仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE 作:けーやん
FBI捜査官 滝和也との邂逅。
そして、バダンの刺客が来太と村雨に襲い掛かる。
ゴボゴボゴボ……
(此処は……闇か。また闇の中か……)
光の無い水中の中で、1人の男が奈落へ沈み続ける。
(我は敗れた……この肉体は完全に戻りはしなかった……。敗れた我は……また闇の中へ戻るのか……)
沈んでいる感覚を感じながら、男はそう思った。
すると、上の方から光が差し、男は
(おおおお……久しいな……
すると、周りの筒状の突起物の先端から電流が走り、強力なエネルギーが稲妻となり男に直撃する。
(おお……大……首領よ……今1度、我に完全な肉体をくれると言うのか……ならば我は貴方に全てを捧げよう。この肉体と魂を懸けて貴方の夢を叶えてやろう)
電流を受けながら奈落へ堕ち続ける男の左腕は、いつの間にか鞭の様なモノへと変貌する。
◾️◾️◾️◾️
「けど、良かったです。歩けるまで回復したみたいですね」
「ああ……」
ルミちゃんと話を終えた俺は、村雨さんと共に庭を歩いていた。
すると、村雨さんが屋敷の2階窓を見上げたので釣られて俺も見上げると、ルミちゃんが窓際に立って此方を見ていた。
ルミちゃんは少し驚きながらも、俺と村雨さんを見る。
(少しは村雨さんを見れる様になったかな……)
ルミちゃんの心の変化に、俺は少し笑みを浮かべる。
それを他所に、村雨さんは庭にあった倉庫のシャッターを上げる。
その中には、村雨さんのバイクらしき物が置いてあった。
「これは俺の物……か?」
「お姉さんのしずかさんのじゃなければ、村雨さんのバイクだと思いますよ」
そう言って、村雨さんはバイクを押して倉庫から出す。
「折角ですし、少しこの辺りツーリングしません?」
「……そうだな」
そうと決まった俺は玄関に置いてた【ライズホッパー】に跨り、バイクに乗った村雨さんの後ろへ付いて行く。
誰かとツーリングするのが久し振りである俺は、内心ウキウキしながら村雨さんの後ろを走行していると、村雨さんがサイドミラーを見て後ろを確認した事に気づき、俺も後ろを確認すると、俺たちの後ろを付いて来る1台の大型バイクが見えた。
そのバイクに乗っているのは、サングラスを掛けて口にタバコを咥えた男性であった。
(あれ……確かあの人は……)
すると、前を走行していた村雨さんがバイクごと姿を消した。
「ちょっ!」
俺は慌ててブレーキを掛けて、その場に停まる。
すると、後ろのバイクも急停止し、男性が俺に声を掛ける。。
「オイ、お前!前の奴はどうした!?」
「すみません、気付いたら居なくなってて」
俺が後ろ男性にそう言った次の瞬間、道路の左側の階段からバイクに乗った村雨さんが男性の真上に落下する。
男性は咄嗟に回避して、何とか事なきを得る。
「テッ……」
「新宿からずっと付けていたな。何のつもりだ」
村雨さんは男性の首を絞めながら質問する。
「止めてください、村雨さん!」
「これ以上付け回すと」
「へっ、どーーするよ。また殺すってのか……」
「「!!」」
止める俺と警告する村雨さんに、男性がそう言い放つ。
そして懐から拳銃を取り出し、銃口を村雨さんへ向ける。
「こっちだって米軍基地であった時から怨み骨髄なんだよ。世界中の人をぶっ殺しまくっといて新宿じゃあ
(思い出した、この人は滝和也!ダブルライダーの相棒だった人だ!!)
村雨さんを仇の様に睨むその人の名は【滝和也】。
仮面ライダー1号・2号と共に悪の結社ショッカー・ゲルショッカーと戦った人物である。
『滝!!バダンよ!!』
「アンリ……チイィ、何処だよ!日本か!?」
突然女性の声が響くと滝和也は腕に着けていた時計に向かって叫ぶ。
『現場は川崎市!!首都高速横羽線上、直ぐに向かって!』
バダンの出現を聞いた俺と村雨さんは急いで現場へ向かう。
「テメェら!!」
遅れて後ろから滝和也が追い掛けて来る。
首都高速横羽線近くの道路に出ると、前を走行する車を避けながら突き進んで行く。
『現在これより先は通行止めとなっております。迂回路を用意するまでそのままお待ち下さい』
「急いでよーーー!!」
「事故か!?一体何が起きてんだよ!」
渋滞する車の横をすり抜け、ポールで塞がれた道をそのまま突っ切る。
「おい、貴様……」
「しかもノーヘル!?」
迂回路へ誘導する警官がノーヘルでバイクに乗る村雨さんに気づくも、当の本人は無視して走行する。
「すみません、通ります!」
「おい!」
「止まれ!」
「悪りぃな同じ公僕だ!!切符ならFBIかインターポールにつけてくれや!待てコラーーーー!!!」
俺も警官を無視して村雨さんの後ろを付いて行くと、滝和也も続けて警官の横をすり抜ける。
その時、突然1人を乗せたバイクと2人を乗せたサイドカー付きのバイクが現れ、村雨さんの横を並走する。
「アレは!?」
「よお……やっぱり出て来てくれたなZX」
すると、1人の方が村雨さんに話し掛ける。
そしてヘルメットが突然割れ、その下の素顔を晒す。
「俺はジゴクロイド」
そう名乗ったのは、1人の男であった。
そして、サイドカーの方の1人である女が自身のヘルメットに爪を立てると、真っ二つに割れる。
「あたしは……カマキロイド」
そして、最後にもう1人のヘルメットから泡が噴き出すと、ヘルメットが消える様に溶けてターバンを巻いた老人の顔が露わになる。
「…………」
「ウフフ……カニロイド……ですって」
「生憎、俺たちにはアンタらみたいに人間の名前はねぇ。なんせ、人間だった事が無いもんでなぁ」
そう言うと、3人は村雨さんを追い抜き、なんと
「ク……ククク」
「げぇぇ!?なんだぁアイツら……」
滝和也も3人の奇妙さに驚く。
すると、村雨さんがジゴクロイドの顔面を殴る。
しかし、ジゴクロイドには一切のダメージはなく、平然としていた。
「……これが……痛みかい?」
「!!」
そんなジゴクロイドに村雨さんも驚いている様子だった。
「ZX、親父はテメェを破壊せずにバダンに連れ帰って欲しいみたいだが……俺たちは違うぜ」
「親父が眠りについた今……俺たちの好きにやらせて貰う」
「もうお終いなんだよ。テメェも……人間もな……」
「「!!」」
ジゴクロイドの宣戦布告に俺と村雨さんの表情に緊張が走る。
「切り刻む……」
「………… 溶かす」
「真っ暗な地獄の中に埋めてやるぜ」
「ひゃははは」
「ひゃははははははははは!!」
ジゴクロイドは奇声を放ちながら、カマキロイドとカニロイドと共にバイクを旋回させ前へ駆ける。
すると、村雨さんはZXに変身し、全速力でジゴクロイドたちを追い掛ける。
「あいつ……また、変身……」
「クッソオオオ、テメェ一体どっちなんだ!人間の敵か……それとも……」
ZXに変身した村雨さんの姿を見て、滝和也は何が何だか解らなくなっていた。
そして俺はアクセルを全開で回し、前を走る
◾️◾️◾️◾️
来太たちがジゴクロイドたちを追い掛けている中、上空を飛行するヘリコプターからインターポール捜査官のアンリは、目の前に広がる光景に驚愕していた。
「なんてこと、ほんの数時間で……こんな事を……」
驚くアンリの目の前には、都市の中心部に突如発生した巨大な蟻地獄がビルや人を沈める光景が広がっていた。
巨大な蟻地獄が都市部を、人間を襲う。
そして、滝和也の前でゼロワンに変身する来太。
ZXと共にジゴクロイドに立ち向かう。
次回『閃光はセツナに光る』
ご期待下さい。