ぴちょん、という
そこからヘスティアがスラスラと人差し指を動かす様は、まるで指揮者。
その途中にヘスティアは、ん?と眉を寄せる。
なんかくっついてる。
正確に言えば、すでに何かが発現されているようなものだ。
しかしそこはヘスティア、まぁいっかーと軽い気持ちでそれをぽいぽーいと引き出していく。
「……はい、出来っ――ぅえ!?」
だから、ヘスティアはその『ステイタス』を見た時に驚いた。
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ミーシア 14歳 Lv.1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
魔法
《ソング・マジック》
・派生魔法
・起句『【我は奏者、その手を振れ】』
・解句『【我は奏者、かの手は現】』
・追加詠唱、派生詠唱により効果は変化
・追加詠唱 前奏曲『【息を吸え。今始まらん】』
・派生詠唱《一章
・対象の模倣。
・対象との信頼度により効果に補正。
・派生詠唱『【それは愚者。笑みを纏う我は、旅の最中に偽りを被る】』
《》
《スキル》
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魔法枠が二つ、なのはどうでもいい。
問題なのはそのうちの一つ、《ソング・マジック》だ。
音楽という要素を兼ねた、恐らくこれまで存在し得なかった魔法。
そしてその下の、追加詠唱と派生詠唱。
どう見ても「これから増える」という布石ではないか。
「えっ、ど、どうしましたか……?」
「っあぁ、いや……その、魔法が発現していてね」
「えっ、ミーシアさん魔法があったんですか!?」
えっ、とミーシアが言う前に少し離れていたベルが反応する。
「あぁ……だけどちょっと良く分からないから、ベルくんも一緒に考えようじゃないか。ほらミーシアくん、服を」
良く分からない、とはどういう事だろう。
彼女はいそいそと服を着直し、近くの椅子に座る。
「まぁ、これなんだけど」
三人が揃い、丸いテーブルを囲む様になった所でヘスティアが紙を置いた。
「派生魔法……?」
「恐らく詠唱の用途によって大きく変わるんだろう。けど、なんだか複雑だね」
ヘスティアの言葉に、三人揃って首をうーんと傾げる。
「ですね。しかもこの対象の模倣っていうのも曖昧といいますか」
そうなのだ。
彼女が言うように、「対象の模倣」だけだと何もわからない。
モンスターにも効くのか、あるいは神にも効くのかというところである。
「多分神には効果は無いだろうね。模倣できるのは恐らく
「うーん……詠唱してすぐに爆発する訳でも無いでしょうし、何度か実践が必要そうですね」
「まぁ、これから分かればいいさ。取り敢えず凄いんじゃないかって事は分かったんだし、今日はパーティーだ!」
そのヘスティアの元気な宣言に、二人はおーっと声を漏らす。
「となればさっそく
「はいっ!」
元気よくベルが返事を返し、一拍遅れてミーシアも付いていく。
後ろに続く彼女の手には、丁寧に折られた『ステイタス』の紙が握られていた。