さて、レイもいなくなったことだし。また一人部屋に逆戻りなわけだが、さ、寂しくなんてないんだからね!!
……きもいな、やめよう。
真面目な話そろそろ新しいデッキのアイデアも尽きてきた。暗黒界とか魔轟神とか作ってないのはそれなりにあるけど、個人的にああいうのは使いこなせないんだよなぁ。強いのはわかるんだけどねぇ。
というわけで、今のうちに所持がばれたらやばそうなカードでデッキ作ってみようかな。具体的には青眼とか神のカードとかで。
もちろん実際使うことはないんだろうけどね。
俺が基本的にすきなのは種族か属性の統一デッキだ。一族の結束とか大好きだ。
ドラゴン族や天使族なんかはパターンも豊富だから組んでて飽きないしね。
青眼の白龍は好きなカードなんだけど、サポートのカイバーマンを使うと種族混じるからなぁ。かといってまったく使わないのも青眼を使う意義が薄れてくるしなぁ。
ドラゴンを呼ぶ笛とか使うと他の重いドラゴンとかトレード・インとか入れたくなるしなぁ。そしたら事故率が異様に高くなる。
むむむ……難しいところだな。
やはりメインアタッカーは青眼のみでいこう。ファンデッキになってもいいや。ドローカードをガチで積んでおけば何とかなるだろう。
伏せ破壊はスタンピング・クラッシュをメインに採用してっと、ロマンって大事だよね。
悪ノリしてカオス・ソルジャーと❘究極竜騎士《マスター・オブ・ドラゴンナイト》も積んじまうか。儀式は無しで融合素材と代用モンスターのみ採用してっと。
融合と❘龍の鏡《ドラゴンズ・ミラー》で攻撃力5500が二体……。実にロマンあふれる。
でもこれだと青眼いらねえんだよな。
まあいいやロマンロマン。
《❘究極竜騎士《マスター・オブ・ドラゴンナイト》/Dragon Master Knight》 †
融合・効果モンスター
星12/光属性/ドラゴン族/攻5000/守5000
「カオス・ソルジャー」+「青眼の究極竜」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードを除く自分のフィールド上のドラゴン族モンスター1体につき、
このカードの攻撃力は500ポイントアップする。
《❘龍の鏡《ドラゴンズ・ミラー》/Dragon's Mirror》 †
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、
融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
ドラゴン族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
できた!
かなりネタ臭がするが、誰にも見せる予定はないからこれでいいだろう。
ブラマジは絶版なだけで枚数限定というわけじゃないから誤魔化せたけど青眼はさすがに無理がある。
というか青眼の白龍ってなんでかばんに9枚も入ってるんだ?
世界に四枚って話だったはずなんだけどイラスト違いもあるしなんでなんだろうな?
「厚志、ちょっといいか?」
どきぃ! 何だ十代か、やましいことは何もしてないけど青眼を見られたら絶対面倒になる。
「あ、ああ、何だ十代か何かあったのか?」
「なんか、焦ってないか?」
「いきなり声をかけられたからちょっとびっくりしただけだ」
「そっか、まぁいいや」
「で、どうしたんだ?」
「実は、かくかくしかじかで」
「まるまるうまうまと」
どうやら十代はノース校との交流デュエルのメンバー候補に選ばれたらしい。
ただし、候補に三沢も選ばれており、勝った方が代表権を獲得できるとのこと。
それで三沢は十代に対抗するための7番目のデッキを用意するらしいのでそれに対抗するためにHEROの苦手なことや弱点を教えてほしいらしい。
そうか、いよいよ対決するのか。
「弱点っていってもなぁ。HEROって結構万能だから苦手分野ってあんまりないぞ」
「……そっか、厚志ならなんかわかると思ったんだけどなぁ」
「……まったくないわけじゃないけどな」
「教えてくれ!! 頼む!」
「とりあえずあれだな。強力なHEROは融合召喚が基本だろ?」
「おう、そうだな」
「根本的に魔法を封じられると弱い」
「魔法を封じるってことは、この前厚志がやってたマジックドレインとかか?」
「むしろ、明日香と戦ったときに出たホルスの黒炎竜かな?」
「ああ…あれか。確かにあれは辛そうだ」
「摩天楼すら発動できないからな。最高攻撃力がエッジマンの2600だろ? それを超える攻撃力のモンスターが魔法封じもってたら詰むな」
「でも、そんなカードって他にもあるのか?」
「探せばあるかもしれないけど、パッと思いつくのはないなぁ」
「そっか、そういうのが出た場合はどうすればいいんだ?」
「罠かモンスター効果で何とかするしかないかなぁ、でも十代が使ってるHEROは通常モンスターが多いからなぁあんまり期待できないかも」
「じゃあ、ミラーフォースみたいな罠で何とかするしかないのか」
「そうだなぁ」
「他には何かあるか?」
「他ねぇ、特殊召喚封じに弱…い?」
「何でそんなに自信なさげなんだよ」
「王宮の弾圧思いついたんだけどさ」
「あれだっけ? ライフ800を払って任意の特殊召喚無効にするカードだっけ?」
「ライフ4000しかないのに800ずつ払っていったらすぐライフなくなりそうだなぁって」
「ああ、なるほど。確かに結構きついかもな」
「だよなぁ。そもそも十代って下級HEROと専用魔法カードとのコンボも結構あるし、ホルスの黒炎竜みたいに魔法全部とか封じられない限り結構戦えたりするよな」
「うーん、そうだなオレはやっぱり全部のHEROを活躍させたいからな」
「そういう性格だよな」
「虚無魔人とかあの辺出されても厳しいけど、専用HEROサポートで乗り切れなくはないかな」
「うーん面倒だなあ」
しかし、そういう理由であれだけの専用カード入りのデッキを活躍させることができるのが謎だ。
俺なら絶対事故るぞあんなデッキ。
「他には何かあるのか?」
「こんなところかなぁ」
「そっか、参考になったぜ、ありがとな」
「まぁ、聞きたいことがあったらいつでも来なさいな」
「おう、じゃ、おやすみ」
「おやすみ」
しかし十代が代表候補ねぇ。去年はカイザーだったらしいから今年もてっきりカイザーだと思っていたんだが。
コンコン……
「厚志ちょっといい?」
この声は明日香か、今日は千客万来だな。
「あいてるよ〜」
「お邪魔するわね」
「今日はどうしたんだ? 明日香が俺の部屋に来るなんて珍しいな」
「ちょっと相談があってね」
「ふむ、とりあえず話してみろ」
「私がサイバー・ブレイダーだけじゃなくてサイバー・エンジェルを使うことは知ってるかしら?」
「…それは、初耳だった気がする。サイバー・エンジェルって確か儀式モンスターだよな」
「ええ、そうよ。それでね、サイバー・ブレイダーとサイバー・エンジェルの両立に限界を感じてきたのよ」
「まぁ、融合モンスターと儀式モンスターの両立は難しいからなぁ」
「何かいい案はないのかしら?」
「案って言ってもなぁ、デッキを分けるのが手っ取り早いんだが、両立ってことはどっちも入れるってことだよな」
「そうね、どっちも使うのが理想ね」
「なら、比率を変えるしかないかなぁ」
「比率?」
「融合メインか儀式メインかってことだな」
「なるほどね」
「どっちも魔法カードがトリガーだけど、召喚方法がぜんぜん違うしシナジーあるカードも少ないしなぁ」
「少ないってことはまったくないわけじゃないのね?」
「強いていうならってことだよ。王立魔法図書館みたいに魔法カードに反応してカウンターを置くカードなら一応シナジーないわけじゃないけど、わざわざそんなもの入れるのも微妙だろ?」
「確かに微妙ねぇ」
「そもそもどうしても両立したい理由って何なんだ?」
「どうしてもってわけじゃないけど、スペースが余ったからっていうのが理由ね。元々はサイバー・ブレイダーを使っていたのだけど、その空いたスペースにサイバー・エンジェルを入れたのが始まりね」
「ふむふむ」
「それでサイバー・ブレイダーだけじゃ対処できないときがあって、その時サイバー・エンジェルに助けられてそのまま使ってるっていうのが大きいわね。今じゃどっちも愛着があってできればはずしたくないのよ」
「なるほどなぁ、でも両立するならサイバー・エンジェルのパーツを最小限にするとかしないと厳しいぞ」
「そうなのよねぇ」
「でもそれだとサイバー・エンジェルの強みが消されるんだけどなぁ」
「サイバー・エンジェルの強み?」
「一枚の儀式カードでいろんなサイバー・エンジェルを呼び出せることさ。墓地からの回収手段があればかなり心強いと思うぞ」
「なるほどね」
「やっぱり分けたほうがいいと思うぞ、サイバー・ブレイダーのサポートは地盤沈下みたいなカードを入れたり、洗脳ブレインコントロールや強制脱出装置みたいなカードで相手モンスターの数をコントロールしてやる」
「ふむふむ」
「サイバー・エンジェルは儀式のサポートをフルに入れてやればそれだけで強い」
「儀式のサポートってどんなのがあるかしら? 恥ずかしい話だけど儀式系のデッキは詳しくないのよ」
「とりあえずマンジュ・ゴッドやセンジュ・ゴッドにソニック・バード」
「それは知ってるわ」
「あと強力なのは儀式魔人かな? 高等儀式術は合わない気もするし」
「儀式魔人?」
「墓地に落ちても儀式の餌にできるシリーズだな。呼び出した儀式モンスターに効果を付与することもできるし結構強いと思うぞ」
「そんなのがあったなんてね」
「参考になったか?」
「ええ、相談に乗ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
「それじゃ、そろそろ帰るわ。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
明日香も悩んでたんだなぁ。
コンコン……
「これで三人目か。入っていいよ」
「やあ、鈴本」
「今度は三沢か……次から次へと」
「なんだつれないな……何かあったのか?」
「なんか今日はいっぱい相談されるんだよ」
「ハハハッ、それだけ頼りにされてるってことじゃないか」
「まぁそうなんだけどな。三沢もその口かい?」
「いや、一度君とはデュエル理論においてきちんと話してみたかったんだ」
「デュエル理論って言っても大した持論は持ってないぜ」
「いやいや、謙遜することはないさ。十代や翔にこの手の話をするより有意義だろう?」
「あいつらと比較されると複雑だな」
直感と引きで戦う十代に明らかに勉強不足の翔と比べられてもなぁ。
でも本当に大した持論ないんだけどな。
「俺が考えてるのはアドバンテージかな」
「ほう? つまりどういうことかな」
「カード一枚一枚の枚数差で有利不利を考えるって感じかな?」
「というと?」
「んーたとえばこのカード、はさみうちなんだが」
「ずいぶん懐かしいカードだな」
《はさみ撃ち/Two-Pronged Attack》 †
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスター2体と
相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して破壊する。
「誰が見ても自分が損するカードだろ?」
「まぁそうなるな」
「アドバンテージ的には3:1交換なんだ」
「しかしモンスター的には……そうかはさみ撃ち自身も計算に入れてるのか」
「さすが鋭い、その通り」
「手札、墓地、フィールド、情報の項目にそれぞれ分けてなるべくアドバンテージを重視していくのが俺の特徴かな」
「なるほど、確かにそれは重要だ」
「だからアドバンテージ的にはゲート・ガーディアンは使いにくいダメカードって話になる」
「しかし攻撃力3750は魅力じゃないか?」
「最上級を三枚使ってゲート・ガーディアンが手札にないと出てこないからなぁ」
「消費した生け贄分も考えるのか」
「そうそう、だから俺はあんまり生け贄召喚を使わないんだよな」
「確かに君が生け贄召喚をしているところはあまり見たことがないな」
「うまく計算通りに生贄をそろえられるとは限らないからな。それ相応のギミックを入れるパターンが多い」
「俺の計算式とはだいぶ違うな」
「三沢の計算はどんな感じなんだ?」
「方程式を用いていろいろ計算するんだ。たとえば…………」
ぶっちゃけ全然わかんねぇ。
さすが筆記一番は伊達じゃねぇな。
ただ俺の考えとはまた別物だというのはわかる。カード一枚一枚の有利不利でさらに確率を加えてって感じかな?
「なかなか楽しかったよ。それじゃあお休み」
「ああ、お休み」
そういって三沢も帰って行った。
しかし何なんだ今日は本当に客が多いな。
コンコン……
知ってた。今度は誰だよ。
「今開けるよ~」
「すみません。ちょっといいかい?」
「あ、佐藤先生でしたか。こんな時間にどうしたんです?」
熱血というほどではないが教育熱心な佐藤教諭だ。
真面目で丁寧で授業もわかりやすいため生徒からの信頼や人気も高い。
「実は……遊城十代くんのことなんだが」
「十代の? あいつが何かしました?」
「特別何かしているというわけではないが。普段の授業態度がちょっとね」
「あー、確かにそれは先生にとっては悩みの種でしょうね」
「そうなんだよ、遊城くんはデュエルも強い。今はともかくそのうち真似する生徒が増えかねないのが心配でね」
「そこまではいかないんじゃないですか?」
「いや、遊城くんのデュエルが強ければ別に勉強などどうでもいいという考えが広まるのは非常に危険だ」
「そんな大げさな……」
「確かに今から心配するのはちょっと大げさかもしれない。しかし彼はまだ一年生だ。これから周りにどんな影響を与えるかわからない」
「ふぅむ、懸念はわかりました。それで俺にどうしろと? 俺が注意しただけでまじめに勉強するとは思えませんよ」
「それは百も承知だ。しかしなにか勉強に興味を持たせるように誘導できないだろうか?」
「あいつデュエル以外は本当に興味持ちませんからね……」
「やはりそうなのか……」
「まぁ何とか考えてみますよ。すぐにというのは厳しいかもしれませんが……」
「いや、それで構わない。むしろこんな頼みを生徒にするというのがそもそも教師としては失格なんだ」
「佐藤先生……」
「私ももちろん授業に興味を持ってくれるように工夫してみよう。それでは夜遅くにすまなかったね」
「いえ……」
「それじゃあお休み」
「はい、おやすみなさい」
これは相当思いつめてるな。さてさてどうしたものか。
十代に勉強させる?
悪夢だな……成功するとは思えない。
むしろ発想を変えて勉強せざるを得ない状況を作り出すとか?
ううむ……難題だな。
一応、腹案はあるといえばあるけど……アレ成功するのかな?
コンコン……
「今度は誰だ。開いてるよ〜」
「厚志く〜ん」
何だ今度は翔か。こいつも何か悩みがあるのかな?
「何の用だ?」
「実は……」
「実は?」
「ブラマジガールほしいっス」
「帰れ」
さて、十代に勉強させるための厚志の腹案を察することができる人はいるのでしょうか?
いろいろ予想してみるのも面白いかもしれません。