(三人称視点)
人造アンデッドケルベロスと化したステインの攻撃はその場のヒーロー達に大ダメージを与えた。
だがそれ以上に深刻なのはその場にいた3体の脳無達だ。
彼らはヒーロー達がケルベロスに気を取られている隙にその場から離脱し街に解き放たれていた。
翼を持つ脳無は上空から市民達を狙っている。
「な、なんだあのバケモン!?」
「に、逃げろー!!」
その脳無は10人程度の群衆を見つけるとそこに向かって急降下していく。
「ほ、他の奴もいるぞ!」
さらに残り2体もその群衆に狙いを定めて迫ってくる。
「お、終わった……」
万事休すかと思われたその時だった。
『メガスマッシュ!』
『コ・チーン!』
『ジェット!』
3つの斬撃が脳無達に放たれた。
「上空の奴は任せろ!!」
ビートクローザーを持つクローズマグマは背中のソレスタルパイロウィングによるジェット噴射で空中を飛び回り、翼を持つ脳無に対し様々な方向から攻撃を仕掛けていく。
「白き者は我に!」
『カ・チーン!』
ブレイブファンタジーゲーマーは先程新幹線で緑谷出久を襲った白い個体にガシャコンソードから炎を放つ。
「じゃ、残った奴は俺だな。」
『スチーム!』
アクセルは黒い個体を相手に蒸気で視界を遮ってからエンジンブレードで横一閃切り、脳無の切り裂かれた腹部の筋繊維が露出する。
「さあさあ!今のうちに逃げたまえ!!」
「道はこっちだ。」
その間にエボルとゲンムが避難誘導を行う。
その一方でケルベロスとヒーロー達は、
「炎が効かない!!」
怪人相手にもNo.2ヒーローであるエンデヴァーは渡り合っていた。
放たれる攻撃を炎で防ぎ、自身の超火力な炎を放っていたがそれはどうやらケルベロスには効いていないようだった。
「え、エンデヴァーさん……」
一方他のヒーロー達は先程の攻撃で動ける者の数は大きく減っていた。だが、エンデヴァーのお陰で何とか殺されずには済んでいる。
それはインゲニウムとて例外ではなかった。
「天哉……ここは任した……」
ケルベロスの攻撃から飯田天哉を庇い重症を負ってしまったインゲニウムはこの場を弟である天哉に託す。
「そんな!兄さん!俺はッ……俺はどうすればッ……」
だが飯田天哉は自信を失っていた。
尊敬する兄でさえこのザマなのだから自分でどうにか出来る訳では無い。どうすればいいか分からない状態だった。
(俺じゃ無理だ……)
迷う天哉に対して他の雄英生達は……
「動ける奴らはエンデヴァーの援護を!」
「グラントリノ!僕に行かせて下さい!」
「ボウズ!?お前じゃ無理じゃ!」
「いえ、待ってください!僕だって、切り札はあります…」
グラントリノからすれば訓練でまだ1度も自分を倒せていない未熟な出久にこの戦いに参加させることは不安であった。
「僕だって牙竜君みたいなっ…!カッコイイヒーローになるんだ!!こんなところで立ち止まっててたまるか!!」
突っ走る出久をグラントリノは止めようとしたがそのグラントリノの足は止まる。
それは彼が腰に着けているベルトの存在に気付いたからだ。
『ラビット!』
そのベルトの名はビルドドライバー
『タンク!』
雄英体育祭を観ていた者達の多くは覚えている筈だ。
優勝した下間牙竜こと仮面ライダークローズが使っていたベルトでもあり、
『ベストマッチ!』
2回戦である騎馬戦でも緑谷出久が1度使用したベルトである。
『Are you ready?』
「変身!」
ビルドドライバーにラビットとタンクの2本のボトルが差し込まれ、レバーを回して出久の身体は赤と青のハーフボディに挟まれる。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!!』
仮面ライダービルド、ラビットタンクがケルベロスに向かって走り出す。
「俺達も!」
それに爆豪と轟も続く。
「焦凍っ…」
「ガキ共が!!」
それはここまでケルベロスの攻撃を1人で対処し続けていたエンデヴァーにとっては十分な援護であった。
彼に向けられて放たれていた攻撃はビルドの方に向き、それを轟が作り出した氷壁が防ぐ。
(ワンフォーオール!フルカウル!)
そして身体中に微量のワンフォーオールを纏ったビルドは元来持つ跳躍力に加え、ワンフォーオールによる身体能力強化を上乗せして氷壁の上を飛び越える。
「はあああぁぁぁぁぁ!!」
重力と位置エネルギーを上乗せしたドリルスマッシャーの一振が上からケルベロスに叩きつけられる。
「お、お前はっ……」
「仮面ライダービルド、デクッ……僕が来た!!」
ビルドはステインの向けてパンチや蹴りを連続で放っていく。
ワンフォーオールによって身体能力が強化され、それぞれの攻撃の威力、攻撃の速度が上昇し、歴戦の猛者でもあるステインを圧倒している。
『タカ!ガトリング!ベストマッチ!』
『Are you ready?』
「ビルドアップ!」
『天空の暴れん坊!ホークガトリング!イェーイ!』
ホークガトリングフォームに変身したビルドが空へ飛び立つとともに
「レミントンアイス!」
爆豪の大規模爆破が轟の作った氷壁に向けて放たれて氷の破片が散弾銃の弾丸の様にケルベロスに放たれる。
『10!20!30!』
空中からはホークガトリンガーから放たれる弾丸の雨がケルベロスに放たれる。
「クッ……!」
「決めろ!緑谷!」
怯んだケルベロスの足元を轟が凍らせると。
『10!20!30!40!50!60!70!80!90!100!フルバレット!!』
ビルドがホークガトリンガーのリボルマガジンを回転させ
『ボルテックフィニッシュ!』
ケルベロスを球状の特殊なフィールド内に隔離し、100発もの弾丸を連射して撃ち抜くとケルベロスを中心に爆発が起こる。
その一方で
「こいつら全員再生能力持ちかよ!」
「だったら限界までダメージ与え続けて再生出来なくなるようにするまでだ!」
3人の仮面ライダー達は脳無の再生能力に手間取っていた。
攻撃しても回復してくるがその再生速度は回を重ねる事に落ちてきている。なので3人が粘り切れれば何とか勝つことが出来る。
「仮面ライダー共!覚悟しろ!!」
だがその陣容も新たな敵の存在によって崩れようとしていた。
先程までステインと共に行動していたパラドキサアンデッドが脳無達と戦うクローズ、ブレイブ、アクセルに真空刃を放った。
「もう1人怪人がいやがったか、」
だがその真空刃は全て破壊された。
「ヴワッハッハッハ!!流石ガシャコンスパロー!いい武器だ!!」
パラドキサアンデッドが放った3つの刃のうち1つは仮面ライダーエボルコブラフォームが拳で破壊し、残り二つはゲンムゾンビゲーマーレベルXがガシャコンスパローで撃ち落とした。
「か、仮面ライダー!?何人いるんだ!?」
「まあいい、こいつは俺達でやるぞ。」
「ああ、神の力を見せてやろう!」
ゲンムとエボル、2人のライダーがパラドキサアンデッドと拳を交え始める。
To be continued