ウマ娘短編集   作:カランコエ(Kalanchoe)

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《ラブコメ》
タマモガチャはしっかり天井まで引いたので初投稿です
公式シナリオの相棒感めっちゃ好き

余談ですが、タマモのおかげでサジタリウス杯プラチナになりました


タマモと新しい家族計画

「タマモ、新しい家族が欲しくないか?」

「……はぁ?」

 

……何言うとるんや、こいつ。気ぃでも狂うたか?

 

トレーナー室で真剣な顔しとったから、てっきり次の出走レースとかトレーニングの話やと思うてたんやけど、マジで何言い出すんや、こいつは。

 

「クリスマスの時、僕のことを『家族』って言ったよね?」

「……()うたな」

 

飯食えんくなったウチのために、必死に走りまわって、挙げ句の果てにはウチの実家まで行って、ウチが食べれる飯作るとか、そこまでするんはもう『家族』やろ。

……ホンマに『家族』になれたらいいなぁ、なんていう気持ちもほんのちょっぴりはあったけど。現役バリバリで走っとる今は色恋に(うつつ)抜かしてる暇なんてあらへん。勝って勝って勝ちまくるんや。

 

「二人家族って少なくない?」

「……まぁ、少ないわなぁ」

「だから、新しく家族を増やそうと思うんだけど…」

「はぁ!?そんなんアカンに決まっとるやろ!」

 

二人から三人になるってことやろ?つまり……

 

……あかん。余計なこと考えたから顔熱いわ。

 

「URAファイナルズも終わって、時期的にも丁度いいと思うんだけど…」

「ようないわ!これからもバリバリ走るんやで!?」

「それに僕は欲しいよ?」

「~~~!?」

 

そんなん実質プロポーズやん!?

なんで真顔でそんなこと言えんねん!!

 

「だから、タマモ…」

 

なんで立ち上がるんや!?

なんでこっち()よるんや!?!?

 

「あ、あかんって!ウチもアンタの子供やったら欲しいけど、せめてウチが卒業するまで待ってくれやぁ!!」

 

「……え?子供?」

 

キョトンとした顔のトレーナーが真ん前に()る。

 

……これ、もしかして、やらかしたパターンか…?

スゥと血の気が下りてくのが自分でも分かる。

 

「えっと……僕は犬とか猫とかペットを飼おうって話を「だあぁーっ?!」

 

掛かってて気付かんかったけど、トレーナーが持ってるスマホにペットの話が書かれとるネットの記事が写っとる。

これやとウチが恋愛クソボケウマ娘みたいやんけ!!!

 

「だから、その……ごめん」

 

きまり悪げな顔のトレーナーが頭下げよる。

 

「なんでアンタが謝んねん!!!」

「いや、紛らわしい言い方だったなって…」

「そこは謝らんとビシィってツッコミ入れてぇや!そっちの方が助かるわ!」

 

苦笑いでも愛想笑いでも、なんでもええから笑いになった方が百万倍マシやわ!

謝られると、こっちが申し訳ないわ!

 

「いや…その…僕もタマモとの子供なら…欲しいなって…」

 

トレーナーが赤い顔で照れくさそうに頬を掻きよる。

 

……そんなマジっぽい反応されると、こっちまで恥ずくなってくんねんけど。

ま、まぁ、おかげで?この天然ボケもウチとの子供欲しいんは分かったし?ウチが恋愛ボケしてるんちゃうくて、ウチらが子供欲しいって思えるくらい好き合っとるだけやし?

とりあえず言いたいこと全部言うて、この話は無かったことにして貰おか。

 

「あんな、トレーナー。ウチが卒業してレース引退した後やったら何人でも子供産んだるから、それまでは『家族』二人でやっていかんか?」

 

……何言っとるんや、ウチは。

これやと子作りしか考えてへん脳内真っピンクお花畑ウマ娘みたいやんかぁ!!!

 

めっっっっっちゃ顔熱いわ…

大丈夫か?こんなナリで、がっついてるみたいに思われて、ドン引きされてへんか?

あかん、目の前に居るはずのトレーナーの顔が見れへん…

 

「ありがとね、タマモ」

 

いつもみたいな優しい声音で、いつもみたいにちょっとズレた返事が返ってきよる。

ギュッとつぶってた目蓋を開くと、ほんのり赤い顔でトレーナーがニコッとはにかんどった。

 

「ペットの件はやめとくよ。これからも君と二人で走っていって……卒業して本当の家族になったら、また新しく家族計画を立てよう?」

 

相変わらずほんのりズレたようなこと言うとるけど、

 

「そんなんプロポーズみたいやん?学生にプロポーズしてええんか、トレーナー?」

「予約みたいなものだよ。正式なプロポーズは卒業してからにさせてもらうよ」

「ウチはとっくの昔にアンタに貰われたもんやと思うてたけどな」

 

ちょっと上手い返しできたわ。ドヤっとこ。

一線越えた時に心も体もアンタのモンになってしもうたからな。

 

ギラっとトレーナーの目が光って、後頭部にでっかい手が添えられる。

これあかんやつや…

何が刺さったんか分からんけど、火ぃ点けてしもうたらしい…

 

「……ごめん、タマモ。乱暴するかもしれない」

「そう言うて乱暴したことないやん。ええよ。好きにしてぇな」

 

後頭部に回された手に力が入る。トレーナーの顔がゆーっくり近付いてくるのが見えて、慌ててギュッと目ぇつぶる。

 

そしてーーーーー

 

 

 

 

 

ガタガタっとトレーナー室の扉が音立てよる。

 

「……。」

「……。」

 

ムードぶち壊しやで…

目ぇ開けると、すんごい複雑そうな顔のトレーナーと目ぇ()うた。今まででこんな顔見たことないで…

 

……静かにしとると、またガタガタっと音して扉の方から声がしよる。

 

「やめろぃ!オグリ!それは無粋ってもんでい!」

「そうですよ、オグリちゃん。ここは見なかったことにして、一旦帰りませんか?」

「なぜだ?話は終わったみたいだぞ?」

 

……。

 

 

 

無言でトレーナー室の扉まで行って、開く。

 

「タ、タマ…」

「ごめんなさい、タマちゃん。お邪魔するつもりじゃ…」

「タマ、これから四人で併走しないか?」

 

「オグリぃ……言い残したことはないか…?」

「ん?どうした、タマ?」

「歯ぁ食いしばれやぁ!!!」

 

 

 

 

 

翌日、オグリが何気なく「タマがトレーナーの子供を産む話をしていた」とかいうアホみたいな端折(はしょ)り方しおったせいで、ウチとトレーナーは理事長室まで呼ばれることになった。

そうはならんやろ!

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