仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE   作:けーやん

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SPIRITS編第2話です。

単行本4巻の第4話『逃走』からスタートします。

それでは、どうぞ。


第2話『オレが学生で仮面ライダー』

【東京都・新宿】

 

(…ここが別世界。見た感じ東京みたいだけど…特に荒れ果ててるって感じじゃないな)

 

オーマジオウによって別世界に送り込まれた俺は、辿り着いた光景を分析する。

 

『「BADAN」と名乗る破壊組織による世界各地の軍事基地へのテロ そして破滅より4ヶ月が経とうとしています───』

 

『各国の軍事力も3分の1まで低下し、未だ復興の兆しも見えません。世界は今、我が身を守る牙も爪も奪われた状況にあります』

 

「BADANだって?」

 

仮面ライダーZXの敵組織の名前がテレビで報道されている事に驚愕していたら周囲の人たちがバダンについて話していた。

 

「あれ?もう4ヶ月経つの?」

 

「呑気なヤツだな。日本だって横須賀だの沖縄だのやられてるんだぜ」

 

「マジ?」

 

すると、端の方でメガホンを持った男性が演説を始めた。

 

 

「バダンは戦争の種に正義の鉄槌を下したのです!!」

 

 

「バダンこそ真理!バダンこと愛なのです!」

 

 

「アホが!兵士の遺族が黙ってねーぞ!」

 

「かんけーないね」

 

「ナンマンダブ、ナンマンダブ」

 

演説を否定する若者、自分は無関係と言うサラリーマン、手を合わせて念仏を唱える老人。

 

一連の光景に俺は()()()()()()()()()()

 

「この世界って…まさか【仮面ライダーSPIRITS】の世界?」

 

この世界が生前に読んでいた10人の昭和仮面ライダーが主人公の漫画の世界である事に気がつくと、金属同士がぶつかる音が聞こえ、その方向を見ると、パンチパーマの髪型が特徴なローブを纏う長身の男が念仏を唱えている老人の隣に立っていた。

 

「あの人は!?」

 

男の正体に気がつく暇も無く、男は常人を遥かに越える跳躍で上へと跳ぶ。

 

すると男に合わせて二つの影が上空に跳び、男に襲い掛かる。

 

そして3つの影はビルからビルへと飛び移り、その場から姿を消える。

 

「マズイッ!()()()()()()()調()()()()()()!追いかけないと!」

 

俺は急いで影の行方を追った。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

男・村雨良は追手から身を隠す為、橋の下で座り込んでいた。

 

腹部に開かれた穴は独り手に塞がり、傷跡は綺麗に消えたが僅かながらチクリと痛みを感じた。

 

「……痛み、か」

 

「これで良いんだろう?」

 

男は自分を上から見てる女の幻影に問うと、女は涙を流しながらも微笑んでいる様に見えた。

 

 

「見つけた!」

 

 

突然声が聞こえ、村雨は顔を上げるとそこには息が上がて此方を見る男の姿があった。

 

「大丈夫ですか!?いや大丈夫じゃないから座り込んでいるのか。一先ず立てますか!」

 

男は此方に近づいて村雨に手を差し伸ばす。

 

「貴様は…バダンの手先か?」

 

「違いますよ!俺は敵じゃないです!そんな事より立てますか!?」

 

「…ああ」

 

男は村雨の手を掴み何とか起き上がらせる。

 

「お?お〜〜〜〜い!兄さんたち、そないな所でどないしてん!?」

 

すると別の方からも声が聞こえ、男と村雨は声のする方へ顔を向けると台車を押す老人が居た。

 

「落っこちてケガでもしたかあ!?」

 

「……いや」

 

「こっちも大丈夫です!」

 

「ツケのきく診療所に連れてったるさかい上がってきいや!」

 

「ありがとうございます!……行ってみますか?」

 

「……ああ」

 

こうして男と村雨は老人について行く事になった。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

老人について行く事になった俺と村雨さんは治療費を稼ぐ為にアルミ缶を集め業者に売る作業をしていた。

 

 

「ほい、コイツはワシからの奢りや」

 

「ありがとうございます」

 

「……」

 

老人から飲み物を受け取り、公園のブランコで休憩する。

 

「そういや兄さんたちの名前聞いとらへんかったな。兄さんたちの名前は?」

 

「俺は佳面来太です」

 

「"ゼクロス"」

 

「は?ゼ?」

 

「そう、"ゼクロス"…だ」

 

村雨さんは自分を"ゼクロス"と名乗った。

 

やはり、まだ記憶が戻っていない様だ。

 

「…なんや知らんがやっぱり訳ありか…。ま…嫌な事は早う忘れるんや」

 

そう言って老人は缶酎ハイを一口飲む。

 

「いや…俺は何も覚えて…」

 

「いいから…何も言うなや。……時にや兄さんたちにとって良いもの…守りたいくらい大切なものをはあるか?ワシはな、あるんや」

 

老人の言葉に村雨さんは何か考えているのか黙って少し俯いた。

 

「なあ、兄さんたち。ワシはこう思うんや、例えば自分という人間がどうしようもなく荒んで汚れてしもうとったとする…」

 

「やけどな…たった一つでも良い…自分にとって守りたいものが1個でもあればその命には生きていく価値がある。その人生はピカピカになるんや…、てな…」

 

「…そうですね。俺も…そう思います」

 

「せやろ!兄ちゃん話が分かるなあ!」

 

老人は俺の腕をバンバンと叩く。

 

「と、流石にここにずっと居ったら風邪引いてまうわ。兄ちゃんたち寝る場所無いやろ?特別に案内してやるさかい、ついてきいや」

 

「ありがとうございます。行きましょうか」

 

「ああ…」

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

老人に案内され、辿り着いたのは道路橋の下であった。

 

「ここがワシのねぐらや。その辺の毛布適当に使ってな」

 

老人はそう言うと何やら裏でゴソゴソ音を立てると中身が詰まった封筒をコートのポケットに仕舞った。

 

「あ…ワシ、ちょっとトイレ」

 

老人は少し急足でこの場を去っていった。

 

「すいません…お爺さんが心配なのでちょっとついて行きます」

 

「分かった…」

 

村雨さんに一言言って、俺は老人の跡を追う。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

老人の跡を追うと、路地裏に辿り着いて老人は【海堂】と書かれたポストに例の封筒を入れた。

 

「そんな事してたんですね」

 

「な!?兄ちゃん何でおんねん!?」

 

俺に後をつけられてた事に漸く気がつき、老人は驚く。

 

「すいません、気になって跡をついて来ました」

 

「……まあ、ええわ。ほら、急いでずらかるで」

 

老人に押され、路地裏を後にした。

 

「"あの場所"がお爺さんが守りたいものなんですね」

 

「せや。ワシはな…あの診療所に命を救われたんや。その恩を少しづつやけど返して金を集めとるんや」

 

老人はニコニコしながら答えてくれた。

 

そんな老人に俺も笑顔になった。

 

 

その時───

 

 

「ヒュヒュヒュ。実に良い顔をなさる…」

 

街灯の下に誰かが立っていた。

 

「己の醜さも哀しさも優しさも含んだ、徳のある素晴らしい顔だ…」

 

その人影の口元から長い何かが出ており、此方を狙うかの様に唸っていた。

 

「お爺さん逃げて」

 

「え?は?」

 

「早く逃げろ!」

 

「あ、ああ!」

 

老人は俺の声にビックリするも急いで歩いた道を急いで引き返した。

 

「ヒュヒュヒュ、お優しい事をなさる。しかし、無意味な事を…。どうせ2人纏めて殺して差し上げると言うのにいィィィ!」

 

街灯により人影が姿を現すと、その顔はカメレオンで大きな口から長い舌が伸びていた。

 

「生憎、死ぬつもりは無いね!」

 

俺は変身ベルト【飛電ゼロワンドライバー】と【ライジングホッパープログライズキー】を実体化させ、腰にベルトを装着する。

 

 

『ゼロワンドライバー』

 

 

「それは…!?」

 

 

『ジャンプ!』

 

 

『オーソライズ』

 

 

ベルトの【オーソライザー】によりプログライズキーをオーソライズ(認証)させ、すると上空からバッタ型【ライダモデル】が着地し、ベルトの待機音に合わせて周囲を飛び跳ねる。

 

 

「変身ッ!」

 

 

『プログライズ!』

 

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』

 

 

『"A jump to the sky turns to a rider kick." 』

 

 

プログライズキーを展開させベルトに差し込むことで、キーが宿す【ライダモデル】とゼロワンシステムが反応。

 

生物の固有能力と人体の相互作用を最大化する形態に変換する【プログライズ】を実行し、【ライダモデル】やアンダースーツを量子成形機【ビームエクイッパー】により照射成形することで、俺は【仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー】に変身完了する。

 

「その姿!?まさか、貴様は仮面ライダー!?」

 

変身した俺に驚くカメレオン怪人に、俺はこの名を名乗る。

 

「ゼロワン!それが俺の名だッ!!」

 

こうして俺は、別世界に来て初めての戦闘を開始する。




ゼロワン初変身回でした。

次回はゼロワンvsカメレオン怪人(正式名:カメレオロイド)の戦闘回です。

お楽しみに!
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