異世界転生で白魔導士   作:3148

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魔導士の帽子と小さい背丈が特徴的な少女が台本を開く。
カレン「自己紹介? なんで私が……私はカレン、冒険者で魔導士よ。現在勇者パーティの一人なんだから! どう、驚いた?」
鼻高々に胸を張ると、台本を捲る。
カレン「協会の白魔導士について? なんでそんなこと聞くのよ? いや、ちょっと嫌な奴の事が頭に浮かんだから聞いただけよ。別に皆が皆悪い奴じゃないわ。まぁ、良い奴ばかりでもないけどね。協会から派遣される白魔導士について、よね。無所属なイメージだけど、ほとんどがギルドに所属してるわ。というか、腕の立つ白魔導士は手放そうとするギルドはいないわ。ダンジョン探索には必須の職業だしね。ギルドが大きくなると協会の恩恵の代わりにクエストの協力を依頼されるの、その辺りは持ちつ持たれつよ。ギルドにいようが、協会から呼ばれようが、白魔導士は基本的に報酬が高いわ、それが嫌われる理由でもあるんだけど。そうしないと危険なクエストに参加してくれないし、失敗率も死亡率も高い。協会からの応援の白魔導士をクエストで死なせたってなると、まぁ、想像したくも無いけど……ダンジョン探索のクエストは受けられなくなる位なら優しい処置な方ね」
溜息をつく魔導士。
カレン「あら、もう時間なの。そ、じゃあ、またね」


第二章 第二十五話 地を這う龍

 その後もモンスターと対峙するが、その時々に最適な対応をし、危なげなく最深部の湖まで辿り着いた。

「お疲れ様―、ここから先の採取は自由にしてね。なるべく邪魔しない様にするけど、モンスターの気配があったら別だから、よろしく」

一通り素材を集め終えると、カレンがフーリに声を掛ける。

「貴女、どうしてこの依頼を受けたの?」

その疑問には、躊躇いなく答える。

「協会から依頼を受けたから、だよ」

その笑みには、なんの意図があるのだろうか。

「わかんない。協会からの依頼なんて煩わしいのばっかりなのに。どうして白魔導士はそれを喜ぶの?」

多くの冒険者は己の目的の為にその立場になる。或いは、必要に迫られてそうなるのだ。半ば強制の協会の依頼は、嫌われることが多い。だが、フーリはその言葉で理解した。

「助けを求められること、それに応えること。それ自体はそう悪いことじゃない、そうでしょう?」

それを聞いたカレンは踵を返して、ダンジョンの入り口に向かって歩き出してしまう。

「変な奴!」

 

 馬車に揺られる、カレンとフーリ。戦士と魔術師のコンビは用があると途中で降りてしまった。

「あんた、いつまでこの地方に居るの?」

カレンの問いにフーリは嬉しそうに答える。

「ふらっと来ただけだけど、ちょっとの間いても良いかな、って思ってる!」

その言葉に、馬車の男性が手紙を懐から出す。

「次の依頼だ。良かったよ、ここに居てくれる気になってくれてさ」

差し出されたのは協会からフーリに宛てた次の依頼だった。

「……魔術師ちゃん、一緒に来てくれたりは?」

カレンは首を横に振る。

「折角素材を手に入れたんだから、研究に装備の一新に色々やることがあるもの。報酬も悪くなかったし、当分は研究所からは出ないと思うわ」

そんなぁ、と情けない声を出しながら馬車から降ろされるフーリ。

「……変な奴」

 

 魔術師が酒場に戻ると、カイルがテーブルで待っていた。

「どうだった?」

カイルの言葉に、弾む気持ちを抑えて平静を取り繕う。

「中々の収穫だったかな。素材も報酬も良い感じ」

それは良かった、と満面の笑みを浮かべるカイル。次の冒険の話を始めるカイルの横顔を愛おしげに見つめるカレン。酒場にはいつもの風景が戻っていた。

 

 ワームの洞窟を抜けて、湖につく。一度通った道は覚えていたため、今度は襲われることも無く、辿り着く。

「水中に潜る準備もしてきたし、これで良し、と」

湖の底を歩いて進む。呼吸が出来るボンベを取り付け、休む事無く、急ぐこと無く歩き続けると日が暮れる前に底の底に辿り着いた。

「おっと、ここが深部に繋がる穴ね。マナが溢れんばかりにこみ上げてきてる」

光さえ呑み込む様な深淵に、視界を落としても何も写さない。常人であれば、視界にいれるだけで恐怖するような深い穴に、フーリは躊躇わずに足を踏み入れる。

 

 底の底の縁からは、急勾配、といえる物では無く。まっすぐ重力のままに落ちていくと言った方が正しいだろう。灯は無いが、生命が全くないわけでは無い。しっかりと捕食者が網を広げている。

「いるね」

隠す気も無いマナの動きに気付く。それは軟体動物で、長く自由に動く八本の触手がどこか元の世界に近い物を感じる。フーリの体に触手が巻き付き、絞め殺そうとするが、力を入れた瞬間に違和感を感じる。

「結構単純な体組織の方がやっぱり丈夫だし、再生しやすいのよね。だけど、簡単にノッキングできるのは、あまり良くないかな」

触手の先がシビれ、思う様に動かない。他の触手を伸ばすが、他の触手も同様に動かなくなる。

「胴体に近いところに浮き袋があるんだね。今日はここまで、また遊びましょ」

ぶすり、と眉間の辺りに刺さった指を抜いた瞬間に、モンスターの体が膨らみ始める。体内の浮き袋を調節することで潜ったり浮いたりしているのだが、それを無理矢理膨らませることで、急速にモンスターが海面へと向かう。それ見送ると再び潜り続けるフーリ。やがて底に辿り着き、横穴に気付く。

「さて鬼が出るか蛇が出るか」

 

 横穴を抜けると空間が広がり空気があった。幸いにも呼吸するのには困らない空間で有り、僅かながら明かりもある。足下が見える程度だが。

「大きなごつごつした岩肌。壁にもこんなにマナが集まってるなんて……海底とは別の意味で凄い」

壁伝いに進んでいくと、どこからか声が響く。

「はっはっは、海底とは違う、か。まぁ、奴と同じにされるのも心外だからな」

深く、ふとすれば地鳴りと勘違いしてしまいそうな声。だが、不安になるどころかどこか安心感さえ覚える。

「だ、誰!?」

周りを見渡しても岩壁以外は無さそうだ。なにより、生物特有のマナを感じない。

「気配を隠してる? それともそういう魔術やスキル?」

どちらにしても気を抜くわけにはいかない、と拳を握るが、その声の持ち主の姿は見えない。

「威勢が良いのは良い。だが、噂ほど周りが見えているという訳では無さそうだな。いやかまわん。若い女性に触られるのは悪い気はしないからな」

例えそれが全く別の種族であっても、と加えると、フーリは違和感に気付き、駆け出す。少し走ると違和感の正体が現れる。

「デカすぎるでしょ……」

山と見紛う程の巨体を持つドラゴンの甲殻に触れ、岩壁と勘違いしていたことに驚きを通り越し呆気にとられるフーリ。

「大したもてなしは無いがな。転生者の客人は久しぶりだ。まぁ、ゆっくりとしていけ」

 




読了ありがとうございました。

これから毎日小説をアップしようぜ(某ジ風

ファンタうめぇ(グビグビ
ポテチうめぇ(ボリボリ
不摂生は止めらんねぇんだ!(ドンッ

それではまた、明日以降の暇時に。
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