ランサーで第5次聖杯戦争   作:指が痛い人

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途中から自分でも何を書いてるか分からなくなって来たぜ!


カオスを改善、バランサーの登場、そして更なるカオスな21話

 俺がランサーを召喚した事によりさらにカオスを極めた衛宮邸。モードレッドが牙を剥き、相棒が殺気だって槍を構え、相棒セイバーが自分と相棒との明確な格差に憤怒を露わにし、アーチャーは何でさと嘆きながらも右手にハリセンを左手にピコピコハンマーを手にする。約二名オカシナ奴がいるがそこは超人であるサーバント。それぞれ劣らない殺気を放ちながら一触即発な雰囲気となるこの状況、それぞれマスターである俺達は"あ、此処が墓場か……"なんて考え始めた頃突然それは現れる。

 

【両者、矛を収めてください!】

 

 頭に響く女性の声。美しいその声は頭の中をまるで浸透するかのように澄み渡り、その言葉に従わなければ行けないと言う謎の強制力があった。だからだろう、超常の存在である殺気立っていたサーバント達はそれぞれの矛を治め始めた。そして、俺はこの状況に妙な既視感を感じる。具体的にはルーマニアを走り回ってた頃に感じたソレに近かった。

 

「っげ、まさか……」

 

 サーバント達の向き合う中心地点。大広間に置かれている机に幾何学模様が光浮かび、一目で何かしらを呼び出す召喚魔術の魔法陣と分かる。そしてそこから現れるは長い金髪を輝かせ手には旗を、腰には剣を持つ純白の鎧に身を包んだ女騎士だった。

 

「我はルーラー、真名をジャンヌダルク! 此度の聖杯大戦を管理する為に聖杯より召喚されました」

 

 ランサーとは別のベクトルで神々しい雰囲気を醸し出しているは彼女、ジャンヌダルク。フランスの百年戦争においてオルレアンの乙女と呼ばれた救国の英雄だ。そしてその英霊が宿る肉体の持ち主は────

 

「や、やぁレティシア。ひ、久しぶりだねぇ」

「……もうお姉ちゃんとは呼んでくれないんですか?」

 

 ────ルーマニアで暮らし、様々なトラブルを解決していた頃に俺とルームシェアしていたある種の幼馴染だ。

 

「本来なら起こりえぬトラブルが起こり此度の戦いは聖杯戦争を超え、数多くの英霊が争う聖杯大戦へと至りました」

 

 レティシアに憑依した英霊ジャンヌダルク。彼女の指示により彼女が召喚されたテーブルを挟んで俺達はその場に座り、彼女の話に耳を傾ける。何故荒馬であるサーバントがすんなりと彼女の言葉に従い、座っているかと言うと調停者であるルーラークラスの権限は呼び出された使い魔にとっては絶対服従。それは今回のこの戦いが聖杯大戦であるのなら、その絶対的なルールは変わらない。何故この事を知っているかと言うとルーマニアにいた頃に遭ったトラブルは、英霊とその影と言う違いは有れどまさしくその大戦だったのだから。故にサーバントも聖杯戦争も知らなかった俺だけど、この件に関して前大戦の当事者なので詳しいのだ。

 

「ですので本来呼び出されるはずの無い私がこうして呼び出されたのです」

 

 各員沈黙。それもそうだろ、ランサーの話では聖杯から齎される知識には聖杯大戦に関するモノは無かった。だからこそ遠坂チャンやそのサーバントであるアーチャーも疑問を浮かべているしモグモグと俺が提供した大きな饅頭を食べる二人のセイバーも同様にハテナマークを顔に浮かべていた。だからこそ、聖杯大戦に関して知識のある俺が最初に声を上げる事にした。

 

「さてさて、それじゃそれぞれの情報をすり合わせて状況の整理と行きましょうや」

 

 過去に彼女から聞いた話だと聖杯大戦は本来あり得ざるイレギュラーが起こった時に切り替わる、聖杯にデフォルトに組み込まれたシステムの総評らしい。だからこそ俺はそれぞれ持っている情報のすり合わせをしてその原因を知る事が重要だと思った……んだけど。

 

「知る必要はありません」

「なッ!?」

「まったくだ、父上の言う通りだぜ」

 

相棒セイバー、そしてモードレッドが俺の提案を突っぱねやがった! 

 

「私とマスターに立ち塞がる障害は全て斬ります」

「敵が増えようが私が全て切り伏せてやる!」

 

何と言う脳筋、でもある種合理的な考えに俺は言葉を失った。流石は血のつながった親子、考える事は同じかよ。重い空気、何故か始まった俺と彼女のマスターである衛宮との視線とモールス信号による静かな戦場が此処に始まり、そして――――。

 

【早く訂正させろバカ! もしくはお前が彼女達のマスターなんだからお前が責任取りやがれ!】

【なんでさ!】

【さもないとお前の頭を丸刈りにすんぞ!】

【……揚げ出し豆腐】

【すまなかった衛宮、今のやっぱ無し】

 

――――今ここに戦いが終結した。

そしてその後に訪れるのは耳が痛くなるほどの静粛、カチカチと壁時計の秒針の音のみ聞こえるこの空間で最初に声を上げたのは俺の相棒だった。

 

「あのー」

「何でしょうランサー」

「所で、私のマスターとは一体どういうご関係で?」

「姉です♪」

 

 空気が凍り付き先ほどと同様の殺気が部屋を包み込む。そしてセイバーがランサーの胸を睨み付け、アーチャーが俺に生暖かい目線を送って赤のセイバーが欠伸をした。オイオイオイオイオイオイ、相棒もだけどこの聖女を纏ったアホは何言ってんだコイツ! 嫌な予感が頭を過った俺は下手な事を言い出す前に何としても彼女の口を塞ごうとするが……遅かった。

 

「あ、正確には将来を誓い合った仲ですけどね♪」

「……マスター、一体どういう事なのでしょうか?」

「ッ!」

 

 その瞬間俺の中にある生存本能がこれまで経験した事の無いほど爆音で鳴り始め、俺はその本能に従い咄嗟に顔面を目の前の机へと叩きつけるように下げた。こういう時の俺の勘は大体正しいようで直後、後部にひやっとした感覚が通り過ぎる。

 

「ひゃッ!?」

「おい、マジかよ」

 

 遠坂チャンと衛宮の驚く声が耳に入るも後頭部に走った感覚に驚きながらも俺は恐る恐る頭を上げると……ヤバイモノが目に入る。

 

「や、槍が刺さってやがる」

 

 視界に映るは壁に突き刺さる見覚えがあり過ぎる白い槍。まだ突き刺さったばかりのようで細かく震えている……こ、こえぇ。コイツ冗談抜きに本気で俺を刺しに来やがった。

 

「ら、ランサーさん。何でこのような事をしたのでしょうか?」

「自分の胸に聞いてみてはいかがですか、浮気者(マスター)?」

 

 あ、アレオカシイな。何だか俺を呼ぶ声に副音が聞こえるぞぉー それも中々に不名誉過ぎる名称が聞こえるぞぉ。突然の事に言葉を失い俺がプルプルと震えていると突頭に白髪色黒の男の声が耳に入る。

 

「なるほど、やはりこの男は同類なのか……」

 

 なんでさッ! 遠坂チャンとこのアーチャーさん、君は一体全体何者と俺とを同類扱いしたんですかね??? そんな思いも他所に今度はルーラーが口を開き、相棒へ問いかけ始める。

 

「逆に問いますが貴方は一体彼にとって何でしょうか? たかがサーバント程度で、彼に対して慣れ馴れし過ぎると思いますが……」

 

この瞬間重々しい空気がさらに重くなり、いつの間にかランサーの手には先ほど投げられた槍が握られていた。おっとやべぇ、何か別のヤバイモノが始まりそうだ。

 

「それに――――【レティシア、流石にそれは言い過ぎだと思うのですが……】――――聖女様は黙っててください」

 

あ、滅多に出てこない引きこもりな聖女様が表に出て来やがったのにレティシアが無理矢理引っ込めやがった。

 

「それにまだ彼とは出会ったばかりのハズですよね? それなのにその態度……まさか惚れやすいタイプですか??」

「ほぉ」

 

あ、長年一緒だった俺だから直ぐに気付けたけど相棒がキレた。

 

「現世に生まれ、偶然聖女の受け皿に選ばれた人間如きが既に死したとは言え英霊たる私に立てつきますか?」

 

そろそろ重苦しいプレッシャーで俺の意識が途切れ途切れになって何を話してるか全く分からねぇ。けど相棒がキレたって事はレティシアめ、相当やべぇ事をやったな。

 

「既に死した存在が現世を過ごす私と彼の関係に口を挟む権利はないと思いますが?」

 

あ、更にプレッシャーが強くなって意識が遠のくぅー 薄れゆく意識の中、まるで眠りを誘うかの如く視界が霞み出しやがてはブラックアウト。完全に意識を失った。

 

「ルーラーって、聖杯大戦って……一体全体どういう事なのよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

けれど、何故か最後に遠坂チャンが発した発狂にも似た叫びはハッキリと聞き取れたのだった。

 




【レティシア】

佐藤が過去ユグドミレニアであったトラブルが原因で紆余曲折あり出会った少女。過去に何があったかは不明だが、珍しく佐藤が苦手意識を持っている事に何やら事情があるのだろう。ハッキリ言えるのはただ一つ、彼女は佐藤に惚れてるが佐藤はニブチンなのでそれに気付けていない。
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