クローズ&エボルのヒーローアカデミア   作:夢野飛羽真

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大学始まって更新ペースは落ちましたが文字数は5000字近くなりました。

今回は爆豪と轟がかっこいいのとヤベーイアレが登場です。


職場体験3日目 保須事件 Part3

(三人称視点)

 

「や、やったのか……」

 

ヒーロービルボードチャート2位の実力を誇るヒーロー、

エンデヴァーでも仮面ライダービルドとケルベロスの戦いに手も足も出なかった。

実力面では参戦することもできるだろうがヒーロー達を圧倒したケルベロス、それに反撃の隙を与えなかった仮面ライダービルドに気圧されていた。

 

「いや、まだじゃな…」

 

その戦いはビルド達の勝利かと思われたがケルベロスの身体は健在であった。

 

「しぶとい奴だ!プロミネンスバーン!!」

 

ビルドの必殺技を受けてもなお倒れることなく戦おうとするケルベロスに対してエンデヴァーは高火力の熱線を放ち焼き尽くそうとする。

 

「効かんッ……1番という名声に囚われた贋物よ!」

 

「エンデヴァー!!」

 

だがその炎すらも効かなかった。

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ! イエーイ!』

 

空中からラビットタンクスパークリングにビルドアップしたビルドが二人の間に割って入り、ドリルスマッシャーでケルベロスの爪による大振りを受け止めるが、

 

「ディヴァインウェーブ!」

 

ケルベロスの肩の双頭から放たれる火炎弾がビルドの身体を吹き飛ばした。

 

「小僧!」

 

そのビルドの身を案じたグラントリノもケルベロスに横薙ぎにされて地面の上に転がる。

 

「贋物は…全て……破壊する……!!」

 

ケルベロスは再度ディヴァインウェーブをエンデヴァーに放つ。

 

「親父!避けろ!」

 

これもまた自分のヘルフレイムで防ごうとしたエンデヴァーだったが息子の声で行動を回避に変更。

足から炎を出して飛び火球を避ける。

 

「こ、これは……」

 

その攻撃は偶然にも近くになった車に当たり、ほぼそのボディを消滅させた。

 

(この威力……防ぎきれてなかったかもしれないな……)

 

「今のうちに俺達で!」

 

「わかっとるわ!!」

 

轟の氷結がケルベロスの足元を凍らせ、背後に回った爆豪がケルベロスの背部に数発爆破を撃ち込む。

 

「その程度では効かん!」

 

圧倒的という言葉が今のステインには相応しいだろう。

足元の氷を瞬時に割ると背後に腕を回し爆豪を掴み、

 

「学生如きが……!俺を止めることなどできるわけなかろう……」

 

轟の方に投げ飛ばした。2人の身体はぶつかり合い、お互いが地面に伏すと

 

「さあ、エンデヴァー……まずはお前からだ!!」

 

ビルド、爆豪、轟、インゲニウム、グラントリノ

彼らを圧倒的な力で倒したステインことケルベロス

エンデヴァーの攻撃すらも彼には効いていない。

人造アンデッドである故封印できないから倒せないという訳では無い。これはあくまでステインが肉体改造により、人造アンデッドであるケルベロスのラウズカードを自らの身体にスキャンし融合した姿。所謂ケルベロスIIの状態であり、ある程度のダメージを受ければ融合が解ける筈だ。

だがしかし、忘れてはいけないのは融合してる相手がヒーロー殺しステインであるということだ。

 

「俺を殺させはしない!」

 

普通のケルベロスはジョーカーアンデッドすらも圧倒する力を持ち、権力を持つ普通の身体能力の老人と融合したケルベロスIIは4人のライダーとギラファアンデッドが協力して漸く倒せた程だ。

エンデヴァーが拳と共に放つ炎です避け切るか当たっても大したダメージにはならない。

 

「終わりだ!」

 

そしてケルベロスはエンデヴァーに凄まじい速度で至近距離まで近づき、その鉤爪で命を刈り取ろうとしていた。

 

(ワンフォーオール!フルカウル!)

 

ケルベロスのスピードにエンデヴァーも自らの命の危険に気付くのに時間がかかったが、敵の鉤爪が首元に到着するよりも前にビルドラビットタンクフォームの蹴りがケルベロスの右脇腹に突き刺さり、ケルベロスの腕は止まった。

 

「僕が皆を守るんだ!」

 

先程のダメージでラビットタンクスパークリングの変身が解けてしまったがラビットタンクフォームとワンフォーオールの組み合わせだけでもスピードと攻撃力は十分。

繰り出される拳と蹴りはエンデヴァーがケルベロスと一旦距離を置くのに十分だった。

 

(この威力っ…強いっ……だがっ……!)

 

「まだ甘い!」

 

だがそれもまたディヴァインウェーブで吹き飛ばされて止められる。

 

(エボルトさんは絶対に使うなって言ってた……でもっ……!)

 

「だったらこれで……」

 

それでも立ち上がったビルドが手に持つのはハザードトリガー

 

「出久…何するつもりだ……?」

 

爆豪勝己が気付いた時にはもう遅かった。

 

『ハザードオン!』

 

『ラビット!タンク!スーパーベストマッチ!』

 

ハザードトリガーがビルドドライバーに付けられて

 

『ドンテンカーン!ドーンテンカン!ドンテンカーン!ドーンテンカン!』

 

(エボルトさん……牙竜君……ゴメン……危険だって言ってたけど使わなきゃいけないんだッ…!インゲニウムさんや!皆を助けないと!!)

 

エボルトがパンドラバングル等のビルド用のアイテムを渡す時にある程度ボトル等について説明していたのだがその時ふとハザードトリガーについての話もしていた。

暴走するというリスクがあるから使ってはいけないとエボルトは釘を刺していた。

だがしかし、ヒーロー達を圧倒するケルベロスを前に強化変身するために使わざるを得ない状況になってしまった。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

(かっちゃんも…轟君も……僕が助ける!)

 

自分がさっき攻撃にやられたせいで爆豪と轟もやられてしまったったことにより焦りも感じていたためかビルドドライバーのレバーを一心不乱に回す。

 

『Are you ready!?』

 

「変身!」

 

『アンコントロールスイッチ! ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

出久の身体が鋳型のような専用のフレーム、ハザードライドビルダーでプレスされたかと思うとその姿は正しく黒いビルドと呼ばれるような姿に変わった。

 

「また姿が変わったッ……?」

 

ビルドの新たな姿に驚くのも束の間、ケルベロスの身体に一瞬にしてビルドの拳が突き刺さった。

 

(一瞬で近付かれたッ!?)

 

ビルドの動きに追いつこうとしてもそれを上回るスピードと打撃

ビルド本来のスペックに加えてワンフォーオールの力、そしてハザードトリガー使用によるハザードレベル上昇から来る身体能力の強化は緑谷出久に圧倒的なパフォーマンスを発揮させた。

 

「なんだよ…あれ……」

 

その戦いに爆豪勝己は度肝を抜かれていた。

出久から繰り出される打撃は相手に攻撃の隙を与えずひたすらに繰り出されている。これは下間牙竜お墨付きの先方でもあり、それを真似ているとも言えるがその攻撃1発1発に躊躇がない。

 

「あんなの…出久じゃねえだろ……」

 

爆豪勝己は違和感を感じていた。

10年にも渡って虐げてきた相手を許せる度量を持つ他人思いな出久がまるで相手を破壊するために拳を振るっているのだから。

 

「緑谷……アイツ身体をコントロール出来てねえんじゃねえか?」

 

轟が呟いた。

 

『マックスハザードオン!オーバーフロー!……ヤベーイ!』

 

ビルドは自分のベルトのハザードトリガーのスイッチを再度押した。

 

「馬鹿なッ!」

 

そこからのビルドの戦いは驚異的だった。

ケルベロスの顔面部に拳を放つと飛び上がって宙を舞い上から相手の左肩に足を蹴り下ろす。

 

「暴走しちまってるぞ!!」

 

そこから踏みつけるように何発も蹴り、蹴った際の反作用でまた飛び上がっては蹴る。

その戦い方に爆豪は出久自身の意思での戦いではないことに気付いた。

 

「暴走の原因はあれか?」

 

「恐らくそうじゃな。」

 

轟とグラントリノは彼の暴走の原因がハザードトリガーであることを察した。

 

「あれ使ってから戦い方がおかしいからな。間違いねえ……」

 

「だったら取ればいいだけの話だ。」

 

爆豪の言葉に応えるようにエンデヴァーがハザードトリガーを外すことを提案。

 

「俺とて1人のヒーローだ。ここで動かない訳にはいかないな。」

 

暴走する出久、このままでは相手を殺してしまってもおかしくない。

暴走して他の人達に被害を及ぼしてしまうかも知れない。

そんな状況から出久を救うために動ける者達がハザードトリガーの奪取に動くことに

そんな中でインゲニウムの横にいた飯田も立ち上がり名乗り出る。

 

「だったら俺も行く!俺が兄さんの代わりにアイツを倒す!」

 

だがその目は憎しみに満ち溢れ血走った物だった。

彼の横にはケルベロスの攻撃で怪我を負いインゲニウムが倒れていた。彼がヒーロー殺しによって地に伏せたのは2回目だった。

 

「テメエヒーロー殺しに復讐する気だろ…………兄貴がやられたからって……」

 

「……」

 

「図星か……」

 

爆豪の問い掛けに無言を貫くがそれは肯定の沈黙だった。

 

「飯田…お前が憧れたのはどんなヒーローだ?」

 

「俺の憧れのヒーロー……」

 

次に轟が飯田に問い掛ける。

 

「お前のなりてえモンちゃんと見ろ、でなきゃ何も見えなくなるぞ、」

 

「僕の……なりたいもの……」

 

轟は嘗て自身の夢を違う事情で見失ってしまっていた。

そして復讐の鬼になろうとしていた彼を自分と重ね合わせていた。私情で目標を見誤って孤独になっていた過去の自分と

 

「2人ともすまない!俺は自分を見失いかけていた……」

 

「気にすんな、わかったならとっととやんぞ!」

 

「ああ!緑谷君を救ける!」

 

「天哉……」

 

気持ちを改め出久を助けに向かおうとした時にちょうどインゲニウムが目を覚まし。

 

「俺の分も友達を助けてやってくれ……」

 

腕を突き出した。親指を立ててそれを弟に向ける。

 

「ああ!兄さん!」

 

彼ら雄英生達が動き出した一方でプロヒーロー2人は既にハザード状態のビルドと対峙していた。

 

「なんというスピードじゃ!?」

 

ステインは既にビルドの攻撃でケルベロスとの融合が解けて人間の姿を晒して倒れており、ラウズカードもその隣に落ちている。

ビルドがステインをそのまま殺してしまわないようにエンデヴァーが炎を放って気を引き付けてその間にグラントリノがハザードトリガーを奪おうとするがビルドが素早く対応し上手く奪えない。

 

「俺達も行くぞ!」

 

その場に爆豪らも現れると正面から爆豪がビルドに爆破を放つ。

そちらに気が逸れたビルドを

 

「親父!そのまま拘束しろ!」

 

エンデヴァーの炎で作られたムチがビルドの両腕を縛り、足元を轟の氷が覆う。

 

「今だ!グラントリノ!」

 

足からジェットを放ったグラントリノがビルドドライバーに飛びつこうとする。

 

「しまった!」

 

だがビルドの足の筋肉は強く足を振り上げただけで氷を砕きグラントリノを蹴り飛ばしたが、

 

「レシプロバースト!」

 

飯田がエンジンで急加速、

足元も轟が凍らせていたためそれを滑るようにして飯田は一直線に進み、ビルドドライバーに手を伸ばし。

 

「取った!!」

 

彼らの連携で飯田の速度に手も足も出せなかったビルドのベルトからはハザードトリガーが抜き取られていた。

 

「ッ……」

 

それによってビルドの変身が解除されて緑谷出久の姿に戻る。

 

「はぁ…はぁ……ゴメン…みんな……」

 

「気にすんな……んな事より体大丈夫か?」

 

暴走していく中でも出久に意識はあった。

必死に暴走する自身を止めようとしていたが叶わず何とか止めてくれた仲間達に迷惑をかけてしまった事を詫びる言葉が口から漏れ出てそんな出久に轟が寄り添い肩を貸す。

 

「俺の方こそすまなかった。緑谷君があんなことになっているのに俺は色んなことを見失っていた……」

 

「気にしないで、飯田君。僕達友達でしょ……」

 

出久が苦しんでいる中で飯田はステインへの復讐のことしか考えることができなかった。その事への申し訳なさから飯田も深々と頭を下げる。

 

「それに、飯田君がいなかったら、僕はもっと大変なことになってた…助けてくれてありがとう……君も僕のヒーローだよ、」

 

「緑谷君……」

 

彼らがお互いを気遣っている最中でも、まだ戦いは終わっていない。

 

「お前ら!逃げろ!!」

 

彼らの輪の中に入らず様子を外から見ていた爆豪はステインの横に落ちていたケルベロスのラウズカードが発光し始めていることに気が付いた。

 

「あ、あれって……」

 

彼らはそのカードから距離を置くがその時には既に先程ハザードビルドが倒したはずの人造アンデッドケルベロスが再臨していた。

 

「まだ戦いは終わっていないようだな……」

 

エンデヴァーの言葉と共に復活したケルベロスとの戦いが封を切る。

 

To be continued




天王寺さん式のケルベロス及び融合体のケルベロスIIのシステムを活かしてみました。
ステインさんはショッカーによってアクセルに負わされた腕の怪我を治してもらい、ケルベロスと融合できるようにしてもらいました。
ケルベロスの封印が解けた理由はステインがやられた時のショッカー側の保険です。
次回で保須事件は一旦終わりです。
また次回をお楽しみに!
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