ランサーで第5次聖杯戦争   作:指が痛い人

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問題、今回遅れた理由は次の内どれでしょう?


1:単純にめんどくさくて忘れてた。
2:副作用で死んでた。
3:腹痛による死亡。

さぁ~一体、どぉーれだ! 答えは後書きにて。


戦闘の第九話

 アーチャーのその姿はまるで一筋の赤い弾丸のよう。そしてそれを迎え撃つは槍の一撃。

 アーチャーが拳銃だとしてそれを迎え撃つランサーはまるでライフル。斬りかかるアーチャーを目で追えない速度で槍を振るい、いなすランサー。

 本来、ランサーの槍のような長物ではアーチャーのような短剣による連続した斬撃には対処しずらいモノ。しかしランサーはアーチャーの動きをまるで知っているかのように予め刃の当たる場所へと槍を置き、斬撃を往なす。本来なら神業と呼ばれるそれは既に何度も行われている。それはもうほとんど未来予知と言って良いほどの技術であり、流石は英霊と呼ばれる存在なだけはある。

 対してアーチャーも中々自身の間合いに入り込めずに苦戦しているようだったが、それでもランサーからの攻撃にはその脅威的な反応速度で対処していきこれまた人間離れしている技術とも言える。

 

「結局弓兵でありながらその利点を捨てるか……ますます面白い」

 

 やがてランサーは攻め手を変え、守りから攻撃へと移る。槍の持ち方を変えると自身の射程ギリギリの戦いではなく間合いを詰める。本来ならばアーチャーの独壇場となるはずの間合いなのだがそれでもランサーの猛攻に苦戦し、ジリジリと押され始めて来た。

 本来、ランサーにとって短剣での間合い、つまりは超接近戦に当たる間合いは自殺行為に近い。わざわざ自身の利点である遠距離からの攻撃を捨て、相手の間合いであり、自身にとって最も攻撃しにくい距離で戦うだなんてナンセンスだからだ。だけどこのランサーは余裕の表れかそれをいとも簡単にやってのける。それもムカつく事にランサーは現在槍の攻撃方法である薙ぎ払いをする訳でもなく、息もつかせぬ突き技のみでアーチャーを追い詰めてるのだ。

 その突き技も一突き一突きも確実にアーチャーの命を刈り取ろうとしている所がタチが悪い。油断したわけでもなかった。むしろ格上と戦う心構えまでしていたが現実はどうだ。完全に弄ばれている。

 幾度となく自身の獲物をぶつけ合う際に発生する火花と鉄の弾ける轟音。少しでも隙を見せようものならば確実な死が待つその戦いに狙いの甘い魔術しか使えない私が介入する余地はなく、ただその戦いの戦況を見守るしか私にはできない。

 そして見守る中私はその超越した武術のぶつかる戦いに正直、少し見惚れていた。本来であれば決して現代の魔術師では使役する事の出来ない最高ランクサーヴァント同士の戦い。人間の介入する余地は全くなく、英霊(化け物)には英霊(化け物)をぶつける他戦う手段が存在せず、ただ一つの願望器をめぐり争う戦いこそが聖杯戦争そのものだと。

 

「これで、チェックです」

 

そんな高レベルな戦いが繰り広げられる中、一際高い剣戟。それをまともに防いだ結果であろう、アーチャーの持つ短剣はとうとう限界を迎え砕けてしまう。目を見開くアーチャー。その隙を当然ランサーが見逃すはずもなく。刃を立て、確実に心の臓へと届く一撃を見定め狙う。

 

ランサーはここで勝負を決めるつもりなんだわ。

 

彼女は自身の動きと共に一歩踏み出す。そして繰り出されるはこれまで一度も行う事の無かった薙ぎ払いであり、それは突き以上に強力な一撃。錆びてくすんだ白の槍はまさに彼女の言葉の通りこちらにとって積みの一撃。これが決まればアーチャーの命は無く、私はあえなく敗退する結果となるだろう。

 

だが。

 

――――その一撃は届く事は無かった。

 

「――――やはり」

 

アーチャーの無手だったその手は再び短剣が握られていた。先ほど砕かれた短剣と同じ、()()()()()()()()()()()()()と呼ばれる短剣を思わせる真っ黒に染まった剣。

 

【……? ―――なッ!?】

 

先ほどまでの追い詰められ、苦戦していたはずなのに先ほど同じ殺気を高ぶらせる。まるでまだ勝機があるかのように。そしてその姿には違いがあり、その最大の違いは―――――――二振りである事。

 

「動きから予想はしていましたがやはり二刀使いでしたか……道理で動きにムラがあると―――」

 

二振りの短剣。ナイフと言うには大きすぎ、短刀と呼ぶには一回り小さい。両手に握られていたそれは寸分違わぬほど正確な双剣であった。

 

「アーチャーと言うクラスを得てなお、剣に拘るその心は私には眩し過ぎる――――!」

 

先ほどよりも濃厚な殺意を滾らせるランサーは、その獲物を縦横無尽に扱いアーチャーへと襲い掛かる。必要以上に槍を振るう姿は、先ほどの突きを主体としていた戦いと比べるとていた時と比べるがもはや――――別物。確実にアーチャーを殺さんとすとばかりに槍の速度は増して行く。耳を打つ剣戟は回数を増して行きまるで音楽のよう。火花を散らす剣合は耐えどなく、限りなくその速度を上げてゆく。両者の戦いに既に優劣はない。ランサーと比べると絶望的だった状況だが、アーチャーはその差を技量のみで同等のレベルにまで押し上げ、イーブンの戦いにまでもってきている。しかしその剣戟は本来ほんの一瞬の出来事。しかし見ている私には長く、息が詰まるほどの時間に感じられた。

 

命を刈り取らんとしつつも懐に入られまいと間合を保つランサーと、その一撃一撃を双剣でいなし盾にしながら間合いを詰めるアーチャー。

両者の打ち合いは既に百を超え、更に回数を重ねその都度アーチャーは自身の獲物を砕かれる。だがそれも一瞬、次の瞬間には既に別の獲物を持っている。

時にファンティングナイフの形のものもあればコマンドナイフに加えグリーンベレーナイフ、ピコピコハンマーに至るまで、様々な種類の形をした短剣……武器、をその手にしランサーの猛攻を防いでゆく。

 

【ピコピコハンマーぁ、なんでさッ!?】

 

偶に混じる奇想天外な武器を目の前にランサーは驚きが隠せず、その都度わずかに後退していく。事此処に至り、ランサーは己の未熟さを認めたのだった。目の前の者が何者か知らぬ。だが、これ以上この奇策を打ち出す弓兵と打ち合っていては敗北するのは己だと。その瞬間、間合が離れる。仕切り直しの為にランサーは大きく間合を離した。

 

……なによあの速さ、尋常じゃないじゃない。

アーチャーの突進も常軌を逸した速さだったけれどランサーのは度を越した速さ。アーチャーを自転車と例えたなら、ランサーの速さはまるで戦闘機だ。それに加え咄嗟に間合いを外したランサーの動きは常軌を逸していて、まるで体の一部を急加速させたかのような奇妙な動きで、普通の人間には到底行える動動きとは思えない。それに加え際に発生した突風、相当素早く動いているんだろう私の元まで強く吹き荒れた。

 

「……貴様の剣はこの打ち合いのみで既に40は砕いているはず、一体幾つ剣を保有してるのだアーチャー」

 

困惑しているような声色で呟くランサー。まるで得体のしれない未知のモノを見ているかのような表情でアーチャーが持っているハリセンを見つめる。

 

……でも、それは私も同じ。父の話では本来、サーヴァントが持つ武器は例外もあるけど大体は一つ。それぞれが絶大な魔力を帯びた彼らの武器は、アーチャーのように次々と出せるものではない。それに加えてその出す武器も現代の代物ばかりであり、偶に今持っているハリセンのように変なのも混じっている。あれがサーヴァントにとって唯一無二の切り札でもある宝具とは考えにくい。むしろピコピコハンマーやあのハリセンが最終兵器だなんて考えたくもない。でも、よく考えなくても彼のクラスはアーチャーだ。故にその宝具も弓に関するモノでなければならない。でもそうすると一つ疑問が残る。何故アーチャーが手にする名刀は、一本一本が現代にあるような軍用ナイフの形をしているのだろうか―――。

 

「先ほどまでの勢いは何処へやった、ランサー」

 

言葉を掛けられるランサー。先ほどまで未知を見ているようだったその表情は、言葉に反応するかのように変わって行き納得した表情へと変わる。

 

「―――なるほど。貴様、贋作者(フェイカー)か」

 

フェイカー……偽物? 

 

私の疑問も他所に突然アーチャーへとそう言い放ったランサーは先ほどの表情とは打って変わり無表情へ変わる。……だけどなんとなく分かるんだけど相当苛立っていると思う。ランサーはクラスの通り槍兵として戦いアーチャーへに戦いを挑んだ。しかしその戦いも弓兵として相手されるのではなく、ふざけた武器を使う剣士として戦い、これを凌いでしまった。この結果は先ほどの発言を考えるに相当プライドと実力を有した騎士だと思われるランサーにとっては相当な侮辱にも感じただろう。そう考えるとランサーが苛立つと思うのが普通。

 

「いきなり私を偽物呼ばわりとは……君こそ、あの立ち回りを見るに今手にしている獲物は本来の獲物とは違うのではないか?」

 

アーチャーの問いに無言で槍を向け答えるランサー。図星……ってことかしら。確かによく見ると槍の大きく塗装が剥離している部分、つまりはよく握るであろう場所と彼女が握っている場所は全く違う。

 

「ぺらぺらと良く喋る……いいだろう。剣の使える弓兵はいざ知れず、二刀使いの者は聞いた事がない。貴様、何処の英霊だ」

 

「そう言う君こそ、一体何者なんだ。最初はあの繊細で大胆な魔力の使い方をする点と女の槍使いという事から北欧神話の戦乙女の1人であり、竜殺しの英雄の伴侶かと思いもしたが彼女に伝わる伝承と騎士と名乗った君は合致しない。それにそのような有名な英霊が、オーディンから授けられた自身の宝具でもある槍を持ってこないはずが無いんだ。――――一体君は誰なんだ」

 

 

 

「―――ならば、この宝具を受けあの世で誰かを予想してみるがいい」

 

刹那、あまりの殺気に呼吸を忘れる。

 

ランサーの構えが変わる。矛先をアーチャーへと向け突き出し、まるでクラウチングスタートかのように姿勢を低く沈む。それと同時に彼女の背に視界が歪むほど濃厚な魔力が集められ、圧縮されていくのが分かる。

思わず息を飲んだ。これだけの魔力量、お父様が残した形見の宝石の何倍以上……私が同様の魔力を集めるとしたら恐らく生涯をかける事になるだろう膨大すぎる量じゃない。帽子の影の中で怪しく光る緑にも近い黄色をした瞳は、一直線にアーチャーの命を刈り取ろうと捉え続けている――――

 

「――――準備は良いか、アーチャーッ!」

「宝具か……止めはしない。君はこの戦争を勝ち残るには必ず越えなければならない障壁だ。ただその機会が遅いか早いか、それだけの事だ」

 

その瞬間、校庭に茨のような悪寒が蹂躙する。空気が凍り、あまりの殺気に呼吸を忘れた。さっきまでの戦いはほんの手探り、これからが本当の殺し合いだ。そう言わんばかりな濃厚過ぎる死の気配を乗せた殺気を私へぶつけられては無いはずなのに全身で感じることが出来た。それと同時に私の視界には信じたくもない光景が目に入る。

 

アレは―――一体なんなの。

 

あの古びた槍は予想もつかない物だ。全体に罅が入りはじめそこから漏れ出す濃厚過ぎる魔力の渦は、今か今かと本当の姿を晒し敵を貫かんとする瞬間を待っている――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――まずい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このままでは確実にアーチャーはやられる。

ランサーが持っているあの槍がどんな宝具かは分からないけど、アレはどう考えたって規格外。私達じゃ到底敵いっこない何かを秘めた物だ。

そういえば神霊に近しい何かを相手している事を忘れていた。そう考えると当然よね、アーチャーがアレだけ善戦したのもランサーにとってはお遊びの延長戦。出会った時、既に自身の勝利を確信していたからこそ、あのような当たり前のように勝利したと言う態度をしていたという事だったのね。

 

あれが槍が解放されればアーチャーはどんな抵抗も虚しく敗北する。ランサーにこれ以上宝具を解放させられたら確実にアーチャーの命は刈り取られ死ぬだろう。そう予想出来ていても私は助けに入る事さえできない。私が少しでも動こうものそれが開戦の合図と見なされてしまうから。……だからこの戦い、アーチャーの死を止める事が出来るとしたらそれは―――――

 

「―――何者だッ!」

 

――――想定外の出来事。偶然という第三者の登場に他ならない。

 

「……え?」

 

ランサーからにじみ出ていた濃厚な魔力の渦は成りを潜め、死の気配と共に殺気も消えた。

走り去る足音。その足音の後ろ姿は、見間違い様もなく学生服。

 

「生徒!? まだ学校に残っていたというの!?」

「そのようだな凛。しかしおかげで私達は命拾いしたようだ」

 

冷静に言い放つアーチャー。……いや、まぁ確かに助かったのは事実だけど。

 

「……失敗した、ランサーに気を取られて周りの気配に気付かなかった……って何をしているのよアーチャー」

「見て分からないか? 手が空いたから休んでいる」

「んな訳ないでしょ! ランサーはどうしたのよ」

 

呆れた目でアーチャーを見つめるが当の本人はそれに対し苦笑いを浮かべる。

 

「さっきの人影に気を取られた瞬間にはもう消えていたよ。流石は最速の英霊が選ばれるというランサーだ。まさかあの一瞬で気配すら覚らせずに消えるとは恐れ入った」

 

先ほどまでランサーが構えていた場所には既に姿は無く、そこに居たという痕跡しか残ってはいない。目の前の敵を放り出して一体何処に――――

 

「恐らく先ほどの人影を追っていったのだろう。目撃者だからな、消しに行ったのだろう」

 

アーチャーの言葉を理解した瞬間、一瞬。

 

「―――――」

 

ありとあらゆる思考が、停止した。




皆分かったかな? 答えは三番の腹痛による死亡。でした! 

ちょっと朝から調子が悪くてですね……牛乳飲みすぎたかな?  

それでは次回。

原作ルートはどれがいいですかね?

  • セイバー
  • 遠坂チャン
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