異世界転生で白魔導士   作:3148

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魔術書を読む手を止めて、台本を開く。
ココ「はぁ、またか。魔導士のココだ、早く終わらせよう」
面倒臭そうに再び台本を捲る。
ココ「賢者の石について、だって? それを研究している所なんだが、君たちは馬鹿なのかな? とりあえず分かっている事は高濃度のマナを含んでいて、魔方陣を内包していて、それ単体で魔術を発動することが可能な、魔導士にとっては垂涎の代物だっていうこと。それと伝説的なほどに目撃条件が少ないこと。それを求めてダンジョン深部を目指す馬鹿もいるよ。要はあるかどうか分からないマジックアイテムってこと。見たこと? さぁ、偽物ならあるかも知れないね」
台本を再び捲る。
ココ「はぁ、こんな事で僕の時間を割かないで欲しいな。早く行きなよ」


第二十一話 吸血鬼討伐依頼

 吸血鬼を討伐するクエストが協会に届いた。状況から見て、恐らく村を襲った吸血鬼の可能性は高い、ということだが。

「どうして!?」

ルージュにフーリが問い詰めるが、答えは変わらない。

「フーリさんのランクは吸血鬼討伐のランクには足りていないんです。吸血鬼はダンジョン中層部のモンスターなんです」

ルージュと揉めている間に、レーベンさんがクエストの紙を取り上げる。

「なら、俺なら大丈夫だな?」

そう言うとクエストの内容を確認し始める。

「えっ、ちょ、ちょっと!?」

フーリが困惑して、クエストの紙を取り返そうと試みるが、身長差もあって手がとどかない。

「ダンジョン中層部、どちらにしろある程度経験のある冒険者じゃないとたどり着けもしないな。よし、まかせとけ」

がはは、と豪快に笑うとそのまま準備を始める。

「それは……私の」

説明をする前に行ってしまった為、引き留めることも出来なかった。

「ま、まぁ、団長さんなら安心? ですし」

冒険者としての腕は確かだ、納得のいかないまま任せることになる。

 

 ステラと共に協会を出ると、準備を始めるレーベン。

「しかし、吸血鬼となると相応の準備が必要ですね」

ステラが考え込むように呟く。

「いやぁ、ステラが来てくれると聞いて助かったぜ」

がははと笑うレーベンに肩を落とすステラ。

「近接戦闘が出来る人間がもう一人欲しいと思っていたからな。後は白魔導士と案内役が一人で一杯だ」

その言葉に、首を傾げるステラ。

「ということは、魔術師は誘わないということですか? 吸血鬼相手に近接戦闘のみは流石に……」

その為の秘策は考えてあると、自信満々にココの研究室の扉を開けるレーベン。

「おう! 頼みがあるんだが!」

「断ります、帰って下さい」

扉を閉めようとするココに腕力に物を言わせて対抗するレーベン。

「……秘策というと?」

ステラが状況をココに説明する。それに対してココは状況は理解した、と呟いたが。

「それで、僕に何をしろと?」

同行するわけでは無いのであれば、準備だろうが吸血鬼相手に出来る事など早々に思いつく物ではない。

「にんにくや十字架なら他所をあたって欲しいね。聖水の類も門外漢だ」

僕に用事は無いだろう、というココにレーベンが口を開く。

「相手はただの吸血鬼じゃない。あくまでそれにカテゴライズされるってだけの話だ。そこで、だ」

レーベンが準備をして欲しい内容を伝える。

「……ふむ。それなら一週間もあれば組めるな。思ったよりもまともな話で安心したよ」

そう言うと早速作業に取りかかる、いつも通り豪快な足取りで次の目的地へと向かう。

 

 森の外れにぽつりと建つ一軒家にノックをする。近くの村から少し歩かないといけない辺鄙な場所にあるが、村人誰もが知っている場所だ。

「……どなたですか?」

黒い耳が警戒心を現している。腰の後ろから流れる尻尾がただの人間では無い事を二人に気付かせる。

「はっはっは! 喜べ! 故郷に帰れるぞ!」

色々な過程をすっ飛ばして声を上げるレーベンに驚いて扉を閉めるコポン。不思議そうに首を傾げるレーベンに呆れた表情をむけるステラ。

「すみません、コポンさん。事情は説明します、中に入れてください。フーリさんと同じギルドのものです」

比較的に優しい声色におどおどとした雰囲気で再び扉を開ける。

「……い、今はフーリは出かけてますけど?」

 

 馬の亜人であるコポンは力も走る速度も人のそれとは比較にはならない。だが、それを維持できるのは魔力補助があるこの屋敷とダンジョンなどのマナの濃い場所に限られる。

「それで、どうして私なんでしょうか」

ある程度家事には慣れているのだろうか、それとも奴隷時代に染み込んだものなのか、来客二人に飲み物を準備する様子は手慣れた物だ。

「ダンジョン中層部に向かう以上、行程は一週間はかかります。食料なんかもそうだが、必要な物は多く、各人が持つよりも分担した方が効率がいいんです」

同行する三人が戦闘をするため、護衛される側なので安心して欲しいと告げる。尚且つ今回目的とする場所は亜人が暮らしている集落の直ぐ近くになる。コポンの故郷かどうかは分からないが、マナ不足に悩むここよりかは彼女に適正があるだろう。

「危険であることは否定できません。同行するかは、貴女の意思に任せます」

無理矢理連れて行くことは出来ない、非協力的な人間を守れるほどの余裕はないからだ。そして亜人がその能力を発揮出来るのであれば、並の冒険者よりも有能であるだろう。

「君の力が必要だ!」

レーベンが力強く声をだす。それに対して怯えるような表情だが、小さく返事が還ってきた。

「……少し、考えさせて下さい」

 

 ダンジョン中層部。そこには以前壮大な樹木があった。どの時期に来てもマナに溢れ、神秘的に輝くその樹を神樹様とあがめている村人も多かった。だがしかし、数年前にすっぽりと消えてしまった。前兆も無かったため、未だに訪れる村人が幻覚だったかも知れないと首を傾げる程に。

「どこに行ったんだろうな、神樹様」

二人組の村人が、供え物を置いて自分の村に戻ろうとすると、少女とすれ違う。

「……どこかで見たような」

そう呟いた瞬間、身体に違和感を覚える。それが何か分からないまま、異変が全身に廻り意識を失う。すれ違った少女が、元々神樹があった場所に辿り着くと、樹の根が少女を支えるように伸びる。

「質は悪いが……無いよりはましか」

 

 ココから十字架の形をした道具を受け取ると馬車の待つ場所まで移動する。そこには先に一人の人影があった。

「よぉ! 行こうか!」

レーベンの大声に驚きながらも、はっきりと頷いて同行するコポン。

 




読了ありがとうございました。

これから毎日小説をアップしようぜ(某ジ風

いやぁ、長かったですね毎日小説アップ週間!
これだけ書くのに結構時間が掛かりました、大変でしたね!
まぁ、まだ投稿されてないんですけどね!(書きためた分に後書きしてます

それではまた、明日以降の暇時に。
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