ある晩の事。
「えっ? 」
十字路にあるカーブミラーに俺の姿が映っている。俺は平々凡々な男子高校1年生だ。なのに何故カーブミラーには銀色頭の怪人が映っている?
肩や膝や腹筋に金色のプロテクター着いてるし、胸にはオレンジの前掛け、腰にはオレンジの腰掛けが着いてる。脛は紺色。それ以外は銀色。
「えっ? えっ? 」
俺は顔をペタペタと触る。冷たいし固いから明らかに人肌の感触ではない。まさか金属…?いやまさか。試しに指で弾いてみる。カンと甲高い音が夜道に響いた。なんか街灯に反射してるしこれ金属や。これあかんやつや。
しかもなんか目線が高い。俺171ぐらいなんだけど明らかにその目線じゃない。てか顔怖いよ俺。黒目だけだし目つき悪いし口角上がってギザギザの歯が覗いている。鉄仮面って感じ。
「一体なんなんだよ…」
この夜道に突っ立って人と遭遇したら目も当てられない。取り敢えず最寄りの公園に移動しないと。学生カバンを抱え直して走り出した。
また何かおかしい。景色が流れる速度が早い。自動車が高速道路を走っている時の窓の外。あんな感じがする。あれもう着いた?こんなに近かったっけ。また疑問が湧き上がるが取り敢えず気にせず草むらの裏辺りに転がり込む。
「さてどうなった俺」
一定の安全を確保した俺はようやく落ち着いて考える事が出来た。一番最初に考え付いた原因は、
ここ最近良くニュースで目にする単語。やれ火を噴くだの凍らせるだのするらしい。それ関連の犯罪が近年急増しているという資料も流れたりしていた。不可能犯罪ってやつだ。
その動乱の当事者達と同じ存在になったかもと思うとぞっとしない。でも今の俺の外見はもっとぞっとしない!あー困った。警察に言ったってふざけた仮装野郎と思われるのがオチだしな。
その時、ドンと爆発音が響いた。
「!? 」
今俺が居る公園から少ししたところにはちょっとした繁華街が有る。そこから聞こえた。
ただその爆発音がただの事故じゃないと俺に確信させたのは、爆発の直前に聞こえた狂ったような笑い声だ。
なんで人の笑い声が聞こえたのかは分からない。
笑い声が余程デカかったのかもしれないし或いは…俺の耳がおかしくなったのかもしれない。だがそんな事はもうどうでもなくなっていた。
それは爆発音が止まないのと、繁華街の飲食店でバイトしてる友人の顔が浮かんだからだ。
「勘弁しろよ」
俺は、気付いたら全力で繁華街に向けて走り出していた。