ランサーで第5次聖杯戦争 作:指が痛い人
A:嘘つきな虫を取り行ってました。
今回は後半を先に書いてしまった為繋がりがかなり雑です。
「さて、とりあえずはこのストーブを運ぶ事にするか。手伝ってくれ衛宮」
「おう」
俺と一緒に一成がストーブの両端を持ち生徒会室から運び出す。あのバカこと佐藤は先に燃料タンクを手に運び先の教室へと行ってしまった為に今は一成との二人。
アイツはいつも俺と一緒に行動していたから俺達の傍から離れるのは中々珍しい事。少々新鮮な気分だ。思えばアイツとは長い付き合いなる。かなりの時間一緒に過ごしてきたからいて当たり前の存在になっていたんだな。
それは一成よりも長く、フジねぇと同じくらいの付き合い。出会った頃はまだ普通だったのに馴れて来たら素を出し始めてからは、そのギャップによく驚いてた。そこまで考えた途端ふとアイツ、佐藤 翔との出会いを思い出す。
翔との出会いはまだ爺さんこと衛宮切嗣が生きていた頃まで遡る。あれは吹雪の酷い正月の事、アイツは突然家に訪ねて来たのに驚いていたのをよく覚えている。爺さんと俺はこんな猛吹雪の中誰かと不思議に思い、出迎えるとそこにはその当時の俺と同じくらいの男の子がいた。
真っ白な防寒着を身に纏い、長い間吹雪の中を進んできたのだろう。全身雪まみれで白に白を上塗りしたような姿になっていた。それが俺が見た最初の翼。
「▽〇※※キリィ!」
「ッ!?」
多分外国語だろう、最後のキリィしか聞き取れなかったけど何かを爺さんへ伝えると爺さんの顔色が一気に変わった。それを不思議に思い俺も爺さんから止められ。彼らはそのまま応接間代わりに使っていた部屋へと入って行ってしまった。部屋の中で何を話しているのか聞きたかったが、防音の魔術を使っていたらしく何も聞き取れず数分後、二人は部屋から出て来た。
翔は俺が話しかけても俺自身を認識していなかったようで横を素通りという冷たい反応を示し、そのまま家から立ち去る。誰だと思いながら何事かと不思議に思い爺さんの元へと向かった。俺が部屋に入ると爺さんは外から見える翔の姿を窓から眺めていた。そしてその時の爺さんは────泣いてたんだ。
結局その後理由を聞いてもはぐらかされ、爺さんが死んじまったから分からず仕舞い。本人に聞いても覚えていないの一点張りだし、分からず仕舞いだ。
まぁそれはともかくとしてアイツとの最初の出会いはそんな最悪の出会いだった。そんでもって二回目に当たる出会いはそれから時が経ち、蒸し暑い感覚が全身を包み込みセミの煩い声が響く夏の季節になってからになる。そしてその時も突然だった。
俺が近くの公園で遊ぼうと向かった時、アイツはいた。
公園に1人ポツンとブランコに座る金髪の少年。顔つきは明らかに日本人って顔つきではなく、外国人を見慣れていない状態だった俺からしたら異質に感じた。そんな感覚も他所に当時の俺は翔へと話しかける。まぁその後なんやかんやあって殴り合い、友達になった……けれども難物だった。最初はこんな愛想のいい奴ではなく、今思えばまるで見えない誰かを追いかけ続けているようにも感じられる奴。今の光景を何処か他人事のように感じているかの如く振舞う変人……まぁ簡単に表すならコレだな。だけども、一緒に過ごしていくうちにその欠点も無くなり素の性格が出てくる。だけどなぁ、性格が180度裏返ったかのような人懐っこい変人へと変わるのは予想してなかったぞ。
中学に上がると翔が起こした事件を切っ掛けに一成と出会う。その事件を解決する頃には既に俺と翔の歩道信号コンビという不名誉なコンビへと組み込まれ、新生信号機トリオと言われるようになったのは流石に堪えたが……いい奴なのには違いない……と、思う。うん、正直問題ばっかり起こされちゃこっちも庇いきれねぇ。毎度の如くアイツがふざけ始め、一成が悪乗り、結果的に俺が被害を受けツッコミを行うコンボが恒例の流れで自然と問題を起こしてしまう為に止めようにも止められない。まぁ、逆説的に考えれば俺や一成が居なければ特に問題は――――
出会いの記憶から過去の思い出へとシフトし、友の問題点へ頭を悩ませる思考へとギアチェンジしていると一成が不満そうにこちらを見ている。
「衛宮……考え事をするのは構わないが何故持ち上げたっきり動かないのだ。正直言うがそろそろ腰の方が辛くなってきたのだが‥‥‥‥」
「す、すまん」
そうだった。ストーブを運ぶ事をすっかり忘れていた。
俺は一度持ち方を変える為に生徒会室の前の扉の前でストーブを下ろす。いくら燃料が入ってないとはいえ機械部品で構成された鉄の塊だ。あのままじゃ途中で落としてただろうし、意外に体力がワカメな一成には長時間持っているのはキツイだろうからな。
そうやって休んでいるとこの時間帯には珍しい人物が歩いて来た。
「ふぅふぃ、ほぉ。冬とは言え軽い運動でも中々キツイものだな……ん? どうした衛宮、何を見ているのだ―――ッ!」
一成も上がった息を整え俺の見ている方へ目線を向けると一気に顔を歪ませた。まぁ、一成だったらそんな反応だろうな。
そんな感想を抱きながらその子へと意識を割く。俺達の見つめる先、そこで歩いているのはこの学校のミスパーフェクトこと遠坂凛という名の女子学生。頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群。社交性も高く、その名の如く何処を見ても欠点のない女の子だ。そして一成が嫌ってる理由ってのがその欠点の無さなのは完全な余談だったりする。
だけど変だな。遠坂が登校してくるにはまだ早いはず……何故こんな時間帯に? そんな疑問を抱いているとそんな彼女の意外性を引き出す人物がやって来る。
「お、凛チャンじゃん。今日は早いな」
我らが問題児であり、俺達を置いて比較的軽い燃料タンク"だけ"を早々と運んで行った翔だ。
「あら佐藤君、ごきげんよう」
幸い彼女らとの距離は俺達とさほど離れてはない。一成も―――
「――――ッチ、メギツネめ。またも男子生徒を誑かそうと―――」
―――っと、こんな感じで一方的な私怨を念仏かの如く呟くbotになってしまってるから一時は動けない。再起動するには翔が茶番を始めるか遠坂が何処かへと行くしか方法は無い。つまり何が言いたいかというと―――俺、動けない状態になってしまっているのだ。……なんでさ。
「あら遠坂さんったら冷たいのね……昨夜はあんなにも激しく強く求めて来たって言うのに―――」
「ふふふふ、そうよぉ可愛い子ちゃんはついついいじめたくなって――――ってそんな事あるかぁ!」
なるほど、遠坂はSだったのか。
激しく怒れる遠坂。普段からは想像もつかない彼女の姿は一部の生徒には大変有名であり人気だった。
その変貌ぶりは凄く、何故か本人は気付かれていないと思っているらしくアホの子要素も加わる強者だ。その為、それを理解した多くの人がギャップ萌えなどの感情を抱き、ある意味暗黙のルールとしてそれに気付かせないっていうものがあったりもするがそれは今、関係ないだろう。それをばらそうとしたワカメが全治2週間の怪我を負っていたのは余談である。
話は戻るが、そんな遠坂を面白そうに笑顔を浮かべながらそのまま会話を続ける翔……アイツ、最近フジねぇとの時間が取れず、ストレスが溜まってたみたいだったからなぁ……全力で楽しんでやがる。でも新しいおもちゃが目の前にいるからって朝っぱらからその会話はどうかと思うぞ。
「あれはただ貴方に聞きたい事があっただけで―――」
「それはアレか? 人の好みを聞きに来ていたのか……ハァ、仕方ないな遠坂チャン君は、俺の好みは――――ズバリ女王様だ」
「っふ、それは良い事を聞いたわ。さぁさっさとひれ伏し許しを請いなさい、このぶ――――――って私になんて事言わせるのよ!」
「あれれぇ~? おかしいぞぉ~、今のは遠坂チャンが勝手に言い出した事だよね~???」
「そうそう私が勝手に――――ってあるかぁ!」
「ヒデェブッ!」
テンションも上がって来たのか遠坂の仮面は剥がれ落ち恐らく素の性格であろう彼女が現れて来た。その光景には恨みつらみを呟く一成も思わずニッコリ。
本当ならこうなる前に止めに入ったりするのだが――――あの状態、俺がヘブンと呼んでいる状態の翔に近づくのは得策じゃない。昔は何度か止めに入ったりもしたけど最終的に巻き込まれ酷い目に合ってたからな。ワサビ味のシュークリームタコ無しイカ焼き事件では酷い目に遭ったぜ。
でもそれはそれとして痛そうだな、思いっ切り遠坂の持つ鞄のフルスイング食らってたぞ今の。
「ハァ、ハァ、何で今日は朝から酷い目に―――ハァ~」
遠坂は気絶し、床で伸びている翔の首元を掴むとズルズルと引きずりながら階段を上がって行った。その様子はまるで遺体を引きずるサイコパスのよう。その光景に今まで感じたことの無い別のベクトルでの恐怖に身を震わせた俺達はその後何事もなく、何も見なかったという事を胸にストーブを運んだのだった。
※※※
学校が終わり夕方。俺は衛宮家にお邪魔し夕ご飯をご馳走してもらう約束をしていた。ついでにタイガさんを弄りに。
いつもの俺ならばテンション高めのルンルンな気持ちで衛宮家で過ごすんだが……今、この時の俺のテンションは最底辺を記録していた。それは何故かって? 俺達には夕ご飯の前にやる事があったからだ。
「トレース、オン」
魔術……それは神秘や奇跡を人為的に、人の手によって再現、模倣する行為の総称を指す。
非科学的で非現実的な要素が複雑に、まるで化学式のように織りなし組み合わされているそれは様々な種類が存在する。だがそれは一般人に知られることは無く、魔術を扱う者達によって徹底的に秘匿され隠されている。それは何故か、まぁ有体に言えば迫害を避ける為……かな?
まぁそれはともかくとして。魔術の歴史は古く、神代と呼ばれる紀元前1000年以上前の時代に存在していたと言われている魔術王が起源と言われている。
そしてその技術は後の世の人間へと世代を重ねながら受け継がれていき。途中別れ、種類を増やしながらも形を変え現代へと受け継がれて行った。
まぁつまり何が言いたいかと言うと……俺の友にはその魔術を使える者がいる。
「────基本骨子、解明」
俺も前世で嫌と言うほど魔術とは密接に関わって来たから分かるがあれは────正直気に入らない。
奇跡や神秘を直で目の当たりにしてきた俺にとって現代の魔術なんて……ただの遊戯みたいなものだ。俺は化け物のような強さを誇る魔術師を知っているし、それを上回る事象も知っている。けれど俺が一番魔術を気に入らない理由は────―
「────構成材質、解明」
──―俺が基本的に使えない技術だと言う事だ。俺には魔術で重要視される魔術回路と呼ばれるものがない。いや、正確に言えば使える回路がないからだ。
前世では魔術は俺の生活基盤だった為に正直ツライな……今まで出来ていた事が出来ていないだから。今世と前世を割り切って考えていなければストレスで禿げになるぜ。
「──―よし、壊れている所が分かったぞ。佐藤、そのドライバーと銅線、ビニールテープを取ってくれ」
そんな俺を知ってか知らずか──って言ってもコイツの性格と変な所でニブイ所を考えるに素で気付いていないだけだろうが俺の前で魔術を扱う時はまるで褒めてーって感じのイヌッコロのように瞳を輝かせながら魔術のできを俺へと聞いて来る。はぁ、せめて女だったら需要ありだったのに大変遺憾である。
「どうだ佐藤、今回の俺の魔術は。俺的には10点中9点の高得点だと思うんだが──ー」
ほら、今回も聞いてきた。いっそのこと嫌味や遠回りな嫌がらせだったらまだマシだったのにこいつの場合、ただただ純粋に聞いて来るからある意味タチが悪いんだよなぁ……ハァ。魔術、教えるんじゃなかったなぁ。
「はぁ? まだ半人前以下の魔術使いの分際で俺から9点もぎ取ろうとか片腹痛いわ!」
「……揚げ出し豆腐増量」
「悪かった衛宮、お前は立派な魔術使いだ!」
魔術の師をよりにもよって俺に引き継がせるだなんて。本当キリさん……いや、親父。この事に関しては恨むからな。そんな事を頭の片隅で考えながら前世で培った魔術の基礎を衛宮へ叩き込むのであった――――
あ、夕ご飯は美味しかったです。ご馳走様でした。
・佐藤 翔
陽気で変人。学校では一番の問題児でありながら一番の優等生とも知られている学生。
やる事成す事は無茶苦茶ではあるものの、結果的にいい方向へと進むために彼を頼りにする生徒も多い。
様々な過去を隠しているようだがまだ明らかになってはいない。
「座右の銘は終わりよければオールOK!」
・柳洞一成
お寺の子であり頭脳明晰、容姿端麗の生徒会長。
かなり真面目で堅物な雰囲気を醸し出しているが翔が近くに居るとアホになる。何がとは言わないがアホになる。
「ふむ……1と1が合わさると田圃になるとは知らなかった」
・衛宮士郎
翔を抑える為の安全装置兼便利屋と知られている。
何時も翔に振り回され、引き回され、頼りにされているいい奴。ある事が切っ掛けで弓道部を辞めたらしいのだが詳しい事は知られてない。自身の親が使っていた魔術の習得を目指している。
「便利屋ってなんでさ!」
・遠坂凛
学校一の才女でありながら容姿端麗であり、運動神経抜群。更に社交性も高くその名の如く全ての事でパーフェクト。
しかし翔が接触すると塗り固められた仮面は意味を成さず素で相手していまう。その時の様子を偶々見てしまった生徒はそのギャップでやられてしまい慕うと言う。最近非公認ファンクラブが出来たとか……
「ほんっっっと、アイツといるとペースが狂いっぱなしなのだわ!」
完全に余談ではあるが翔から酷過ぎる機械音痴を一発で見抜かれた過去があるらしい。
原作ルートはどれがいいですかね?
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セイバー
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遠坂チャン