまうんだ……」
「ちなみにデッキをコピーしたりすることには俺は肯定的だけどな」
「!!」
「デッキをコピーすることで新しいカードの使い方や使い道が見えてくることもある。他人がかんがえたコンボを組み合わせることでまったく別のデッキができることもある」
「ふむ、なるほど。いろんな要素をミックスすれば。新しい可能性を広げることができるというわけだな」
「そこまで大げさなもんじゃないが……。俺だってコピーデッキは大量に作っているぞ。そのままコピーすると使いにくいからかなり改良入れるが…」
別にコピーデッキでもいいと思うんだけどなぁ。練習用と割り切ればの話だが、コピーデッキを作りデッキを回してみて初めて気づく弱点もあるはずだ。
俺の場合は同じデッキばかりだと飽きる、思いつきで組んだネタデッキだって使ってやらないと可哀想だしっていうのが俺はいろいろなデッキを使う理由だ。
というか、これだけ生徒がいれば誰かかしら似たようなデッキ作ると思うのだが。カードの種類だってせいぜい数千だし、実用性をかんがえるならそこまでデッキ種類は多くないはずなんだけどなぁ。
拍手の音が聞こえてくる。あれ? どこから聞こえてくるんだ?
「いいデュエルだったぞ二人とも」
「カ、カイザー」
なんでカイザーと明日香がこんなところにいるんだよ!?
目立つカード使ったから口止めしたいのにどんどんばれていくな……。
「デュエルキングのデッキを一足早く見ようと思ってな」
「そしたらケースが壊されて盗まれたっていうじゃない。それであたりを探していたのよ」
「最初は止めようかとも思ったんだが、あまりにもいいデュエルだったものでな」
「そりゃそうだ」
カイザーも三沢も他人事のように言いやがって……。
ということは最初のほうから見てたんだろうなぁ。はぁ、ブラック・マジシャン・ガールで止めだったからバッチリ見られてるんだろうな。
「神楽坂」
「……はい」
「君に対しては後々アカデミアの方から正式に処分が下されるだろう。理由はどうあれ、窃盗は犯罪だ。処分は避けられないだろうが……」
「ま、待ってくれよカイザー!!」
「こいつ、本当はきっと強ぇはずなんだよ!今のデュエル見てても、俺はすっげえワクワクした!だから、退学なんてことには——」
「分かっているさ。俺も校長に退学だけは無しになるように掛け合ってみよう」
「えーと話の腰を折って悪いんですが」
「? どうした鈴本」
「俺の使ったカードは内密にしてくれませんか?」
「……なるほどな。確かにブラック・マジシャンやブラック・マジシャン・ガールは目立つだろう」
「そうなんですよ、トレード申し込みの嵐は勘弁です」
「しかしもう遅いようだぞ」
「へ?」
遅いって何が? まさか俺のデュエルの情報をリアルタイムで流したとか? カイザーがそんなミーハーなことはしないだろうし、ほかのメンバーだってわざわざそんなことはしないはずだ。
「周りを見てみろ」
「周り?」
そういわれて、周囲を確認すると人、人、人の嵐。どうやら岩場や崖の上に隠れていたらしい。
ちょ!! お前らずっとそこに隠れてたのかよ!! なんでこんな夜中に隠れてるんだよ!! お前ら全員変態の集まりかよ!!
もしかしてこいつらもフライング見学かよ。どんだけなんだようちの学園!!
「お前らすげぇデュエルだったぞー!!」
「神楽坂もデュエルキングのデッキを使いこなすなんてすげぇなーー」
「「「「「「「そして鈴本ーーブラック・マジシャン・ガール譲ってくれーー!!!!」」」」」」」
ちょ!! お前らブラック・マジシャン・ガールに反応しすぎだろ!! ああっもう! こうなるのが予想できたから内密にしたかったのに!!
「そうだ!! 厚志く〜ん。僕たち友達だよねぇ。えへへへ」
「怖いわ!!」
「ブラック・マジシャン・ガールほしいなぁ」
「やらんぞ!!」
「ひどいよ〜二枚持ってるなら一枚くらいいいじゃないか〜」
いいわけあるか!! そもそも俺の持つカードはほとんど預かりものだぞ!! ブラック・マジシャン・ガールももちろんそうだ。
勝手に人にホイホイくれてやるわけにはいかねぇんだよ。
誰か一人にあげると、俺も俺もと言い出すやつが必ず出てくるはずだ。
実は9枚ほどあるが言わない方が無難だろう。
「カイザー、俺は、俺は本当にゆるされていいんです………か?」
「それはこの歓声が証明しているだろう」
「う、うう……、あ、ありがとう。あ、ありがとう……ございます」
「一目だけ! 一目だけでいいから!!」
「一回チューだけでいいから!!!」
「せめて頬ずりだけでも」
神楽坂とカイザーがいい話にして終ろうとしている。
こっちは全然いい話にならねぇよ。頼むから誰か助けてくれ!!
こらチューとか頬ずりとか汚ねぇから近づくな!!
ぬわーーたかるなお前ら! どさくさにまぎれてカードを触ろうとするんじゃない!!
ちくしょう今回完全に貧乏くじじゃねえか!! これで一件落着なんて認めねぇぞーーーー!!
そして数日後。デッキ公開も無事に終わったが、ブラック・マジシャン・ガール狙いで群がってきたやつらを撒くのはいまだに一苦労だ。
最初のほうから比べたら数は減ったが何の慰めにもならねぇ。
あの丸めがねは特にしつこかったな。しょうがないから見せるだけ見せたら、カードにほお擦りやキスをしようとしやがった。
あわてて奪い取ったから被害はなかったが、そこにいた連中全員ドン引きだ。
俺の平穏な日常はまだまだ遠そうだ。
そして神楽坂はラーイエローで頑張ってる。一進一退の成績だが、一戦ごとに強くなっているらしい。
当初は俺のマネをしようと思ったらしいが、一回ごとにデッキを変える俺のマネはさすがに難しいらしい。
早々にあきらめて、デッキ研究とメタ読みをはじめたらしい。
そのうちメタの読み合いとかする日が来るかもしれないな。