「なるほど、それで僕らは依神姉妹になったんだ………」
手元にある【ゲイツライドウォッチ】をいじりながら呟いた言葉に、女苑の姿になった妹が弱々しく頷く。その動作には当然なんだけど妹の面影があり、今まで一緒にいた家族だと改めて思う。
そんなことを考えている僕…紫苑になったから私か…ゲイツウォッチを持って無い左手で髪の毛をいじれば青髪に触れ、いじっている手は栄養が足りてないのが一発でわかるほど痩せこけていた。
「私が美少女になりたいといったばかりに、ごめんお兄ちゃん…」
自分が自分じゃ無い感覚には否が応でも慣れなきゃいけなくなった状況に思わずため息が漏れるのを我慢して、何処ともなく取り出した【ジクウドライバー】とゲイツウォッチを妹に押し付けるように渡す。
「え?」
「過ぎた事はしょうがない。取り合えず日が暮れる前に近くの町?村?に向かう?」
唖然としている女苑の姿をした妹を立ち上がらせ、異次元収納の魔法で手元にウォッチを取り出す。 …表現会ってるかコレ? ちなみに魔法の使い方は兄妹?姉妹?の確認会話中に試してた。
取り出したのはベースとベルゼが目に優しい黄緑(微妙に色が違う)、少女の顔が描かれたライドウォッチ。厳密には仮面ライダーの力じゃなくて、東方キャラの力が込められたウォッチだから【東方ウォッチ】かな?
細かい事は落ち着いた時に出も考える事にして、ベルゼを回し上部のボタンを押す。
『葉!』
発動するのは東方の2次創作RPGの主人公【
「ここから一番近い、人の住む場所って何処にある?」
再びしゃがみ植物に質問。普通なら悲しい人か痛い人だが、瀬笈葉の能力があるおかげで植物からの言葉が帰ってくる。
「西だね、ありがとう。」
道筋を聞いたのは良いもののこれ、どうやって元に戻るんだろ?
なんかできる気がして試したら元に戻れなくなったとか、ダメな奴の定番じゃん。う~ん……
紫苑のウォッチ使えば元に戻るかな? と言うかあるの?
「…これは【電王】、こっちは【new電王】 ……あった。」
紫苑のウォッチはベースが薄汚れた白、ベルゼが濁った青。表現はあれだが、私のボキャブラリーだとこれ以上の良い表現が浮かび上がらない。ベルゼを回転さることで紫苑の顔が浮かび上がり、ボタンを押す。
『紫苑!』
葉の時と同じく光に包まれ、容姿に体格・服装が変化。
容姿や体格はさっきと変わらない(同じキャラだし)。さっきと違うのは長い髪は後頭部付近でリオンで結ばれ、穴あきだった制服ではどかに消えて代りに薄汚れたパーカーに生地が薄いスカート。衣類やリボンには【請求書・差し押さえ・督促状】といった札が大量に張られている。
両腕にはサイズが合っていないリング。わかる人にはわかるだろうが、まんま原作の依神紫苑の状態になっていた。
…………ボロボロだった制服、どこに消えた?
◆◇◆◇
結局、制服のことはあきらめて歩く私達。将来的には飛んで行けるようになりたいな。
そんなことを片隅に浮かべながら、変わり映えのしない道をひたすら歩く。
「お兄……お姉ちゃん、お腹すいた。」
「そうだね~」
ボロ制服消失事件(勝手に命名)の後からだいぶ歩いたこともあって、疲労と空腹が私たちを襲う。制服のポケットに飴ぐらいならあったはずと思いながらも、制服と一緒に消失したので結局、手元には無いから考えただけ無駄った。
はぁ~…… 不幸だ。
不幸な事と言えば足元もそう。当然、スカート何てはいた事ないからスースーして気持ち悪い。しかも若干透けていることもあって、心許ない。制服のズボンが恋しい今。その事を紛らわすために、ファイズフォンⅩを無駄にいじっているが風が吹くたびにスカートがなびき、結局気になる。
「お姉ちゃん、アレ!」
後ろを指さす女苑。(呼び方は話し合って、前世の方でなく依神姉妹の方にした)
それにつられて後ろを振り向くと一台の馬車(数え方あってる?)が道に沿ってこちらに向かってくる。耳をすませば馬の足音がうっすらと聞こえる。
乗り物………【ライドストライカー】があった!それ使えば時短になるじゃん! …………いや、そもそもバイクに乗ったことないから操作の仕方わかんないや。
豪華な装飾がしてある馬車を見て思い浮かんだ案だったが、すぐに白紙へと戻った。ダメだ、思っているより気が参ってる。そんな私の憂鬱をよそに馬は地をかけ、吸い寄せられてくるかのように道わきによけた私のもとへまっすぐ向かってくる…………………………え?待ってこな
「グヘッ!」
「おおお姉ちゃん~~~!?!?!?」
身体が宙へと舞い意識が
自転車はパンクするは、傘は穴開いているは、雷に打たれて死亡するは、