走ることしか考えていないサイレンススズカと効率的に勝つ方法を考えるタイプのトレーナー。あと割と理解のある友人一同。 作:サイレンススズカ専属トレーナー
これは、実質的に環境下で最大値が存在しないことが理由です。1601Ucと見せかけて因子でさらに上がるんですよね?スピード継承はしないので解らないですけど。
なので、スピードが1~1200でしか変化しません。よって、ゲームよりスピードの値による壁が分厚くなってます。ブルボンはスペちゃんにワンチャンありそうなステ差ですけど、無いです。
まあそんなの関係ない化物もいっぱいいますけどね!
「音声作品?」
「はい。スズカさんいつも大変そうなので、ちょっとでも助けになれたらなって」
ある日。エルナトのトレーナールームにスペシャルウィークが来ていた。宝塚記念で最終決戦が行われると報道されまくり実際その通りになるだろうけど、それはそれとして二人は仲良しである。放課後喋る場としてエルナトが選ばれることもまああるわけだ。
ただ、ここではスズカは普通にお菓子を食べるけどスペシャルウィークは食べられないので毎回やや辛そうにはしている。物凄い音でお腹を鳴らしている時もある。
「風の音とか、そういうのをちゃんと録音したやつです」
「へえ……ありがとうスペちゃん。聞いてみるわ」
「お試しなので専用のイヤホンも渡しておきますね。私達で使い回してるやつですけど、気にしないなら」
「そういうのもあるんだ。ありがとうね」
イヤホンを渡され、早速着けるスズカ。音楽プレーヤーにそれらが入っているようで、そのまま目を閉じて聞き始めた。
「流行っているの?」
「ですね。最近セイちゃんが不眠気味だって言うのでみんなで探してたらハマっちゃいまして」
「じゃあ睡眠導入の方がメインなんだ」
「そ……うですね。なのであれですよ、人の声とかもあります」
「へー」
セイウンスカイ、大丈夫? よその子とはいえ心配ね。
「スズカさんのせいですけどね」
「えっ」
「みんなスズカさんに勝つためにやってるんですよ、色々と。スズカさんはそういうのないでしょうけど」
「もちろん。必要ないからね」
「……はあ。ブルボンさんはこういう人になっちゃダメだよ」
「善処します」
スペシャルウィークはすぐ私に圧をかけるんだから。でもまあ、圧の強さとかでいうならスズカやブルボンの方が強いわね。大体実力に比例するけど、スペシャルウィークはなんというか、明るさの方が印象が強くてあんまり感じないのよね。
「ふぅ。うん、良い感じ」
話しているうちに聞き終わったのか、イヤホンを外すスズカ。一息ついて立ち上がると、そのままの流れで制服を脱ぎ始めた。
「こらこらこら」
「スズカさん!? ダメですよ!」
「落ち着いてくださいスズカさん。今日は許可は出ていません」
「出てるわ。聞こえるでしょ? 風の音、葉っぱの擦れる音……これは外が私を呼んでいるということなの。そうじゃなきゃおかしいわ」
「何言ってるんですか?」
ブルボンとスペシャルウィークに止められつつ、それでもなお脱ごうとするスズカ。よく見るとスカートは既に脱いでいる。あまりにも早すぎる脱ぎっぷりに、慌てた二人が両手をそれぞれ掴んで止めた。こう見るとブルボンはまだギリギリ片腕で動かされているが、スペシャルウィークには余力がありそうだ。
……さて。
スピードSS+
スタミナB+
パワーS
根性A+
賢さB+
スピードA
スタミナA+
パワーA+
根性A
賢さA
スピードB+
スタミナA
パワーB+
根性C
賢さC
うーん相変わらずスズカのステータスには惚れ惚れする。伸び率としてはスズカは大したことはない。しかし、一番伸びないスピードというステータスで圧倒しているから、他で負けていようがレースについては問題にならない。
それに、スピードを一切伸ばす必要が無いのだから、他のトレーニングに偏重できるという利点もある。パワーや根性がそうだ。この先もスズカが負けることはないだろう。
しかしスペシャルウィークも素晴らしい。全体的に高いステータスにスピードもある。よくここまで仕上げられるものだ。流石は私みたいなインチキ無しでトレセンでベテランとしてやっていけているだけある。
そしてブルボンも強くなったなあ、と。今なら距離にもよるけど、スタミナを使って脚を使えばスズカと張り合えるかもしれない。もちろん脚質と最高速度的に勝つことは無理だが。
「聞いてますかトレーナーさん。トレーナーさんからも何とか言ってください。私は外で走らなければいけないと」
「いけないことはないでしょ」
「だってまだ聞こえるんです……私を呼んでいます……」
「責任とってスペシャルウィーク。スズカが壊れちゃったじゃない」
「別に変な音声じゃないんですけど……」
ウマ娘用のイヤホンは私には使えない。部屋にあったヘッドホンを着けて聞いてみるが、まあ普通の環境音って感じ……あっ耳が気持ちいい……ASMRって感じね。
「環境音で我慢できなくなっちゃったのよね。ほらおいでスズカ。落ち着きなさい」
「落ち着いている場合ですか? 呼ばれたら行かないといけないでしょう」
「呼ばれてないのよ」
「でも確かに聞こえるんです」
「スズカさんってここまで酷かったっけ……? 悪化してないですか?」
「外的刺激に弱くなっているのは間違いありません。絶対的に走行量が減りましたので」
「ほら! 走る距離が減ったってブルボンさんも言ってます!」
「余計なことを言ったようです」
「めちゃくちゃさ加減はあんまり変わってないんですけどね」
昔聞かせた環境音はそんなに効いてなかった気がしたけど、やっぱり質かな。それとも単なる相性? どちらにせよ、珍しく私が抱き締めてもなお抵抗して逃げ出そうとするスズカ。とりあえずスカート穿こ?
しばらくの攻防戦の後ギリギリスズカを収めることに成功し、服を整えさせ俯せの上に乗る。重いとか言われた。重くないって。マジで。めちゃくちゃ気を遣ってるんだからね。
「理不尽です……思わせぶりな態度をして、いざ私が乗り気になったらお断り……私がそれでどれだけの我慢を強いられると思ってるんですか?」
「ランニングの話よね?」
「当たり前です……今それ以外に何があるんですか。音は聞こえるのに肌に風が当たらない、こんなの拷問です。私は三人とも制圧して走りに行っても良いんですよ。感謝してほしいくらいです」
「感謝してるわ」
「感謝の意とは言葉ではなくランニングです」
「感謝するのはやめるわ」
「あっ……ぅ……」
感謝の代わりに背中のマッサージを始めて黙らせる。ゴリゴリに関節を立てて静かにさせて、腰掛けたまま、思った十倍平然としていた二人に向き直る。ブルボンはともかくスペシャルウィークは久し振りなのに流石ね……と思ってたけど、この子はこの子でぶっ飛んでたわね。スズカがあまりに寮に帰らないから完全に部屋を独占して、たまに帰ると追い返したりするらしいし。
本当にスズカのこと尊敬してるんだろうか?
「もちろん。それはずっとしてますよ。初めて見た時のスズカさんの走りはずーっと覚えてますから」
「そうなの」
「それはそれとして突然帰ってこられるのは片付けの都合もあるのでやめてほしいとは思ってます」
「二人の部屋よね……?」
実家の親かよ。
「しかしこれは有益なデータです。人は良質な音声刺激で狂うと」
「そのデータから何が解るの」
「マスターも同様かと」
「は?」
「なるほど……?」
「何がなるほどなんです?」
またスズカが変なことを思いついたらしい。
「つまり、トレーナーさんに音声を聞かせて狂わせればいくらでも許可が貰えるように……?」
「ならない。ならないから」
「ブルボンさんもいくらでもスパルタできるように……」
「直ちに作成しましょう。トレセンになら機材もどこかにあるはずです」
「ありそうなのが怖いですね」
「私の職場よ、一応」
でもありそう。ウマ娘が言ったら何でも用意しそうだものね、理事長、ウマ娘のためなら文字通り何でもしそうだし。
妙なことを思いついた結果、何やら話し合いが始まった。スペシャルウィークが止めてくれるかと思ってはいたものの、彼女にとってはブルボンの強化は望むところだし、スズカのランニング禁止はまだ勝負とは関係ない。勝負とは関係ないならスズカが喜ぶようにするだろう。
「スペシャルウィークは止めてくれたり」
「いや……うーん……正直スズカさんのASMRは聞いてみたいですから……」
「ねえ」
「良いじゃないですか。恋人のASMRですよ」
「恋人じゃないもの」
「時間の問題だってスズカさんが」
「スズカ」
「あっスペちゃんそれは内緒の話って……」
私のことを何だと思っているの。スペシャルウィークもおかしいと思わなかったの?
「むしろなんで付き合わないんだろうって……だってスズカさんの話を聞いてると、もう本当にただの恋人というか……最近また距離が近付いてませんか?」
「気のせいでしょ」
「そうなんですかね?」
そうなのよ。
────
「いや、待ってくださいトレーナーさん。ダメです。ちょっと、もう無理みたいです」
「何が?」
「いやもう、本当に……ずっと頭の中で音がしてて……お、おかしくなりそうです……」
「ええ……」
スズカを宥めながらさらに一時間ほど。スペシャルウィークも交えゆっくり話していたんだけど、突然にスズカがキマった眼で私の肩を掴んだ。尻尾がぴんと立っているし、ダル絡みというより爆発寸前でゆっくりとこちらを見ているあたり、本当に限界なのかもしれない。
「……本当に限界そうね」
「ですね。こんな死んじゃいそうな顔一週間ぶりくらいです」
「これは許可ですか、マスター」
スズカ検定一級の二人もこう言っている。無意識に制服を脱ごうとして、それを止めてを繰り返すスズカ。多大なストレスで脳がやられてしまったのかもしれない。うーん、流石にか。
「解った。じゃあ」
「走りに行って良いんですか!!??」
「うん……まあ……」
これはしょうがないか。スズカにはたくさん我慢させているけど、別に絶対に走るな、って話じゃないからね。特に今はレース前でもないし、そこまで固く禁止をする必要は無い。普通に許可を出そう、とぴりぴりのスズカに話しかけようとすると、その前に、スペシャルウィークが割り込んできた。
「じゃあ、私と一回併走しませんか? 勝ったら走って良いってことにしません?」
「スペシャルウィーク?」
「私も参加します」
「ブルボン?」
「それで良いわ。早くして。何でも良いから走らないと死んじゃいそうなの」
「スズカ?」
私ってトレーナーよね? こんなに勝手に物事が進行するの?
呆れている間にどんどんと話が進み、芝左回り2200mが勝手に始まりそうになっていた。とりあえず勝負になりそうなのでオーラを出し始めるブルボン、それに気付いてはいるがそこまでの威圧感はないスペシャルウィーク、そして勝てば走れると聞いた瞬間から圧がダダ漏れのスズカ。これは止まらないわね……スペシャルウィークのトレーナーも、スズカとの経験を止めるとは思えないし。
「終わったらそのまま走りに行きます……トレーナーさんは準備をしておいてください……待つことがあれば待たずに行きます。絶対です。スぺちゃんも、準備が遅れたら知らないから……」
「ちょっと! 早すぎます、す、すぐ準備して許可を取ってくるので! お願いしますね!」
「マスター。スズカさんとの対戦にあたり、作戦コードS、サイレンススズカ対応モードの発動を要請します」
「……許可しないわ。別途目標タイムを設定するから、その通りに走るように」
「承知しました」
……ま、いっか。
トレーナーASMR
→咀嚼音や筆記具の音なんかを持ってくる
ブルボンASMR
→自分では作れないのでライスに助言と手伝いを求めた結果、ミホライ囁きボイスを持ってくる
スカーレットASMR
→周波数音声を持ってくる
スズカASMR
→風の音がボボボボボボ!!!!