今日は学校に付き物の試験の日だ。
今日は珍しく早起きしたので十代に頼らずにすんだ。普段起こしてもらってばっかりだからなぁ。今度お礼にカードでもあげようかな。
しかし寮の入れ替え戦も兼ねているとはいえ、月一で試験があるというのは多い気もする。
ちなみに俺は試験の日はまったく勉強しない派だ。勉強などしなくてもそこそこの点数は取れるし、受験のような後がない状況の時だけ勉強すればいいと思っている。
そのかわり普段はしっかり授業に集中すればいい。試験なんてものは授業で習ったこと以外は原則でてこない様にできているからな。
レッド寮の壁が薄いせいか隣の部屋からオシリスの天空竜に祈っている声が丸聞こえだ……。
たかが試験で神頼みなのか……。そもそもラーイエローへの昇格を祈るならオシリスじゃなくてラーに祈らないとだめじゃないのか? オシリスから罰が当たっても知らんぞ。
筆記はそれでいいとしても問題は実技だ。終焉のカウントダウンも封印されたし今日は別のデッキを使わなければならない。どの程度通用するかわからないが、別のデッキもあることにはある。
ちなみにホルスなどのレベルアップモンスターは目立つらしいので自重しよう。
まぁ負けてもともとでいいや。このデッキを使おう。
そして教室で筆記試験を受けているのだが。なぜ残り時間がわずかになってから十代が現れる……。
寝坊か? 寝坊なのか? いつもと立場が逆になったなぁ。
それはいいとしても。残り少ない試験時間で寝るし! 横の丸めがねもぐっすり寝ている。ずいぶん開き直ってるなぁ。
あの様子じゃあいつらの昇格はなさそうだ。
試験が終了しても気持ちよさそうに寝ている、まぁ実技は午後2時からって言っていたしそれまでには起きるだろう。寮にいったん帰ってデッキの調整でもしてくるかな。
「で、俺の相手は十代にくっついている丸めがね君か」
「ま、また僕の名前を覚えていないんスか!!」
「いやだって、自己紹介されていないし……」
「いいッス。僕は君を倒して名前を覚えてもらうっス!!」
まぁいいか
「「決闘!!」」
「俺のターン、ドロー。モンスターをセット。さらにカードを2枚伏せてターンエンドだ」
「僕のターンッス、ドロー。手札から融合を発動。手札のジャイロイドとスチームロイドを融合して、スチームジャイロイドを特殊召喚するッス」
「そしてバトルッス」
まて! とりあえずスチームロイドで殴っておけよ。対モンスターならスチームロイドで殴ったほうがお得な場合が多いんだぞ。
《スチームロイド/Steamroid》 †
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1800/守1800
このカードは相手モンスターに攻撃する場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。
このカードは相手モンスターに攻撃された場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントダウンする。
《スチームジャイロイド/Steam Gyroid》 †
融合モンスター
星6/地属性/機械族/攻2200/守1600
「ジャイロイド」+「スチームロイド」
「スチームジャイロイドでセットモンスターに攻撃するッス。ハリケーン・スモーク!」
「とりあえず永続罠発動光の護封壁を発動。ライフコスト3000を支払うことによりお前の攻撃力3000以下のモンスターは攻撃できなくなる」
《光(ひかり)の護封壁(ごふうへき)/Wall of Revealing Light》 †
永続罠(制限カード)
1000の倍数のライフポイントを払って発動する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
払った数値以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃をする事ができない。
「そ、そんな3000だなんて……」
いや、とりあえず割ること考えようぜ。まぁ割ってももう一枚の伏せがグラヴィティ・バインドだったりするんだが
大嵐来たら泣けるなー。
「ぼ、僕はこれでターンエンドッス」
カード伏せないのか。手札も結構消費したからな。ブラフでも伏せとくことに意味があると思うんだけどな。
「俺のターン、ドロー」
む、ここでトライスを引いたか。勝ったな。
今日の俺は実に運がいい。こんなにあっさり勝てるとは思わなかった。
「とりあえず逆巻く炎の精霊を反転召喚。そして装備魔法の進化する人類と、コストとして手札一枚を墓地に送り閃光の双剣トライスを逆巻く炎の精霊に装備させる。進化する人類の効果で逆巻く炎の精霊の元々の攻撃力は2400になり閃光の双剣トライスを装備することによって500下がった1900になり2回攻撃が可能となる」
「1900じゃ僕のスチームジャロイドは倒せないよ!」
《進化(しんか)する人類(じんるい)/Unstable Evolution》 †
装備魔法
自分のライフポイントが相手より下の場合、
装備モンスターの元々の攻撃力は2400になる。
自分のライフポイントが相手より上の場合、
装備モンスターの元々の攻撃力は1000になる。
《閃光(せんこう)の双剣(そうけん)−トライス/Twin Swords of Flashing Light - Tryce》 †
装備魔法
手札のカード1枚を墓地に送って装備する。
装備モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。
装備モンスターはバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
「倒す気などはじめからないさ、逆巻く炎の精霊は直接攻撃できるんだからな」
「ええっ!」
「まず逆巻く炎の精霊で直接攻撃」
「うわぁぁ」
翔
LP4000→2100
「でも2回攻撃されても生き残る! 次の僕のターンで仕留めるよ!!」
「逆巻く炎の精霊の効果発動。このカードが直接攻撃に成功した場合攻撃力を1000アップさせる」
逆巻く炎の精霊
1900→2900
「そ、そんなの卑怯だよぉ」
「言うだけならタダだから何とでも言え。もう一度直接攻撃だ」
《逆巻(さかま)く炎(ほのお)の精霊(せいれい)/Raging Flame Sprite》 †
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻 100/守 200
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
直接攻撃に成功する度にこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする
「う、うわぁぁ」
翔
LP2100→-800
これで俺の試験はすべて終了だな。次は十代のデュエルでも見物してみるかな。
そういやワンキルかましちゃったな。ライフ4000ならこんなものか。
おっとこれから始まるみたいだ。ちょうどいいタイミングみたいだ。
それにしても……なんで十代の相手が万丈目なんだ? 明日香にでも聞いてみるか。
「やぁ明日香お前さんも十代の見物かい?」
「あら厚志? お前もということはあなたも?」
「そんなところだよ。そして十代の対戦相手は何でオベリスクブルーなんだ? 試験で当たるのは同じ寮の人間だと思ったんだが」
「なんでもクロノス先生の話によると、自分を倒したほどの腕ならオベリスクブルーでもないと釣り合いが取れないらしいって話だったわよ」
「ほほう、クロノス先生は十代のことを嫌っているように見えたが。その実力は認めていたのか」
「なんとなく、授業で赤っ恥かかされた嫌がらせって気もするけどね」
「まぁどちらにせよこれで」
「ええ、あの夜の続きが見られそうね」
「「決闘」」
はじまったか、先攻は十代。なんか万丈目が自分の名前に『さん』をつけるようにいっているが、同い年で敬称を強要するやつは初めてみたな。
あ、十代のやつ自分のドローハネクリボーだってつぶやいてたぞ……。あんなんで本当に大丈夫なのか?
「今十代自分のドロー、ハネクリボーだってつぶやいていなかったか?」
「つぶやいていたわね」
「「……」」
気まずい沈黙が漂う。
まぁそれは置いといて十代はクレイマンを守備表示でターンエンドか。伏せ無しっていうのは危険じゃないのか?
なんか知らんがどいつもこいつも表側守備表示好きだよなぁ。ハッタリかませれるセットのほうが個人的には好きなんだが。
万丈目はいきなり打ち出の小槌を2連発か。しかしあのカード、俺の記憶では打ち出の小槌自体はリサイクルできないはずなんだけどな。ドロー補助としてあまりにも強すぎるだろう。
ちょくちょく見る別テキストカードか、俺の持ってるカードとテキストが結構違ってたりするんだよなぁ、なんでなんだろ?
天よりの宝札とか天よりの宝札とか。
通常魔法
このカードと自分の手札を任意の枚数デッキに加えてシャッフルする。
その後、デッキに加えた枚数分のカードをドローする。
《打ち出の小槌/Magical Mallet》 †(OCG)
通常魔法
自分の手札を任意の枚数デッキに加えてシャッフルする。
その後、デッキに加えた枚数分のカードをドローする。
「V−タイガー・ジェットを攻撃表示で召喚!」
おお、Vがきたってことは、まさかVWXYZデッキか? あの正規召喚がめちゃくちゃめんどくさいVWXYZがくるのか!?
「さらに手札から永続魔法前線基地を発動!」
ユニオンモンスターの召喚補助ってことは間違いないな。万丈目はVWXYZだ。しかしあの夜見た地獄縛りデッキはいったいどこにいったんだ? かけらもその要素が見当たらないわけなんだが……。
《前線(ぜんせん)基地(きち)/Frontline Base》 †
永続魔法
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に
手札からレベル4以下のユニオンモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
む、Wも出てきて合体したか。弱いとはいわないがVWだけじゃ結構微妙だよな手札一枚捨てての表示変更だし。2枚のカードを使う割には攻撃力2000はちと頼りない。でもリバース効果を発動させないで表にできるのは便利といえば便利か?
《VW(ヴィダブル)−タイガー・カタパルト/VW-Tiger Catapult》 †
融合・効果モンスター
星6/光属性/機械族/攻2000/守2100
「V−タイガー・ジェット」+「W−ウィング・カタパルト」
自分フィールド上に存在する上記のカードをゲームから除外した場合のみ、
融合デッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードを必要としない)。
手札を1枚捨てることで、相手フィールド上モンスター1体の表示形式を変更する。
(この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。)
万丈目はVWの効果を使用して攻撃表示になったクレイマンを撃破した。逆に言うと効果を使用しなければクレイマンを倒せなかったともいえる。
どこかで丸めがねがずるいとわめいているが、この程度でずるいというならまだまだ甘いな。世の中にはインチキみたいなカードが蔓延してるんだぜ。
「十代が不利ね」
「ライフはな。逆に万丈目は手札を大幅に使用した。ここから先はどうなるかわからない」
「そういう見方もあるわね」
というか、全体的に墓地や手札のアドの評価がかなり低い気もする。ライフ4000なら短期決戦が多いだろうから。気持ちはわからんでもないが……。
っと十代はスパークマンを守備表示か。まぁ裏にしてもVWで攻撃表示にされるなら一緒か。
十代のターンはあんまり動きがなかったな、融合を引いていないからか。
HEROは融合引いてなんぼだからなぁ。
次は万丈目のターンか。Xを通常召喚。Zを前線基地で特殊召喚。Yはリビングデットの呼び声でそろえた!
そして即座に合体か。よくまぁきれいに手札を使いきって揃えたものだな。手札がないから効果は使用できないがあの伏せカードしだいでは十代の負けだな。
無駄のない展開素晴らしい……。
《XYZ(エックスワイゼット)−ドラゴン・キャノン/XYZ-Dragon Cannon》 †
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻2800/守2600
「X−ヘッド・キャノン」+「Y−ドラゴン・ヘッド」+「Z−メタル・キャタピラー」
自分フィールド上に存在する上記のカードを
ゲームから除外した場合のみ、エクストラデッキから
特殊召喚する事ができる(「融合」魔法カードは必要としない)。
このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
自分のメインフェイズ時に手札を1枚捨てる事で、
相手フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。
「まだ終わっちゃいない! 俺はVWタイガーカタパルトとXYZドラゴンキャノンをさらに合体し、VWXYZ−ドラゴン・カタパルトキャノンを合体召喚する!!」
《VWXYZ(ヴィトゥズィ)−ドラゴン・カタパルトキャノン/VWXYZ-Dragon Catapult Cannon》 †
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻3000/守2800
「VW−タイガー・カタパルト」+「XYZ−ドラゴン・キャノン」
自分フィールド上に存在する上記のカードをゲームから除外した場合のみ、
融合デッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードを必要としない)。
1ターンに1度、相手フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。
このカードが攻撃する時、攻撃対象となるモンスターの表示形式を
変更する事ができる。(この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。)
え? 合体すんの? バラで殴ってもいいんじゃない? まぁ手札がないからそれもありか。
VWXYZの正規召喚なんて実戦ではじめて見たな、ロマンあふれるカードではあるが…。
これがオベリスクブルーの実力というやつなのか……。
伏せはVWXYZで除去してスパークマンを攻撃表示にして殴れば安全といえば安全だしな。
と思ったら、実際には除去したのはスパークマンだった……。ミラフォだったらどうするつもりだったんだろう……。
「リバース罠オープン! ヒーロー見参!」
「何? ヒーロー見参!?」
ずいぶんマニアックなカードを使うなぁ。ヒーローと名前はついているものの効果としてはヒーローとは何の関係もないカードなんだけどな。
《ヒーロー見参(けんざん)/A Hero Emerges》 †
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
自分の手札から相手はカードをランダムに1枚選択する。
選択したカードがモンスターカードだった場合、自分フィールド上に特殊召喚する。
違う場合は墓地へ送る。
ヒーロー見参で選ばれたのはバーストレディ。VWXYZで攻撃表示にさせられて焼き尽くされる。
これで十代もだいぶ追い詰められたな。というかよくしのいでいる。自分だったら負けているかもしれない。
十代のターンになりハネクリボーと伏せ1枚でターンエンド。
あれ? これ十代の負けじゃね? 伏せ除去してハネクリボー戦闘破壊して。さらに万丈目がモンスター引いていれば終わりじゃん。うーむまさかここで十代が負けるとは思わなかったなぁ。融合引いていなかったみたいだし事故でも起こしていたのかな?
「その目障りな毛玉を除外して十代へ❘直接攻撃《ダイレクトアタック》だ、VWXYZ−アルティメット・デストラクション!!」
「来たぜ相棒! オレは手札2枚をコストに進化する翼を始動!!」
《進化(しんか)する翼(つばさ)/Transcendent Wings》 †
速攻魔法
自分フィールド上に存在する「ハネクリボー」1体と手札2枚を墓地に送る。
「ハネクリボー LV10」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。
十代のハネクリボーの翼が自フィールドの端から端まで届くほどに巨大化した。
たしかあれは……。
「おっハネクリボーLV10だな」
「知ってるの?」
「うろ覚えだけどね。たしか超強いミラーフォースみたいな効果だったと思ったが」
《ハネクリボー LV(レベル)10/Winged Kuriboh LV10》 †
効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻 300/守 200
このカードは通常召喚できない。
このカードは「進化する翼」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを生け贄に捧げる事で、
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊し、
破壊したモンスターの元々の攻撃力の合計分のダメージを相手ライフに与える。
この効果は相手バトルフェイズ中のみ発動する事ができる。
除外効果にチェーンしてうまく相手の効果を捌いたな。確か守備表示だと問題なかったはずだから、これでまた一ターン凌いだと思ったら万丈目がハネクリボーLV10に攻撃を続行している姿が見える。
あいつは、正体もわからないモンスターに突撃していくのが好きなのか? とりあえず知らないモンスターが出たら警戒しないか? 俺が異端なのか? これが常識なのか?
そしてハネクリボーLV10の効果でVWXYZが破壊されさらに3000のライフダメージを受けた万丈目。まさに踏んだり蹴ったりである。
一方十台のほうはと…。
「これで攻撃力1000のモンスターを引いたら面白いよなあ!?」
「馬鹿め、そう都合よく」
「でも、面白いよなあ!」
「明日香、次に十代が引くカードを当ててみようか?」
「なんなの藪から棒に?」
「フェザーマンだ。攻撃力1000ぴったりだしな」
「そうそううまくいくわけないじゃない」
「見てればわかるさ」
さてさて、十代が引いたのはっと……。
やっぱりフェザーマンだ!
「ほらフェザーマンだろ?」
「たいしたドローの力ね」
「十代の勝利ね」
「どっちかというなら万丈目のミスが目立ったな。VWXYZを無理に出す必要もなかったし、ハネクリボーLV10に対して無警戒に突っ込みすぎた。あの少ないターンでVWXYZを出した手腕はたいしたものだがそれ以降もプレイングがお粗末になってしまった感も否めない。もちろん小さいチャンスを物にした十代もたいしたものだけどな」
「よくそんな細かいところまで分析できるわね」
「これしかとりえがないもんでな」
「見せてもらいましたよ遊城十代君。君のデッキへの信頼感、モンスターとの厚い友情、そして何よりも勝負を捨てないデュエル魂を。それはここにいるすべての者が認めるでしょう。よって遊城君はラーイエローへ昇格です」
十代が昇格か。昇格祝いになんか奢ってやるかな。それにしても明日から誰に起こしてもらおうか?
部屋に戻ってみるとなぜか十代がいた。どうやら十代は昇格の話を蹴ったらしい。それでもいいのかデュエルアカデミア……。
ちなみに、俺のデッキは使用禁止とまでは行かなくてもロックはほどほどにと指摘されてしまった。また新しいデッキを構築しなければいけないらしい。