仮面ライダーSPIRITS feat.ZERO ONE 作:けーやん
本編も週一ペースで投稿中ですので、一緒に読んで頂けると幸いです。
【モスクワ】
新宿で突如出現した魔法陣と同じ物が世界各国でも現れ、人々を吸い込もうとしていた。
その1つであるモスクワでは、2人の男が魔法陣を見上げる。
「この
「スゴい風だな……。何処までも高く飛べそうだ」
【沖一也】が魔法陣を睨み付けている隣で、【筑波洋】が笑みを浮かべながら見上げる。
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【パリ】
魔法陣によって崩壊し始めているパリの街並みを2人の男がバイクで駆け抜ける。
「遅れるなよ、敬介……」
「おお、先輩もな」
バイクの男の1人【風見士郎】の問い掛けにもう1人の男【神敬介】が頷く。
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【シドニー】
「ああ……」
「こわいよぉ」
シドニーの街では、幼い兄妹が魔法陣に吸い込まれそうになっていた。
その時、2人の子どもの手を1人の男が掴み、地上へ下ろす。
「ガウウウ!」
男は兄妹の前に立ち、民族衣装の様な服装を身に纏い獣の様に呻きながら魔法陣を睨み付けてる。
「吠えるな、吠えるなってね」
「ガル?」
後ろからデニムジャケットとジーンズに、大きく『S』と描かれたTシャツを着た男【城茂】が獣の様な男【アマゾン】を落ち着かせる様に言う。
「しのごの言う前にぶっちめてやろうぜ、なあ!」
茂はアマゾンの隣に立ち、両手に電気を走らせながら魔法陣を見上げる。
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【ロサンゼルス】
「早くビルの中へ!」
「クッソォ、どうしたら良いんだ!!」
レスキュー隊が嘆きながら市民をビルへ誘導する。
「軍を失った
レスキュー隊の2人が魔法陣を睨み付けてながら無力感に襲われている中、1つのビルの屋上に2人の男が立っていた。
「行こうぜ、本郷」
「ああ、一文字」
帽子を被った男【一文字隼人】の問い掛けに【本郷猛】が応える。
そして、ほぼ同時に本郷たち8人の男たちが構え、そして叫ぶ。
「「「変身!!」」」
8人の仮面ライダーが姿を現し、魔法陣を食い止めるべく動き始める。
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【新宿】
「ウオオオオ!」
「掴まって!」
「は、はい!」
「助けてくれ!」
「はぁ、はぁ、はぁ」
しかし、ZXである村雨さんは力を過剰に使用した反動で疲弊し、全身を包み込む赤い光が徐々に消えかけていた。
「村雨さん!」
俺は村雨さんに駆け寄る。
「大丈夫ですか」
「ぐ、ああ……」
返事をするも既に村雨さんが限界であった。
「クソ、魔法陣を止めないと間に合わない!」
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「もっとだ!!もっと寄せろ!!」
「ムリですよ!これ以上近づくとこっちまで……」
「人が呑み込まれたんだぞ!ビビってんじゃねえ!!」
怯むヘリコプターの操縦士に滝和也が叫ぶ。
「滝……一体何をするつもりで……」
アンリは滝の行動に困惑する。
『いや……それで良い!!』
通信機越しに結城丈二が叫ぶ。
「結城……」
『沖一也の話によれば、シャトルを呑み込んだ円形のホールは空間をこじ開ける事で【場】を造っている。恐らくそれを維持しているのは円形状の光だ……』
過去のデータを照らし合わせ、結城は滝たちに解説する。
『渦の中ではなく、外の光に衝撃を与えれば……』
「しかし、あんな大きな物どうやって!今はそれだけの装備が……」
現状の武装では到底困難である事にアンリは結城に訴える。
その時、
「装備があるからやるんじゃねえだろ」
後ろでは滝がグレネードランチャーを構え、発射する準備をしていた。
「ありったけで行こうぜ。考えるのはその後だ!」
滝の言葉に、アンリも覚悟を決める。
「オラァ!1人も渡さしゃしねえ!!」
滝が発射したグレネード弾は魔法陣へ向かって飛び、外側の光に着弾する。
すると魔法陣の中央の渦が消えて動きを停める。
「へっ、意外と脆いじゃねえか!通りで空軍から叩く訳だ!!」
魔法陣が止まるのを見て滝が笑いながら叫ぶ。
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「アレは……」
ヘリコプターのドアから放たれたグレネード弾らしきものが魔法陣に着弾したのを目視する。
すると魔法陣の中央の渦が消え、活動を停止した。
「怯んだ!」
停まった魔法陣を見て村雨さんが叫ぶ。
「行きましょう!」
俺は村雨さんに言い、魔法陣へ向かって飛翔する。
「ああ!」
村雨さんもジェット噴射で飛翔し、魔法陣へ接近する。
俺は【オーソライザー】に【ライジングホッパープログライズキー】を4回
『ビットライズ!』
『バイトライズ!』
『キロライズ!』
『メガライズ!』
そして【シャイニングホッパープログライズキー】を押し込み、必殺技を発動させる。
『シャイニングメガインパクト!』
「「ハアアアアアッ!!」」
俺と村雨さんのダブルライダーキックが魔法陣に直撃する。
グ メ
ン ガ
ニ イ
イ ン
ャ パ
シ ク
ト
魔法陣はダブルライダーキックの影響で眩い光を放ち、空中から姿を消した。
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「っち」
ゼロワンとの戦闘で負傷した左腕を支えながら、三影は光る魔法陣を見上げるとその場から立ち去ろうとする。
その時、
「あ……アンタ。バダンの人だろ」
突然の声に振り向くと、鼻に横線の傷跡のある少年、秀が立っていた。
「俺……ジュクの秀……いや、小島秀紀ってんだ。この街じゃクズみたいな人間だけどさ……。でもよぉ……俺だってバダンに強くして貰えればアンタらみたいに……!なあ、頼むよ……俺も……」
秀は悪の力に魅入られ、自らバダンに加わろうとしていた。
そんな秀を、三影は見つめる。
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海上では巨大な岩の要塞が浮遊しており、口らしき所から呻き声を響かせて海中へ沈んで行く。
「ゴフッ」
要塞の中に椅子に座る暗闇大使が吐血し、口元から血が滴り落ちる。
「そ……そんな!これ程の影響が逆流するなんて……」
「あーー……あーーーあーーーあーーー」
ターバーンを頭に巻いた老人が呻きながら涙を流す。
「それだけ……アンタが……サザンクロスが……まだ不完全だったなんてよぉ……」
頭にゴーグルを付けたライダースの男が暗黒大使の現状に嘆く。
「ああ……血が……こんなに……」
女が暗黒大使に近付き、滴り落ちる血を泣きながら舐める。
「許さないねぇ」
「ああ……ZX。そして仮面ライダー……」
3人が怒り狂うのを他所に、暗黒大使は何かを見据える様に黙っていた。
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「結城さん。貴方の言った通りになりましたね」
とある施設では、何人もの科学者たちが世界中の魔法陣データを分析していた。
その中で白い服を身に纏う1人の男が自身の隣に立つ結城丈二に話し掛ける。
「突発的にも関わらず彼らは間に合った……。そして救ってくれた、世界の危機を」
目の前モニターに映し出された映像には、魔法陣を食い止める仮面ライダーたちの姿があった。
「当然です。……いや、それに」
結城は白い男に振り向きながら言う。
「まだ始まったばかりだ」
結城の言葉に白い男はクスリと笑う。
「そうでしたね……。一刻も早く、貴方たちと共に……我々の出来る事を」
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【新宿】
「イタタタ」
「博士、湿布や包帯を持ってきました」
街中では海堂とルミが怪我人の治療を行なっていた。
「……ルミ」
「……はい」
海堂は覚悟を決めた表情でルミに話し掛ける。
「私は……嘘が苦手でね……。お前が見たあの男、あの赤い怪人は……良くんだ」
海堂の残酷な言葉に、ルミの表情は緊張に染まる。
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「村雨さん!」
「……」
変身を解除し、ボロボロの身体を何とか動かしていた村雨さんを見つける。
「海堂博士の所に戻らないんですか?」
「……ああ」
村雨さんはそう言って俺の横を通り過ぎろうとした。
「待って下さい」
俺は村雨さんの手を掴む。
「行く場所があるなら、俺が送ります。その身体じゃ遠くまで行くにはキツイでしょ?」
そう言って俺は【ライズホッパー】を実体化させ、跨ると1つのヘルメットを村雨さんに渡す。
「乗って下さい。言っておきますけど、結構世話焼きなんですよ。俺」
「……分かった」
観念した村雨さんはヘルメットを被り、俺の後ろに跨る。
「行きますよ」
「ああ……」
そう言って、俺は村雨さんが行きたい場所へバイクを走らせる。
仮面ライダー、世界の危機を救う。
世界中で発生した魔法陣を食い止めるべく、各自動き出した仮面ライダーたち。無事に魔法陣と消滅させる事に成功するが、それはまだ世界滅亡の序章に過ぎなかった……。