仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE   作:けーやん

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第5話の投稿です。

今回は村雨良の過去が分かる回です。

それでは、どうぞ。


第5話『村雨良は昔コンナ表情をしていた』

夕方の新宿の路地裏をルミちゃんとお爺さんに連れながら俺と村雨さんは診療所を目指して移動する。

 

「お爺さん、渡した薬はしっかり飲んでくださいね。また無くなったらちゃんと診療所に来てください」

 

「ああ、分かっとる。いつもすまんなあ」

 

ルミちゃんが叱るとお爺さんは困りながらも笑顔で答える。

 

「身体、今は何ともないんですね」

 

「ああ…。だがメンテナンスによる調整が出来ていないせいで修復機能が低下している」

 

「診療所で治れば良いんですけどね」

 

「無理だろうな…」

 

俺と村雨さんが話していると、目的地の診療所に到着した。

 

「あ、ここです!」

 

ルミちゃんとお爺さんに着いて行き、建物の中に入り階段を登る。

 

「博士、会いたいって人が…」

 

部屋を覗くと、眼鏡を掛けた医者らしき男性が患者を診察していた。

 

博士と呼ばれる人は俺の隣に居る村雨さんの顔を見て驚いた顔をした。

 

「あれぇ、良くん」

 

「え?」

 

「ん?」

 

「………リョ…ウ……」

 

すると突然、村雨さんは博士に迫り胸ぐらを掴む。

 

「ちょ!?落ち着いて下さい!!」

 

俺は村雨さんを取り押さえるもビクともしなかった。流石は改造人間。

 

「キサマ…キサマは…俺の事を知っているのか」

 

「知ってる。知ってるから、暴力反対」

 

「どーした先生!?」

 

「怪我ねえか!?」

 

騒ぎに気づいたのか、部屋の入り口には大勢の人が集まっていた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

何とか村雨さんも落ち着き、博士こと海堂先生にレントゲンを撮って貰った。

 

「そうか…記憶をね…。君の父と私は親友というか親友()()()というか…それで君とは何度も会ってるんだが、覚えてないかな」

 

「……」

 

村雨さんは何かを思い出そうと頭を抱えていた。

 

その表情は苛立ちと焦りが混じった様だった。

 

「大丈夫ですか」

 

「ああ…」

 

俺は村雨さんの背中を摩る。

 

「良いよ無理しなくても。君の名は【村雨良】…そこから始めようじゃないか」

 

博士が優しく問いかけると、後ろの横開きドアが開き、ルミちゃんが淹れたお茶が入った湯呑みをお盆に載せて持ってきてくれた。

 

「あの…お茶が…キャア!?

 

ルミちゃんは上半身裸の村雨さんを見て驚いた。

 

「キャアって何だよ。体調を看てやってただけさ、患者の裸なんて見慣れてるだろ」

 

「いや博士、ルミちゃんも年頃ですから若い村雨さんの半裸見たら動揺もしますよ」

 

「ああ…そういう事か。ここに来るのは大抵老人が多くてな」

 

「え、は、……ハイ」

 

ルミちゃんは赤くなった顔を俯きながら湯呑みを渡す。

 

「あっちい!?」

 

お茶が熱かったのか海堂博士は悲鳴を上げる。

 

「ちょっと〜〜〜〜これ熱いよルミ〜〜〜〜」

 

「ご、ごめんなさい!!」 

 

「アハハ…。あれ?もう村雨さん飲み終わったんですか?」

 

村雨さんが持つ湯呑みは既に空となっていた。

 

「え?……」

 

「熱く…なかったのかい?」

 

海堂博士とルミちゃんも何ともない村雨さんに困惑する。

 

「いや…」

 

素っ気無い返事に2人は言葉を失う。

 

「ルミ……淹れ直してくれないか」

 

「ハイ」

 

ルミちゃんは湯呑みを持って部屋を出る。

 

「さてと、君は…来太くんだったかな。君にも聞いて貰いたい」

 

「はい」

 

俺は空いた椅子に座る。

 

「さっき撮ったレントゲンなんだが……えーー何から話したら良いもんか。う〜〜〜〜ん…やめた。どーーにも私は隠し事が苦手だね」

 

長いこと悩んでいたが、決心をついた博士はレントゲンを見せる。

 

「簡単言おう、これが腕、これが足。そしてこれが…良くんの身体だ」

 

レントゲンに写った村雨の身体の中身は骨も関節も全てが人工物で、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「破損した骨を補強する為に金属のボルトを打ち込むってのはあるが…これはそんなレベルじゃあない。金属なのかプラスチックなのか分からんが身体の殆どが人工物…。臓器の影すら写っちゃいない」

 

知っていた俺でもあまりにも人がする事では無い行いに顔を歪めるも、村雨さん本人は顔色一つ変えていなかった。

 

「……あれ?思ったより驚かないんだね」

 

「分かってたさ。自分(おれ)の身体だ…。この身体で戦って……生き延びてきたんだ」

 

「村雨さん…」

 

すると海堂博士は部屋の端に置かれた本棚から一冊のアルバムを取り出し、一枚の写真を俺と村雨さんに見てた。

 

「これが8年前の君だよ。記憶も身体も失う前のな」

 

写真には村雨さんと海堂博士を含む9人が写っており、写真の中の村雨さんは会ってから一度も見た事のない笑顔で唯一写真に写っている若い女性の隣に居た。

 

「この女は…!!」

 

「"村雨しずか"。君の姉だよ」

 

「姉……?村雨…しずか…」

 

村雨さんは自分の姉の姿を見て驚愕する。

 

「覚えていないかい…となると捜索のしようが無いな…」

 

海堂博士は流石に困り果てた。

 

「さっき君の親父さんとは親友()()()と言ったね。つまり…そう、君ら2人は早くに両親を失っている。それだけに姉弟の絆は深い、2人をよく見たまえ、そういう表情(かお)だろ」

 

表情(かお)か……」

 

「え?」

 

村雨さんは笑ってみようとしたのか口角をピクっと上げてみたが、上手く出来なかった。

 

「俺は昔…そんな表情(かお)が出来たのか…」

 

村雨さんの哀しい言葉に、俺と海堂博士は何も言えなかった。




次回、村雨の記憶を取り戻す手掛かりを掴む為に海堂博士と謎のキューブを調べるも、そこにバダンの刺客・ヤマアラシロイド襲来!そしてあの男も…!?

乞うご期待!!
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