仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE 作:けーやん
ZX&ゼロワン&滝和也vsカマキロイド&カニロイド 前編です。
高速道路で行われた2人の仮面ライダーとジゴクロイドとの戦闘の後、一般市民が警察の誘導の元で避難している中、ヘリコプターの傍でアンリは通信をしていた。
「はい……バダンは何故高速道路を襲ったのか、以前までの攻撃地点に比べて目的が不明確過ぎます。もし……理由があるとすれば……彼らがZXと呼称する赤い怪人とゼロワンと呼称する仮面ライダーを誘引する場として使ったとしか……」
『それだけの理由で……ですか。アンリ、それは貴女の推測ですよね?』
「はい……推測に過ぎません。しかし、私にはそれだけバタンはZXに執着している様に思えます。その為の犠牲者は彼らにとって大した問題ではありません」
「それが……バダンです!!……そして、ゼロワンはバタンからZXを守る為に共に行動しているかと……」
『なるほど……』
アンリの言葉に通信の男は納得する。
『ZXとは何なのか……そして彼と行動するゼロワンを名乗る仮面ライダーとは何なのか……そしてバダンの目的は?フム、例の世界中の空に出現した巨大な渦。あれ以降バダンは再び沈黙を守ってきました。しかし、そう言う期間程水面下で次の進撃を組み立てているものです。9人の仮面ライダーも今、我々と同じく休む間もなく世界中でバダンの動きを掴もうとしています』
「しかし、本部長……」
そんなアンリに"本部長"は答える。
『フフ……解ってますよ、アンリ。このまま日本を放ってはいけませんよね』
◾️◾️◾️◾️
ジゴクロイドとの戦闘を終えた俺と村雨さんは互いにバイクを推し進めながら村雨邸に戻ろうとしていた。
その時───
「おい!待てよ、おい!ZXとゼロワンっての!!」
後ろから声を掛けられたので振り返ると滝和也が駆け寄って来る。
「村雨良……だ」
「あ、俺は佳面来太です」
俺も村雨さんに続いて名乗る。
すると、滝和也は俺たちが名乗るとは思わなかったのか、少し驚いていた。
「へ……そうかよ……。俺は滝、FBI捜査官の滝和也ってんだ」
だが、直ぐに嬉しそうな顔をして自分の名を名乗る。
「以後お見知り置きを───」
「あ、村雨さん待って下さい!」
「ってオイ!」
そんな滝和也を無視して進む村雨さんを俺が呼び止めようとすると、無視された滝和也がツッコむ。
すると───
「グッ」
「村雨さん!」
俺はふらつく村雨さんを寸前で支える。
「テメェ、ボロボロじゃねーか!そのまま帰るつもりかよ」
「大丈夫だ、回復システムはまだ生きている」
「ナニ?」
心配して声を掛ける滝和也に村雨さんがそう答える。
「だが、長い間バダンの調整を受けていない。治癒能力が落ちてきているのは確かだ。それに……光も……」
先程の戦闘でも見られた機能低下が更に深刻化している事を村雨さんが説明する。
「最近は
村雨さんが苦しそうに答えていると、その時───
「そーーおーーなのよ、だ・か・らさ……」
「このまま逃す訳にはいかないのよねぇ」
「「「!!!」」」
突然の
避難している一般市民の中に、ジゴクロイドと共に居た女・カマキロイドと、老人・カニロイドが此方を見ていた。
そして、周りに一般市民が居るのを解っている上で戦闘態勢を取る。
「待て!」
そんな2人に、村雨さんが叫ぶ。
「気の済むまで相手をしてやる……ただし……人の居ない所でだ……」
◾️◾️◾️◾️
村雨邸では、リビングで海堂博士とルミが昼食のカップラーメンを食べ始めていた。
「それにしてもアチッ……遅い。良くんと来太くんは何処まで行ったんだ?全く……」
そう言いながら海堂博士はカップラーメンの麺を啜る。
しかし、ルミは箸を持たず俯いている。
「"冷たい態度取っちゃったかなぁ……"」
「!」
「"でも……良さんがバダンだなんて……私どうしたら良いの?"……とか考えてるだろ?」
心の声を弁解されるルミは海堂博士を少し睨む。
「ハハ……まあまあ、ゴメンゴメン。良くんだって記憶を失った状態で悩んでいるんだ」
「解っています……だから今は……
ルミの言葉に海堂博士は意外な表情をする。
「何だ、大丈夫そうじゃないか。てっきり思い詰めてると思ったが……」
「来太さんが……言ってました。"今の良さんをちゃんと見てあげて"って……」
「そうか……(助かったよ、来太くん)」
海堂博士は心の中で来太にお礼を言って、今後の目的を考える。
村雨は依然記憶が戻っていない状態で、本人曰く"バダンの調整を受けていない影響で機能が低下している"との事だ。
後者はともかく、今は記憶の手掛かりを何とか見つけたいところである。
(何か手掛かりがあればなぁ……)
海堂博士は自身の鞄から村雨から預かってある小さなキューブを取り出す。
(伊藤くん……君はどんな意味を込めてコレを良くんに託したんだ……)
「は……博士……」
「へ?」
考えていると、ルミに声を掛けられた事に気付き、海堂博士はルミが指差すテレビを見る。
すると───
『首都高速横羽線とその一帯における謎の陥没現象はそのまま停滞を続けていますが、付近住民と通行客の被害は未だ見当がつかずにいます』
「横羽線!?いつの間にこんな……」
テレビの報道ニュースで映し出された被害に海堂博士とルミは驚愕する。
『この映像をご覧下さい!!』
次に映し出されたのはジゴクロイドと戦闘するZXとゼロワンであった。
『この顔!!この姿!!』
『おそらくこの一件は新宿同様バダンによるテロと考えられます!!これをキッカケに世界へと派生する恐れも十分にあります』
「良さん……来太さん!」
「何だって!あの黄色いのが来太くんだと!?」
ルミの言葉に海堂博士は映像に映る黄色い怪人の正体が来太である事に驚愕する。
「こりゃあ……なんとかせんと……しかし……何を……」
海堂博士は頭を悩ませるも、解決策が思い浮かばなかった。
そして、
「そう……取り敢えずは……ほらっ、ルミも早く食べて!食べたら早く支度しなさい!」
「え?」
そう言って凄い勢いでカップラーメンを啜る海堂博士にルミは唖然とする。
「そして一条邸に急ぐんだ!!」
「え……わ……私の家に……」
自身の家が出て来て、ルミは
「……そう、そして私たちは……私たちに出来る事をやらなくては……」
海堂博士は先程の悩んでいた様子とは一変し、何かを決意した顔になる。
◾️◾️◾️◾️
とある高層ビルの一室に、テレビに映し出されるZXの姿をニードルが眺めていた。
「ムラサメ……困った人だ……その体、もっと大切にしてくれないと……ね」
◾️◾️◾️◾️
「……おい。おい……!!此処の何処が一体人の居ねえ場所なんだよ!!」
カマキロイドとカニロイドに連れられ、俺たちが辿り着いた場所が多くの人たちが居る都市部の街中であった。
「あーっはははは怒った怒ったあ!!やっぱりそうくる!?」
滝和也が叫ぶと、その姿にカマキロイドが腹を抱えて嗤う。
「だからさあ……ZX、ゼロワン。アンタら次第って……こと」
カマキロイドは近くの人混みを見ながらニヤニヤ嗤いながら言う。
「うじゃうじゃといるねぇ……そう、5万…6万人くらい?コイツら……アンタらを切り刻むまでは1人も手を出さないであげるわ」
「「!!」」
「何?」
カマキロイドの発言に、俺たちは反応する。
「その代わり、アンタらがズタズタになって相手が出来なくなった時は……1人の人間を2つに……4つに……8つに刻んで……」
カマキロイドが言いたい事を理解した俺と村雨さんは表情を変える。
「フフフ……解る?5万が10万……10万が20万……きっと数え切れない程の死体が見れるわ」
「……あ……悪趣味な女だぜ……」
滝和也が顔を青褪めながらそう言う。
「嫌だねぇ、"外連"って言いなよ。
そう言って、カマキロイドは少し離れた所にあるオブジェに向かって指で空を切ると、そのオブジェは真っ二つに切断される。
「……うわ」
「キャアアアアアア!!」
「なんだなんだあ!!」
「なんかオブジェが壊れたぞ!?」
近くに居た人たちが切断されたオブジェに叫びながら驚愕する。
「させん……」
「!!」
「村雨さん……」
村雨さんがカマキロイドに向かって言う。
「キサマらと差し違えても守ってみせる」
そう言った村雨さんだが、ジゴクロイドとの戦闘以降からの不調により今でもフラついていた。
そんな痩せ我慢する村雨さんに、俺は1つ溜め息を付いて村雨さんの肩を叩く。
「1人で闘おうとしないで下さい。
「……何だって?」
癇に障ったのか、先程の笑みを浮かべていたカマキロイドの表情が固まる。
「事実だろ?自信があるなら"真っ向から来い"って言ってるんだ。それと、悪いけどお前たちに時間をあまり掛けなくないんでね。
「黒幕だと?」
俺の挑発混じりの言葉に滝和也が反応する。
「最初に会った時、コイツらは親父と呼ばれる存在から"ZXを破壊せずにバダンに連れ帰って欲しい"と指示を受けていると言っていました。つまり、その親父こそコイツらを生み出し、村雨さんをZXにした張本人であり、バダンのボスって事です」
「何だと!!」
俺の推測に滝和也が叫ぶ。
「アンタ如きが……
「思い上がってんじゃないよ!!」
すると、カマキロイドの体がみるみる変わり、人の姿から右腕に巨大な鎌を生やした蟷螂怪人となる。
「オイ……何だアイツ……」
「キャアアアアアアアアアア!!」
「バダンだ!!」
「バダンが出て来やがった!!」
「キャアアアアアアアアアア!!」
近くに居た一般人全員がカマキロイドの出現に驚愕し、その場から離れる。
すると、カマキロイドが右腕の巨大鎌を振り上げ、そのまま振り下ろす。
「クッ……」
俺たちは左右に避けると、後ろのタクシーが縦に真っ二つに切断させる。
「さあ……変わりなよ……早く」
「でないと……私がいつ約束を忘れちまうか解らないよ……」
「ッ!……!!」
カマキロイドの挑発に、村雨さんがZXに変身しようとするも、人間の姿のままだった。
「変わら……ない」
「俺はもう……変わる力も……」
自身の力の低下に村雨さんが悔しそうに呟く。
その時───
「"スイッチ"だ!!」
滝和也が村雨さんに叫ぶ。
「スイッチを入れるんだよ!!テメェが光を放った時みたいに!!」
「力を引き出す為の動きがあるだろうが!!」
滝和也が村雨さんにそう言っている間にも、カマキロイドはジリジリと此方に近づいて来る。
「やれよ!!早く!!」
滝和也の叫びと共に、村雨さんは左腕を右斜め上、右腕を右斜め下へ構える。
「よしッ!俺も!」
『ゼロワンドライバー』
『ジャンプ!』
『オーソライズ』
村雨さんに合わせて俺は【飛電ゼロワンドライバー】を装着して、【オーソライザー】にプログライズキーを
すると上空からバッタ型【ライダモデル】が着地し、ベルトの待機音に合わせて周囲を飛び跳ねる。
村雨さんも右斜め上に構えた左腕を上へスライドさせる様に移動させ、両腕を対角線になる様に構える。
「で……"変身"……だろ!!」
俺は展開した【ライジングホッパープログライズキー】を【飛電ゼロワンドライバー】に装填する。
村雨さんが左腕を腰に持って行き、右斜め下の右腕を手刀に構え左斜め上に突き出す。
「変身ッ!」
「変んん……身」
『プログライズ!』
『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』
『"A jump to the sky turns to a rider kick." 』
生物の固有能力と人体の相互作用を最大化する形態に変換する【プログライズ】を実行し、【ライダモデル】やアンダースーツを量子成形機【ビームエクイッパー】により照射成形することで、俺は【仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー】に変身完了する。
そして、村雨さんの中心に風が巻き上がり、腰に出現したベルトのバックル部分が輝き、人間の姿から【仮面ライダーZX】に変身完了する。
今此処に、仮面ライダーZXと仮面ライダーゼロワンが並び立ったのである。
共に変身を遂げた来太と村雨。
ZXがカマキロイドと、ゼロワンと滝和也がカニロイドと交戦を始まる。
カニロイドの強固な装甲に苦戦するゼロワン。
その時、来太は
次回、『燃えるコブシが敵を穿つ』
ご期待下さい。