憧れのVtuberは未来の自分だったようで ~技術派Vtuberは未知の体験を生み出したい~   作:Atlantis

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前回のあらすじ
憧れのVtuberメアリーが久しぶりに動画投稿して喜んだ主人公萩之。ところが、メアリーは自分が未来の萩之であることを告げたのだった。


Vtuber 4月2週

 

 

 何だろう、色々とおかしい所がある。怖い、本当に怖い。これから、自分の何かが変わってしまうのではないか。……でも、悪い変化ではなさそう。確かに怖いけど、彼女は自分のあこがれの人であり伝説の人でもある。もしかしたら、自分にいい変化をもたらしてくれるのかもしれない。

 

「また、会えるかな?」

 

 俺は動画サイトを開き、メアリーの動画がないか探す。もしかしたら、再び会話することが出来るかもしれない……あった。この動画だ。

 

「ファイルを送ったよ♪」

 

 動画を開いた瞬間に、メアリーが事後連絡をしてきた。……挨拶することもなく、衝撃的なことを伝えてくるなんて。清楚なイメージだったメアリーが、ロックなイメージに変わってきた。

 

「あ、ごめんね。挨拶を忘れていたよ。……こんにちは。あなただけのメアリ―だよ♪」

 

 最初の時と、あいさつが微妙に違うし! ってか問題はそこじゃない。ファイルって何? どうやって送ってきたの? 何の為にそんなことをしたの?

 

「ファイルは安全だよ。安心してね」

 

 ……安心できる要素がどこにもない。まず、メアリーの存在自体が怪しいし。

 

 でも、俺はファイルを覗かずにはいられなかった。もしこれがウイルスだったのなら、犯人に拍手をしてあげなければならない。特定の個人だけが見ることの出来る動画に、こちらの心を読み取って会話してくる配信者。一体どんな技術が使われているのだろうか。その技術に対する興味が尽きない。最初は恐怖だった感情が、少しずつ興奮へと変わっている。

 

 好奇心の赴くまま送られてきたメールをチェックし、そこにたくさんのリンクが添付されているのを確認した。

 

「それらは君がこちらの世界に行くために必要な物。気に入ってくれると嬉しいな」

 

 一番上のリンクをクリックすると、リアルとアニメが合体したかのような青髪サラサラの女の子が現れた。彼女は十二単のようにカラフルな浴衣を着ていて、頭に風鈴に似た飾りをつけている。とても涼しげな雰囲気の女の子だ。

 

「彼女は夜風リンちゃんって言うんだ。大切にしてあげてね」

 

 これって、もしかしてVtuberのモデルなんじゃ? 凄い、クオリティーが半端ないっ! ……でも、メアリーはどうしてこんなものを送って来たのだろうか。

 

 

「……突然だけど、自由に自分の好きなことが出来るって、幸せなことだと思わない?」

 

 ええっ、メアリー突然の話題転換っ! どうして急にそういう話になっちゃうの。何が幸せで、何が幸せじゃないかなんて、深く考えたことないよ。

 

「やっぱり、この頃の私はまだ純粋だったんだ。でも、これから気にせざるを得なくなってしまうんだ。……私は、未来に起きることを知っている」

 

 未来に、起きること。……この流れで行くと、きっと良くない事なのだろう。それが、Vtuberのモデルを送ってきたことと関係があるかもしれない。覚悟して聞かないと。

 

「もうすぐ、自分の好きなことが出来なくなっちゃうかもしれないの」

 

 好きなことが出来なくなる? 一体どういう事だろう。

 

「ちょうどこの時期に、世界の中で、この国の評価が落ちてきてね。どうにかしてこの国を世界に誇れる国にしようとする人たちがいるの」

 

 へぇ、そんな人たちがいるんだ。

 

「その人たちは多くの国に自分の国を認めさせるため、誰からも嫌われない、世界に誇れる文化を強くして、逆に国々で好き嫌いの分かれる文化を廃れさせようとしているの」

 

 ……なんだか、雲行きが怪しくなってきた。

 

「最悪なことに、二次元のイラストに慣れていない国が結構多くてね。このままだと、イラストを利用した多くのサブカルが廃れさせられることになっちゃうんだ」

 

 え? どういうことだよ。漫画やアニメがなくなっちゃうなんて、そんなの冗談だろ? ……あ、でも、誰にも話さないで自分の部屋でこっそりと楽しめばいいんだ。漫画やアニメだって、今あるものを保存しておけば自分の部屋で楽しむことが出来るな。

 

「……たとえ他人と会わないようにしたところで、キミには両親がいる。他人の目を気にした両親によって、漫画やアニメのディスクも捨てられちゃうに違いない」

 

 ……どうしてそんな未来のことが言いきれるんだ? 証拠でもあるのか?

 

「う~ん、今は4月8日の夜6時だね。それじゃ、今からテレビの10チャンネルを見てみて。面白いものがみられるよ」

 

 メアリーの奴、やけにご機嫌だな。……いいだろう、テレビをつけることにするか。エイっと。

 

 

「本日のニュースです。昨日、仮想空間で他人との交流を行うことが出来る仮想施設『VRルーム』がオープンしました。この空間を利用することで……」

 

 凄い! 新しい技術によって、新しい施設が生み出されたのか。とても素晴らしい事じゃないか! ……あれ? メアリーはこの出来事を知っていた? それじゃ、彼女は未来を知っている?

 

 ……つまり、彼女の発言の信憑性が高いってことじゃないか。

 

 

「それじゃ、俺はどうなるんだよ! 漫画やアニメ、ゲームなどを楽しみにして生きているんだ。俺からそれらを取ってしまったら、どうやって気晴らしをすればいいんだよ!」

 

 思わず声を上げてしまった。もし彼女の言っていることが本当なら、絶望しかないじゃないか。何か、回避する方法はないのか。

 

「……Vtuberになるんだよ。キミがVtuberになれば、頑張った分だけ未来が良くなる」

 

 俺がVtuberに? どうしてそれで未来が変わるんだ?

 

 色々と困惑を感じた俺だったが、メアリーに聞いても曖昧な答えしか出してくれない。……でも、メアリーが言っていることは嘘には思えない。メアリーは未来を知っている。そして、その上で俺をVtuberにしようとしている。何かつながりがある、のかもしれない

 

 




本日6時11分に第3話を投稿します。初の配信回です
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