(3人称視点)
VS ゲムデウス
エボルラビットフォームと化した出久とエボルトがガドルと戦っていたその頃
「リボル!バーニア!」
「うわああぁぁぁっ!!」
仮面ライダーブレイブファンタジーゲーマーを数多もの銃弾とミサイルが襲う。
「銃士君!!」
爆炎がブレイブの体を包み、そこから生身を晒した銃士が姿を現し、地面に膝を突く。
「……」
「これ以上は来るな!!」
そのまま地面に倒れ伏す銃士に対して剣を振り下ろすゲムデウスの前にゲンムが立ち、その斬撃をその身で受ける。
「クッ……!」
不死とはいえダメージは大きい。
ゲンムもかなり弱ってしまっている。
「そこまでよ。ゲムデウス」
ここでもう倒れてしまうのか、檀黎斗の脳内にそんな感情が出てきた時、
透き通ったような女性の声がゲムデウスの動きを止めた。
「君は……」
「あなた達を回収します。」
ゲンムの目にはガシャコンバグバイザーツバイを手にした赤い髪、赤い目、そしてアークに従うヒューマギアであることを表わすような赤いモジュールを付けた女の姿が映った。
「そんなっ……」
ゲンムの体が一瞬で紫色の粒子に変わり、ガシャコンバグバイザーの中に吸い込まれる。
「ゲムデウス、あなたはこの男をそのまま持ち帰りなさい。」
アズがゲムデウスに指示すると黒い霧が出てきて意識を失った銃士の体を担いだゲムデウスが霧の中に消えていく……
VS キング
『ツインブレイク!』
『アイススチーム!』
グリスのツインブレイカーとローグのスチームブレードの攻撃がキングに向けて放たれるが、
「だから言ったじゃん。君たちの攻撃ぐらいじゃ全然効かないって。」
ソリッドシールドと念動力がそれぞれの攻撃がキングの変ずる怪人、コーカサスビートルアンデッドの身体に到達することを阻む。
「チッ……」
「もう、お釣りの方が大きいんじゃないの?」
そしてキングの振るう大剣、オールオーバーがグリスの胸部を切り裂く。
「爆豪!!」
「大丈夫だっ……」
グリスの変身者である爆豪勝己自身の個性で爆発を起こし、その反作用で後方に下がったことで、剣先がかすった程度でダメージを抑えることができたが……
「君たちは馬鹿だなあ……自分の身を削ってまでヒーローってのに縋り付いて、」
「何が言いてえ?」
キングが爆豪を挑発するように言う。
「無駄なんだよ、ヒーローになるってことはさ!いずれはショッカーによって滅ぼされるのに!!」
「ヒーローがテメエらみてえな悪党に滅ぼされる?そんなわけねえだろ!!」
「ああ、俺達はどんな悪にも打ち勝つヒーローを目指してんだ、滅ぼされる前に勝つ!!」
キングの嘲笑の通りヒーローが負けること。
それは爆豪と轟にはありえないことだった。彼らは最強のヒーローオールマイトの勝つ姿に憧れてこのヒーローの道を歩んでいるのだ。
どんな悪にも勝ってきたオールマイトに憧れ、今度はそのオールマイトに憧れてヒーローを志して悪に負けないヒーローになろうとする彼らにとって、負けて滅ぼされるなどということはありえなかった。
「けど、君たちの攻撃は全然聞いていないよ。」
グリスの爆破、ローグの炎を纏った拳をそれぞれソリッドシールドと念動力で防ぐ。
(お、押されてるっ……)
だがグリスは連続で爆破を伴った拳をシールドに打ち込んできて、その拳圧にコーカサスビートルアンデッドの身体が押され始める。
「はあっ!!」
キングの脳内をよぎった焦り、それは彼の念動力を弱らせ、ローグの炎を纏った拳が背中に打ち込まれる。
「そんなっ……」
「テメエの方が余裕、ねえんじゃねえか?」
『スクラップフィニッシュ!』
ヴァリアブルゼリーと爆破を纏ったグリスの右足がソリッドシールドに振り下ろされて、キングを守る盾を破壊する。
「しまった……」
最強の盾を失ったコーカサスビートルアンデッドはその場から数歩引き下がる。
「キング、苦戦しているようですね。」
「なんだ、アズか。」
そのキングの横にアズが歩み寄る。
「なんだ?この女?」
「私はアズ、アーク様の使者ですわ。」
ローグの問いにアズが答えると、
「誰だろうと敵だったらぶっ潰す!」
「それは無理ね。もうやることやったし帰るから。」
すると黒い霧が現れて、アズとキングはその中に消えていく。
「しまった!」
「逃げられちまったか……」
2人の敵には逃げられたが、爆豪と轟は一先ず他の生徒達の救助に赴くことにした。
(エボルト視点)
『ほう、牙竜と相澤先生が今戦ってるのか、』
ガドルとの戦いの後、俺達は直行で宿舎に洸汰を預けてマンダレイから話を聞いていたんだが、牙竜と相澤センセは森の入り口付近で梅干しみたいな頭のヴィランと戦ってたそうだ。
『俺もちょっくら援軍に行ってくるぜ。』
「うん、気を付けて」
「わかりました!」
改めて仮面ライダーエボルコブラフォームに変身し、出久はビルドに変身した状態で敵がいたっていう広場に向かう。
((無事でいてくれ……牙竜……))
どんな敵が来たのか知らねえけど援軍には向かった方が良いと判断し広場に来たのだが、
『おいおい、嘘だろ……』
「相澤先生!!」
俺らが付いた時には、相澤先生は血を流して倒れていて、クローズマグマに変身した牙竜も疲弊した様子で白い仮面ライダーと向かい合っているが、クローズマグマの方の身体には土埃が多く付いている。相当押されてたんだな。
「エボルトッ!!」
「おや?君のお友達かな?」
牙竜と戦ってるやつは……間違いない、仮面ライダーアークワンだ。
『牙竜!』
「来るな!!」
俺が牙竜を助けに行こうとしたとき、牙竜が俺を止めようとした、
「『空気を押し出す』+『筋骨発条化』+『瞬発力×4』+『膂力増強×3』」
俺がその理由を理解するのに1秒もかからなかった。
ただその気付くまでの1秒は戦闘に参加するには遅すぎた。
一瞬で俺の目の前に現れたアークワンの蹴りで大きく俺は吹き飛ばされる。
『は、速い……』
何とか踏ん張ったが威力がバケモノレベルだ。
「さて、どっちから殺そうかな…」
黒いエネルギーがアークワンの右腕に纏わりつく、そして俺か牙竜のどちらかに向けてそれを撃とうとする。
『牙竜には手を出すな!』
「ヤメロ!エボルトは殺させねえ!!」
背中のブースターで加速しながらクローズがアークワンに接近し拳を放とうとするが……
「じゃあ、こっちを殺そう、『瞬発力』」
一瞬にしてアークワンが牙竜の方を向いたかと思えば、エネルギーを纏った拳を牙竜に向かって放ち、
『ヤメロおおおおおぉぉぉぉ!!』
牙竜の身体は森の木々の中に消えていく。
「何本か木が折れたようだね、あんなに木に当たってたら死んだかもね。」
嘘だろ……牙竜が……
木に当たっちまった衝撃で死んじまった……
「おやおや?そうだったね。向こうの彼が本体だったから君も死んじゃうんだねぇ……」
嘘だ…ろ……
「エボルトさん!僕の中に!」
出久が、手を差し伸べてくる…
『すまねえ…入るぞ……』
消えそうになる俺は咄嗟に先ほど合体した出久の体の中に入る。
「おやおや、そっちの男に乗り換えたか…まあそれでももう一度殺せばいいけど、まあ使命は果たしたよ。それじゃあまた今度、更なる絶望を味わうといいさ。」
そう言うとアークワンは黒い霧の中に消えていった。
『チ、チクショオオオオオォォォォ!!!』
俺達雄英高校の合宿、プロヒーロー6人生徒42人を合わせて48人で迎えた合宿は最悪の結末を迎えてしまった。
無傷で済んだのはたったの14人、ピクシーボブ、相澤先生、百達重軽傷者が13人、意識不明の重体が18人、行方不明者がラグドールと銃士の2人、そして死者1名……牙竜だ。
俺も今牙竜の生命を感じることができていない……
俺達は気力を失ったまま雄英高校のある街へ帰還することになった……
(牙竜視点)
「ここは……」
森で戦っていたはずの俺は暗くてコンクリート打ちっぱなしの部屋にいた。
「あ、起きた起きた」
そして俺の目の前には背の高くて顔のいい男と、
「お?大丈夫そうか?」
エビフライみたいな編み込みの髪型の男がいた。
「あ、あんたらは……」
「おっと、傷が酷いから今は喋らない方が良いよ。傷口が開くから。」
と言われたので俺は一度口を閉じる。
「とりあえず自己紹介からしないとな。俺は桐生戦兎、天ッ才物理学者で、こっちは筋肉バカの」
「あ?俺は筋肉バカじゃねえよ!プロテインの貴公子万丈龍我だ!」
おいおい、こんなに怪我してんだからせめて医者来てくれよ……
To be continued
敗北からのビルド&クローズのご本家登場!
という衝撃の展開で合宿編を終え最終決戦編へ……
それとここで裏話なんですけど、マスキュラ―を始めとしたヴィラン連合開闢行動隊の一部メンバーは仮面ライダーアクセルこと甘粕政信さんに逮捕されていたという設定がこの小説の世界にはあります。
ではまた次回をお楽しみに